ジェノサイダー南北アメリカ

種類 ショート
担当 ゆうきつかさ
芸能 3Lv以上
獣人 3Lv以上
難度 難しい
報酬 10.4万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 12/09〜12/13

●本文

【物語】
 舞台はアメリカ・ロサンゼルス。
 一筋の雷が落ちたのと同時に、未来から殺人マシーンがやって来た。
 彼らの目的はただひとつ。
 未来で敵対関係にある反乱軍のリーダーを、成人する前に抹殺してしまう事である。
 そのため、反乱軍はリーダーを守るため、最強のサイキック軍団を過去へと送り出した。

【登場人物】
・主人公
 未来の世界では反乱軍を纏めるリーダーをしているようですが、現在の彼は気弱な少年です。

・ジェノサイダー
 未来から送られてきた殺人マシーン軍団です。
 人間とソックリな外見をしていますが、全身に武器が搭載されています。
 自己修復機能などもありますが、何らかの弱点を持っています。

・サイキッカー
 主人公を守るために未来からやって来た超能力者達です。
 人並み外れた力を持っていますが、その反動で何らかの弱点を持っています。

【シーン説明】
・シーン1 ジェノサイダー
 土砂降りの雨の中。
 主人公が家に帰る途中。
 一筋の雷と共にジェノサイダー達が現れる

・シーン2 サイキッカー
 逃げ惑う主人公。
 眩い光と共に登場するサイキッカー達。
 彼らは主人公を守るため、ジェノサイダーに攻撃を仕掛けていきます。

・シーン3 戦い
 ジェノサイダーVSサイキッカー。
 そして、逃げ惑う主人公。
 結果的に主人公だけは生き残る事になるのですが‥‥。

●今回の参加者

 fa2605 結城丈治(36歳・♂・蛇)
 fa2661 ユリウス・ハート(14歳・♂・猫)
 fa2662 ベルタ・ハート(32歳・♀・猫)
 fa2772 仙道 愛歌(16歳・♀・狐)
 fa3237 志羽・明流(23歳・♂・鷹)
 fa3623 蒼流 凪(19歳・♀・蝙蝠)
 fa3776 コーネリアス・O(32歳・♂・猿)
 fa4930 マモル・ランスロット(20歳・♂・豹)

●リプレイ本文

●キャスト
 ユージン・クラウン(主人公)役:ユリウス・ハート(fa2661)
 シュバルツ(ジェノサイダー)役:結城丈治(fa2605)
 OK−3A型(ジェノサイダー)役:ベルタ・ハート(fa2662)
 メリッサ(ユージンの母親)役:ベルタ・ハート(二役)
 ブッコワスダー(ジェノサイダー)役:仙道 愛歌(fa2772)
 ジェノサイダー役:マモル・ランスロット(fa4930)
 アキト(サイキッカー)役:志羽・明流(fa3237)
 チャン・ユイリン(サイキッカー)役:蒼流 凪(fa3623)
 ハウル(サイキッカー)役:コーネリアス・O(fa3776)

●シーン1 ジェノサイダー
「うわっ‥‥、雨かよ〜。ツイてないなぁ」
 図書館のパソコンを使ってあちこちのサイトを覗いている途中で土砂降りの雨が降り、ユージン・クラウン(通称:ジーン)が図書館から飛び出して自転車に乗った。
 次の瞬間、一筋の雷がジーンの目の前に落ちる。
「うっ、うわわわわ!」
 突然の出来事に驚きながら、ジーンが悲鳴を上げて自転車から転がり落ちた。
「な、なんだありゃ!?」
 雷を落ちた場所を指差し、通行人達が悲鳴を上げる。
 ‥‥現実には決して有り得ない光景であった。
「ひ、人‥‥?」
 青ざめた表情を浮かべながら、ジーンが腰を抜かして人影を睨む。
 人影は全部で4つ。
 4人とも身体に雷を鎧のようにして身に纏い、ゆっくりとジーンに近づいていく。
「‥‥貴様がユージンか」
 液体金属のボディを変化させ、ジェノサイダーが剣状に変化した右腕を振り上げる。
「だ、誰!?」
 訳も分からずジェノサイダーを睨みつけ、ジーンが悲鳴を上げて尻餅をつく。
「‥‥誰でもない」
 クールな表情を浮かべて腕組みしながら、ジュバルツがジロリとジーンを睨む。
 それと同時にブッコワスダーが雄叫びを上げ、近くにあった自動車をパンチ一発で破壊した。
「うわあああ! ば、化け物だああああ!」
 その姿を目の当たりにして、通行人が蜘蛛の子を散らすようにして逃げていく。
 しかし、ブッコワスダーは通行人には目もくれず、ジーンだけを狙って攻撃を仕掛けてくる。
「ちょっ、ちょっと待ってよ!」
 大粒の涙を浮かべながら、ジーンが這うようにして逃げていく。
 ‥‥逃げなければ殺されてしまう。
 それだけはジーンにも理解する事が出来た。
「スベテハカイスル」
 背後からブッコワスダーの声が響く。
 それと同時に眩い光がジーンの身体を包み込んだ。

