タイトル未定(募集中)南北アメリカ
種類 |
ショート
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担当 |
ゆうきつかさ
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
1.2万円
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参加人数 |
10人
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サポート |
0人
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期間 |
10/28〜11/01
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●本文
●募集
<募集職種>
B級アメリカドラマの製作スタッフ
<応募資格>
やる気のある方なら、誰でも応募する事が出来ます。
年齢制限などはありません。
今回は主に脚本家を募集しています。
担当A:脚本家以外でもいいんっすかね?
担当B:‥‥やる気があればな。
<内容>
シナリオ作りのお手伝いをしてもらいます。
このドラマは脚本家のカラーによって、未来や過去に飛ばされたり、異世界で戦ったりする場合がありますが、近所でドラ焼きを買ったりするだけのシナリオも出来ます。
基本的には1話完結のドタバタもの。
ただし、スポンサーの要望を第一にするため、必ずしも要望が通るわけではありません。
担当A:大人の事情が絡んでくるみたいっすね。
担当B:‥‥スポンサー次第ってわけか。
現在、決まっている内容は、
・舞台はお屋敷。
主人公は執事とメイド。
執事はお嬢様の命令で動き、メイドはお坊ちゃまの命令で動く。
お坊ちゃまとお嬢様は隣同士で、許婚。
負けず嫌いのため、いつも喧嘩してばかりいる。
となっています。
参加者の皆さんには、お坊ちゃまの設定と、お嬢様の設定を決めてもらいます。
シリーズ化を予定しているため、魅力的なキャラクターを設定してください。
<スポンサーの要望>
ドラマは2本。
男性をターゲットにしたメイドもの。
女性をターゲットにした執事もの。
メイド(執事)はタロットカードを使用する事によって魔法が使え、使用者によってその効果は異なっている。
最初に使用できるカードは1枚。
レベルアップする事によって、正位置と逆位置、合体技などが出来るようになってくる。
また商品化した場合の事も考え、カードの絵柄は使用者ごとに異なっておくようにしておく事。
フィギュア化した場合の事も考え、メイド(執事)の種類は人間タイプ、獣人タイプ、アンドロイドタイプなど。
担当A:お坊ちゃま(お嬢様)の我侭で異世界に飛ばされたりするんですね(汗)。
担当B:金があれば何でも出来る、らしいからな(遠い目)。
●リプレイ本文
●会議
「うふふふ、世の中の視聴率をとる上で重要な事‥‥それはM・O・E(萌)ですのよ! 萌を制する者、世界を制すですわ〜v」
声を荒げて会議テーブルをドンと叩き、レディ・クレセント(fa0072)が『萌』について熱く語る。
ここ最近、日本では空前の『萌』ブームらしく、他の参加者達にも理解する事が出来るように分かり易く説明した。
「‥‥坊ちゃまと嬢ちゃま。そして執事とメイドの年が離れていても良いのですが、ここは坊ちゃま(要メガネ)と執事の危うい関係とかもいいですわね‥‥」
含みのある笑みを浮かべながら、レディが坊ちゃまの設定に『要眼鏡』と書き加える。
彼女の提示したシナリオは2本。
世のお姉さま向けの内容のシナリオと、世のお兄様向けに年の差モノのシナリオのふたつである。
「あと、重要なのは‥‥適度なお色気ですわね。あり過ぎても下品なものになってしまいますが‥‥無いとまた物足りないですものね♪」
萌度120%の内容を目指すため、レディがチラリズムを前面に押す。
