ファッションマスターF南北アメリカ
種類 |
ショート
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担当 |
ゆうきつかさ
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
3.6万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
06/27〜07/01
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●本文
<物語の説明>
突如としてファッション業界に殴り込みを仕掛けてきた、ファッションマスターF。
彼の正体は不明で、普段からガスマスクを被っている。
決め台詞は『フライデ〜』。
彼の手に掛かればどんな物でも流行ってしまう。
そのため、彼の事務所には毎日のように依頼の電話が掛かっていた。
彼の事務所にあのポリバケツがやってくるまでは‥‥。
<謎の監督Pより>
いまや『フライデー』シリーズは『DAIMYOU』の看板番組になっている。
今回のドラマは『フライデー』の外伝的な扱いになっているが、内容的にはトレンディドラマに見せかけたスプラッタ物だ(マテ
いつも通りにやってくれ。
<シーン説明>
・シーン1 独立記念パーティ
記憶を失って放浪している所を拾われ、何故かファッションデザイナーをしているフライデー。
元々、センスがあったのか、メキメキと頭角を現し、ファッション界のリーダーに。
しかし、パーティで噂されているのは、彼の異様な外見に関する事ばかり。
そんな中、彼の監視を続ける清掃員が‥‥。
・シーン2 ポリバケツ
公園に置かれたポリバケツ。
しかも今度はひとつじゃないっ!?
フライデー抹殺のため動き出したポリバケツ部隊。
そして今夜もポリバケツが真っ赤に染まる。
・ファッションショー
フライデー初めてのファッションショー。
会場に乗り込むポリバケツ部隊。
そのため、フライデーはスーツを脱ぎ捨て、ポリバケツと戦う事になる。
●リプレイ本文
●キャスト
パッパンダ(パパンダ商事の成金社長)役:常盤 躑躅(fa2529)
フライデー(ジョンジョル)役:ジョンジョル(fa3194)
ウェンズデー(ボディガード)役:ベリル・ライアン(fa2585)
サーズデー(ボディガード)役:ゴールデン・クイーン(fa3148)
サタデー(フライデーの妹)役:アルケミスト(fa0318)
ロナルド・オーン(ロバート・オーンの弟)役:コーネリアス・O(fa3776)
星条旗模様のポリバケツ役:ジョニー・マッスルマン(fa3014)
ピンクのポリバケツ役:礼花(fa3043)
●シーン1 独立記念パーティ
「独立おめでとう。しかし、君の才能には驚いたな。脳あるファッションデザイナーは覆面で顔を隠すって奴だ。どっからどう見ても一流の匂いがプンプンするぜ!!」
満面の笑みを浮かべながら、パッパンダがフライデーのグラスにワインを注ぐ。
パッパンダはベビーカーから棺桶まで、ありとあらゆるパンダグッズを販売している会社の社長で、ファッション界へ進出する第1歩として、フライデーに新しいパンダパンツのデザインを依頼しに来ているようだ。
「いやー、そう言ってもらえると嬉しいでござるなぁ♪」
恥ずかしそうにガスマスクを掻きながら、フライデーがワインを一気に飲み干した。
フライデーは数ヶ月ほど前から記憶を失っており、唯一の手掛かりは『ジョルジョル』と書かれたガスマスクだけである。
「はっはっはっ! 独立したんだから、もっと自信を持って胸を張れ! そんなんじゃ、ライバル達に蹴落とされるぞ! それじゃ、またなっ!」
他にも予定が入っていたため、パッパンダがフライデーに別れを告げて会場を出て行った。
「‥‥‥‥!?」
挙動不審な清掃員がいたため、ウェンズデーがそれとなく合図を送る。
清掃員はフライデーの顔をチラチラと見ており、インカムを使ってどこかに連絡をとっているようだ。
「‥‥‥‥!」
ウェンズデーの合図に気づき、サーズデーが清掃員の腕を掴む。
清掃員は驚いた様子で悲鳴を上げようとしたが、サーズデーに口を塞がれパーティ会場の外へと連れ出された。
「‥‥‥‥さたでぇ」
オドオドとした様子で、サタデーが物陰に隠れる。
サタデーは常に漆黒のコート(大人サイズ)を着込んでおり、背中に大きなアリスパック(軍事用の背嚢)を背負っている少女で、フライデーの『妹』らしい。
もちろん、今回ここに来ているのも、フライデーと名乗る男がホンモノであるのか確かめるためである。
●シーン2 真夜中の公園
「まだ兄さんの遺品の整理も終わってないんだろ? 息子さんも亡くなってるって言うのに‥‥。ふふ、キミらしいな。明日のショー、関係者パスをキミの分も取っておいたよ」
携帯電話を使って兄の妻と連絡を取りながら、ロナルド・オーンがクスリと笑う。
