グリード南北アメリカ
種類 |
ショート
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担当 |
ゆうきつかさ
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
3.6万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
12/01〜12/05
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●本文
【物語】
のどかな農村を襲った大地震。
その大地震がキッカケにして、巨大地底生物が目を覚ました。
地底生物の名は『グリード』。
グリードは獲物が地面を歩く振動を感知して、細長い触手を伸ばし地面の中に引きずり込む。
そのため、村人達は命懸けで村から脱出する事になるのだが‥‥。
【登場人物】
・村人達
村人達の武器は農耕具と猟銃です。
近くに炭鉱があるため、ダイナマイトを持っていても構いません。
また、かつてグリードと戦った事のある者もいるかも知れません。
ただし、この映画では使える人間ほど死にやすく(B級映画のお約束)なっています。
・警察関係者
保安官などの警察関係者です。
銃ほどを使用する事が出来ますが、ほとんど役に立ちません。
・軍関係者
彼らは思わせぶりの態度で村人達を助けてくれます。
そのため、トンデモ設定などを出す事も出来ますが、死亡率が最も高くなっています。
特に重要な情報を言おうとした時が危険です。
その代わり、色々な武器を使用する事が出来ます。
【シーン説明】
・シーン1 大地震
突然の地震によってパニックに陥る村人達。
この地震が原因で牧場の牛が逃げ出し、グリードの餌食になります。
そこで誰かが一言。
「‥‥まさかグリードが目覚めたのか?」
・シーン2 グリード
パトカーに乗って警察関係者が村の様子を見に来ます。
しかし、その頃には村人達がグリードに襲われている最中です。
・シーン3 絶体絶命
警察関係者からの連絡を受けて軍関係者が村に派遣されてきます。
しかし、グリードには歯が立たず、次々と倒れていきます。
そんな中、グリードの弱点が、意外な物である事が判明し‥‥。
●リプレイ本文
●キャスト
ジャック(村人)役:三条院・棟篤(fa2333)
ジョン(農場の親父)役:守山脩太郎(fa2552)
ニコール(鉱山主の一人娘)役:結城ハニー(fa2573)
ブリジット(ウイスキー醸造工場の社長令嬢)役:十六夜 勇加理(fa3426)
リタ(酒場のウェイトレス兼店番)役:斉賀伊織(fa4840)
マックス(警官)役:マサイアス・アドゥーベ(fa3957)
メルビン(新米保安官)役:シーザー・N(fa4450)
アレフ(軍人)役:夜野星冶(fa4455)
●シーン1 大地震
「一体、誰の許可を貰ってサボッているのかしら? あんた達は私の奴隷なのよ。分かっているの?」
不機嫌な表情を浮かべながら、ニコールが村で唯一の酒場に入っていく。
ニコールは村の有力者たる鉱山主の一人娘。
ミスコン州代表の一歩手前まで選ばれた程の美少女で、男どもは自分の為に動いて当然だと思っている。
「もちろん、俺の許可を貰ってサボッているのさ。‥‥いいじゃねえか、ちょっとぐらい。ノルマ分の仕事をすれば文句は無いだろ? とりあえず、その物騒なモノをしまいやがれ!」
ニコールの持った鞭を睨みつけ、ジョンがゴクリと酒を飲む。
ジョンは農場を経営しており、鉱夫達に慕われている。
「ちょっと待ってよ! 喧嘩をするのなら、店の外でやってよね! ‥‥きゃあ!? 地震!!」