メイドものに関してはスポンサーに下着メーカーがついているため、チラリズムを増やせば商品の宣伝にもなるだろう。
「スポンサーの話で思い出したんだが、ターゲットは幼稚園〜小学生のおともだち対象‥‥。ただし、大人が見れば嬉しい誤解(?)を生じる表現をさりげなく盛り込み大人のおともだちも視野に入れる事が条件だ。セールスポイントは自分に忠実な存在(執事・メイド)でみんなの夢を再現! 思い通りにならない関係(意地っ張りの許婚同士)でハラハラドキドキの展開! 使用するタロットカードは使用者(執事・メイド)と同性の人型キャラクター、使用時は具体化し個性豊かなキャラクター達が登場するのはどうだろうか?」
険しい表情を浮かべて腕を組み、若林峰遥(fa0405)が自分の企画の説明をする。
‥‥表情のアップ。
カメラがグゥンと接近する。
「タロットカードについてだが、人型に具現化するだけでなく、鎧化するものもあれば、使い魔が召喚されるものがある。視聴率に応じてバリエーションを増やさねば、この業界で生き残れないぞ」
瞬時に売り上げの計算をした後、スポンサーのひとりが口を出す。
「その事ならご安心ください。商品を売り込むための手段なら、色々と考えてありますから‥‥」
自信に満ちた表情を浮かべ、内藤裕樹(fa0571)がデザイン画を配る。
デザイン画には裕樹が日本にいる時から書きためて来た物や、新しく構想した衣装のデザインなどがあり、スポンサーの度肝を抜く。
「‥‥これは凄いな。ブランド名は『you/K(ユウキ)』か。さっそくサンプルを作らせよう」
裕樹のデザイン画を絶賛し、スポンサーのひとりがニコリと笑う。
このドラマには何社もの衣装メーカーがスポンサーとして参加しているため、裕樹の描いたデザイン画に目を通し、さっそくサンプル作りを始めようとしているメーカーもあるらしい。
こうして会議は順調に進んでいるかに見えたのだが‥‥。
●主人公の設定
「ふぁ〜〜ねむい‥‥。でもこれが‥‥あたいのデビュー作になるのかも知れないし、頑張ってプレゼンテーションをして、絶対に成功させるんだから!!」
徹夜で仕上げた企画書を纏め、チャイム(fa1855)が甘めのコーヒーを口に含む。
製作会議は真夜中まで続き、スタッフの中には眠そうな表情を浮かべている者もいる。
「もう少しの辛抱ですよ。ファイトです」
スタッフにコーヒーを配りながら、エリーセ・アシュレアル(fa0672)がニコリと微笑んだ。
「‥‥これがアメリカに来て最初のお仕事か‥‥頑張らなきゃ」
自分自身を励ましながら、宮尾千夏(fa1861)が気合を入れる。
製作までそれほど時間がないため、途中で居眠りしないように紅茶を飲む。
「そこのカメラマンも一緒にどうだ?」
自分達を撮影しているカメラマンに話しかけ、震(fa0849)が淹れたてのコーヒーを手渡した。
「さぁて、休憩も済んだ事だし、さっそく会議を始めましょうか」
テーブルの上に企画書をドンと置き、レディが眠っていたスタッフを叩き起こす。
スタッフの中には寝ぼけていた者もいたため、大きな音に驚きイスから転げ落ちている。
「そうですね。えっと御仕事の方は‥‥、メイドさんや執事の方の物語なんですか‥‥。コミカルな内容みたいですね‥‥一応アニメのシナリオとかは以前からやらせていただいていたので、その辺の物を持ってきて面白おかしくしてみるべきでしょうね‥‥。取り敢えず、視聴者の世代を考えると、基本は10代‥‥。結果的には20代以上の男性も喜んでみてくれるような作品にしたいですね」
苦笑いを浮かべながら、千夏が企画書に目を通す。
「主人公の設定が纏まってないな。こんな状況でひとつに絞り込めるのか?」
企画書を読み終え、震がボソリと呟いた。
「そのせいでスポンサーからクレームが来ているわ。アイデアを出すのも良いが、纏まりのないチームに資金は出せないって‥‥。このままだと製作中止もあり得るわね」
山のように積まれた企画書を見つめ、レティが疲れた様子で溜息をつく。