●シーン2 サイキッカー
「‥‥何とか間に合ったようですね」
 ホッとした様子で溜息をつきながら、チャンがチャイナドレス姿でジェノサイダー達を睨みつける。
 しかし、ジェノサイダー達は動揺する事なく、次々とチャンに対して攻撃を仕掛けてきた。
「えっと‥‥あ、あの‥‥」
 全く状況を理解する事が出来ず、ジーンが怯えた様子で口を開く。
 チャン達が味方であるとも限らないため、ここで安心してはいられない。
「早く逃げないと危ないよっ♪」
 爽やかな笑みを浮かべながら、アキトがパイロキネシスを使って、ジェノサイダーの身体を発火させる。
 それでもジェノサイダーは立ち止まる事なく、真っ赤な炎を纏ったままでアキトに攻撃を仕掛けてきた。
「ちょっ、ちょっと待ってよ。俺は支援担当なんだから」
 慌てた様子でジェノサイダーの攻撃をかわし、アキトが気まずい様子で汗を流す。
 それと同時にハウルがジェノサイダーの行く手を阻み、咆哮をあげて空間が歪むほどの衝撃波を放つ。
「‥‥なるほど。サイキッカーか」
 ハウルの衝撃波を軽々と跳ね返し、シュバルツが納得した様子でニヤリと笑う。
 この時代にサイキッカーが現れる事は既に予測されていた事なので、驚く事なく右腕を剣に変化させる。
 それに合わせてブッコワスダーが暴走気味に拳を振るい、次々と停車してあった自動車を壊していく。
「どうしたんですか!? 早くここから逃げてください!」
 ジーンが腰を抜かしたまま動こうとしなかったため、チャンが分子構造を精製してマシンガンを出現させる。
 次の瞬間、ジェノサイダーが自動車を踏み台にして飛び上がり、ジーンめがけて剣状に変化した右腕を振り下ろす。
「‥‥立てるね? いまのうちに早く!」
 衝撃波を使ってジェノサイダーの右腕を破壊し、ハウルがジーンを守るようにして壁になる。
 その間にジーンが悲鳴を上げて立ち上がり、フラフラとしながら逃げ出した。

