獣人廃ビルデスマッチ南北アメリカ

種類 ショート
担当 ゆうきつかさ
芸能 3Lv以上
獣人 3Lv以上
難度 難しい
報酬 10.4万円
参加人数 10人
サポート 0人
期間 09/06〜09/10

●本文

<参加資格>
 怪我をしても賞金の欲しい方。

<詳しい内容>
 優勝賞金10万円を懸けて廃ビルを舞台に戦います。
 ルール無用のデスマッチ形式です。
 廃ビルは全部で4つのエリアに分かれています。
 次のエリアに進むためには、専用のキーが必要になります。
 ひとつのエリアで選択する事の出来るキー(○、△、×、□)はひとつだけ。
 そして屋上にあるトロフィーを手にした者が優勝です。

<エリア説明>
1階:サウナルーム
 あまりの暑さに大量の汗を掻く事になります。
 部屋の中にはさまざまなトラップが仕掛けられており、塩や、胡椒、油などが天井から降ってきます。

2階:アイスルーム
 バナナで釘が打てるほどの寒さのため、かなりの体力を消耗する事になります。
 足元が滑るので注意しておきましょう。

3階:鉄板ルーム
 油の塗られた鉄板の上を歩きます。
 そのまま気合で歩く事も可能ですが、かなり暑いので注意しておきましょう。

屋上:優勝トロフィー
 優勝トロフィーが置かれています。
 これを手に入れる事によって賞金10万円。
 場合によっては何かトラップがあるかも知れません。

●今回の参加者

 fa0126 かいる(31歳・♂・虎)
 fa0829 烏丸りん(20歳・♀・鴉)
 fa2529 常盤 躑躅(37歳・♂・パンダ)
 fa2671 ミゲール・イグレシアス(23歳・♂・熊)
 fa3014 ジョニー・マッスルマン(26歳・♂・一角獣)
 fa3225 森ヶ岡 樹(21歳・♂・兎)
 fa3453 天目一個(26歳・♀・熊)
 fa4038 大神 真夜(18歳・♀・蝙蝠)
 fa4120 白海龍(32歳・♂・竜)
 fa4465 ミルティア・リーエン(15歳・♀・犬)