この会議が行われる前から打ち合わせをする期間が十分にあったため、ある程度の設定を統一する事が出来たにも関わらず、何もしなかったのは製作側の失態だ。
「一応、スポンサー側も我々の企画書には目を通したようだが、撤退を考えている所もありそうだな」
愛用のパイプを咥え、ミハイル・チーグルスキ(fa1819)が腕を組む。
スポンサー側からヒロインの設定は悪くないと言われていたが、ドラマの製作が中止になれば全く意味がない。
「あたいの設定も悪くないって言っていたよ。全体的に細かな修正は必要だって言われたけど‥‥」
他人の企画書と見比べながら、チャイムが設定の不備を探す。
確かに企画者によって設定が大幅に異なるため、スポンサーが呆れてしまうのも無理はない。
「‥‥既に役者も決まっている。彼らの努力が無駄にならないようにするためにも、次のチャンスに賭けるしかないな」
険しい表情を浮かべながら、峰遥が企画書に目を通す。
スポンサーに対してフィギュアに関するアイデアや、ゲームに関するアイデアなどを出したばかりのため、ここで製作中止が決まれば痛手になるのは間違いない。
「せっかく褒めてもらったのに‥‥。このまま製作中止なんてあり得ません」
いまにも泣きそうな表情を浮かべ、エリーセが瞳を潤ませる。
エリーセの考えた世界観のイメージが、スポンサーに受けが良かったらしく、色々と膨らませていく最中だった事もあり、ここで諦める事は出来ない。
「それにスポンサーはわしらの実力を認めていたんじゃろ? ここで頑張るつもりがないのなら、ドラマの製作が中止になっても仕方がない。スポンサーはわしらに期待しているわけじゃからな。あっと驚くような企画書を作って、わしらのやる気を見せるのじゃ!」
拳をギュッと握り締め、鬼王丸・征國(fa0750)がニヤリと笑う。
征國の場合、OP&ED案が通っていただけに、ここで製作中止になれば今まで費やしてきた時間が無駄になる。
「私の場合‥‥、現代版ロミオとジュリエットというコンセプトは良いと褒められたんですが‥‥、あまりにも他の企画書と内容が異なるため‥‥、もう少し話し合いをして欲しいと‥‥、念を押されてしまいました‥‥」
ぼぉーっとした表情を浮かべ、シャノー・アヴェリン(fa1412)が企画書を睨む。
決して悪い設定ではないと、とあるスポンサーは言ってくれた。
そのため、すべてを没にする必要はない。
他の企画書と見比べた上で、必要な部分をチョイスしていけば良い事だ。
「‥‥話し合いか。言われてみればそうかもな。この企画書の山を単なるゴミくずにするか、それともダイヤの原石にするのか、決めるのは私達だ。まったく価値のないものなら、スポンサー達だってチャンスを与えず撤退してしまうだろうからな」
企画書を握り締め、ミハイルが辺りを睨む。
‥‥次の会議で勝負が決まる。
その事だけは間違いない。
「それにドラマの製作中止が決まれば、私達だけの問題では無くなりますしね。このチャンス‥‥決して無駄には出来ません」
企画書を抱きしめながら、エリーセが心に誓う。
スタッフの想いが詰まった企画書をシュレッダーから守るため‥‥。
「当たり前じゃ! ここで逃げたら男じゃない。わしらの想いがどれ程のものか。奴らに教えてやらんとな」
豪快な笑みを浮かべながら、征國がキセルを吹かす。
別にスポンサー側も悪意があって製作中止を決定しようとしているわけではないため、彼らの不安を取り除きチームワークの良さを見せればいい。
「‥‥そうですね‥‥。せっかくチャンスをくれたのですから‥‥私達も期待に応えねば‥‥」
自分の企画書に赤線を引き、シャノーが他の企画書と見比べた。
‥‥使えそうな設定がいくつもある。
後はシャノーのやり方次第。
「‥‥当然です。私はこの話を聞いた時、天命だと思って他の仕事をキャンセルしてきましたから‥‥。こんな所で挫けるわけにはいきません‥‥」
そう言って裕樹が拳を握り締める。
次の会議まで最低でも一週間はあるはずだ。
それまでに企画を纏め上げ、ドラマの撮影を開始する必要がある。
スタッフの思いを無駄にしないためにも‥‥。