●シーン3 戦い
「‥‥あら? お帰りなさい。ひょっとして傘を忘れたの? ずぶ濡れじゃない。早く服を脱ぎなさい」
 慌てた様子でジーンが家に転がり込んだため、メリッサが冗談まじりにクスリと笑う。
 洗濯物を干しに行く途中だったのか、その手には洗濯籠が握られている。
「そ、それが大変なんだ! いきなり妙な連中に追いかけられて‥‥」
 そこまで説明してジーンがハッとした表情を浮かべて汗を流す。
 メリッサの右腕が真っ赤に染まっており、洗濯機のある場所まで転々と血の跡が続いている。
「か、母さん‥‥だよね?」
 信じられない様子でメリッサの右腕を見つめ、ジーンが少しずつ後ろに下がっていく。
 母親と同じ顔をしているが、何かが違う。
「何をそんなに怯えているの? ‥‥おかしな子。早くお風呂に入りなさい」
 不思議そうに首を傾げ、メリッサがジーンの腕を掴む。
 しかも真っ赤に染まった右腕で‥‥。
「うわああああ!」
 ジーンの悲鳴が辺りに響く。
 それと同時にハウルが現れ、メリッサめがけて衝撃波を放つ。
 その一撃によってメリッサ(OK−3A型)が後ろに吹っ飛び、顔面がパカッと十字に開いて銃がぶっ放す。
「騙されないで。あれはきみの本当のママじゃない」
 すぐさまジーンに飛びつき、ハウルが身代わりとなって弾を喰らう。
「う、嘘だ!」
 激しく首を横に振りながら、ジーンがハウルの言葉を否定した。
 OK−3A型はジーンの命を奪うため、その容姿は過去の資料を参考にして彼の母親そっくりに造られている。
「きみの母親は既に亡くなっている。君だってその事くらい分かっているだろ? あいつが君の母親を殺して入れ替わったんだ!」
 メリッサ(OK−3A型)めがけて衝撃波を放ち、ハウルがジーンを守るようにして攻撃を避けていく。
 何度も弾を喰らったせいでハウルのボディスーツには無数の穴が開き、そこから大量の血がダラダラと流れている。
「さぁ、お母さんの所にいらっしゃい」
 満面の笑みを浮かべながら、OK−3A型が両手を開いて銃を乱射した。
 それと同時にハウルが倒れ込むようにしてジーンを突き飛ばし、彼の身代わりになって息絶える。
「‥‥ご苦労だったな」
 クールな表情を浮かべながら、シュバルツがOK−3A型の肩を叩く。
 次の瞬間、OK−3A型が銃を乱射し、シュバルツのボディに傷をつける。
「血迷ったか!?」
 傷ついたボティを変化させて修復し、シュバルツがチィッと舌打ちした。
 OK−3A型は『抹殺プログラム(命令)』が入力されていたのだが、母親と入れ代わる為に入力されている人間的学習&行動プログラムにより『ジーンの母親として子供を守ろうとする感情』が芽生え、回路に異常をきたしてしまったようだ。
「‥‥ならば破壊するのみ」
 全身を硬化させてOK−3A型の銃弾を弾き、シュバルツが次々と攻撃を仕掛けていく。
 そのため、OK−3A型は攻撃を避ける事が出来ず、ブスブスと煙を上げてショートした。
「俺だって、やる時はやるんだからね」
 背後から攻撃を仕掛けてジェノサイダーに発火させ、アキトが炎の壁を作ってジーンを守る。
 それと同時にジェノサイダーがアキトの心臓を貫き、彼を巻き込むようにしてドロドロに溶けていく。
「相打ちとは‥‥愚かな」
 瀕死の状態だったアキトにトドメをさし、ジュバルツがフンと鼻を鳴らす。
「アキトさん!」
 ハッとした表情を浮かべながら、チャンがシュバルツに蹴りを放つ。
 しかし、アキトは既に息絶えており、チャンの呼びかけには答えない。
「ぬおっ! 生脚!?」
 過剰なほどにチャンの生脚に反応し、シュバルツが攻撃を外していく。
(「ひょっとして‥‥、生脚に弱いの!?」)
 わざと生脚が見えるようにして蹴りを放ち、チャンがシュバルツの顔面を蹴り飛ばす。
 それと同時にシュバルツの制御システムがダウンし、彫像のように固くなってピクリとも動かなくなった。
「‥‥シネ」
 一瞬にしてチャンの身体を貫き、ブッコワスダーが腕を抜く。
「うわああああ!」
 すべてのサイキッカーが倒れた事で我に返り、ジーンが悲鳴を上げて逃げ出した。
「オソイ!」
 光の速さでジーンの行く手を阻み、ブッコワスダーが右手を振り上げる。
 しかし、そこでオーバーヒートしてしまい、そのままの体勢で床にゴロンと転がった。
「た、助かった‥‥」
 唖然とした表情を浮かべ、ジーンがガックリと膝をつく。
 何とか最後まで生き残る事は出来たが、自分がどうして命を狙われていたのか分からない。
 しかし、その理由はすぐに分かる事になる。
 そのキッカケはチャンの持っていた手帳であった。
「俺が‥‥反乱軍のリーダー」
 信じられない様子で手帳をめくり、ジーンがサイキッカー達のポケットを漁っていく。
 そして断片的な資料を頭の中で纏めていき、自分のやるべき事を見極める。
「‥‥自由の女神に秘密があるのか」
 その後、ジーンはOK−3A型を修理し、保護者代わりにして旅に出るのであった。