●リプレイ本文

●1階:サウナルーム
「‥‥たく! 一体、何処にいるんだ、ワイズマンは‥‥」
 滝のようにダラタラと汗を流し、かいる(fa0126)がズシンズシンと地面を鳴らす。
 かいるは毎日のように届く『DOGS』弁当の処理に追われ、トレーニングの時間が日を追う事に減っている事が原因で太り過ぎてしまったため、浴衣を着て謎の外国人力士風の雰囲気を漂わせ自分の正体を隠している。
「‥‥あれ? あのお相撲さん、何となく兄さんに似ているなぁ‥‥」
 キョトンとした表情を浮かべ、森ヶ岡 樹(fa3225)がボソリと呟いた。
 そのため、かいるは気まずい様子で視線を逸らし、何も言わずに樹の傍から離れていく。
「それなら貴殿もライバルだな。悪いが切実に金が無い。少しでも生き残る可能性を高めておきたいんだ」
 半獣人化した状態でシスター服を着込み、大神 真夜(fa4038)が破戒僧として樹達に攻撃を仕掛けてきた。
「うっ、うわ!」
 突然の攻撃に驚きながら、樹が真夜の攻撃をかわす。
「うちだって賞金は欲しいもん」
 首輪つきのセーラー服姿でデスマッチに参加し、ミルティア・リーエン(fa4465)が大きく頬を膨らませる。
 彼女は誰とも戦うつもりが無いため、真夜の攻撃にも怯まない。
「こんな場所で無駄な時間を費やしている暇は無い。‥‥勝負は3階だ!」
 険しい表情を浮かべながら、常盤 躑躅(fa2529)が幸運付与をかけて選んだキーを握る。
 それと同時にジョニー・マッスルマン(fa3014)がリズムに乗って、手当たり次第に突撃していった。
「みんな張り切り過ぎだわ」
 完全獣化した上で金剛力増を発動させ、天目一個(fa3453)が冷酒を呑む。
 あちこちで戦闘が始まっているため、油断しているとあっという間に脱落してしまう。
「当たり前やろうが! ライバルは少ない方が楽やからな」
 満面の笑みを浮かべながら、ミゲール・イグレシアス(fa2671)が足払いを放つ。
 そのため、天目一個はバランスを崩し、前のめりに倒れ込む。
「戦いはもう始まっているというわけですね」
 傘を使って塩や胡椒をガードしながら、白海龍(fa4120)が完全獣化した状態で先を急ぐ。
「こんな場所で怪我をするなんて、縁起でもない事を言わないでください」
 下手に怪我をしてしまうと治療費が掛かってしまうため、烏丸りん(fa0829)が戦闘を避けて白海龍の後を追う。
 次の瞬間、コントの如く天井から油が降り注ぎ、あちこちから悲鳴が上がる。
「あ〜ん、油と汗でべとべと〜」
 今にも泣きそうな表情を浮かべ、ミルティアが瞳をウルウルさせた。
 服がベットリとしているため、動くたびに気持ちが悪い。
「げふ‥‥、油が‥‥。き、気持ちが悪い‥‥」
 青ざめた表情を浮かべながら、かいるがキーを差し込んだ。
「のわあああ」
 それと同時に床がパカッと開き、かいるが穴の中に落ちていく(1名脱落)。
「‥‥神よ」
 芝居がかった縁起を加え、真夜が虚闇撃弾を撃ち込んだ。
 しかし、誰も銃を使っていないため、真夜が望んでいるような結果にはならない。
「‥‥残念だったな。そして、さよならだ」
 金剛力増を使って筋力を高め、躑躅が真夜にアイアンクローを放って地面に叩きつける。
 その一撃で真夜は意識を失い、競技の続行が困難となった(1名脱落)。
「HAHAHAHA! それはYOUの事だZE!」
 背後から躑躅にヘッドバットを仕掛け、ジョニーが妖しくニヤリと笑う。
「チッ‥‥、俺の運も尽きたようだな」
 ‥‥命がけの戦い。
 どちらか片方が倒れるまで戦いは続く‥‥。
「お先に失礼するわよ。か、鍵が‥‥ない!?」
 ハッとした表情を浮かべ、天目一個がポケットの中を確認する。
 どうやら途中で鍵を落としてしまったようだ。
「そんなら、わいらと同じやな。ここに残っている人達は、みんなキーを無くしちゃったみたいだよ」
 そう言ってミゲールが天目一個の肩を叩くのだった(4名脱落)。【○】

●2階:アイスルーム
「さ、寒いなぁ‥‥。汗のせいで毛が凍る‥‥」
 カタカタと身体を震わせながら、樹がスーパーの袋から長靴を取り出して履き替える。
 2階はアイスルームになっており、油断していると髪の毛まで凍ってしまう。
「さ、寒いけど頑張るゾ」
 自分自身に言い聞かせるようにしながら、ミルティアがゆっくりとフロアを進んでいく。
1階で参加者のほとんどが脱落してしまったため、急にフロアがガランとなった。
「まさか、ここまで参加者が減ってしまうとは予想外ですね」
 険しい表情を浮かべながら、白海龍が滑るようにして先を急ぐ。
 時々天井からツララが落ちてくるため、思った以上に気が抜けない。
「う、う、う、う、寒い〜!!」
 魂の抜けたような表情を浮かべ、樹が自分の両手にハァと息を吹きかける。
 あまりにも部屋が寒いため、ほとんど身体が動かない。
「ぼぉーっとしている暇はありませんよ。ここに居る参加者全員がライバルなのですから‥‥」
 含みのある笑みを浮かべながら、白海龍が凍った床を滑っていく。
 この時点で優勝する確率は3分の1。
 少しでも早く上に行く事が出来れば、優勝する可能性がそれだけ高くなる。
「た、確かに‥‥、ここで負けるわけには行きませんね‥‥」
 散っていった参加者達の顔を思い出し、樹が白海龍の後を追っていく。
 ふたりとも早く3階に行こうとしているためか、フロアにあるものを利用してスピードをあげる。
「あ〜ん、お尻が冷たいよ〜」
 悲鳴を上げて尻餅をつき、ミルティアが瞳をウルウルさせた。
 急激な温度変化で身体が動かなくなっているため、上手くバランスを保たないと立ち上がる事すら難しい。
「あ、あれ? こんなところにココアが‥‥?」
 目の前に置かれたココアを見つめ、ミルディアが不思議そうに首を傾げる。
 ココアは既に冷えており、カチカチに凍っているため、飲む気にはならない。
「‥‥やはり正攻法で行くしかありませんね」
 悔しそうな表情を浮かべながら、白海龍がチィッと舌打ちする。
 下剤入りのココアを仕掛ける事で他の参加者を脱落させようとしていたが、これでは逆に怪しまれてしまうため全く効果がない。
「おっと‥‥。いまのうちに‥‥」
 一瞬、白海龍に隙が出来たため、樹が急いでキーを差し込んだ。
「しっ、しまった!」
 ハッとした表情を浮かべ、白海龍が樹の後を追う。
 しかし、樹は正解のキーを差し込んで3階に行ってしまったため、白海龍が追いつきそうなところで扉が閉まる。
「2階の鍵は‥‥これで行きます!」
 覚悟を決めてキーを差し込み、白海龍がゴクリと唾を飲み込んだ。
 それと同時に扉が開き、白海龍がホッとした表情を浮かべて3階に上がる。
「み、みんな待ってよぉ〜。おいて行かないでぇ〜」
 慌てた様子でキーを取り出し、ミルティアが扉の前に立つ。
 次の瞬間、足元の床がパカッと開き、ミルティアが漆黒の闇に飲み込まれていった(1名脱落)。【△】

