ワイズマンの誕生日南北アメリカ

種類 ショート
担当 ゆうきつかさ
芸能 2Lv以上
獣人 2Lv以上
難度 普通
報酬 不明
参加人数 10人
サポート 0人
期間 04/06〜04/10

●本文

●ワイズマンの誕生日
 皆サァーン、ビックニュースがアリマース!
 ナント4月4日はワタシの誕生日デェース!
 今年でワタシも46歳。
 公私共に脂の乗った年頃デェース。
 モチロン、脂が乗るといっても、オイルの事じゃアリマセンYO。
 いまが食べ頃という意味デェース!
 ニッポンで言うところの漢盛りってヤツですネ。
 花見をシテ親睦を深めたばかりデスガ、マダマダお金に余裕がアリマスのでジャンジャン騒いじゃってクダサァーイ。
 パーティはワタシの別荘でヤリマァース。
 モロチン、プールやトレーニングルームも完備。
 練習用のリングや、サウナルームもアリますが、今回は使用する事は無さそうデスネ。
 イロイロとワタシにイイたいコトもアルと思うので、遠慮なくドンドンお願いシマァース!
 場合によってはラリアートが炸裂するかも知れませんが、気にしちゃイケマセンYO。
 これも愛の鞭‥‥、というか愛のラリアートなのデェース!
 それじゃ、よろしくお願いシマスネ。

●今回の参加者

 fa1077 桐沢カナ(18歳・♀・狐)
 fa1099 樹神(26歳・♂・アライグマ)
 fa1323 弥栄三十朗(45歳・♂・トカゲ)
 fa1431 大曽根カノン(22歳・♀・一角獣)
 fa1443 門屋・嬢(19歳・♀・狼)
 fa1534 水野 ゆうこ(23歳・♀・ハムスター)
 fa2378 佳奈歌・ソーヴィニオン(17歳・♀・猫)
 fa2529 常盤 躑躅(37歳・♂・パンダ)
 fa2699 ゴルゴーン桐谷(23歳・♀・蛇)
 fa3225 森ヶ岡 樹(21歳・♂・兎)

