死神ライダー南北アメリカ
種類 |
ショート
|
担当 |
ゆうきつかさ
|
芸能 |
3Lv以上
|
獣人 |
3Lv以上
|
難度 |
普通
|
報酬 |
9.4万円
|
参加人数 |
8人
|
サポート |
0人
|
期間 |
10/23〜10/27
|
●本文
<物語の内容>
架空の街『ネオジャパン』を舞台にしたB級アクションドラマです。
主人公は実験中の強化外骨格を装着したまま暴走し、組織に追われているライダー。
強化外骨格のおかげで人並み外れた力を持っているのだが、その副作用によって3分以上戦うと暴走してしまう。
そのため、正義の味方というよりは、単なる殺人マシーンである。
<シーン説明>
・シーン1 死神ライダー現る
夜な夜な起こる殺人事件。
犯人の名は死神ライダー。
死神ライダーは漆黒の鎧に身を包み、真っ黒なバイクに乗って現れる。
彼は犯罪者達を憎んでいるが、目撃者にも容赦はしない。
そのため、死神ライダーが通った後は死体の山だけが残っている。
チンピラとゴクドーがヤクの取引をしているシーン。
そこで死神ライダーが登場。
チンピラはナイフを使って死神ライターに攻撃を仕掛けるもののまったく効果がなく、ゴクドーの放った弾丸も無意味。
ふたりは死神ライダーの攻撃によって命を落とす。
・シーン2 ハタモト組
死神ライダーによってゴクドーが倒されてしまったため、ハタモトが彼の首に賞金を掛け抹殺命令を出すシーン。
彼の命を狙うのは、用心棒のミフネ。
ダークスーツに日本刀を持った渋い役柄。
そこで死神ライダー登場。
死神ライダーはハタモト本部を襲撃し、あっという間に組織を壊滅させてしまう。
・シーン3 謎の組織
死神ライダーに下った抹殺指令。
今度の相手はホワイトナイト。
ホワイトナイトはハカセの作り出した最高傑作。
ハカセはホワイトナイトに命令し、死神ライダーと対決。
その結果、死神ライダーが勝利し、ハカセが腰を抜かして悲鳴をあげる。
しかし、死神ライダーはハカセを殺さず、真っ黒なバイクに乗って何処かへと去ってしまう。
<必要キャスト>
・死神ライダー
本編の主人公。
『デスサーティーン』という名の強化外骨格を身に纏い、真っ黒なバイクに乗っている。
この鎧は主人公が死ぬまで外す事が出来ず、3分以上興奮状態にあると暴走してしまう。
・新聞記者
死神ライダーの目撃者であり、唯一の生存者。
彼の無実を訴えるため、事件のあった場所を取材していくのだが‥‥。
・チンピラ
非合法な手段を使って手に入れた金でゴクドーとヤクの取引をしようとしているらしい。
愛用の獲物はナイフ。
特技はハッタリ。
・ゴクドー
ハタモト組の組員。
鉄砲玉として対立組織のボスを抹殺していった功績を認められ、ヤクの取引を任されているらしい。
・ミフネ
ハタモト組に雇われている用心棒。
クールな性格。
・ハタモト
ネオジャパンをしているハタモト組の組長。
本名は『ハタモト・ダイミョー』らしい。
・ハカセ
強化外骨格を作った謎の組織のリーダー。
色々と謎の多い人物。
・ホワイトナイト
『デスサーティーン』の改良版である『ジャスティス』を身に纏っているため、主人公のような副作用はまったく無い。
失敗作である主人公を始末するため、彼を追っている。
●リプレイ本文
●キャスト
デスサーティーン(死神ライダー)役:宵夢真実(fa3141)
ゴクドー役:ノエル・ロシナン(fa4584)
