ルシファー南北アメリカ
種類 |
ショート
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担当 |
ゆうきつかさ
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
3Lv以上
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難度 |
難しい
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報酬 |
10.4万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
09/27〜10/01
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●本文
<内容>
シンディ・シール主演第一作目です。
内容は宇宙からやってきた謎の美女を巡るB級アクションドラマ。
彼女は『ルシファー』と名乗る犯罪者に命を狙われています。
ルシファーは宇宙警察『エデン』の元刑事であったが、とある事件をキッカケに犯罪者へと変貌。
謎の美女を追って、地球へとやってきます。
<シーン1:堕ちた天使>
星空を眺めてビールを飲むホームレス。
その時、流れ星がキラリ。
ホームレスが立ち上がり、願いを言おうとした瞬間、凄い勢いで流れ星が落ちてくる。
唖然とした表情を浮かべるホールレス。
流れ星が落ちた場所で眠る美女。
少女は目を覚ましたのと同時に、ホームレスに真っ赤な宝石を渡して逃げていきます。
宝石の名は『禁断の果実』。
何か重要なもののようです。
もうひとつの流れ星が落ちたのは牛小屋。
そのせいで牛小屋が炎に包まれ、農場主が悲鳴を上げて登場します。
農場の主は流れ星が落ちた場所に倒れていたルシファーが犯人であると決め付け、ライフルを使って命を奪おうとします。
しかし、ルシファーはライフルを掴んでグニャッと曲げて、農場主に対して何かを植えつけます。
<シーン2:大天使>
ホームレスが警官に事情を説明しています。
警官はホームレスの話を全く信用していないため、金が欲しいのだと勘違いしてコインを渡します。
次の瞬間、4つの流れ星が彼らのまわりに落下し、キョトンとした表情を浮かべるふたり。
流れ星が落ちた場所はキラキラと光っており、ふたりの心は癒されていきます。
そこから現れた天使達。
彼らは『ルシファーを見なかったか?』と聞いた後、ホームレスが宝石を持っている事に気づかず、その場を去ってしまいます。
しかし、警官が彼らを不審に思ったため、コッソリと追いかける事にします。
<シーン3:逃亡者>
謎の美女が走っています。
行く手を阻むルシファー。
謎の美女は踵を返して逃げようとしますが、農業主が行く手を阻みます。
どうやら農業主はルシファーに操られており、既に意識は無いようです。
そのため、美女は農業主を蹴り倒して逃げようとしますが、ルシファーに肩を打たれて倒れてしまいます。
トドメをさすべく近づくルシファー。
しかし、謎の美女は宝石を持っておらず、大天使達にまわりを囲まれてしまいます。
大天使達はルシファーの四方を囲んで封印を試みようとしますが、農業主に邪魔をされて失敗してします。
<シーン4:封印>
警官達が様子を見に来ています。
大天使達は封印失敗の反動で疲れているため、次で失敗したら自分達の命が無い事を口にします。
その間にルシファーが警官達を襲い、自分の支配下におきます。
大天使達は警官達に邪魔をされながら、何とかルシファーのまわりを囲んで封印を成功させ彼を連れて母星に帰ります。
しかし、ルシファーは既にホームレスの身体に魂を移し変えていたため、物陰に隠れて様子を窺っていた謎の美女が異変に気づいて走り出すシーンで物語は完結します。
雰囲気的にはドラマシリーズにむけたプロローグのような扱いになっています。
<募集キャスト>
・ルシファー役
二丁拳銃にトレンチコートがトレードマークの犯罪者。
禁断の果実を使って魂を入れ替えながら悪事を働いていますが、その事実を知っているのは謎の美女だけのようです。
・ホームレス役
次々とトラブルに巻き込まれていく不幸な人。
結果的にルシファーの新たな器となってしまいます。
・農業主役
ルシファーのせいで牛小屋が燃えてしまう不幸な人。
色々な意味でツイていません。
・警官役
ホームレスから通報を受けて現場に来た警官。
最初はホームレスの話を信じていなかったようですが‥‥。
・大天使A〜D役
ルシファーを追って地球へとやってきた者達。
