DOGS南北アメリカ

種類 ショートEX
担当 ゆうきつかさ
芸能 2Lv以上
獣人 2Lv以上
難度 難しい
報酬 3.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 01/20〜01/24

●本文

<募集内容>
 デスマッチの出来るレスラーを募集しています。

<参加資格>
 試合に参加する事の出来るのは男性選手のみ。
 セコンドのみ女性も可。

<詳しい内容>
 正統派プロレスではなく、ショープロレスです。
 試合の勝敗は実力ではなく、その場のノリで決まります。
 基本的にはベビーフェイス(正義)とヒール(悪)の戦いになるため、自分がどちらのチームに所属するかを選んだ上で、シナリオに参加してください。
 試合は全部で4試合。
 対戦相手を選んだ上で一試合だけ参加してください。
 複数の試合に参加した場合は、こちらで適当に割り振られてしまうため、望むような試合は出来なくなります。
 また、あまりにも危険であると判断された場合は、オーナーのワイズマン・ウォルター・エルマン(通称:WWE)から試合の中止を宣言されます。
 今回の参加状況によってシリーズシナリオになるかも知れません。

<選択可能な試合一覧>
・チェーンデスマッチ
 両選手の片手にチェーンを繋ぎ、試合を行う形式です。
 チェーンは長めのものを使用しているため、武器として使用する事も出来ます。
・ケージデスマッチ
 リングの四方を金網で囲み、逃げ場をなくして行う試合を行う形式です。
 相手をKOすればケージから出れます。
・有刺鉄線デスマッチ
 ロープの代わりに有刺鉄線を張ったリングで行う試合を行う形式です。
 追加オプションで爆破や電流なども選べます。
・ガチンコマッチ
 ストーリー重視の試合になります。
 筋書きなどを決めた上で、魅せるプロレスを心掛けておきましょう。

<テンプレート>
所属:
試合形式:
対戦相手:
登場シーン:
登場時の台詞:
コスチューム:
アピールポイント:
得意技:
苦手技:
決め台詞:

<説明>
所属:ベビーフェイス側(正義)かヒール側(悪)のどちらを選んでください。
試合形式:チェーンデスマッチ、ケージデスマッチ、有刺鉄線デスマッチ、ガチンコマッチのうち、どれかひとつを選んでください。
対戦相手:対戦相手の名前とPCIDを記入してください。
登場シーン:登場の仕方を教えてください。
登場時の台詞:キャラクターの口調でお願いします。
コスチューム:コスチュームの説明をお願いします。
アピールポイント:一番アピールしたいポイントは?
得意技:得意な技を教えてください。
苦手技:苦手な技を教えてください。
決め台詞:勝利した場合の決め台詞。

●今回の参加者

 fa0361 白鳥沢 優雅(18歳・♂・小鳥)
 fa0750 鬼王丸・征國(34歳・♂・亀)
 fa0757 グリード(24歳・♂・熊)
 fa0867 朝守 黎夜(22歳・♂・獅子)
 fa2074 ハンマー・金剛(18歳・♂・獅子)
 fa2572 キング・バッファロー(40歳・♂・牛)
 fa2732 イヴァン・アレイニコフ(28歳・♂・狼)
 fa2763 アルティマ(28歳・♂・竜)