チンピラ役:シーザー・N(fa4450)
ジャック(新聞記者)役:守山脩太郎(fa2552)
ハタモト・ダイミョー(ハタモト組組長)役:志羽・明流(fa3237)
ミフネ(用心棒)役:コーネリアス・O(fa3776)
ハカセ役:ジョニー・マッスルマン(fa3014)
ジャスティス(ホワイトナイト):ヴァールハイト・S(fa3308)
●死神ライダー現る
「‥‥たくっ! いつまで待たせるんだ、あの野郎。俺が下っ端だからって、軽く見ているんじゃねえのか!?」
ガムをグチャクチャと噛みながら、チンピラが真夜中の波止場で愚痴をこぼす。
予定の時間を過ぎても取引相手のゴクドーが姿を現さないため、チンピラが不機嫌な表情を浮かべてポリバケツのゴミ箱を蹴る。
「なんだと、テメェ! たった1時間の遅刻じゃねえか。日が昇る前に来ただけでも有り難く思え!」
チンピラの胸倉を掴み上げ、ゴクドーが睨みを利かす。
しかし、チンピラはチョンマゲ頭で髭を生やしたゴクドーと目が合い、思わず『プッ』と吹き出てしまう。
「何を笑っているんじゃい、ゴラァ!」
殺気に満ちた表情を浮かべ、ゴクドーがチンピラをドツく。
よほど笑われた事がショックだったのか、チンピラが謝っても容赦が無い。
「それじゃ、取引を始めるか。……ヤクが欲しいんだろ? 金は持ってきたのか?」
愛用の下駄でチンピラの頭を踏みつけ、ゴクドーがニヤリと笑う。
「あ、当たり前だろうが! 早く下駄を退けやがれ!」
不機嫌な表情を浮かべながら、チンピラが金の入ったケースを見せる。
ケースの中にはギッシリと札束が詰まっており、それを見たゴクドーが満足した様子でチンピラを睨む。
「だ、誰だ!?」
何者かの気配に気づき、ゴクドーが後ろをむく。
そこには漆黒のライダースーツ(強化外骨格)を身に纏った男が立っており、月明かりに照らされ不気味な雰囲気を漂わせている。
「なんだ、テメーは? 珍妙な格好しやがって……。頭がイカれているのか?」
不機嫌な表情を浮かべながら、ゴクドーが男の胸倉を掴む。
「ここはコスプレ会場じゃねぇぜ」
チンピラもサングラスのレンズ部分をパカッと開け、男の足元から頭まで眺めて小馬鹿にした様子でヘラヘラと笑う。
「ヘッ! ビビッて声も出ねぇか。‥‥情けねえな。だが、目撃者を生かしておくわけにはいかねえんだ。ここで‥‥、サヨナラだ」
ポケットから折り畳みナイフを取り出し、チンピラが迷わず男の胸を刺す。
しかし、男はナイフを掴んでへし折り、チンピラめがけて裏拳を放つ。
「ひぃー、ヤクは全部やるから命だけは!?」
青ざめた表情を浮かべながら、ゴクドーが命乞いをし始める。
チンピラの身体からは大量の血が流れており、既に絶命している事が容易に理解する事が出来た。
「ひ、ひぃ」
次の瞬間、死神ライダーの回し蹴りが炸裂する。
ゴクドーの身体はクルクルと回転しながら、海にドボンと落ちてプッカリ浮かぶ。
「‥‥」
海に浮かんだゴクドーに背をむけ、男が黙ってバイクに乗る。
まるで自らの役目を果たしたかのように‥‥。
「ま、間違いない。死神ライダーだ」
確信に近いものを感じ、ジャックがカメラを構える。
そして、気がついた時には、取り憑かれたかのようにカメラのシャッターを切っていた。
●シーン2 ハタモト組
「な、なんだと!? ゴクドーが殺られた! ゴクドーを殺ったのは、どこのどいつだ!」
部下からの電話でゴクドーが殺された事を知り、ハタモトが信じられたい様子で怒鳴りつける。