彼らはお互いを天使の名前で呼び合っていますが、本名ではなくコードネームのようなもののようです。
翼などは生えていませんが、専用のコスチュームに身を包んでいます。
●リプレイ本文
●キャスト
サティ(ホームレス)役:由比美紀(fa1771)
謎の美女:シンディ・シール
カール・スタング(牧場主の息子):ウォンサマー淳平(fa2832)
ルシファー役:結城ハニー(fa2573)
ジョン(警官)役:守山脩太郎(fa2552)
ミカエル役:皇・皇(fa0043)
ガブリエル役:プリムローズ・リベルテ(fa0666)
ラファエル役:佳奈歌・ソーヴィニオン(fa2378)
ウリエル役:コーネリアス・O(fa3776)
●シーン1:堕ちた天使
「今日も一日〜、ご苦労様でした〜、あははは〜」
つぎはぎだらけの上に薄汚れた格好で、サティがビール瓶片手にふらふらと歩く。
終始酔っ払っている様子だが、何かいい事があったのか機嫌がいい。
「あっ、流れ星だ〜。願い事、願い事〜‥‥って、きゃああ!」
驚きのあまり腰を抜かし、サティがその場に座り込む。
次の瞬間、物凄い勢いで流れ星が落下し、サティが呆然とした表情を浮かべて汗を流す。
流れ星が落ちた場所には美しい女性が倒れており、しばらくしてからゆっくりと目を覚ました。
「こ、これをお願い!」
警戒した様子で辺りを見回し、謎の美女がサティに宝石を渡す。
しかし、サティは驚きと恐怖で言葉を出す事が出来ず、そのまま逃げていく美女の背中を見送った。
一方、その頃‥‥。
突如、響き渡った轟音と共に、カール・スタングは目を覚ました。
カーテンを開けて外を見ると、牛小屋が燃えている。
「のわああ、大変だ!?」
青ざめた表情を浮かべながら、カールが悲鳴を上げて外に飛び出していく。
しかも、燃え盛る牛小屋の中には人影が‥‥。
「‥‥親父が留守の時に限ってこれだ! あれが母さんじゃないって事は‥‥化け物か!? ‥‥たくっ! ついてねぇ」
警戒した様子で父親のライフルを構え、カールが慎重に牛小屋まで近づいていく。
「……」
燃え盛る炎の中でクールな表情を浮かべ、ルシファーが水着姿でカールを睨む。
「あ、あ、あんた、誰だ! ど、ど、何処から来た!」
驚いた様子で尻餅をつきながら、カールが捲くし立てるようにして怒鳴り散らす。
訳の分からない恐怖と混乱で、近づくルシファーに銃口を向けるのだが、弾を込め忘れていたため撃つ事が出来ない。
「く、来るな!」
次の瞬間、ルシファーがライフルを掴んでグニャリと曲げ、ジリジリとカールに迫っていく。
そして、ルシファーの唇がカールの額に触れた時、彼の意識は消し飛んだ。
●シーン2:大天使
「‥‥で、どんな格好いい美女が現れたんだ? あん?」
面倒臭そうな表情を浮かべ、ジョンがサティの話を聞く。
サティの話は荒唐無稽で、酔っ払いの戯言にしか聞こえない。
「だから、こうやって、ドーンって女の人が降ってきて‥‥本当なんだから!」
ジョンがマトモに話を聞こうとしなかったため、サティが不機嫌な様子で胸倉を掴む。
しかし、ジョンはサティが物乞いをしていると思ったため、ポケットの中からコインを取り出し彼女に渡す。
「もう、お金が欲しいんじゃないんだって! ちゃんと聞いてよ〜」
ジョンの腕をギュッと掴み、サティが謎の美女が落ちた地点を指差した。
次の瞬間、空から4つの流星が降り注ぎ、奇妙な格好をした男達が降り立った。
「‥‥微量ですがルシファーの気配が残っています。間違いありません、ここです」
特殊なセンサーを使ってルシファーの気配を探り、ラファエルがミカエル達を見つめてニコリと微笑んだ。
「あーもう! 私の任期に何でこういう事が起きるんですかっ!」
青ざめた表情を浮かべて頭を抱え、ミカエルが疲れた様子で溜息をつく。
ミカエルはルシファーを封印するためガブリエル達に拉致され、彼らを纏める責任者になった幸薄い大天使である。
「それはこっちの台詞よ! 何であたしがこんな辺境に飛ばされなくっちゃいけないのよ!」
不機嫌な表情を浮かべながら、ガブリエルが愚痴をこぼす。
そのせいでミカエルが胃を押さえており、小声でブツブツと呟いている。
「まあまあ、落ち着いて。ルシファーを封印すれば今回の任務は完了ですから‥‥。えーっと、そこの子羊達。ルシファー‥‥今は趣味の悪い格好の少女の姿をしていますが‥‥この辺りで見ませんでしたか?」
穏やかな笑みを浮かべながら、ウリエルがサティ達に話を聞く。
しかし、サティ達は目の前の状況を理解する事が出来ず、気まずい様子で激しく首を横に振る。
「‥‥たく、使えないわね!」
サティ達を見つめてフンと鼻を鳴らし、ガブリエルが仲間達を連れて別の場所へとむかう。
