フライデー南北アメリカ

種類 ショート
担当 ゆうきつかさ
芸能 2Lv以上
獣人 2Lv以上
難度 難しい
報酬 3.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 02/24〜02/28

●本文

<募集内容>
 B級コミカルホラーの制作協力。

<応募資格>
 やる気のある方なら、誰でも応募する事が出来ます。
 年齢制限などはありません。

<ドラマの内容>
 基本的にはホラードラマの皮を被ったコミカルドラマです。
 主人公の名前はフライデー。
 フライデーは不慮の事故により、志半ばで命を落とした殺人鬼。
 成仏するためには、誰かを殺さなくてはならない。
 しかし、生まれついての(既に死んでいるのだが)不幸を呼び込む体質が影響し、いつも獲物を取り逃がしてしまう。
 一応、不死身の殺人鬼だが、失敗続きのため生傷(生傷という表現が正しいかどうかは別として)が絶えない。
 今回の舞台は湖の畔にあるペンション。
 ホラードラマでお約束の展開。

<募集している役柄>
・フライデー
 ガスマスクにチェーンソーを装備した不死身の殺人鬼。
 素顔は円らな瞳が特徴の美少年(ある意味、眼鏡を外したら、美少女と同じパターン)。
 どんなに頑張っても殺人が成功する事はなく、必ず失敗してしまう。

・被害者
 ペンションに宿泊している客で、フライデーに襲われてしまう。
 場合によってはフライデーに襲われた事すら気づかない。

●今回の参加者

 fa0361 白鳥沢 優雅(18歳・♂・小鳥)
 fa0565 森守可憐(20歳・♀・一角獣)
 fa0867 朝守 黎夜(22歳・♂・獅子)
 fa1126 MIDOH(21歳・♀・小鳥)
 fa1534 水野 ゆうこ(23歳・♀・ハムスター)
 fa1689 白井 木槿(18歳・♀・狸)
 fa2748 醍醐・千太郎(30歳・♂・熊)
 fa2964 黒崎・幸次郎(28歳・♂・鷹)

●リプレイ本文

●キャスト
フライデー役:白鳥沢 優雅(fa0361)
黒崎・幸次郎役:黒崎・幸次郎(fa2964)
醍醐・千太郎役:醍醐・千太郎(fa2748)
ミミィ役:MIDOH(fa1126)
森守可憐:森守可憐(fa0565)
田嶋芽衣役:白井 木槿(fa1689)
タカミザワ(高見沢)役:朝守 黎夜(fa0867)
水野 ゆうこ役:水野 ゆうこ(fa1534)

●シーン1
「フラ〜イデ〜‥‥」
 恨めしそうな声をあげ、フライデーが湖の中から現れた。
「なんだ、ありゃ? こんな所に変質者か?」
 キョトンとした表情を浮かべながら、黒崎・幸次郎がダラリと汗を流す。
 幸次郎はプロレス団体の合宿先を下見に来ており、ランニングの道順を下調べしている途中でフライデーと遭遇してしまったらしい。
「フラ〜イデ〜‥‥」
 チェーンソーを引きずるようにして持ち上げ、フライデーがフラフラとしながら幸次郎を襲う。
 しかし、うまく狙いが定まらず、幸次郎には当たらない。
「まったく、うちのスポンサーも趣味が悪い‥‥。てっきり変質者かと思ったぞ」
 団体のスポンサーがジョークで送り込んだマスクマンだと思い込み、幸次郎が納得した様子でフライデーにミドルキックをお見舞いした。
「フラ〜イデ〜‥‥」
 幸次郎の一撃がモロにヒットし、フライデーがバランスを崩す。
 その隙に幸次郎がフランケンシュタイナーを仕掛け、フライデーを湖めがけて放り込む。
「帰ったらスポンサーに伝えてくれ。合宿本番は、もっと気の利いたレクリエーションを期待しているよ、と」
 爽やかな笑みを浮かべながら、幸次郎がランニングを再開する。
 最後までフライデーが殺人鬼である事に気づかぬまま‥‥。