ふたりにむかって猟銃をむけたのと同時に、立っていられないほどの大地震が起こり、リタが悲鳴を上げて尻餅をつく。
大地震によってウイスキー醸造工場が飲み込まれ、他の建物も音を立てて沈んでいった。
「こりゃあ、大変な事になったでぇ! この酒場を残して、村の建物が跡形も無く沈んでいきおった!」
青ざめた表情を浮かべながら、ジャックが壊れた窓から顔を出す。
大地震の影響で村は壊滅状態になっており、辛うじてジャック達のいる酒場だけが残っている。
「じょ、冗談でしょ!? それじゃ、私の屋敷まで沈んだわけ!? あ、有り得ないわ! こんなボロイ酒場が残っているのにフザケないで!」
納得のいかない様子で鼻を鳴らし、ニコールがブツブツと愚痴をこぼす。
「‥‥って、ウチの酒場にいたから、命が助かったんじゃない! それなのに文句を言われる筋合いは無いわ!」
殺気に満ちた表情を浮かべ、リタが酒場の柱をガツンと叩く。
それと同時に酒場の屋根が音を立てて崩れ落ち、あっという間に酒場が瓦礫の山と化した。
「おーっほっほっ! やっぱりボロはボロね! ‥‥って、何よコレ? ぎゃぁぁぁ!!」
地面の裂け目から現れたグリードの触手に襲われ、ニコールが悲鳴を上げて地中に引きずり込まれていく。
「な、なんだ、ありゃ!!」
唖然とした表情を浮かべ、ジョンがダラリと汗を流す。
「‥‥まさかグリードが目覚めたんか?」
そう言ってジャックがその場に立ち尽くした。
それは村人達が命懸けで封じ込めた化け物の名前‥‥。
●シーン2 グリード
「‥‥これは酷い状況だな」
大地震によって崩壊した村を眺め、マックスが溜息を漏らす。
被災した村人達を救出しに来たのだが、あまりの惨状に言葉を失っている。
「とにかく生存者がいないか捜してみよう」
険しい表情を浮かべながら、メルビンが村の中に入っていく。
村人達は半壊した酒場の前で見つかったが、みんな青ざめた表情を浮かべている。
「一体、何があったんだ! 詳しく説明してくれないか?」
ジョンの麦藁帽子を拾い上げ、マックスが村人達をジロリと睨む。
「グ、グリードが現れたんや。それでニコールとジョンを‥‥」
青ざめた表情を浮かべながら、ジャックが地面の裂け目を指差した。
どうやらジョンはマックス達が来る前にグリードの餌食になってしまったようだ。
「グリード‥‥だと? そいつは犯人の名前か? それとも飼っていたペットの名前とか‥‥? とにかく凶暴な奴がいるんだな?」
不思議そうに首を傾げ、メルビンがボソリと呟いた。
「ちゃう! グリードは、かつて村人達を恐怖のどん底に陥れた化け物や! いままでウイスキー醸造工場の地下に封印されていたんやが、さっきの地震で目を覚ましてしまったんや!」
村に伝わる伝承を思い出し、ジャックが熱く語っていく。
グリードに関してはいくつかの書物が残っていたのだが、先程の地震で家が沈んでしまったので確認する事が出来ない。
「とりあえず落ち着け! それじゃ、ウイスキー醸造工場に行けばいいんだな? 化け物だかなんだか知らんが、蜂の巣にしてやろう!」
ジャックの言っている事を理解する事が出来ぬまま、マックスは銃を構えてウイスキー醸造工場の跡地にむかう。
ウイスキー醸造工場の跡地には原酒を頭から被って酔っ払ったブリジットの姿があり、いまにも泣き出しそうな表情を浮かべている。
「た、助けてぇ! 床下に何かいるよぉ!」
消え去りそうな声をあげ、ブリジットがマックス達に助けを求めた。
それと同時にブリジットの背後から触手が現れ、何かを呟こうとしていたリタを捕まえ、地面の裂け目に引きずり込んでいく。
「ええい、地中にいるのでは撃てんではないか!」
不機嫌な表情を浮かべながら、マックスがグリードの触手を狙って銃を撃つ。
