ゴーストハンターズアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 ゆうきつかさ
芸能 2Lv以上
獣人 2Lv以上
難度 普通
報酬 3.6万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 11/19〜11/23

●本文

【物語】
 舞台はアメリカ・ニューヨーク。
 主人公達は代々ゴーストハントを生業としており、数々の何事件を解決したその道のプロ。
 しかし、同業者の出現によって仕事は激減。
 しまいには事務所として借りていたビルの家賃さえ払えなくなる始末。
 そのため、主人公達は先祖が封印したゴースト『ゲートキーパー』を一時的に解放して、ゴースト事件を増やそうとするのだが‥‥。

【登場人物】
・主人公A
 専用の武器を使ってゴーストと戦う事の出来るため、どんな事でも気合があれば大丈夫だと思っている。
 しかし、仕事が激減した事によって、先祖達が苦労して封印したゴーストを解放する事に。

・主人公B
 ゴーストの研究家であり発明家。
 今までにもゴーストを使って武器などを作っており、チームのアドバイザー役。
 ただし、ゲートキーパーの封印に関しては、その恐ろしさを知っているため大反対。

・主人公C
 ゴーストを封印する事の出来る力を持っており、自分の実力ならゲートキーパーを封印する事が出来ると思っている。
 そのため、主人公Aの提案にも乗り気だが‥‥。

・事務員
 ゴーストハンターズで事務を担当。
 仕事が激減した事により、転職を考えている。
 クールな性格をしているが、主人公達の発言には色々と突っ込みを入れてくる。

・ゲートキーパー
 主人公の先祖達が命懸けで封印したゴースト。
 戦時中に亡くなった兵士達の恨みや無念が集まってゴースト化したもの。
 そのため、自分の身体からゴーストを生み出す(?)事が出来るため、ゲートキーパーという名前がつけられた。
 ゴーストを操る力を持っている。

・ゴースト
 ゲートキーパーの配下。
 生前は殺人鬼だったらしく、刃物フェチ。

・ゴーストハンター
 主人公達のライバル。
 ゴースト退治を依頼してきた被害者達から多額の報酬を受け取る事によって会社を大きくしてきたのだが、実際は支配下に置いたゴーストを使って事件を起こしているだけなので、仕事が失敗する事はない。

・使い魔
 ゴーストハンターの使い魔。
 色々な姿に変身する事が出来るため、ゴーストハンターには大事にされている。
 実際はそれほど力があるわけではないため、ポルターガイスト現象を起こす程度。

【シーン説明】
・シーン1 ゴーストハンターズ
 ゴーストハントの依頼が激減したため、開店休業中の事務所。
 そのため、事務員が転職雑誌を持ちながら、パソコンを使って新しい職を探している。
 しかも、今月中に家賃の支払いをしなければ、ビルから立ち退かねばならない。
 そこで主人公達は先祖達が封印したゴーストを解放する事に‥‥。

・シーン2 ゲートキーパー
 長年に渡って封印されていたため、ゲートキーパーが新たな力を得るため町へ。
 そこでゴーストハンターに遭遇。
 ゴーストを使って逃げようとするが、変身した使い魔の妨害に遭ってゴーストハンターに捕まり再封印。
 封印を解く代わりにゴーストハンターの仕事を引き受ける事に‥‥。
 そのため、使い魔が用なしになってしまう。

・シーン3 使い魔
 多発するゴースト事件。
 主人公達は大喜び。
 そして、使い魔からの依頼。
 ゲートキーパーの封印。
 報酬は主人公達の借りているビル。
 拒否すればビルを買い取って主人公達を追い出すつもりらしい。
 そのため、主人公達は渋々ながら依頼を引き受けることに。

・シーン4 再封印
 ゲートキーパーのせいで混乱する街。
 既にゴーストハンターですら手のつけられない状況に。
 そこで主人公達が登場。
 ゴーストハンターと力を合わせて、ゲートキーパーを封印する事に。

●今回の参加者

 fa0225 烈飛龍(38歳・♂・虎)
 fa0363 風見・雅人(28歳・♂・パンダ)
 fa0756 白虎(18歳・♀・虎)
 fa1242 小野田有馬(37歳・♂・猫)
 fa3354 藤拓人(11歳・♂・兎)
 fa3802 タブラ・ラサ(9歳・♂・狐)
 fa4079 志祭 迅(26歳・♂・鴉)
 fa4300 因幡 眠兎(18歳・♀・兎)

●リプレイ本文

●キャスト
 兎塚・イナバ(主人公A)役:因幡 眠兎(fa4300)
 烏部籐也(主人公B)役:藤拓人(fa3354)
 クロウ(主人公C)役:志祭 迅(fa4079)
 ジム(事務員)役:小野田有馬(fa1242)
 四方院 白虎(ゲートキーパー)役:白虎(fa0756)
 ゴースト役:風見・雅人(fa0363)
 ラリー・コバヤシ:烈飛龍(fa0225)
 百(使い魔):タブラ・ラサ(fa3802)

