キメラ南北アメリカ
種類 |
ショート
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担当 |
ゆうきつかさ
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
難しい
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報酬 |
10.4万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
12/13〜12/17
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●本文
【物語】
舞台は未来。
主人公達は宇宙船サジタリウス号に乗って、企業から依頼された物資を運んでいる最中。
何やら違法な物らしく、船内はその噂で持ちきりだが‥‥。
【登場人物】
・船長
金のためなら仕事を選ばない性格で、アルコール中毒。
・一級航海士
真面目な性格のため、物資を目的地に届ける事だけを考えている。
・科学者
物資に対して興味を持っており、その正体を確かめようと考えている。
・技師
船内の修理を担当。武器などの扱いにも長けている。
・機関長
気難しい性格。物資にはまるで興味が無い。
・操縦士
ラザニア好き。
・依頼主
キメラの実践データを回収するために船に乗り込んでいる。
本来ならキメラを制御する事が出来るはずだが‥‥。
・キメラ
物資として輸送されているモンスター。あらゆる生物を取り込み進化する。
【シーン説明】
・シーン1 宇宙船サジタリウス号
火星から地球に向けて物資を輸送中。
ミーティングルームで話をする乗組員。
話題は輸送中の物資。
表面上はペットショップに置かれる動物達という事で申請をしてあるが、中身は違法の生物らしい。
その時、宇宙船が廃船に激突し、積荷の蓋が開いてしまう。
・シーン2 キメラ
バラックに陥る船内。
依頼主は物資を確認するため倉庫へ。
そして、次々に犠牲者が‥‥。
・シーン3 対決
キメラを退治するため船内へ。
早く退治しなければ、宇宙船が地球に到着してしまう。
そうなればキメラを止める事が出来なくなる。
しかし、キメラを倒すためには、船を爆発しなければならず‥‥。
●リプレイ本文
●キャスト
船長役:ジョニー・マッスルマン(fa3014)
ルース(一級航海士)役:夜野星冶(fa4455)
キャサリン(科学者)役:佳奈歌・ソーヴィニオン(fa2378)
グンベ(技師)役:志祭 迅(fa4079)
ステラ(機関長)役:ステラ・ディスティニー(fa2443)
フログ(操縦士)役:シーザー・N(fa4450)
ポール・カメアリ(依頼主):羽生丹(fa5196)
キメラ役:結城ハニー(fa2573)
●シーン1 宇宙船サジタリウス号
「‥‥またこれかよ。もう少しレパートリーを増やしてくれ」
不機嫌な表情を浮かべながら、グンベがラザニアを口にする。
グンベ達は食事を兼ねてミーティングルームに集まっているのだが、食事当番をしているフログがラザニア好きなので、いつも同じメニューしか出ていない。
「不味くないんだから文句をゆーなよ」
もしゃもしゃとラザニアを食べながら、フログが空になった皿を積む。
フログはラザニアが好物なので、いくら食べても飽きが来ない。
「そう言えば今回の積荷‥‥。何かヤバイ物じゃないのか?」
険しい表情を浮かべながら、ルースが船長を睨んで溜息を漏らす。
「‥‥ヤバイわけないだろ。動物を商品にしている連中の所に運ぶ動物だぜ? 大したもんじゃねえよ」
ポールの視線を気にしながらバーボンを口に含み、船長が豪快にHAHAHAと笑い声を響かせる。
「なーんか嫌な予感がするぜ。厄介事が起きなきゃいいんだが‥‥」