そのため、ジョンは警戒した様子で銃を構え、彼女達を追いかける事にした。
●シーン3:逃亡者
「ば、馬鹿な!? 気配は消してきたはずなのに!」
悔しそうな表情を浮かべながら、謎の美女がチィッと舌打ちする。
ルシファーから逃れるため、自らの痕跡を消してきたのだが、相手の方が一枚上だったらしく、先回りをして待ち伏せされていた。
「この私から逃げれると思っていたのか」
艶かしくポーズを取りながら、ルシファーが指をペロリと舐める。
そのため、謎の美女は踵を返して反対方向に逃げようとしたが、既にそこにはルシファーによって操られたカールが立っていた。
「‥‥駄目だな。ルシファー様から逃げようとするなんて‥‥」
満面の笑みを浮かべながら、カールが謎の美女に銃口をむける。
それと同時にルシファーが銃を撃ち、カールの身体ごと謎の美女の肩を貫いた。
「う、嘘でしょ!? 仲間を巻き込むなんて‥‥」
信じられない様子でルシファーを見つめ、謎の美女が右肩を押さえて後ろに下がる。
「見つけましたよ、ルシファー!」
ルシファーの逃げ道を塞ぐようにして立った後、ラファエルが素早く印を結んでいく。
それに合わせてミカエルが詠唱を始め、ルシファーがチィッと舌打ちする。
「まったく手間を掛けさせるんじゃないわよ」
ホッとした様子で溜息をつきながら、ガブリエルがルシファーを封印するための装置を置く。
次の瞬間、カールがムックリと起き上がり、ガブリエルに覆い被さってきた。
「ちょっ、ちょっと、そこを退きなさい! ‥‥うわああ!?」
もう少しのところでルシファーの封印に失敗し、ウリエルが悲鳴を上げて派手に吹っ飛んだ。
「‥‥悪いがまだ死ぬわけにはいかないのでな」
そう言ってルシファーが妖しく瞳を輝かせた。
●シーン4:封印
「マズイ事になりましたね。次で失敗したらお終いですよ、私達‥‥」
封印が失敗したせいで無駄に体力が消耗したため、ウリエルが胸元を押さえて立ち上がる。
もう一度ルシファーを封印するため炎の槍を出現させたが、ルシファーの封印に失敗すれば自分達の命がない。
「分かっているわよ、そんな事!」
カールに当て身を放って気絶させ、ガブリエルが愚痴をこぼす。
「ううっ‥‥胃に穴が‥‥」
魂の抜けた表情を浮かべ、ミカエルが大きな溜息をつく。
まさか命懸けの封印になるとは思っていなかったため、プレッシャーで胃がキリキリと痛んでいる。
「あっ、ルシファーが!」
ハッとした表情を浮かべ、ラファエルがルシファーを指差した。
ルシファーはジョン達が隠れて様子を窺っていた事に気づき、見下すようにして彼らを見つめ自らの下僕へと変える。
「こ、これは‥‥」
満足した様子で笑みを浮かべ、ルシファーがサティを見つめて印を結ぶ。
それと同時にルシファーがパニックに陥った様子で魔法陣に飛び込み、悲鳴を上げてその場に座り込む。
「一体、何が起こったんでしょうか?」
不思議そうに首を傾げ、ラファエルがボソリと呟いた。
その間もジョンが邪魔をしてくるため、うまく印を結ぶ事が出来ないようだ。
「何で私がこんな目に‥‥ッ! 覚悟しなさいアンタ達!」
再び目を覚ましたカールを蹴り飛ばし、カブリエルが拳をギュッと握り締める。
自分達の命が掛かっているせいか、ルシファーに操られている一般人にも容赦が無い。
「天使ともあろう者が下界の者に動きを阻まれるとは‥‥。ルシファー! 懺悔の時です! 神の炎はお前をも赦すでしょう」
カール達が気絶した事を確認した後、ウルエルがホッとした様子で合図を送る。
「遠隔地のため我ら『天使』を解して『主』へアクセス。火なる東に我ミカエル・水なる北にガブリエル・風なる西にラファエル・地なる南にウリエル。同意コード送信・ライン確保。『主』に封印要請。対象:『ルシファー』ランク:堕天使クラス。元素昇華封印『ウロボロス』起動!」
素早く印を結んでルシファーを囲み、ミカエルが封印装置を起動した。
それと同時にルシファーの身体が光に包まれ、繭のようなものに包まれた後、真っ赤な宝石へと姿を変える。
「ふぅ‥‥、これで任務完了ね。さーて、仕事も済んだし、こんな星さっさとオサラバしましょ」
そう言ってカブリエルがゲートを開き、自らの星へと帰還した。
「ふっ‥‥、愚かな」
カブリエル達が居なくなった事を確認し、サティがルシファーの銃を拾う。
含みのある笑みを浮かべながら‥‥。
既にルシファーの魂はサティの中にあった。
彼女の持っていた宝石(禁断の果実)を使って、魂の入れ替えに成功したからだ。
「さぁて、楽しませてもらうかな」
次なる獲物を求め、ルシファーが夜の街へと姿を消した。
謎の美女が物陰に隠れて様子を窺っていた事に気づかぬまま‥‥。