●リプレイ本文

●パーティ会場
「え〜る〜ま〜ん〜さ〜〜ん! 昔からファンだったんです! お願いです、サインしてください♪」
 ワイズマンの誕生日パーティに参加し、森ヶ岡 樹(fa3225)が色紙を渡す。
 樹にとってワイズマンは小学生の頃から憧れていたレスラーなので、誕生日パーティの招待状もわざわざ兄から手に入れたらしい。
「HAHAHAッ! イイデショウ!」
 無駄に爽やかな笑みを浮かべながら、ワイズマンが樹から色紙を受け取った。
「樹君ゑって付けてください、それとこれが、実家用、自室用、永久保存版、兄さんに見せびらかし用です」
 ワイズマンが快くサインを書いてくれたため、樹が調子に乗って次々と色紙を渡していく。
「ありがとうございます、もっこり‥‥へぶわっ!」
 禁断の言葉を口にしてしまい、樹がワイズマンの洗礼を受ける。
 ワイズマンにとって『もっこりさん』と呼ばれる事は屈辱の極み。
 決して口にしてはいけない言葉である。
「ご〜め〜ん〜な〜さ〜〜い‥‥」
 ワイズマンの気迫に圧倒され、樹が泣きながらダッシュで逃げていく。
 彼にとって今日という日は色々な意味で記憶に残る事となるだろう。
「ワイズマンさんって怒ると、とっても怖いんだね。お、覚えておこうっと‥‥」
 青ざめた表情を浮かべながら、桐沢カナ(fa1077)が自分自身に言い聞かせる。
 ワイズマンと会ったのも初めてだったため、思わぬ先制パンチを食らったようだ。
「マァ、適当に煽てておけば、問題ナイと思うヨ」
 やけにカナが怯えていたため、樹神(fa1099)が簡単なアドバイスを彼女にした。
「‥‥ん? ナニかイイましたか?」
 満面の笑みを浮かべながら、ワイズマンが樹神の肩を抱く。
「いや、何デモないヨ。誕生日オメデトウ」
 ワイズマンの質問にさらりと答え、樹神が薔薇の花束を彼に渡す。
「ムムッ‥‥、返答次第では御仕置きシマスYO!」
 胡散臭そうに樹神を見つめ、ワイズマンがジリジリと迫っていく。
「まぁまぁ、せっかくのパーティなんですから、今日は大目に見てあげてくれませんか? 気持ちをTPOでうまく切り替える事も業界人の立派な資質だと私は思いますが‥‥」
 だんだん険悪なムードが漂ってきたため、弥栄三十朗(fa1323)が彼らに助け舟を出した。
「うぐっ‥‥、確かに。ワタシも大人げなかったヨウですネ」
 反省した様子で口篭もり、ワイズマンがコホンと咳をする。
「それじゃ、パーティを再開しようか。誕生日おめでとう、ワイズマン」
 黒のギターケースをパカッと開き、門屋・嬢(fa1443)が自作の誕生日ソングを歌い出す。
 これにはワイズマンも満足したのか、嬉しそうに鼻歌を歌う。
「お誕生日おめでとうございます、ワイズマンさん。それにしても上質なワインばかりありますね」
 パーティドレスに身を包み、佳奈歌・ソーヴィニオン(fa2378)がワインを口に含む。
 テーブルの上には年代物のワインが無造作に置かれており、どのワインも滅多に味わえない代物である。
「HAHAHA! コレはスベテ貰いモノデェース! いつまでも貯蔵庫に寝かせておいても管理費が掛かりマスからネ」
 ワインにはあまり興味が無いのか、高級ワインを手に取り佳奈歌のグラスに並々と注ぐ。
「あら、それでしたら好きな物を貰っていってもいいですか?」
 瞳をランランと輝かせ、佳奈歌がワイズマンと交渉する。
「それは構いまセンが、貯蔵庫の鍵は瀬戸サンが持っているので、後で交渉シテクダサァーイ」
 瀬戸が秘め事の場所に使っているのか、ワイズマンが気まずくコホンと咳をする。
 彼女にはいくつも弱みを握られているため、ワイズマンであってもあまり強くは言えないらしい。
「随分と苦労しているようだネ。ひょっとして、ピンハネの件とか‥‥?」
 苦笑いを浮かべながら、樹神がツッコミを入れた。
「イヤァ‥‥、ソウいうワケでは‥‥」
 樹神の言葉が図星であったのか、ワイズマンが気まずくコホンと咳をする。
「今度、ピンハネの曲でも作ってあげようか? 売れると思うよ、色々な意味で‥‥」
 冗談まじりに微笑みながら、嬢がクスクスと笑う。
「NOッ! それダケはカンベンしてクダサァーイ」
 ピンハネ・ソングの大ヒットが脳裏に浮かび、ワイズマンが嫌々と首を横に振る。
 つい先日も秘書から釘を刺されたばかりのため、ピンハネという言葉にある種の恐怖を感じているらしい。
「そう言えば映画のお仕事とかないかな? 出来ればファンタジー物がいいんだけど‥‥」
 気まずい雰囲気が漂ってきたため、カナが別の話題をワイズマンに振った。
「ウーン、ソウですネ。何か考えておきマショウ」
 ホッとした表情を浮かべながら、ワイズマンがニコリと微笑んだ。
「‥‥でしたらTUKUMOGAMIなんてどうでしょうか? ちょうど新しい脚本も出来ていますし‥‥」
 そう言って三十朗が完成したばかりの脚本をワイズマンに手渡した。

●プールサイド
「パーティ会場の方は盛り上がっているようですね」
 白のハイレグビキニでプールサイドのチェアーに座り、水野 ゆうこ(fa1534)がウェイターからジュースを受け取り微笑んだ。
 パーティ会場とは違ってプールサイドは空いており、ほとんど貸し切り状態になっている。
「せっかくだから一緒にプールで泳がない? 水が気持ちいいわよ、本当に」
 黒のマイクロビキニ姿でプールに入り、大曽根カノン(fa1431)がゆうこを手招きした。
「それも悪くありませんね。せっかくプールが空いているんだし‥‥」
 含みのある笑みを浮かべながら、ゆうこがテーブルの上にジュースを置く。
 ふたりともキワドイ水着を着ているが、まわりに男達がいないため、普段よりも大胆になっている。
「楽しんでいるようね、ふたりとも」
 妖艶な笑みを浮かべながら、瀬戸・カトリーヌがクスリと笑う。
 今までパーティ会場でワイズマンの相手をしていたためか、どこか疲れているようだ。
「おぢさんの相手、ご苦労様です」
 しみじみとした表情を浮かべながら、ゆうこが瀬戸の肩を揉む。
 彼女もワイズマンとは少なからず因縁があるため、瀬戸の気持ちが痛いほど分かるらしい。
「本当に注文が多くて困ったわ。まぁ、彼のおかげで会社は急成長しているんだけど‥‥」
 疲れた様子で溜息をつきながら、瀬戸がブツブツと愚痴をこぼす。
 よほどストレスが溜まっているのか、彼女の愚痴は止まらない。
「随分と苦労しているようね。何か手伝える事があるといいんだけど‥‥」
 同情した様子で彼女を見つめ、カノンがボソリと呟いた。
「それなら貴方達にしか出来ない事があるわ。‥‥良かったら、遊びに来て」
 そう言って瀬戸が自分の泊まっているホテルのキーをふたりに渡す。
 秘密の花園へと通じる鍵を‥‥。