●リプレイ本文

●第1試合 『チェーンデスマッチ 鬼王丸・征國VSグリード』
「ひとーつ、人の生き血を啜り。‥‥まぁ退治してくれよう、強欲怪人っ!」
 日本で流行っている時代劇のOPテーマに合わせ、MR・ブシドーこと鬼王丸・征國(fa0750)が日本の武道着を着て現れる。
『オー、スキヤキ、ゲイシャ、ハラキリー!!!!』
 MR・ブシドーの売り文句がシャパンから来たサムライと言う事もあり、日本好きの観客達が手書きの横断幕を広げて知っている日本語を叫ぶ。
 何故か横断幕には『焼き肉サイコー!!』と書かれており、間違った言葉を日本人から教わっていた事がよく分かる。
「‥‥たくっ! やぁっと出たと思ったら、定番デスマッチばっかじゃねェか。‥‥これじゃあ、ガチンコだって言い張った所で信用が得られるか分からねェぜ? ま、俺様がリングに立てば嫌でも熱狂するから問題は無いだろうがな!」
 柑橘系の飲み物が入ったビールの瓶をラッパ飲みしながら、グリード(fa0757)が熊の覆面を被りガラの悪い態度で花道を歩く。
「それじゃ、ふたりとも位置について!」
 テカテカの頭を自慢するようにしてリングに上がり、レフリーがチェーンを持ってグリード達の名前を呼ぶ。
「いちいち面倒臭ぇなぁ。そんなに大声を出さなくても分かっているよ。ほら、これでいいんだろ?」
 ビール瓶を左手で持って後ろに隠し、グリードが右手を突き出した。
「そっちに持っているものは凶器だな。‥‥渡してもらおうか」
 クールな表情を浮かべながら、レフリーがビール瓶を奪おうとする。
「おっと‥‥、そうはさせねぇぜ! リングに立っているヤツはすべて敵だっ! 誰の指図も受けねえよっ!」
 すぐさまレフリーに蹴りを放ち、グリードがMR・ブシドーめがけてビール瓶を放り投げる。
「クッ‥‥、これは!?」
 身体に当たった瞬間、ビール瓶が木っ端微塵に砕け散ったため、MR・ブシドーがハッとした表情を浮かべてグリードを睨む。
「ははっ、驚いたか。単なる飴細工さ。坊やはこういうのが大好きだろ?」
 MR・ブシドーを小馬鹿にしながら、グリードがゲラゲラと笑う。
「言ってくれるじゃないか、若造が‥‥」
 グリードを見つめてニヤリと笑い、MR・ブシドーがゆっくりとチェーンを手繰り寄せていく。
「おっと! これに近づくと、痛い目みるぜ!」
 警告まじりに呟きながら、グリードが毒霧を吹きかけた。
「ぶはっ‥‥! なんだ、これは!?」
 毒霧で視界が奪われてしまったため、MR・ブシドーが慌てた様子で顔を拭う。
「いわゆる毒霧攻撃ってヤツさ。この手の試合じゃ、定番だろ?」
 勝ち誇った様子でニヤリと笑い、グリードがMR・ブシドーの鳩尾に一発パンチを入れる。
「ひ、卑怯なヤツめ‥‥」
 険しい表情を浮かべながら、MR・ブシドーがジロリと睨む。
「当ったりめぇだろ! 俺はヒールなんだぜ。別にママゴトをするため、リングに上がったわけじゃねぇ! 何でもアリのデスマッチで、俺に文句は言わせねえぜ!」
 右腕に繋がれたチェーンをグイッと引っ張り、グリードが徐々に間合いを詰めていく。
「‥‥なるほどな。だったらこちらも本気を出すか!」
 何度もグリードに技を仕掛け、MR・ブシドーがフォールを決めようとする。
「面白れぇ! やれるもんなら、やってみろっ!」
 MR・ブシドーの手を弾きながら、グリードが怪しくニヤリと笑う。
「この試合がチェーンデスマッチである事を忘れたのか‥‥? ガチンコマッチだったら、おぬしの圧勝だったかも知れないが、日本にはジュージュツというものがあってな。わしのようなものでも、おぬしに勝つ事が出来るのじゃ!」
 それと同時にMR・ブシドーが足払いを放ち、バランスが崩れたところで背後にまわり、右腕に繋がれた鎖をグリードの首に回わして締め付け、背中合わせになって背負い上げ、自分の身体を倒すようにして前に倒して、そのままグリードを頭から落とす。
「ぐあっ‥‥、畜生っ! あ、ありえねぇ! 俺が負けるなんて‥‥!」
 MR・ブシドーのフォールを決められ、グリードが納得のいかない様子でマットに拳を叩きつける。
「この屈辱‥‥、絶対に忘れないからなっ!」
 油断したいたせいもあるかも知れないが、負けてしまった事は事実のため、グリードが捨て台詞を残してリングを去った。
 恨めしそうにMR・ブシドーを睨みつけ‥‥。
『勝者:MR・ブシドー(ベビーフェイス) 決め技:反転式首締め背負い』