●シーン2
「幸次郎のヤツ‥‥、遅いな」
 心配した様子で時計を見つめ、醍醐・千太郎が溜息をつく。
 幸次郎が帰ってくるのを待ちながら、机に向かって合宿の日程を考えていたのだが、なかなか彼が帰ってこない。
「‥‥まさか途中で何か遭ったのか」
 嫌な予感が脳裏を過ぎり、醍醐がダラリと汗を流す。
 醍醐の背後には、斧を振り上げたフライデー。
 もちろん、醍醐は気づいていない。
「あっ‥‥、消しゴムが‥‥」
 ハッとした表情を浮かべ、醍醐が消しゴムを拾う。
 それと同時にフライデーが斧を振り下ろし、醍醐の机を真っ二つに叩き割る。
「‥‥早かったな」
 机が割れた事など全く気にせず、醍醐がフライデーを幸次郎と勘違いしたまま、再び日程作りに没頭した。
「フラ〜イデ〜‥‥」
 恨めしそうな声をあげ、フライデーが斧を振り上げる。
「コーヒー、コーヒー」
 慌てた様子で立ち上がり、千太郎がフライデーに頭突きを喰らわせた。
「だ、大丈夫か? と、とりあえず救急箱だな、こりゃ‥‥」
 天井に頭が突き刺さったフライデーを見つめ、千太郎が気まずい様子で救急箱を取りにいく。
 最後までフライデーが幸次郎であると思い込み‥‥。

●シーン3
「ハアハア‥‥、ここまで来れば大丈夫‥‥かな?」
 荒く息を吐きながら、ミミィが自分の部屋に鍵を掛けた。
 ミミィはヘビメタバンド『Graveyard(訳:墓場)』のヴォーカルで、バンドの売り上げを持ち逃げして、借金取りとバンド仲間から追われている。
「フラ〜イデ〜‥‥」
 頭からドクドクと血を流し、フライデーが扉を叩く。
「だ、誰だっ!?」
 青ざめた表情を浮かべながら、ミミィが鍵穴から外を覗き込む。
 そこにいるのはガスマスクを被った怪しい男。
「ひいぃぃぃ、もう来たぁのぉ?」
 フライデーをバント仲間だと思い込み、ミミィが扉の前に家具を置こうとした。
 しかし、フライデーはハンマーを振り回して扉を壊し、唸り声を上げながら部屋の中に入ってくる。
「うわあっ!? 死んでるぅうう」
 フライデーめがけてギターを何度も振り下ろし、ミミィが悲鳴を上げてペンションの外まで逃げていく。
「フラ〜イデ〜‥‥」
 ギターが頭に突き刺さったまま立ち上がり、フライデーがフラフラと身体を揺らしてペンションの外に出る。
「な、なんで生きているんだよおおおおおお!」
 駐車してあったボロ車に飛び乗り、ミミィが悲鳴を上げてフライデーを轢き殺す。
「あ、あんたが悪いんだぞ! 馬鹿ぁ〜」
 大粒の涙を浮かべながら、ミミィがボストンバックを抱えて逃げていく。
 最後までフライデーをバンドのメンバーだと思い込み‥‥。

●シーン4
「‥‥さっきの事故といい。一体、このペンションで何が起こっているんだ!?」
 不機嫌な表情を浮かべながら、タカミザワが不満そうに愚痴をこぼす。
 ベッドで昼寝をしている最中に、ミミィのボロ車が壁を突き破ってきたため、タカミザワは死ぬような思いをしたらしい。
 そのためミミィから理由を聞こうとしたのだが、彼女が逃げ出してしまったため、何が理由か分からなかった。
「‥‥何だか怖い事になっているんですよね」
 怯えた様子で辺りを見回し、田嶋芽衣が身体をぶるりと震わせる。
 彼女は休暇を利用して旅行に来ていたのだが、一緒に来るはずだった友人が来れなくなったため、ひとりで暇を持て余していたところでタカミザワに声を掛けられ、二つ返事で行動を共にする事となった。
 一方、タカミザワは季節を彩る湖の風景写真を撮るためペンションに来ており、自分が撮影する写真に花を添える目的で芽衣を被写体としての協力を申し出たらしい。
「フラ〜イデ〜‥‥」
 茂みの中からヒョッコリと顔を出し、フライデーがふたりの後を追っていく。
 ‥‥今度こそ失敗は許されない。
 物音を立てないように大鋏を握り締め、フライデーがふたりの首を刎ねようとする。
 ‥‥が!
「‥‥おや? あんたは庭師か? ちょうどいい。一緒にモデルになってくれ」
 フライデーが大鋏を持っていたため、タカミザワがフライデーをモデルに写真を撮った。
 フライデーは訳も分からずポーズを決め、芽衣と一緒にタカミザワに写真を撮られている。
「ご協力ありがとうございますっ♪ 今度、写真を送っておきますね。構いませんよね、タカミザワさん。えっと‥‥、お家はどちらにあるんですか?」
 満面の笑みを浮かべながら、芽衣がメモ帳を取り出し、フライデーの住所を聞く。
「フラ〜イデ〜‥‥」
 大鋏を地面に置き、湖を指差すフライデー。
 そのまま寂しそうに湖の方へと消えていく。
「‥‥あの人‥‥鋏を忘れて行ったな。ひょっとして、怒ったのか?」
 大粒の汗を浮かべながら、タカミザワが大鋏を拾い上げる。
 最後までフライデーが庭師であると思い込み‥‥。