ロナルドの兄と、その子供はペンション爆破事件によって命を落としており、ロバートと離婚調停中だった妻を慰めているうちに、彼女と関係を持ってしまったらしい。
「‥‥ん? ちょっと待ってくれ。なんだ、こりゃ?」
公園のゴミ捨て場にたくさんのポリバケツが置かれていたため、ロナルドが警戒した様子で目を凝らす。
ポリバケツは一般的なブルーのものから、星条旗模様のポリバケツや、ピンクのポリバケツなどが置かれており、ロナルドに気づくと星条旗のポリバケツの下から、同じ模様のタイツを履いた下半身がニョキッと生える。
「うっ、うわわわわわ!」
突然の出来事に驚きながら、ロナルドが悲鳴を上げて尻餅をつく。
それと同時にピンク色のポリバケツが飛び跳ね、ロナルドの背後にまわって逃げ道を塞ぐ。
「た、た、た、助けて‥‥」
無数のポリバケツにまわりを囲まれてしまったため、ロナルドが這うようにして逃げていく。
唯一の逃げ道であった、星条旗のポリバケツから生えた下半身を潜り抜け‥‥。
●シーン3 ファッションショー
「結局、一睡も出来なかった。‥‥たくっ、なんだったんだ、ありゃ」
青ざめた表情を浮かべながら、ロナルドが会場に転がり込む。
どうやって家まで帰ったのか覚えていないが、夜の公園で奇妙なポリバケツに遭遇した事だけは覚えている。
「‥‥あんなポリバケツだったよな、確か‥‥」
観客席にポリバケツがズラリと並んでいたため、ロナルドが乾いた笑いを響かせた。
「‥‥って、アレじゃねえか! どうしてここにっ!?」
驚いた様子で悲鳴を上げながら、ロナルドがダラリと汗を流す。
ポリバケツの集団はファッションショーの途中で招待客に襲い掛かり、あっという間に会場を血の海へと変えていく。
「こ、これは一体どういう事でござるかっ!?」
唖然とした表情を浮かべながら、フライデーが自分の目を疑った。
信じられないような事が目の前で起きている。
現実ではあり得ない事が‥‥。
「‥‥やはり来たか。フライデー! 新しいパンダパンツだ! こいつを使え! ポリバケツの蓋に被せて動きを封じるんだ!!」
険しい表情を浮かべながら、パッパンダがパンダパンツを放り投げる。
「こ、これが‥‥、新しいパンダパンツ!?」
パンダパンツをガシィッと掴み、フライダーが辺りを睨む。
ポリバケツはパニックに陥った観客達に喰らいつき、己の食欲を満たしている。
「ウェンズデー‥‥」
真っ白なドレスを脱ぎ捨て真っ赤なコスチューム姿になり、ウェンズデーが両手に装着した長くて鋭利な鉤爪をカチャカチャ鳴らしてポリバケツを切り裂いた。
「サーズデー‥‥」
続いてサーズデーが真っ黒なドレスを脱ぎ捨て、黒いボンテージ衣装になって、ポリバケツに鞭を入れる。
ポリバケツは観客達を吐き出し、サーズデー達に攻撃を仕掛けてきたが、彼女達はプロレス技を使って反撃した。
「ふぅ‥‥、やっぱり若い子は元気が一番でござるなぁ」
マッタリとした表情を浮かべ、フライデーがのんびりとお茶を飲む。
自分で戦うつもりが無いのか、パンダパンツも穿いていない。
「‥‥さたでぇ」
二挺拳銃を構えて物陰に潜み、サタデーが恥ずかしそうにモジモジする。
次の瞬間、ピンクのポリバケツがフライデーに体当たりを仕掛け、彼が被っていたガスマスクを弾き飛ばす。
「さ、さたでー‥‥!?」
ハッとした表情を浮かべながら、サタデーが目を丸くする。
何とフライデーだと思われていた男は全くの別人で、ホンモノとは似ても似つかない顔だった。
「な、何をするのでござるか! トマトケチャップマヨネーズソース!」
不機嫌な表情を浮かべながら、フライデーがポリバケツにむかって文句を言う。
しかし、ポリバケツ達はガスマスクを踏み潰し、フライデーの心に火をつける。
「ゆ、許さんでござるっ! ム――ソリーニフライデーパウワーメ――ンズショーップ!」
掛け声を上げてスーツを脱ぎ捨て、フライデーが全身タイツ姿になった。
「さぁ、何処からでも掛かってくるでござるっ!」
ひょっとこのマスクを被ってポリバケツを睨みつけ、フライデーが『ジョルジョル』と書かれた全身タイツを強調する。
次の瞬間、ピンク色のポリバケツが蓋をガチガチと鳴らして、フライデーに攻撃を仕掛けて来た。
「のわわわっ! これでも喰らえでござるっ!」
すぐさまポリバケツの蓋を掴み、フライデーが雄叫びを上げてパンダパンツを突っ込んだ。
「よくやったぞ、フライデー。後はあのポリバケツだけだっ!」
ちゃぶ台を盾にしてポリバケツの攻撃をかわし、パッパンダがフライデーに指示を出す。
しかし、フライデーは全身タイツに書かれた名前を強調する事に夢中で、パッパンダの話をまったく聞いていない。
「ウェンズデー‥‥」
星条旗のポリバケツを逆さに抱え、ウェンズデーがサーズデーに合図を送り、ツープラトンのパイルドライバーを炸裂させた。
その一撃によって星条旗のポリバケツは粉々に砕け散り、タイツを穿いた下半身だけがその場に残る。
それと同時にふたりの身体がドロドロに溶けていき、大型の蝙蝠(ウェンズデー)と狼(サーズデー)になって何処かに消えた‥‥。