船長の言葉を信用する事が出来ず、グンベがボソリと呟いた。
「‥‥実はやばいペットだったりしてな」
幸せそうにラザリアを頬張りながら、フログが冗談まじりに微笑んだ。
しかし、まわりにいる乗員達の空気は重く、心配そうに船長の顔を見つめている。
「とりあえずデータだけでも再確認しておきますね。何かトラブルがあった後では面倒な事になりますので‥‥」
メインコンピュータにアクセスし、キャサリンが積荷のデータを確認した。
しかし、何重にもプロテクトが掛かっているため、キャサリンの技術ではデータを確認する事が出来ない。
「悪いけど秘密保持のため、プロテクトを掛けてある」
いやらしい笑みを浮かべながら、ポールがキャサリンの手を掴む。
それと同時に宇宙船が激しく揺れ、テーブルの上に置かれていた皿が音を立てて割れていく。
「うわっ、なんだなんだ!」
青ざめた表情を浮かべながら、フログがテーブルの下に避難する。
すぐさまモニターに被害状況が映し出され、問題の積荷が積まれたBブロックが真っ赤に点滅した。
「たくっ‥‥、イリーガルな動物をイリーガルな商品にしているイリーガルな連中の所に運ぶイリーガルな動物だぜ。ぶっちゃけかなりヤベエ!!」
Bブロックから爆発音が聞こえてきたため、船長が思わず問題発言を口にする。
そのため、ポールの肘鉄を喰らい、船長がゲフッと膝をつく。
「だからに言わんこっちゃない。面倒な事になる前にBブロックを閉鎖するぞ!」
遠隔操作でFBブロックを閉鎖する事が出来なかったため、グンベが道具箱を持ってミーティングルームを飛び出した。
そこに何が待っているのか予想もせずに‥‥。
●シーン2 キメラ
「‥‥こんな時にトラブルか」
機関部の最終チェックをしている途中でトラブルに見舞われ、ステラが備えつけてあった消火器を掴む。
どうやら廃船が宇宙船に突っ込んだらしく、ステラのいるBブロックが炎に包まれている。
「まったくツイてないな」
消火器を使ってまわりの炎を消しながら、ステラが疲れた様子で溜息をつく。
「お、おい、無事か? このブロックは閉鎖するぞ! ‥‥ついて来い」
険しい表情を浮かべてステラの腕を掴み、グンベが認証カードを差し込んでBブロックを閉鎖した。
「一体、何があったんだ? 詳しい事を説明してくれ」
グンベの様子がおかしかったため、ステラが詳しい話を聞こうとする。
「‥‥詳しい話は後回しだ。それよりも‥‥」
そこまで言って、グンベがダラリと汗を流す。
「あら、美味しそうなお兄さんね」
妖艶な笑みを浮かべ、キメラが舌なめずりをする。
それと同時にルースが体当たりを仕掛け、船長が機関銃をキメラにむけた。
「コイツが積荷のキメラだ。‥‥どうやら間に合ったようだな」
ホッとした様子で溜息をつきながら、船長がキメラめがけて機関銃をぶっ放す。
しかし、キメラはその全てを吸収し、身体の形を変えて襲ってくる。
「チィッ‥‥、駄目か。早く機関室に行け! この船ごと爆発させろ!」
悔しそうに舌打ちしながら、船長が雄叫びを上げて機関銃を乱射した。
それでもキメラは怯む事なく船長を取り込み、機関室に向かって走り出したルースも一緒に取り込んだ。
「ば、化け物か」
ようやく自分達の置かれている状況を理解し、ステラが消化液をかけながら後ろに下がっていく。
「と、とにかくコックピットまで避難するぞ!」
そう言ってグンベが作業服に備えつけてあったナイフを投げてコックピットまで逃げ出した。
●シーン3 対決
「そこで何をやっているんですか!」
突然ポールがメインコンピュータを操作し始めたため、キャサリンが険しい表情を浮かべて肩を掴む。
船内の状況を確認するため、キャサリンもコンピュータを弄っていたのだが、ポールの場合は明らかに彼女とは目的が異なっている。
「なーに、ちょっとした余興だよ」