●第2試合 『ガチンコマッチ 白鳥沢 優雅VSアルティマ』
「ア〜イアムア、優雅〜!」
 両手を挙げて恍惚とした表情を浮かべ、白鳥沢 優雅(fa0361)が真っ白な歯を輝かせ、優雅なポーズを決めてながらリングの上に降り立った。
『‥‥(濃っ!)』
 唖然とする観客達。
 誰もがポカンと口を開けている。
(「ふふふっ‥‥、あまりにも僕が優雅だったから、声も出ないようだね。まぁ、それも仕方が無いか。ある意味、美しいってのは罪だよね」)
 鏡を見つめてウットリしながら、優雅が観客達の気持ちを理解した。
 本当は別の意味で沈黙が続いている事に気づかぬまま‥‥。
「‥‥おや? 僕の対戦相手が来たようだね♪」
 ヒラヒラの衣装の中から真っ赤な薔薇を取り出し、優雅がクスリと笑って服を脱ぐ。
 それと同時に優雅の身体にいくつものスポットライトが集中し、派手なムエタイパンツがキラキラと輝いた。
「I am ultimate fighter! さぁ‥‥、やんぞ、うらぁっ!!」
 雄たけびに合わせて派手な音楽が鳴り響き、アルティマ(fa2763)が助走をつけてロープを飛び越え、リングの上に降り立ち優雅を睨む。
「おまえが俺の対戦相手か。全然ヒールに見えねえな。まぁ、適当に料理してやっか!」
 面倒臭そうな表情を浮かべ、アルティマがニヤリと笑う。
 アルティマはフリーとして試合に参加したのだが、ルール的にベビーフェイスかヒールしか選べないため、仕方なくベビーフェイス(ワイズマンの独断)として試合に出る事になったらしい。
 ちなみにワイズマンは権力と金に物を言わせて色々な役職を掛け持っているため、妙なところから圧力を掛けられたりするようだ。
「よろしく♪ これはほんの挨拶代わりだよ☆」
 満面の笑みを浮かべながら、優雅が薔薇を投げ飛ばし、その隙に蹴りを放って着地する。
「てめぇ! やりやがったなっ!」
 優雅の投げた薔薇が頬を掠り、アルティマが雄たけびを上げて怒り狂う。
 DOGSでは凶器攻撃が禁止されていないため、どんな卑怯な技でも観客が盛り上がれば問題ない(注:ワイズマン基準とも言う)。
「一応、僕はヒールだからね♪ 色々と卑怯な手を使っておかなきゃ、ベビーフェイスと勘違いしちゃうだろ?」
 爽やかな笑みを浮かべながら、優雅がコーナーポストの上に立つ。
「‥‥たくっ! いちいち面倒クセェな! それに、なんで俺がベビーフェイスなんてやらなきゃならねえんだ! フリーだっていいじゃねえかっ!」
 納得のいかない様子で愚痴をこばし、アルティマがジロリと優雅を睨む。
「ははっ、僕を捕まえる事が出来るかな♪ さぁ、こっちだよっ♪」
 華麗にリングを舞いながら、優雅がアルティマを挑発する。
 いまにもイメージ映像が出そうなくらいにメルンチックな笑みを浮かべ‥‥。
「チョコマカと鬱陶しいんだよっ! とっ捕まえてブッ殺してやるっ!」
 助走をつけて優雅の顔面に狙いを定め、アルティマがジャンピングニーアタックを炸裂させた。
「ぼ、僕の美しい顔が‥‥!」
 ぶはっと鼻血を噴きながら、優雅がワナワナと拳を震わせる。
「ははっ、ざまーみろ! どんどん行くぜ! 食らいやがれ!!」
 優雅が怯んだ隙にハイキックを放ち、ロープにむかって放り投げ、パワースラムを仕掛けようとした。
「‥‥許さないよ、絶対にっ!!」
 ロープに振られた瞬間、キリリッとした表情を浮かべ、アルティマの頭を踏み台にして飛び上がり、背後に回って足払いを放つ。
「いい度胸をしているじゃねえか! かかってこいよっ!!」
 片膝をついたまま優雅を睨み、アルティマが立ち上がろうとした。
「‥‥忘れたのかい? ‥‥僕は美しいだけじゃないんだよ!」
 アルティマの片膝に飛び乗り、優雅が頭を狙って膝蹴りを放つ。
「ぐあっ!!」
 優雅の一撃を喰らって意識が吹っ飛び、アルティマがゴロリとマットに転がった。
「‥‥あれ? 勝った?」
 キョトンとした表情を浮かべ、優雅がようやく我に返る。
 アルティマは当たり所が悪かったのか、優雅にフォールを決められても目を覚まさない。
『勝者:白鳥沢 優雅(ヒール) 決め技:シャイニングウィザード』

