デビルバスター南北アメリカ
種類 |
ショート
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担当 |
ゆうきつかさ
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
3Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
9.4万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
10/01〜10/05
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●本文
<内容>
主人公は天使庁から派遣された神父達<デビルバスター>。
人間に取り憑いた悪魔を倒すため、刻印が刻まれた武器を使う。
悪魔達は次元の狭間を通って、この世界にやってくる。
<シーン1:デビルバスター>
生贄の少女を使って悪魔を召喚する男。
儀式は成功し、悪魔を召喚する事が出来たのだが、デビルバスターの妨害に遭い、力を手に入れる前に殺されてしまう。
しかし、悪魔は少女の肉体を奪って逃亡をしたため、デビルバスターは彼女の消息を追う事に‥‥。
<シーン2:悪魔憑き>
少女の肉体に限界を感じた悪魔が、新たな肉体を捜して街を放浪。
そこで新たな肉体となる相手を発見。
言葉巧みに人気の無い場所まで誘い込み、肉体を奪う事に成功。
だが、そこでデビルバスターに発見され‥‥。
<シーン3:戦い>
新たな肉体を手にいれた事で、実体化に成功するデビル。
その力を使ってデビルバスターを倒そうとする。
主人公は仲間達と力を合わせて、デビルを退治。
だが、そこでデビルバスターAの裏切りに遭い、大切な仲間を失ってしまう。
デビルバスターAは瀕死のデビルを封印し、そのままいずこかへと消え去ってしまう。
そのため、主人公は彼を捜す旅に出る。
<募集キャスト>
・主人公
天使庁から派遣されたデビルバスター。
使命を果たすためなら、多少の犠牲は仕方ないと思っている。
刻印の刻まれた銀色の拳銃を所持。
・デビルバスターA
主人公の部下。
敵の危険度を示す事の出来る測定装置を持っている。
実は敵側のスパイで、堕天しようとしているらしい。
・デビルバスターB
主人公の部下。
デビルバスターAを怪しんでおり、デビルと戦っている最中に殺されてしまう。
性格は真面目で仲間思い。
・悪魔召喚師
コードネーム『教授』。
何処かの組織に所属しているらしいのだが詳細は不明。
少女を生贄にしてゲートを開こうとするのだが‥‥。
・生贄の少女
『教授』によって誘拐された少女。
悪魔によって肉体を奪われてしまったが、儀式に使用されたせいで肉体が崩壊し始めている。
・悪魔
『教授』に召喚された悪魔。
この世界で肉体を維持する事が出来ないため、人間の身体に乗り移っているのだが‥‥。
・新たな器
悪魔の新たな肉体。
器として充分な資格を持っている。
・悪魔の下僕
新たな器と一緒にいた人間で、器としての資格が無かったため、悪魔の下僕にされてしまう。
そのため、人並み外れた力を持っており、デビルバスターの邪魔をする。
デビルバスターBは戦う事に躊躇しているようだが‥‥。
●リプレイ本文
●キャスト
エミリア・ネイロル(主人公)役:金田まゆら(fa3464)
コカビエル(デビルバスターA)役:シーザー・N(fa4450)
ステラ(デビルバスターB)役:ステラ・ディスティニー(fa2443)
教授(悪魔召喚師)役:朝守 黎夜(fa0867)
キャサリン(生贄の少女)役:カリン・マーブル(fa2266)
悪魔役:シヅル・ナタス(fa2459)
カイン(新たな器)役:壬 タクト(fa2121)
アベル(悪魔の下僕)役:夜野星冶(fa4455)
●シーン1:デビルバスター
「エロイムエッサイム‥‥エロイムエッサイム‥‥我は求め訴えたり‥‥」
魔術書『グリモワール』に書かれた呪文を読み進み、教授が少女の胸にナイフを突き立てる。