含みのある笑みを浮かべながら、ポールが船内モニターを確認した。
船内ではグンベ達がキメラに追いかけられており、迷う事なくコックピットに向かっている。
「ちょっ、ちょっと待てよ。ありゃ、人間じゃねえか。どこがペットだよ! 俺達を騙したな!」
不機嫌な表情を浮かべながら、フログがポールの胸倉を掴んで睨む。
しかし、ポールは薄気味悪い笑みを浮かべ、キメラの戦闘データを本部にむけて転送した。
「‥‥残念でしたね。先程のデータにウイルスを仕込ませてもらいました」
眼鏡をキラリと輝かせ、キャサリンがニコリと微笑んだ。
そのため、ポールは悔しそうに唇を噛み締め、拳をブルリッと震わせた。
「お、おい! 俺の声が聞こえるか! 大変な事になったんだ! 早くここを開けてくれ」
コックピットの隔壁を叩き、グンベが切羽詰った様子で大声をあげる。
それと同時にグンベの悲鳴が辺りに響き、隔壁がドロドロに溶けていく。
「あらあら、こんなに沢山いたのね。誰から食べようかしら? これだけ多いと迷うわね」
妖艶な笑みを浮かべながら、キメラがコックピットの中を見回した。
既に3人の乗員を取り込んでいるため、その外見も悪魔のような姿になっている。
「す、素晴らしい。まさかここまで成長するとは‥‥」
感動した様子でキメラを見つめ、ポールが杖状の笛を取り出した。
この笛はキメラを制御するために必要なもので、これさえあればポールが襲われる事はないはずだった‥‥。
「そんなものでいつまでもアタシを縛っておけると思ったの?」
すぐさま肉体の形を変化させ、キメラがポールを取り込んだ。
制御装置である笛と共に‥‥。
「ど、ど、どうするんだよ。このままじゃ、俺達まで取り込まれちまうぞ!」
物陰に隠れて身体を震わせながら、フログがダラダラと汗を流す。
あまりにもキメラが強過ぎたため、いくら考えても逃げる事しか頭に浮かばない。
「‥‥船を爆破するしかありませんね」
覚悟を決めた様子でキメラを睨みつけ、キャサリンがメインコンピュータを操作した。
モニターにはステラの姿が映っており、宇宙船を自爆させるため機関室にむかっている。
「意外と頭がいいのね。でも、残念だわ。さっきのボウヤを取り込んだおかげで、コンピュータの操作は完璧なの」
指をペロリと舐めた後、キメラがクスクスと笑う。
「あーもー、今からでもSOSを出して、地球の軍隊に任せようぜ!」
今にも泣きそうな表情を浮かべ、フログがキャサリンの腕を掴む。
それと同時に自爆のカウントダウンが始まり、フログが魂の抜けた表情を浮かべて膝をつく。
「どうやらステラさんがうまくやってくれたようですね」
ホッとした様子で溜息をつきながら、キャサリンがメインモニターを確認する。
ステラは脱出ポットにむかっており、ギリギリまでキャサリン達を待ち続けるつもりでいるようだ。
「残り時間1分で、アタシを倒す事が出来るかしら?」
キャサリン達の行く手を阻み、キメラが妖しくニヤリと笑う。
「うわああ!」
次の瞬間、フログがキメラに体当たりを仕掛け、キャサリンの逃げる時間を稼ぐ。
「俺に構わず逃げるんだ。は、早く!」
徐々に取り込まれていく恐怖で顔を引きつらせ、フログが青ざめた表情を浮かべて叫ぶ。
そのため、キャサリンは瞳を潤ませ、フログに頭を下げて逃げ出した。
「ああ‥‥、カフェ・ニュートのラザニアが喰いたかったなぁ‥‥」
薄れ行く意識の中で、フログが天井を見つめてクスリと笑う。
「それならラザニアよりも美味しいものを食べさせてあげるわ。いますぐに‥‥」
満足した様子で笑みを浮かべ、キメラがコンピーターを操作する。
それと同時に自爆装置が作動し、一瞬にしてキメラの身体が炎に包まれた。
『SOS‥‥、こちら原因不明の爆発で乗員が負傷‥‥至急救助願います』
それが誰からのメッセージなのか分からない。
しかし、それがすべての始まりだった‥‥。