●第3試合 『ケージデスマッチ マスクマン・レーヤVSキング・バッファロー』
「魅せて、やるぜぇ! 俺の実力をなっ!」
 重奏なクラシックの響く中、マスクマン・レーヤこと朝守 黎夜(fa0867)がリングにむかう。
 ‥‥観客達の歓声が心地よい。
「神様に会う用意はしたか?」
 会場に響き渡るカントリーソングと共に入場し、キング・バッファロー(fa2572)がテンガロンハットとポンチョをつけ、棺桶をズルズルと引きずりながらリングにあがる。
「‥‥確かめてみようじゃないか。どちらが死神に愛されているのか‥‥」
 含みのある笑みを浮かべながら、マスクマン・レーヤが天井から降りてきたケージを睨む。
 ケージが下りてしまったら、何処にも逃げ道はない。
 どちらか片方が倒れるまでは‥‥。
「‥‥面白い。試してみようじゃないか。自らの命を懸けてっ!」
 まるで野牛が突進する前のようにして片足で地面を蹴り、会場にゴングの音が響き渡ったのと同時に、キング・バッファローがスライディング・レッグシザースを仕掛けてマスクマン・レーヤをマットの上に転がした。
「や、やるじゃないか! だが、そんなに早くから手の内を見せても大丈夫かな?」
 キング・バッファローを睨みつけ、マスクマン・レーヤが指の関節をポキポキと鳴らす。
「おまえが心配する必要はない。俺が全ての技を仕掛ける前に、おまえが倒れてしまうからな」
 自信に満ちた表情を浮かべ、キング・バッファローがジャンピング・レッグブリーカーを仕掛けていく。
「おっと‥‥、危ない。今度はこっちの番だっ!」
マットの上を転がるキング・バッファローの攻撃を避け、マスクマン・レーヤが金網を攀じ登り飛び降りるようにして蹴りを放つ。
「させるかっ!!」
 すぐさまマスクマン・レーヤの足をムンズと掴み、キング・バッファローが回る回数を叫びながら、ジャイアント・スウィングを放って雄たけびを上げる。
「クッ‥‥、いまのは効いたぞ。さすが本職は違うな」
 ケージにめり込み血反吐を吐き、マスクマン・レーヤが血を拭う。
 キング・バッファローはまったく獣化していないのだが、基本キャパシティが高いため、マスクマン・レーヤに対して力の差を見せつけている。
「驚くのは、まだ早いっ! どんどん行くぞ! 覚悟はいいなっ!」
 マスクマン・レーヤをロープに振って、キング・バッファローが反対側のロープに飛び、勢いをつけてミノタウロス・ハンマーを炸裂させた。
「ぐあっ‥‥、やるな!」
 続けざまにキング・バッファローの技を喰らい、マスクマン・レーヤが険しい表情を浮かべてニヤリと笑う。
「休んでいる暇はないぞ! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
 マスクマン・レーヤにトドメをさすため、キング・バッファローが雄たけびを上げて突進する。
「油断したなっ! 喰らえええええええええええええええええええええ!」
 強引にキング・バッファローを抱え込み、マスクマン・レーヤがブレーンバスターを仕掛けた。
「ぐあああああああああああああああああああああああああっ!」
 しかし、キング・バッファローとの体格差があったため、技が決まったのと同時にマスクマン・レーヤの身体にも激痛が走る。
「無理をし過ぎたようだな。獣化していれば防げたものを‥‥。いくぞ、トドメだっ!」
 勢いをつけてフライング・ボディアタックを仕掛け、キング・バッファローがマスクマン・レーヤの動きを封じ、そのままフォールを決めて勝利した。
「野牛の角の味を知ったか! うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
 自らの勝利を誇示しながら、キング・バッファローが雄たけびをあげる。
 観客達の歓声に包まれて‥‥。
『勝者:キング・バッファロー(ヒール) 決め技:フライング・ボディアタック』

