ファラオの呪い南北アメリカ
種類 |
ショート
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担当 |
ゆうきつかさ
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
3Lv以上
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難度 |
難しい
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報酬 |
10.4万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
09/09〜09/13
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●本文
エジプトを舞台にしたアメリカドラマです。
主人公は探検家。
物語の内容はファラオの墓を巡ったアクション活劇になる予定です。
ちなみにワイズマン社長が飛行機代をケチったため、撮影はアメリカで行われています。
<シーン1 ファラオの墓>
主人公が現地で雇った道案内に連れられ、ファラオの墓に辿り着きます。
その墓は発掘作業が行われておらず、盗掘などもされていない様子。
主人公はこのまま先に進もうとしますが、現地で雇った道案内はファラオの呪いを恐れて帰ろうとします。
ここで道案内役が銃で撃たれて死亡。
悪党3人組の登場です。
<シーン2 悪党>
悪党達は主人公に騙されて、地図を渡してしまった事を悔やんでいます。
財宝は山分けという約束でしたが、主人公に抜け駆けされて追いかけてきた様子。
主人公は渋々、悪党達と一緒に行動する事になります。
そこで墓守達の襲撃に遭い、悪党のうち1人が死亡。
主人公は墓守から逃げるようにして奥へ。
<シーン3 ファラオの遺産>
数々のトラップを潜り抜け、墓の最深部に到達する主人公。
そこにあったのは数々の財宝と、黄金のファラオ像。
悪党達は黄金のファラオ像を持って逃げ出そうとしますが、突然動き出し彼らを殺してしまいます。
<シーン4 脱出>
動き出した黄金のファラオ像から逃げる主人公。
財宝を手にした事でトラップが作動したのか、ファラオの墓が崩壊を始めています。
行き手を阻む墓守達。
墓守達の話では財宝を捨てれば、黄金のファラオは追いかけてこないといいます。
そのため、持っていたものを放り投げ逃げ出す主人公。
墓守は黄金のファラオに財宝を返そうとしますが、ここで死亡。
主人公は崩れ行く神殿から、命辛々逃げ出します。
そして、主人公のポケットにはキラリと輝く宝石が‥‥。
・募集している役柄
主人公、道案内、悪党A、悪党B、悪党C、墓守A、墓守B、黄金のファラオ
●リプレイ本文
●キャスト
ブライアン・ジョンソン(主人公):守山脩太郎(fa2552)
フアード(現地の案内役):シーザー・N(fa4450)
メデューサ(悪党A):結城ハニー(fa2573)
ハーディ(悪党B):片倉 神無(fa3678)
アーディル(悪党C):コーネリアス・O(fa3776)
サラ(墓守A):カリン・マーブル(fa2266)
ムハンマド・ナセル(墓守B):モハメド・アッバス(fa2651)
黄金のファラオ役:マサイアス・アドゥーベ(fa3957)
●シーン1 ファラオの墓
「旦那、ここが例の墓ですよ。‥‥じゃあ、俺は帰りますからね」
マッタリとした表情を浮かべ、フアードがニコリと微笑んだ。
ファラオの墓は街から数キロほど離れた砂漠にあったのだが、みんな呪いを恐れて誰も墓には近寄ろうとしなかった。
そのため、ブライアンがフアードに多額の報酬を支払い、ファラオの墓まで案内してもらう事になったのだが‥‥。
「おっと‥‥、まだだ。まさか、こんな所に俺を置いていくつもりなのか? きちんと墓の中まで案内しろ。それだけの報酬は払っているはずだ」