●シーン1 ゴーストハンターズ
「はぁ‥‥、暇だな〜」
 ソファにゴロリと寝転がり、イナバが疲れた様子で溜息をつく。
 最近になってからゴースト退治の仕事が激減したため、仕方なく辺りをぶらついていたのだが、美味しい仕事が転がっているわけもなく、ガックリと肩を落として帰ってきた。
「‥‥この不景気に冗談じゃないですよ。今月中に家賃が支払えなければ、このビルから立ち退かねばならない事を忘れた訳じゃないでしょう?」
 転職雑誌とパソコンを交互に見つめ、ジムが眉をひそめてイナバを睨む。
「冗談でしょ? まだ半年しか滞納していないんだよ?」
 驚いた様子で起き上がり、イナバが目を丸くさせる。
「来週の水曜までに仕事の一件もないと、我々は立ち退きをさせられる可能性が100%ですね」
 パソコンのキーボードを叩いて確率を弾き出し、籐也がキッパリと答えを返す。
 既に立ち退き請求がなされているため、家賃を払わない限り此処に居る事が出来ない。
「実に深刻な問題です。どこかで鼠(ゴースト)が大量発生してくれればいいんですか‥‥」
 困った様子で溜息をつきながら、ジムが求人雑誌をめくっていく。
「だったら御先祖様が封印したゴーストを解放しちゃおうよ。そうしたら仕事も増えるし、お金も入ってくるから二倍お得だよ♪」
 のほほんとした表情を浮かべ、イナバが金庫を指差した。
 金庫の中には、あの世とこの世を繋ぐ力を持ったゲートキーパーが封印されている壷があるため、その封印を解いてゴーストを暴れさせ仕事の依頼を増やそうと考えているようだ。
「その話、乗った!」
 指をパチンと鳴らし、クロウが金庫のダイヤルを回す。
「‥‥駄目です。この亡國の女はあまりにも凶悪すぎます。今の装備では120%勝ち目がありません」
 不機嫌な表情を浮かべながら、籐也がジロリとふたりを睨む。
 ゲートキーパーは生前、帝国海軍の少尉として名を馳せており、ゴーストとなった後も帝都を混乱に陥れたため、藤也達の先祖が命と引き換えに封じ込めたものなので、どんな事情があっても封印を解くわけには行かない。
「一体、何を考えているんですか。そんな事をしたらニューヨークの街がゴーストで溢れかえってしまいますよ。でも‥‥、背に腹は代えられませんね。ゲートキーパーの封印を解きましょう」
 そう言ってジムが深い溜息をつくと、金庫の中から古びた壷を取り出した。

●シーン2 ゲートキーパー
「‥‥何処だ、ここは?」
 ニューヨーク上空から街を眺め、白虎が驚いた様子で眉を顰める。
 イナバ達によって封印を解かれた瞬間、窓ガラスを突き破って街に出たのだが、そこには見た事もないような景色が広がっていた。
「クッ‥‥。封印されていたせいで力が出ない!」
 信じられない様子で辺りを見回し、白虎が悔しそうに唇を噛み締める。
 しかも残った力を振り絞り、ようやく開く事の出来たゲートから飛び出してきたのは、たった一体のゴーストであった。
「ヒャッホゥ! 久しぶりのシャバだぁ〜!」
 能天気な笑い声を響かせながら、ゴーストが白虎のまわりを飛び回る。
「まぁ、落ち着け。お前には色々とやってもらう事があるからな」
 クールな表情を浮かべながら、白虎がジロリとゴーストを睨む。
 その気迫に圧倒され、ゴーストが急に大人しくなった。
「一体、何処に行こうというのかね? もう何処にも逃げる術がないというのに‥‥」
 ビルの屋上に立って警告まじりに呟きながら、ラリーが白虎を狙って拳銃を構える。
「悪いがお前と遊んでいる暇はない」
 すぐさまゴーストを嗾け、白虎がラリーから離れていく。
「おっと! 逃げようったってそうはいかないぜ!」
 呪文を唱えて九尾の狐に変身し、百が白虎の行く手を阻む。
 それと同時にラリーがゴーストを撃ち抜き、そのまま日本刀を構えて白虎を斬り捨てた。
「くそぉ〜‥‥チカラさえあれば、この程度のヤツに」
 悔しそうな表情を浮かべながら、白虎がラリーによって封印される。
「‥‥良かろう。この私が十分に活用してやろう」
 含みのある笑みを浮かべながら、ラリーが呪文を唱えて印を結ぶ。
 それだけで白虎には何をすべきか理解する事が出来た。
「‥‥なるほど。そういう事か。‥‥いいだろう。暴れるだけ暴れてやる!」
 そして、白虎はニューヨークの街に降りていく。
 ゲートキーパーとしての役目を果たすため‥‥。