●シーン5
「はぁ‥‥」
 歌手になる夢を志半ばで諦めなくてはならなくなったため、森守可憐が湖に畔にたたずみ寂しそうに溜息をつく。
 空っぽの毎日に飽き飽きはしているものの、自殺をするだけの勇気もないため、まるで抜け殻のようになっている。
「フラ〜イデ〜‥‥」
 ボロボロになりながらも新たな獲物を発見し、フライデーが金属バットを握り締め、ジリジリと可憐の背後に迫っていく。
「はぁ‥‥、なんで、私だけこんなにも不幸なんだろう‥‥」
 湖に向かって意思を投げ、可憐が大きな溜息をついた。
 溜息をつくたび気力が抜けているような気がしているのだが、いまさらどうでもいい事になっている。
「フラ〜イデ〜‥‥」
 慎重に狙いを定め、今度こそ仕留めるつもりのフライデー。
 瞳をキラリと輝かせ、力任せに振り上げる。
 その拍子にフライデーの両手が千切れ、茂みにゴロリと転がった。
「フラ〜イデ〜‥‥」
 空を見上げて唸り声を上げながら、フライデーが失った両手を再生させる。
「フラ〜イデ〜‥‥」
 満足した様子でふらりと歩き、フライデーが茂みに落ちたバットを拾う。
 狙うは可憐の頭。
 スイカのように叩き割り、自らの役目を果たす事だ。
「フラ〜イデ〜‥‥」
 唸り声を上げながら、フライデーがバットを振り下ろす。
 しかし、フライデーの一撃はまったく当たらず、可憐のまわりばかりを叩いている。
 ‥‥腕が新しいせいか?
 フライデーは思った。
 腕が新しいせいで、狙いが定めにくいのだと‥‥。
「‥‥誰?」
 ふいに可憐と目が合った。
「フラ〜イデ〜‥‥」
 慌てた様子でバットを何度も振り下ろし、フライデーが可憐の息の根を止めようとする。
 しかし、フライデーの攻撃は全くといっていいほど当たらず、可憐がキョトンとした表情を浮かべて汗を流す。
「ひょっとして励ましてくれているのかな? ‥‥ありがとう♪」
 フライデーの行動の中に『1度や2度の失敗にクヨクヨするなよ』というメッセージが込められているものだと思い込み、可憐がホッとした表情を浮かべてフライデーにお礼を言った。
 最後までフライデーがイイ人であると思い込み‥‥。

●シーン6
「らんら〜ら、らん♪」
 楽しそうに鼻歌を歌いながら、水野 ゆうこが湖の畔を散歩する。
 彼女はペンションにフライデーが現れた事を知らないため、湖の畔を歩いていてもまったく警戒していない。
「フラ〜イデ〜‥‥」
 コッソリとゆうこの背後に忍び寄り、フライデーが恨めしそうに両手をあげる。
 後ろから羽交い絞めにして、彼女を絞め殺すためだ。
「あ、いけない! きゃあ!?」
 ペンションに忘れ物をしていた事を思い出し、ゆうこがフライデーに体当たりを食らわせ馬乗りになる。
「ご、ごめんなさい!」
 ハッとした表情を浮かべ、ゆうこが慌てて立ち上がろうとした。
 しかし、うまく立ち上がる事が出来ず、何かに掴もうとしたフライデーのズボンを下ろしてしまう。
「フ、フラ〜イデ‥‥」
 やけにぷりんとしたお尻を露出し、フライデーが悲鳴を上げた。
 あまりにも予想外の出来事が起こったため、ズボンを穿くのに手間取っている。
「‥‥可愛い、ぞうさんですね」
 フライデーの股間をマジマジと見つめ、ゆうこがニコリと微笑んだ。
「フ、フラ〜イデ‥‥」
 彼女の言葉がグッサリ刺さり、フライデーが恥ずかしそうに股間を押さえて逃げていく。
 瞳にうっすら涙を浮かべ‥‥。
「‥‥あらら? 一体、何があったのかしら?」
 フライデーの後ろ姿を見つめながら、ゆうこが不思議そうに首を傾げる。
 最後までフライデーが傷ついた理由が分からずに‥‥。