ゴクドーはハタモト組のナンバー2。
そのため『ゴクドーを殺るなら、戦車が必要』と言われていた程だ。
‥‥そのゴクドーが何者かによって殺された。
「殺ったのは、ライダースーツの男か? ‥‥何? 死神ライダー!? なんだ、そりゃ! フザケているのか!」
部下が何かを言うたび怒鳴りつけ、ハタモトがダラダラと汗を流す。
今月だけでハタモト組の関係者が30人ほど命を落としている。
まるで1日1殺を自らのノルマとして課しているように‥‥。
「‥‥随分と困っているようだな」
ダークスーツに着込んで日本刀を肩に掛け、ミフネがサングラス越しにハタモトを睨む。
「ミ、ミフネか。お、驚いたじゃないか。部屋に入る時はきちんとノックを‥‥」
「‥‥しただろ? 何回も‥‥」
必要最低限の事だけ言う。
‥‥それだけで充分だった。
ミフネの身体から漂う殺気に驚き、ハタモトが気まずい様子で咳き込んだ。
「そ、それじゃ、さっそくだが‥‥男をひとり始末して欲しい。なあに、簡単な事さ。お前の実力なら、すぐに済む」
あえてゴクドーが殺られた事は口にせず、ハタモトが汗を拭ったハンカチを絞る。
ハタモト組に雇われた用心棒ミフネは、どんな依頼であっても失敗した事がない。
そのため、余計な事を口にすれば、今度は自分の命が危なくなる。
「‥‥ゴクドーが死んだんだろ?」
すべてを悟った様子で、ミフネが日本刀を振り下ろす。
‥‥緊迫の一瞬。
「報酬は今までの倍だ。それで文句は無いだろ? 他の奴等も分かったな! 何が何でも死神ライターのタマ取れや!」
動揺していた事を誤魔化すようにして部下達を叱り、ハタモトがテーブルをドンと叩く。
それと同時に死神ライダーがバイクに乗って壁を突き破り、爆音を立てながらハタモトの真横に横付けする。
「ひぃ、ひぃぃぃぃぃ! た、助けてくれ!」
心臓が飛び出るほど驚きながら、ハタモトが腰を抜かす。
死神ライダーが現れた途端、部下達が蜘蛛の子を散らすように逃げていったため、頼みの綱はミフネだけだ。
「‥‥なるほど。正面玄関から堂々と来た訳か」
壊れた壁を見つめながら、ミフネが満足した様子でクスリと笑う。
既にハタモトの部下達は倒されており、通路には死体の山が出来ている。
「‥‥俺は大和魂を持っている」
日本刀をゆっくりと引き抜き、ミフネが間合いを取っていく。
次の瞬間、ミフネが攻撃を仕掛け、雄叫びを上げて日本刀を振り下ろす。
しかし、死神ライダーに日本刀を受け止め粉砕し、呆然とするミフネめがけて手刀を放つ。
「た、助けてくれっ! か、金ならいくらでもやるからっ!!」
札束を片手に命乞いを始めるハタモト。
しかし、死神ライダーは容赦をしなかった。
ただ、ひとり。
物陰に隠れて現場写真を撮っていたジャックだけを除いては‥‥。
●シーン3 謎の組織
「‥‥ここが死神ライターの生まれた場所か」
過去に起きた死神ライダー事件を調べ上げ、ジャックがとある研究所に辿り着く。
死神ライダーが最初に起こした事件。
それが製薬会社の研究所爆破。
新聞やニュースで詳しく取り上げられる事は無かったが、警察のデータベースにハッキングした結果、この研究所では人体実験が行われている事が判明した。
研究所が閉鎖された今でも中止される事なく‥‥。
「死神ライダーの正体を知るためには行くしかないか」
覚悟を決めた様子で気合を入れ、ジャックが研究所の中に入っていく。