●トレーニングルーム
「‥‥たくっ! うっさいわね、あのオッサン」
 二日酔いのため頭を押さえて溜息をつきながら、ゴルゴーン桐谷(fa2699)がトレーニングルームに入ってくる。
 部屋の中には最新式のトレーニング機器が置かれており、常盤 躑躅(fa2529)がひとりで身体を鍛えている。
「4月4日が誕生日か。‥‥4(死)の重なる日に生まれるたぁ不吉な奴だな‥‥。ま、覚えやすいちゃあ覚えやすい日だがな」
 全身汗だくになりながら、躑躅がゴルゴーン桐谷を見つめてクスリと笑う。
 躑躅はパンダの覆面を被った上からパンダの着ぐるみを着ているため、汗が滝のようになって床に流れている。
「そんな事は知ったこっちゃないのよ。‥‥私はね、人生のんべんだらりと生きていければそれでいいの。今のまま、女の子といちゃつける仕事を用意してくれるなら、それ以上の望みなんてねぇわ」
 ワイズマンの話には全く興味が無いのか、ゴルゴーン桐谷が面倒臭そうに溜息をつく。
「のわあああああああああああああ! あ、あれはマスク・ド・パンダァ〜♪」
 着ぐるみの頭を取って汗を拭いていた躑躅に気づき、雅・飛鳥が感動した様子で瞳をランランと輝かせる。
 マスク・ド・パンダは彼女の憧れているヒーローで、白馬の王子様級の扱いらしい。
「マスク・ド・パンダ‥‥? なんだ、そりゃ?」
 飛鳥の言っている意味が分からず、躑躅が首を傾げて着ぐるみを脱ぎ捨てた。
「何を言っているんッスか! マスク・ド・パンダは貴方ッスよ!」
 興奮気味に躑躅を見つめ、飛鳥が拳をギュッと握り締める。
 よほどマスク・ド・パンダが好きなのか、その素晴らしさを熱心に語っていく。
「‥‥悪いが俺はトレーニングで忙しい。話なら後にしてくれないか」
 飛鳥の話には全く興味がないのか、躑躅がトレーニングを再開する。
「ひ、酷いッス。乙女のハートが傷ついたッス!」
 大粒の涙を浮かべながら、飛鳥が躑躅に文句を言った。
(「薄着で汗かいてる女の子ってのも乙だわねぇ‥‥」)
 舐めるような視線を飛鳥に送り、ゴルゴーン桐谷がニヤリと笑う。
 飛鳥はランニングから帰ってきたばかりのため、タンクトップが汗でビッショリになっている。
「うっ‥‥、何だか妙な視線を感じるな」
 青ざめた表情を浮かべながら、飛鳥がダラリと汗を流す。
「やっほ〜☆ ひっさしぶり〜。トレーニングに来たんでしょ? 良かったら私が練習相手になってあげるわよ。それとも私じゃ不満かしら?」
 ジリジリと飛鳥に迫っていき、ゴルゴーン桐谷が逃げ道を塞ぐ。
「あうっ‥‥、ひょっとして乙女のピンチっ! うぐっ‥‥、初めてはあげられないッス。それ以外なら、まぁ‥‥」
 ゴルゴーン桐谷の誘惑に負けたのか、飛鳥が恥ずかしそうに頬を掻く。
「私はどっちでも構わないわ。あなたがいつまで我慢できるか見物だし‥‥」
 含みのある笑みを浮かべながら、ゴルゴーン桐谷が飛鳥の肩を抱く。
 だんだん飛鳥の心が傾き始めているため、堕とすにはそれほど時間は掛からない。
 それならば、そこまでの過程を楽しむのも悪くはない‥‥。