教授は目的のためなら一切の犠牲を問わない性格なので、元ダンサーだったキャサリンを拉致し、悪魔を召喚するための生贄にした。
「うが‥‥ぐぐ‥‥あがががががが!」
自分の身に何が起こったのかも理解する事が出来ぬまま、キャサリンの意識が徐々に遠のいていく。
今まで薬によって眠らされていたためか、教授にナイフを突き立てられても傷みは無い。
代わりにボロボロと涙が零れ落ちてきた。
「‥‥来たか、悪魔よ」
含みのある笑みを浮かべながら、教授が満足した様子でキャサリンの身体を撫でる。
それと同時にキャサリンの表情が豹変し、身体をビクンビクンと震わせ泡を吐く。
「おやおや、随分と古典的な方法を使いますね」
含みのある笑みを浮かべながら、悪魔が教授達の前に出現した。
教授によって召喚された悪魔は右目にモノクルを掛けており、黒のタキシードに身を包んだ男装の麗人で、まるで舞台に立っているかのように大仰な仕草と口調で教授と話す。
「‥‥この方が確実だしな。他の手段を使って失敗したら、また始めからやり直しだ。そんな事をしていたら効率が悪いだろ? それならもっと‥‥ぐはっ‥‥! ば、馬鹿な!? デビルバスターか」
信じられない様子で胸元を押さえ、教授がガックリと膝をつく。
教授の胸元にはポッカリと穴が開いており、そこからドクドクと大量の血が流れている。
「ようやく悪魔を呼び出す事に成功したというのに‥‥、ついてないな。いや、ただ単に運が尽きただけか」
自嘲気味に笑みを浮かべ、教授が血反吐を吐いて倒れ込む。
「間違いありません‥‥悪魔です」
教授とデビルの姿を確認した後、ステラがインカムを使ってエミリアと連絡を取る。
エリミアはモニター越しに現場の状況を確認しており、コンピュータを使って悪魔のデータを引き出した。
『やはりコカビエルの読みは間違っていなかったか。面倒な事になる前に悪魔を処分しろ』
納得した様子で溜息を漏らし、エミリアがステラに答えを返す。
それと同時にコカビエルが悪魔を睨み、教授を撃った銃をゆっくりと向ける。
「‥‥なるほど。そういう事ですか。折角、ここまできたのに何たる悲劇。非常に残念です」
コカビエルの顔を見た後に笑みを浮かべ、悪魔が志半ばで倒れた教授に視線を移す。
教授は少し若い自分と女性と一緒に映った写真を持ったまま息絶えている。
「‥‥ですが、私もここで倒されるつもりはありません。しばしの間‥‥、さよならです!」
コカビエルが銃を撃った瞬間、悪魔が教授の死体を盾にして攻撃をかわし、そのまま少女の身体に乗り移って姿を消した。
「シリウスの方角に反応あり。距離5000。‥‥逃げられたか」
占星術盤のような測定装置を起動させ、コカビエルがチィッと舌打ちする。
これ以上、被害を拡大させないためにも、悪魔を退治しなければならない。
●シーン2:悪魔憑き
「はぁ‥‥はぁ‥‥。こ、このままでは‥‥肉体が朽ちて‥‥しまう‥‥。まさか‥‥ここまで‥‥肉体の崩壊が‥‥早いとは‥‥予想外ですね。あいつらの邪魔さえ無ければ‥‥こんな事にならなかったのに‥‥」
胸元を押さえて荒く息を吐きながら、キャサリン(悪魔)が真夜中の路地をフラフラと歩く。
他に乗り移る身体が無かったので、仕方なく少女の身体に憑依したのだが、肉体の崩壊が始まっているため、早く新しい身体を見つけねばならない。
「はぁ‥‥はぁ‥‥見つけた‥‥。私の‥‥新しい‥‥肉体を‥‥」
朦朧とする意識の中で獲物を見つめ、キャサリンが妖艶な笑みを浮かべてアベル達に声を掛ける。
「‥‥あっ? なんだ、てめぇ? そんな格好で街をブラブラと歩きやがって! ‥‥なぁ、カイン。こいつヤバくねえか?」
警戒した様子でキャサリンを睨み、アベルが地面にペッと唾を吐く。
キャサリンは薄着一枚で街を歩いていたため、アベルも警戒しているらしい。
「‥‥おかしな女だな。ひょっとして気が触れているのか?」
異様な気配を感じたため、カインがキャサリンの腕を掴む。
それと同時にカインが胸をドキリとさせ、一瞬にして彼女の虜になってしまう。
「おい、カイン。ちょっとヤバイ感じがしねぇか? ‥‥帰ろうぜ」