納得のいかない様子でフアードを見つめ、ブライアンが強引に彼の腕を引っ張った。
「じょ、冗談じゃない! この中に入ったら、呪われちまう。‥‥けど、どうしてもってんなら、ちょっとコレに色をつけてくれると嬉しいんですけど」
いやらしい笑みを浮かべながら、フアードが指を使ってお金を表す仕草をする。
「ふざけるな! 一体、いくら払っていると思っているんだ? 大した事もしていない癖に金だけ持って逃げる気か!」
フアードの胸倉を掴み上げ、ブライアンが文句を言う。
先程支払った分しか持ち合わせがなかったため、これ以上の報酬を要求されても支払えない。
「あ、駄目ならいいんですよー。別に俺は好きで此処まで来たわけじゃないんですから‥‥。それに案内するのは『ファラオの墓まで』という約束だったでしょ?」
ブライアンの腕をガシィと掴み、フアードが怪しくニヤリと笑う。
「‥‥勝手にしろ。ただし、二度と俺の前に現れるなよ!」
不機嫌な表情を浮かべながら、ブライアンがフアードを突き飛ばす。
よほど腹が立ったのか、フアードの顔を見ていない。
「へへっ、そんじゃ俺は帰りま、ぐぁっ!!」
次の瞬間、フアードのおでこに風穴が開き、糸の切れた人形のようにしてパタリと倒れる。
「だ、誰だっ!」
すぐさま銃を構え、ブライアンが後ろを向く。
そして、そこに居たのは‥‥、3人の悪党であった。
●シーン2 悪党
「‥‥そのまま動くんじゃねえぞ」
ブライアンの頭に狙いを定め、ハーディがゆっくりと拳銃を向ける。
既にフアードは息絶えており、ピクリとも動かない。
「クッ‥‥。あの時の奴らか。てっきり撒いたと思っていたのに‥‥」
悔しそうな表情を浮かべながら、ブライアンが拳をギュッと握り締める。
彼らはブライアンが街の酒場で出会った者達で、言葉巧みに騙して地図を奪い取った事で怒り狂い、此処まで追いかけてきたようだ。
「‥‥随分と探したんだよ。アタシから大切なものを奪っていったんだからねぇ‥‥。まぁ、アタシのペットになるんなら許してやってもいいよ」
妖艶な笑みを浮かべながら、メデューサが舌なめずりをして鞭を振るう。
「ハッ、お断りだ。あいにくそっちの趣味はないんでね」
鞭の一撃を喰らっても臆する事無く、ブライアンがメデューサをジロリと睨む。
いまさら地図を返すつもりもないため、彼女のペットになるつもりもないようだ。
「‥‥たくっ、ムカツク野郎だね! 癪に障るんだよ、その態度!」
不機嫌な表情を浮かべながら、メディーサが再び鞭を振り下ろす。
それでもブライアンは睨み事を止めず、唇をグッと噛み締めている。
「どうする? ‥‥殺すのか?」
拳銃を構えたまま、ハーディがボソリと呟いた。
「そんなんじゃ、アタシの気がすまないよ。墓の中にはたくさんのトラップがあるんだろ? だったらコイツに先頭を歩かせればいいって事じゃないか」
含みのある笑みを浮かべ、メデューサがブライアンの肩を叩く。
ブライアンも抵抗する事が出来ないため、仕方なく先頭を歩いていった。
「ほ、本当に行くのか? 今回ばかりは生きて帰れる保証はないぞ。ああ‥‥、こんな事になるんだったら、家のパキラに水をやってくるんだったなぁ‥‥」
青ざめた表情を浮かべながら、アーディルが頭を抱えて溜息をつく。
財宝に興味がある事は確かだが、幼い頃からファラオの呪いについて聞かされてきたため、墓に足を踏み入れただけでも動けない。
「本当に情けないヤツだね。早く先に行きな! アンタは二番目だよ」
呆れた様子で溜息をつきながら、メデューサがアーディルの背中を蹴飛ばす。
その拍子にアーディルが膝をつき、悲鳴を上げて飛び上がる。
「ひぃぃぃぃぃ! や、やはりここには入るべきではなかった。偉大なるファラオが私達、下賎の立ち入りに怒っている。ち、地図が私達の手を離れた時に帰るべきだった!」
切羽詰った表情を浮かべ、アーディルが身体をガタガタと震わせた。
次の瞬間、何処からともなく大量の矢が降り注ぎ、アーディルの身体にぶすぶすと突き刺さっていく。