表向き研究所は閉鎖されているのだが、地下では研究が続けられており、ハカセ達の話し声が聞こえてきた。
「久シ振リダネ、マイ・サン。捜シタヨ。君ノ活躍ハ全テ見テイタ。イヤイヤ、全ク以ッテ素晴シイ。‥‥如何カネ? 組織ニ帰ッテコナイカイ? 組織ハ君ヲ抹消シタガッテイルガ、君ヲ消シ去ルノハ非常ニ惜シイ。ダガ、私ガトリナセバ組織モ君ヲ受容レテクレル。ソシテ私ナラ君ニ更ナル力ヲ与エラレル! ‥‥如何ダイ? 悪イ話デハナイ、寧ロトテモ良イ話ダロウ?」
カタコトまじりの日本語を使って、ハカセが死神ライダーを説得する。
しかし、死神ライダーは何も答えず、バイクに乗ったままだ。
「ヤレヤレ、所詮ハMiss Creationカ‥‥。Hey! ホワイトナイト! 出番ダ!! 其処ノ失敗作ニ完全体ニシテ最高傑作デアル、オ前ノ性能ヲ見セ付ケテヤレ!!」
残念そうに溜息をつきながら、ハカセが指をパチンと鳴らす。
それと同時にホワイトナイトが暗がりから現れ、死神ライダーを睨んで指の関節をポキポキと鳴らす。
「へっ‥‥、おとなしく言う事を聞いてりゃ死なずに済んだのによ。まったくバカな野郎だぜ。俺の名は『ジャスティス』はてめえの『デスサーティーン』みてえな出来損ないじゃねえんだぜ。格の違いってのを見せてやるぜ」
デモンストレーションとばかりに脱出用の高級車を破壊し、ジャスティスが死神ライダーを挑発する。
脱出用の高級車が破壊されてしまったため、死神ライダーよりもハカセの方が驚いているようだが、ジャスティスにとっては些細な事だ。
「‥‥どうだ。ちったあビビッたか。コイツはパーフェクトなんだぜ」
装甲の腕を叩きながら、ジャスティスがポーズを決める。
しかし、死神ライダーはまったく興味が無いため、迷わずジャスティスに攻撃を仕掛けてきた。
「おっと‥‥、いきなりかよ。まぁ、お前には時間が無いからな。‥‥痛むんだろ? やり過ぎちまうとさ」
含みのある笑みを浮かべながら、ジャスティスが死神ライダーの攻撃を避ける。
死神ライダーの場合は限界時間があるため、早く勝負をつけないとジャスティスを倒すどころか命まで落としてしまう。
「おい、これで終わりか? 弱いな、お前‥‥」
勝ち誇った様子で死神ライダーの背中を踏み、ジャスティスが拳を突き上げて勝利を宣言する。
しかし、死神ライダーはムクッと起き上がり、ジャスティスめがけてアッパーを放つ。
「オイ、ハカセ、一体どうなってるんだ!?」
死神ライダーの一撃によってマスクにヒビが入ったため、ジャスティスが納得のいかない様子で怒鳴りつける。
次の瞬間、死神ライダーが回し蹴りを放ち、渾身の一撃を放ってジャスティスの強化外骨格を破壊した。
「そ、そんな馬鹿な!?」
死神ライダーに身体を貫かれ、ジャスティスが絶命する。
「馬鹿ナ!? 性能ハホワイトナイトガ圧倒的ダッタハズ! ソレガ何故!?」
無様に腰を抜かして悲鳴をあげ、ハカセが青ざめた表情を浮かべて失禁した。
その間にジャックがカメラを構えてシャッターを切る。
いつの間にか恐怖心は消え、まるで取り憑かれたように‥‥。
『ヒ‥‥ヒィ!? コ‥‥、コココココ殺ルノカ!? 私モ殺ルノカ!? イイイイイイイイ嫌ダ嫌ダ否ダ否ダイヤダイヤダシシシシ死ニタクナイィィィィィ」
パニックに陥って命乞いをした後、ハカセが恐怖のあまり気絶した。
満身創痍の姿でハカセを一瞥し、死神ライダーが闇の中へと踵を返す。
自らの居場所を求めて‥‥。