心配した様子でカインを見つめ、アベルがボソリと呟いた。
しかし、カインは不機嫌な表情を浮かべ、アベルの言葉に決して耳を傾けようとしない。
「うるさい! ‥‥俺が何をしようと勝手だろうが! 俺のやり方が気に入らないなら、お前はさっさと家に帰れ!」
鬱陶しそうにアベルを睨み、カインがキャサリンの肩を抱く。
「一体、どうしちまったんだよ!? おかしいぞ、お前!」
そのため、アベルは強引にカインを助けようとしたのだが、キャサリンに暗示を掛けられ支配下に置かれてしまう。
「これで‥‥ふたりっきりになれましたね」
妖艶な笑みを浮かべながら、キャサリンがカインと濃厚なキスをする。
次の瞬間、キャサリンが糸の切れた人形のようにして崩れ落ち、カインが満足した様子で口元を拭ってニヤリと笑う。
「クッ‥‥、間に合わなかったか」
悔しそうな表情を浮かべ、コカビエルが銃を構えた。
しかし、カインは怯む事なく、今度はキャサリンを盾にする。
「そこまでです! 今度こそあなたを倒します!」
そう言ってステラがカインを狙って詠唱銃を構えるのであった‥‥。
●シーン3:戦い
「‥‥本当のしつこい人達ですね。そこまでして私を封印したいのですか?」
満足した様子で新しい肉体の具合を確かめ、カイン(悪魔)がステラ達を見つめて指をパチンと鳴らす。
それと同時にアベルがムックリと起き上がり、獣のような表情を浮かべステラ達に攻撃を仕掛けてきた。
「‥‥封印だと? ふざけるな! 跡形も無く消し飛ばしてやる!」
躊躇する事なくアベルの脳天を撃ち抜き、コカビエルがカインを狙って銃をむける。
「ほぉ、跡形も無く‥‥ですか。ならばやってもらいましょう! その命を懸けて!」
次の瞬間、カインの背中から大きな蝙蝠の翼を生やし、幾つモノ火球を生み出して投げつけてきた。
「つ、強い‥‥!? まさか、ここまで強力な悪魔を呼び出していたなんて‥‥」
険しい表情を浮かべながら、ステラが悔しそうに唇を噛む。
その間もカインは火球を放ち続け、ジリジリとステラ達を追い詰めていく。
「おやおや、もう終わりですか? わたくしの実力はこんなものじゃありませんよ?」
含みのある笑みを浮かべながら、カインが鋭い爪を振り下ろす。
次の瞬間、エミリアの放った銃弾がカインの右肩を撃ち抜いた。
「‥‥みんな生きているな?」
ステラ達を守るようにして前に立ち、エミリアがカインの身体を撃ち抜いていく。
「死んでいたら返事なんてしませんよ」
苦笑いを浮かべながら、ステラがエミリアにむかう。
エミリアの放った銃弾によってカインはだいぶ弱っており、キャサリンの時と同様に肉体の崩壊が始まっている。
「‥‥残念だったな。このまま主の御許に送ってやる。無慈悲な程に慈悲深く、お前を断罪する。‥‥Amen」
クールな表情を浮かべながら、エミリアが詠唱銃の引き金を引いた。
「‥‥今回の舞台は中々楽しませて頂きました。出来ればあなた達とはまた同じ舞台を演じてみたいものです」
満足した様子でエミリアを見つめたまま、カインの身体がボロボロと崩れていく。
そして、最後に残ったのは、悪魔だったものの魂であった。
「‥‥異常なし。対象は完全に活動を停止‥‥」
封印装置を使って悪魔の魂を封じ込め、コカビエルがステラの心臓に銃弾を撃ち込んだ。
「あ‥‥」
何が起こったのかも分からず、ステラが心臓を押さえて倒れ込む。
コカビエルが使用した弾丸が特殊なものだったため、命中したのと同時にステラの肉体が崩壊していった。
「何故だ! 何故こんな事をする!?」
信じられない様子でステラを抱き寄せ、エミリアがコカビエルをジロリと睨む。
しかし、コカビエルはまったく動揺する事なく、エミリアに冷たい視線を送る。
「‥‥こんな事? 勘違いしないでくれ。最初から俺の気持ちは変わっていない。目的のものは手に入れた。俺にとってはそれだけの事だ」
目的のものを手に入れたため、コカビエルが空へと飛び立った。
堕天した証である漆黒の翼を羽ばたかせ‥‥。
「まっ、待て! 待つんだ、コカビエル!!!!」
そしてエミリアの雄叫びが辺りに響く。
灰と化したステラの亡骸を握り締め‥‥。