しかし、グリードの触手は地面の割れ目に逃れたため、いくら銃を撃っても傷ひとつつけられない。
「‥‥どうしてだ? あの化け物‥‥、わざわざ遠くにいた彼女を、なぜ?」
納得のいかない表情を浮かべ、メルビンが地面の裂け目を見つめて口を開く。
そして、リタが口にしようとしていた言葉を思い出す。
「‥‥そうか、酒だ! グリードは酒が苦手なんだ!」
心の中でモヤモヤとしていたものが一本の線で繋がり、メルビンが確信したかのように大声で叫ぶ。
「さ、酒ならここに仰山あるで!」
そう言ってジャックがウイスキー醸造工場に保管してあった酒樽を指差した。
●シーン3 絶体絶命
「チィ‥‥、まさか奴が蘇っていたとはな」
マックスからの連絡を受け、アレフが村の中に入っていく。
アレフは幼い頃に祖父からグリードについて話を聞いており、ブリジットを守るための力を求めて軍に入隊した。
「‥‥間に合ってくれよ。頼むから‥‥」
祈るような表情を浮かべながら、アレフはマシンガンを構えてウイスキー醸造工場にむかう。
そして、真っ先にブリジットの安否を確認すると、ホッとした様子で溜息をつく。
「詳しい状況を聞かせてくれ。武器なら山ほど持ってきた」
村の入り口に止めておいたジープを親指で指しながら、アレフがブリジット達を見つめてニヤリと笑う。
それと同時にグリードの触手がジープを襲い、バキバキと音を立てテ地面の割れ目に消えていく。
「‥‥いま言った事は忘れてくれ。武器はマシンガンだけしかない」
気まずい様子で視線を逸らし、アレフがダラリと汗を流す。
まさかジープごと飲み込まれるとは予想もしていなかったため、苦虫を潰したような表情を浮かべている。
「し、心配するな。グリードはアルコールに弱い。つまり地面の裂け目にアルコールを流し込み、ダイナマイトを爆発させる事が出来れば、わしらにも勝ち目はあるというわけだ」
苦笑いを浮かべながら、マックスがアレフの肩を叩く。
ニコールの屋敷倉庫から大量のダイナマイトが見つかったため、うまく行けばグリードを倒す事が出来そうだ。
「それじゃ、地面の裂け目に酒を流し込むぞ! グリードの逃げ道を塞ぐようにして、まわりから!」
グリードの逃げ道を塞ぐため、メルビンが酒樽を蹴って地面の割れ目に流し込む。
次の瞬間、地面の割れ目からグリードの触手が現れ、ブリジットの身代わりとなって行く手を阻んだアレフを地中の底に引きずり込んでいく。
「ど、どうして‥‥? うちはお酒の匂いがするから、グリードに襲われる事が無いのに‥‥。どうして、うちを助けようとしたの? そのままジッとしていれば、死ぬ事なんてなかったのに‥‥」
信じられない様子で地面の割れ目を見つめ、ブリジットがガックリと膝をつく。
「悲しんでいる暇はないで! グリードが怒っているんや! 早く酒を撒かんと僕らまで‥‥うわあああああ!」
酒樽を蹴ろうとしてグリードの触手に捕まり、ジャックが悲鳴を上げて地面の割れ目に引きずり込まれた。
「よくも、みんなを! くたばりやがれ!」
そう言ってメルビンがダイナマイトを放り投げ、ブリジットを抱きかかえるようにして身を伏せる。
それと同時にダイナマイトが爆発し、グリードの身体が木っ端微塵に吹っ飛んだ。
「‥‥終わったな。何もかも‥‥」
どこか寂しそうな表情を浮かべ、マックスが疲れた様子で溜息をつく。
何とかグリードを倒す事は出来たが、仲間を失った痛みは一生消える事が無いだろう。
「いや、これがすべての始まりだ」
地平線にゆっくりと沈む夕日を眺めながら、メルビンがゆっくりと拳銃に弾を込めていく。
再びグリードが復活した時の事を考え、今回の出来事を何らかの形で残していこうと思いながら‥‥。