●シーン3 使い魔
「ヒャッホゥ! 最高だ!」
 白虎の力によってゲートが開き、ゴーストが群れを成してニューヨークの街を飛び回る。
 ラリーはその中から依頼のあったゴーストだけを狩り、今まで以上に多額の報酬を得ていった。
 もちろん、それはゴーストハンターズも例外ではない。
 事務所ではジムが次々と鳴り続ける電話の応対に追われていた。
「あんたらか。奴の封印を解いたのは! そのせいで、おいらはお払い箱さ。一体、どう責任を取ってくれるんだよ!?」
 事務所のドアを突き破り、百が机をドンと叩く。
 どうやらラリーに捨てられ、路頭に迷っているらしい。
「使い魔くん? プリーズという単語を知っているかね? それをしない依頼は300%受けない事にしてるんだ」
 封印装置のスイッチを入れ、籐也が警告まじりに呟いた。
「だったら、ちゃんと責任を取れよ。さもなきゃ、ここを追い出してやる!」
 不機嫌な様子で事務所の中を飛び回り、百が次々とパソコンを壊していく。
「ちょっと待て! お前にそんな権利はないだろ? それともまさか‥‥、ビルの権利書を持っているのか?」
 青ざめた表情を浮かべながら、クロウがダラリと汗を流す。
「‥‥当たり前だろ! ここを追い出されたくなかったら、おいらの依頼を引き受けろ!」
 ビルの権利書をチラつかせ、百が大きく頬を膨らませる。
「わ、分かったよ。だから権利書をこっちに頂戴。必ず白虎を封印するからさ」
 そう言ってイナバが疲れた様子で溜息をついた。

●シーン4 再封印
「はっはっはっはっ! ‥‥いいぞ。チカラが‥‥チカラがあふれてくる‥‥」
 満足した様子で笑みを浮かべ、白虎がゲートを開いてゴースト達を解放する。
 解放されたゴースト達は手当たり次第に人々を襲い、次々と負のエネルギーを吸い取っていく。
「お、おい‥‥。そこまでやれとは、命じてはいないぞ」
 素早く印を結んで白虎を睨み、ラリーがハッとした表情を浮かべて汗を流す。
「何をそんなに驚いているんだ? いまさら利用されている事に気づいたのか?」
 邪悪な笑みを浮かべながら、白虎が自らの力を解放する。
 それと同時に負のエネルギーが刃となってラリーに襲い掛かり、あっという間に彼の身体を切り刻む。
「よくも御主人様を!」
 すぐさま白虎に体当たりを食らわせ、百が両手を開いてラリーを守る。
「誰かと思えば、あの時のヤツか。邪魔だ、退け」
 不機嫌な表情を浮かべながら、白虎が指をパチンと鳴らす。
「ヒャッホゥ! 皆殺しだ!」
 全身に刃物を生やして百を切り裂き、ゴーストが嬉しそうにクルリッとまわる。
 その間に白虎が負のエネルギーを操り、ニューヨークの街を炎に包んでいく。
「マズイ事になりましたね。とにかく僕は市民の避難誘導にあたりますので‥‥、あと頑張って下さい」
 絶望的な状況にある事を悟り、ジムが住民達の避難に向かう。
「む‥‥、今日は随分と来客が多い日だな。だが、お前達には感謝しているぞ。これで堕落した人民を統率するには十分なチカラを得たからな」
 満足した様子で笑みを浮かべ、白虎が負のエネルギーを解放する。
「このままじゃ、ニューヨーク全土が焦土と化しちまう。‥‥たくっ! 何とかならねえのかよ」
 険しい表情を浮かべながら、クロウが黒ずんだ右肩を押さえて膝をつく。
「‥‥ひとつだけ方法があります。ひとりひとりは100%の力しか無くても4人合わせれば400%の力になります。それで、あの女将校を封印しましょう」
 負のエネルギーを喰らって胸を押さえ、籐也がラリーにむかって声をかける。
「私に手を貸せと言うのか。だが、事ここに至っては致し方ない。おぬしらの手を貸してやろう。しかし、手を結ぶのは今回きりだ。勘違いするな」
 籐也と息を合わせて印を結び、ラリーが白虎の封印を試みた。
「ははは! まだ抵抗するか、諦めよ。このまま日本帝国の‥‥ぐはっ! ば、馬鹿な!? 我が負けるというのか! ぐわあああああ!」
 ラリー達の四方を囲まれて封印陣を組まれ、白虎の魂が再び壷の中へと封じ込まれる。
「これにて一件落着、と。でも、しばらく仕事には困りそうにないね。ニューヨークに散らばったゴースト達を封印しなきゃならないからさ」
 そう言ってイナバが何処か寂しそうな表情を浮かべて、白虎の封印された壷を優しく撫でるのであった。