ゾンビハザードG南北アメリカ
種類 |
ショート
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担当 |
ゆうきつかさ
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
3.6万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
08/20〜08/24
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●本文
<物語>
謎の爆発事故によって未知のウイルスが町全体に蔓延し、住民達がゾンビ化してしまったところから物語が始まります。
主人公は爆発事故を調査にやってきた警察官。
何も知らずに工場を調査しようとしたところで、ゾンビの集団に襲われます。
果たして主人公の運命は……。
<募集キャスト>
・警察官役(1人〜)
住民からの通報で工場の様子を見に行っています。
何も知らないため、装備なのは最低限。
・ゾンビ役(1人〜)
まだゾンビ化したばかりなので、理性などが残っています。
ただし、工場の爆発に巻き込まれているため、身体にはたくさんの傷があり、ひどく空腹感を感じています。
・生き残り?(1人〜)
工場の中で奇跡的に生きていた研究員です。
実際はゾンビ化する途中段階にあるため、主人公達と行動を共にしている途中で、理性を失って襲い掛かってきます。
・ハンター(1人〜)
主人公達を助けに来てくれた謎の存在です。
強化外骨格身に纏っており、何故か事故の原因を知っています。
基本的にはあまり多くの事は語りません。
・タイプG(1人)
爆発事故によって生まれた怪物です。
ゾンビを喰らって取り込む事で、パワーアップをしていきます。
●リプレイ本文
●キャスト
サティ・ナカサト(警察官)役:由比美紀(fa1771)
ベルタ(ゾンビ)役:ベルタ・ハート(fa2662)
ミゲル・ディレオ(研究主任):コーネリアス・O(fa3776)
律人(研究員)役:月鎮 律人(fa0254)
ジョニー(ゾンビ)役:ジョニー・マッスルマン(fa3014)
ナイン(ハンター)役:守山脩太郎(fa2552)
シルバ(ハンター)役:茜屋朱鷺人(fa2712)
タイプG役:結城ハニー(fa2573)
●工場前
「‥‥爆発現場に到着しました。これより建物内に入ります」
無線を使って本部に連絡をした後、サティ・ナカサトが銃を構えて工場の中に入っていく。
謎の爆発事故によって工場の大半は壊れており、瓦礫から突き出した配管からどす黒い水が流れている。
「だ、誰‥‥?」
何者かの気配に気づき、サティが素早く銃を向けた。
「た、助けてくれ。さ、寒い‥‥」
今にも泣きそうな表情を浮かべ、ベルタが慌てた様子で両手を挙げる。
ベルタの服は大量の血で真っ赤に染まっており、工場警備員の死体が彼の足元に転がっていた。
「一体、何があったんですか? 今救援を呼びますから!」
工場警備員の脈拍を確認しながら、サティが詳しい話をベルタに聞く。
「‥‥判らない‥‥突然、爆発が起こって‥‥ああ、咽が乾く‥‥」
それと同時にベルタの理性が吹っ飛び、涎をダラダラと垂らしてサティを襲う。
「し、至急救援を‥‥きゃっ!」
突然の出来事に驚きながら、サティが訳も分からず悲鳴をあげた。
「そいつから離れろ!」
サティが襲われている事に気づき、ミゲル・ディレオが消火器を放り投げる。
その一撃を喰らって横に転がり、ベルタが呻き声を上げて右手を伸ばす。
「こ、これは‥‥!?」
目の前で起こっている事を理解する事が出来ず、サティが驚いた様子で目を丸くする。