「神聖なるファラオの墓を汚す者共よ。ファラオに代わってそれがし達、墓守が成敗致す!!」
漆黒のローブを纏った一団を引き連れ、ムハマドが掛け声と共に砂漠を一斉に滑り降りてくる。
「チィ‥‥、墓守に気づかれたか。面倒な事になる前にお宝を手に入れるよ!」
そう言ってメデューサがアーディルを盾にしながら、ファラオの墓に入っていった。
●シーン3 ファラオの遺産
「こ、これがファラオの遺産‥‥」
数々の難関を突破し、ブライアン達が墓の最深部に辿り着く。
そこにあったのは、黄金のファラオ像と数々の宝であった。
「うふふ‥‥、さすがファラオの遺産ね。これで何人ペットを飼えるかしらねぇ」
恍惚とした表情を浮かべ、メデューサが宝石の山に頬擦りする。
しかし、ブライアンは黄金のファラオ像を凝視したまま、ピクリとも動こうとはしない。
「これでおまえも用済みだな。‥‥あばよ」
ブライアンの胸元に銃口を向け、ハーディが引き金を引こうとする。
次の瞬間、ハーディの右腕に矢が刺さり、バランスを崩して天井を撃つ。
「武器を捨てて、宝を返しなさい!」
ハーディを狙ってボウガンを構え、サラが警告まじりに呟いた。
「おーほっほっほっ! 武器を捨てるのはそっちよ。それとも彼の命はどうなってもいいの?」
含みのある笑みを浮かべながら、メデューサがムハンマドの喉元にナイフを押し当てる。
「す、すまない‥‥」
両手を上げて武器を捨て、ムハンマドが唇をグッと噛む。
そのため、他の墓守達が武器を捨て、ムハンマドと同じように両手を上げた。
「ひ、卑怯な真似を‥‥」
悔しそうな表情を浮かべ、サラがボウガンを床に置く。
「最高の褒め言葉として受け取っておくわ」
勝ち誇った様子でボウガンを踏みつけ、メデューサが約束を破ってナイフを横に引こうとする。
それと同時に黄金のファラオ像が動き出し、メデューサの身体を貫いた。
「我ガ墓所ヲ汚ス愚カ者共ニ裁キヲ下サン」
メデューサの身体から腕を引き抜き、黄金のファラオ像がフラフラと歩く。
「ば、馬鹿な!」
恐怖で逃げる事が出来ず、ハーディが引き金を引いた。
しかし、黄金のファラオ像には命中せず、そのまま首根っこを掴まれ無残な最期を遂げる。
「ここまで来て死んでたまるかよ!」
そう言ってブライアンが宝石をガシィッと掴んで、その場から逃げ出すのであった。
●シーン4 脱出
「足リヌ‥‥足リヌ‥‥!!」
呻き声を上げながら、黄金のファラオ像がブライアンの後を追う。
ブライアンは手に持った宝石を落としながら、必死になって黄金のファラオ像から逃げていく。
「せっかく、お宝を手に入れたのに‥‥。何か俺に恨みでもあるのかよ!」
納得のいかない様子で後ろを振り向き、ブライアンがブツブツと愚痴をこぼす。
黄金のファラオ像はまるで導かれるようにして、確実にブライアンの居場所を突き止め追いかけてくる。
「‥‥愚か者よ。ファラオ様の物を持っている限り黄金のファラオ像はおまえを追って来る。財宝を捨てよ」
先回りをして行く手を阻み、ムハンマドがブライアンに対して警告した。
ファラオの遺産を持っている限り、呪いから逃れる事は出来ないと‥‥。
「冗談キツイぜ。せっかく手に入れた、お宝を捨てるなんて‥‥」
ムハンマドの説得を無視し、ブライアンが逃げようとする。
しかし、サラが両手を開いて道を塞ぎ、真剣な表情を浮かべてブライアンを睨む。
「‥‥分かったよ。これでいいんだろ? これで‥‥」
困った様子で溜息をつきながら、ブライアンがサラに宝石を渡す。
そのため、サラはホッとした表情を浮かべ、ムハンマドと一緒に宝石を返しに行こうとする。
次の瞬間、地響きと共に天井が崩れ、あっという間に二人を飲み込んだ。
「う、嘘だろ」
サラを助けようとして右手を伸ばし、ブライアンがその場に立ち尽くす。
その間もファラオの墓は揺れ続け、天井がボロボロと崩れていく。
「‥‥夢じゃないようだな」
険しい表情を浮かべながら、ブライアンが走り出す。
ファラオの墓から無事に脱出するために‥‥。
ポケットの中に残った一粒の宝石に気づかぬまま‥‥。