●3階:鉄板ルーム
「えーっと、塩に胡椒に、塩と油って‥‥。ええっ!?」
 階段を上っていく間に頭から調味料を振りかけられ、樹が青ざめた表情を浮かべてツッコミを入れる。
 3階はフロア一面に鉄板が敷き詰められており、汗が落ちるたびにジュッと嫌な音が辺りに響く。
「そう言えば、もっこりさんが現役時代、他のレスラーの筋肉を食べて大きくなったって噂があったような気が‥‥。あれは本当だったって事かなぁ‥‥」
 ウサギの丸焼きが脳裏を過ぎり、樹がダラダラと汗を流す。
 色々な意味でワイズマンを誤解している事もあり、頭の中でだんだん怖い考えが膨らんでいる。
「が、頑張らなきゃ!」
 自分自身に言い聞かせるようにしながら、樹が大粒の涙を浮かべて鉄板の上を走っていく。
 ゴム製で長靴を履いているせいで、ジュッと嫌な音がしているが、恐怖のせいで気にならない。
「こちらも負けるわけには行きませんね」
 樹がフロアの半分まで行っていたため、白海龍が壁を蹴って彼の後を追う。
 辺りにはゴムの焦げた臭いが漂っており、天井からパラパラと調味料が降っている。
「うわああああ! こっちに来ないでくださいよぉ〜」
 物凄いスピードで白海龍が追いかけてきたため、樹が徐々にスピードを上げていく。
 鉄板の熱さで長靴の底が溶けてしまった事もあり、暑さと恐怖で心臓が止まりそうになっている。
「‥‥逃がしませんよ。絶対に‥‥」
 瞳をキラリと輝かせ、白海龍が樹の肩を掴む。
 それと同時に樹が□のキーを差し込み、屋上へと続く扉を開ける。
「クッ‥‥、先を越されてしまいましたね。ですが、僕だって‥‥」
 ポケットの中に手を突っ込み、白海龍がダラリと汗を流す。
 ‥‥鍵がない。
「ま、まさか!?」
 信じられない様子で、白海龍がフロアを睨む。
 そして、視線の先には鍵の束が‥‥。
「は、早く鍵を‥‥。うわああああああ!」
 そう思った瞬間、足元の床がパカッと開き、白海龍が悲鳴を上げて落ちていった(1名脱落)。【□】

●屋上:優勝トロフィー
「はぁはぁ‥‥。ようやく着いた」
 荒く息を吐きながら、樹が屋上に上がって汗を拭う。
 屋上の中心にある台座には優勝トロフィーが置かれており、太陽の光を浴びてキラキラと輝いている。
「あ、あれさえ手に入れる事が出来れば、僕が‥‥賞金を‥‥」
 朦朧とする意識の中で最後のキーを差し込み、樹が優勝トロフィーを手に入れるのであった。【×】