「構わず撃つんだっ! ここで死にたくなかったら!」
ミゲルの言葉で我に返り、サティが銃の引き金を引いた。
これは夢だと思いながら‥‥。
●工場内
「きっと、あれは我が社で研究している化学薬品が流出したせいだ。‥‥となるとマズイ事になったな」
青ざめた表情を浮かべながら、ミゲルが急いでロッカーにむかう。
「一体、何が起こっているんですか!? 詳しく説明してください!」
未だに状況を理解する事が出来ず、サティが納得のいかない様子でミゲルの腕を掴む。
「ゾンビ化を防ぐためには地下施設に保管されているワクチンを手に入れる必要がある! そのためにはIDカードが必要なんだっ! 畜生! 何処だっ!」
悔しそうな表情を浮かべながら、ミゲルが隣のロッカーを蹴り飛ばす。
それと同時にロッカーがゴトンと倒れ、ミゲルがハッとした表情を浮かべて扉を上げる。
「た、食べないで!」
ロッカーの中でノートPCを抱え、律人が必死になって命乞いをし始めた。
どうやら工場内の人間達が次々とゾンビ化したため、ロッカーの中に隠れてやり過ごそうとしていたらしい。
「馬鹿を言うな。食うわけ無いだろ! お前か! 私のIDカードを盗んだのは‥‥」
呆れた様子で溜息をつきながら、ミゲルが律人のIDカードを奪う。
次の瞬間、背後からゾンビ化したジョニーに襲われ、ミゲルが糸の切れた人形のようにしてガックリと膝をつく。
「う、動く事は出来ますか? 早く地下へ!」
床に落ちたIDカードを拾い上げ、サティが律人を連れて逃げ出した。
何とかしてワクチンを手に入れなければ、街にまで被害が及んでしまう。
●地下施設
「HAHAHA! どうしてミーから逃げるんDAー?」
高笑いを響かせながら、ジョニーが全身の筋肉を隆起させる。
地下施設へと続く扉は何重にもロックが掛けられており、IDカードが無ければ先に進む事さえ出来ない。
「ううっ‥‥、なんで俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだ! 死ぬ前に食べたかったなぁ‥‥。レアのステーキが‥‥」
ボロボロと涙を流しながら、律人がノートPCを抱えて逃げる。
その間もサティが銃を撃ち続けているのだが、ジョニーには全く攻撃が効いていない。
「HAHAHA! 一体、何を恐れている? 何も怖がる事はNAI! ミーが抱き締めてヤロウ‥‥。そして、その後に‥‥、そっちのセクシーなレディをいただく事にシマSHOU!」
真っ白な歯をキラリと輝かせ、ジョニーがポージングを披露する。
その隙にサティがジョニーの頭を狙い、祈るような表情を浮かべて、最後の一発を打ち込んだ。
「‥‥残念だったNA」
サティの銃弾を歯で受け止め、ジョニーがボリボリと食べる。
ゾンビ化した事で五感が鋭くなっているのか、そのままサティの銃を掴んで粉々に潰す。
「こ、このままじゃ、ふたりとも死んでしまう。せ、せめてあなただけでも逃げてください!」
ジョニーの胸板めがけて何度もパンチを放ち、サティが律人にむかって声を掛ける。
「えっ? で、でも! サティさんを見捨てて逃げる事なんて出来ません!」
身体をガタガタと震わせながら、律人が消え去りそうな声で答えを返す。
その間にジョニーがサティの胸を掴み、頭に噛みつこうとしてアングリと口を開ける。
「そこまでだっ!」
次の瞬間、何者かの放った銃弾がジョニーの頭を直撃し、その反動でサティが床にゴロリと転がった。
●ハンター
「‥‥危ない所だったな」
ジョニーが動かなくなった事を確認した後、シルバが機関銃をゆっくりと下ろす。
シルバ達は研究所内に充満している毒素から身を守るため、強化外骨格と呼ばれる強化服を着ているらしい。
「た、助かった。例の物はここに!」