●第4試合 『有刺鉄線マッチ ハンマー・金剛VS????』
「よっしゃ、行くぞー!」
 激しく雄たけびを上げながら、ハンマー・金剛(fa2074)がリングにあがる。
 今回の試合はハンマー・金剛の希望などもあり、有刺鉄線バリケードマット地雷爆破デスマッチに変更された。
「えーっと、俺の対戦相手は何処だ? そろそろ試合の時間だが‥‥」
 巨大モニターに映された時間を確認しながら、ハンマー・金剛が険しい表情を浮かべて溜息をつく。
 ‥‥何時になっても対戦相手が現れない。
「‥‥‥‥遅刻か。それじゃ、この試合は無効だな」
 残念そうな表情を浮かべ、ハンマー・金剛がリングを去ろうとした。
 対戦相手がいない以上、ここにいても無意味である。
「HAHAHAHAHAHAHAHAHA! チョット待ったナノネ〜!」
 次の瞬間、ド派手な音楽と共に、能天気な声が辺りに響く。
「だ、誰だっ!? この胡散臭い笑い声はっ!?」
 鬱陶しそうに辺りを睨み、ハンマー・金剛が笑い声の主を探す。
 会場にいた観客達も訳が分からず辺りを睨む。
「HAHAHAHAHAHAHAHAHA! ミーは謎のマスクマンYO〜!」
 スポットライトに照らされながら、謎のマスクマンが颯爽とリングに降り立った。
「‥‥ワイズマンだろ? 何処か頭でも打ったのか?」
 引きつった笑みを浮かべ、ハンマー・金剛がボソリと呟いた。
「た、た、た、他人の空似ネ! ミーは謎のマスクマンござる!」
 気まずい様子で視線を逸らし、謎のマスクマンが口笛を吹く。
 絶対にバレない自信でもあったのか、心臓がバクバクと鳴っている。
「ほらよっ! これで言い訳だろ? あんまり迷惑かけるなよ」
 呆れた様子でマスクを剥ぎ取り、ハンマー・金剛が溜息をついてジト目で睨む。
「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOッ!」
 青ざめた表情を浮かべながら、ワイズマンが頭を押さえて悲鳴をあげる。
「悪いが馬鹿の相手をしている暇はない。戦うつもりがないのなら帰ってくれ!」
 ワイズマンのマスクを放り投げ、ハンマー・金剛が再びリングを去ろうとした。
「許しませんYO! 謎のマスクメンにとって覆面こそがアイデンティティ! そのアイデンティティを失ったトォォォォォォォォキィィィィィィィィィ! ミーはケモノになるのデェーーーーーーーーーーース!」
 こめかみをピクピクとさせながら、ワイズマンがアメリカンパンツ一丁になる。
「‥‥‥‥帰れ! たくっ‥‥、せっかくのショーが台無しだ」
 相手にしている暇がないため、ハンマー・金剛が不満げに愚痴をこぼす。
「そうはイキマセェーン! このまま試合が無効になったら、観客達に袋叩きをされマァース!」
 両手を広げて道を塞ぎ、ワイズマンが大袈裟に首を振る。
「その前に俺が袋叩きにしてやらぁ!!」
 それと同時にハンマー・金剛が自分の肩にワイズマンの身体を仰向けに乗せ、カナディアン式バックブリーカーを炸裂させた。
「なかなかやりますNE! ちょっとビックリしましたYO〜!」
 ケロッとした表情を浮かべ、ワイズマンが爽やかに笑う。
 確実に技が決まったはずなのに、ワイズマンには効いていない。
 まるで何か仕掛けがあるように‥‥。
「ば、馬鹿な!? そんな事など有り得ないっ!」
 唖然とした表情を浮かべ、ハンマー・金剛がダラリと汗を流す。
 なかなか納得する事が出来ないのか、体中が汗でビッショリだ。
「ミーは舐めたら、しょっぱいですYO! HAHAHAHAHAHAHAHAHA!」
 アメリカンジョーク(らしきもの)を飛ばしながら、ワイズマンが意味もなく笑ってハンマー・金剛の神経を逆撫でさせる。
「ば、馬鹿にしやがって!」
 すぐさまワイズマンを有刺鉄線にむかって投げ飛ばし、ハンマー・金剛が助走をつけて蹴りを放つ。
「ぐあっ!」
 着地したのと同時に地雷を踏み、ハンマー・金剛が激痛のあまり悲鳴をあげる。
 試合用に威力は低くしてあるが、それでもしばらく動けない。
「このままネタに走るのも悪くありませんが、ユーの今後に期待して本気が行かせて戴きマァース!」
 次の瞬間、ワイズマンがキーンハンマーの体勢に持ち込み、ハンマー・金剛を頭からマットに叩きつける。
 ‥‥途端に響く爆発音。
「ぐあああああああああああああああああああああああああっ!」
 倒れた拍子に地雷が連鎖反応を起こして爆発し、ハンマー・金剛が血塗れのままリングに転がった。
「お疲れ様デェース! いい汗、掻きましたYO!」
 フォールを決めて勝利した後、ワイズマンが気絶したハンマー・金剛を抱き起こす。
 胡散臭いほど爽やかな笑みを浮かべながら‥‥。
『勝者:WWE(ヒール?) 決め技:キーンハンマー』

 こうしてDOGSは幕を閉じ、正式化にむけて動き出す事になるのであった。