ホッとした表情を浮かべ、律人がノートPCをシルバに渡す。
それと同時にナインが機関銃を構え、律人の頭を迷う事なく撃ち抜いた。
「な、なんで殺すんですか?」
納得のいかない表情を浮かべ、サティがナインに詰め寄った。
「‥‥殺すだと? コイツはもう死んでいる」
疲れた様子で溜息をつきながら、ナインが律人の服を引き千切る。
なんと律人の身体は徐々に腐りかけており、大量の蛆が腹の中で蠢いていた。
「こ、これは‥‥!?」
凄まじい吐き気に襲われ、サティが物陰にむかう。
「この辺りの空気を吸った者は、みんなこうなっちまう運命さ。‥‥免疫のある者以外はな」
サティの身体にZ因子感知機を突きつけ、シルバが安心した様子で溜息を漏らす。
「それじゃ、私は!?」
ハッとした表情を浮かべ、サティが自分の身体を触る。
シルバの言葉が本当なら、ゾンビ化に対する免疫があると言う事だ。
「‥‥詳しい話は後回しだ」
そう言ってナインが暗がりに銃を向ける。
不敵な笑みを浮かべる女性を見つめ‥‥。
●タイプG
「何だか騒がしいと思ったら、大きなネズミ達がいたのね」
ゾンビの頭を齧りながら、タイプGが怪しく腰をクネらせる。
タイプGのコスチュームは身体の一部しか隠しておらず、それを見せ付けるようにしてクスリと笑う。
「‥‥ゾンビ化していない。それじゃ、あなたがワクチンを持っているんですか?」
険しい表情を浮かべながら、サティが恐る恐る口を開く。
色々で意味で怪しいのだが、地下施設にいる以上、ワクチンについて何かを知っているはずだ。
「‥‥何の事かしら? ここにワクチンなんて存在しないわ。ひょっとして騙されたんじゃないの?」
含みのある笑みを浮かべながら、タイプGがペロリと指を舐める。
「う、嘘です! ここに行けばワクチンがあるって!」
ミゲルの言葉を思い出し、サティがタイプGに言い放つ。
しかし、シルバがサティの肩を掴み、ゆっくりと首を横に振る。
「残念だがヤツの言っている事は本当だ。ここにあるのは軍の行っていた機密実験の結果だけだからな」
真っ直ぐタイプGの顔を見つめ、シルバが機関銃を乱射する。
それと同時にタイプGが壁に張り付き、満足した様子で微笑んだ。
「美味しそうね、ア・ナ・タ」
‥‥そう言った刹那。
タイプGの爪が一瞬にして硬くなり、シルバ達の強化外骨格を破壊した。
「ぐはっ‥‥、まさかここまで成長していたとは‥‥」
悔しそうな表情を浮かべながら、ナインが胸元を押さえて血反吐を吐く。
強化外骨格が壊れてしまったせいで、地下施設に充満した毒素がナイン達の身体を蝕み始める。
「早くこれを持って逃げるんだ! この地下施設は後5分で爆発する!」
サティにノートPCを手渡し、シルバが機関銃を乱射した。
しかし、タイプGの身体を貫く事は出来ず、潰れた弾丸が空しく地面に落ちていく。
「あらあら、無駄な事を‥‥。そんなモン、纏めて喰らってあげるわよ」
妖艶な笑みを浮かべながら、タイプGがシルバの身体を貫いた。
何が起こったのかも分からず説明するジルバ。
「は、早く!」
それでもナインは機関銃を乱射してサティの逃げる時間を稼ぐ。
「ご、ごめんなさい。必ず助けを呼びますから!」
そう言ってサティがノートPCを抱えて、タイプGから逃げていく。
背後から響くナインの悲鳴‥‥。
だが、振り向く事は出来ない。
彼らの死を無駄にしないためにも‥‥。
こうしてサティは地下施設から脱出した。
数多くの犠牲と共に‥‥。
『うふふ‥‥』
次の瞬間、地下施設が大爆発を起こし、サティの所まで破片が飛んで来る。
それがハンター達の仕掛けた爆弾の仕業だったのかは分からない。
ただひとつだけ言える事は、これがすべての始まりであると言う事だ。