悪魔召喚師南北アメリカ
種類 |
ショート
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担当 |
ゆうきつかさ
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
3Lv以上
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難度 |
難しい
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報酬 |
10.4万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
01/06〜01/10
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●本文
【物語】
魔界の王となるため、悪魔と契約をした悪魔召喚師達のお話です。
【シーン説明】
・シーン1 森の中
暴走したカオスを制御する事が出来ず、パニックに陥る土の召喚師。
必死になって抵抗するが、最後には取り込まれてしまう。
そこにテンプルナイトが登場。
天使と融合してカオスを浄化する。
・シーン2 古びた教会
墓地で対峙するふたりの召喚師。
契約アイテムを破壊すれば、悪魔を制御する事が出来なくなるため、火の悪魔召喚師がペンダントを狙って攻撃を仕掛けてくる。
しかし、闇の召喚師は既に下僕と化しているため、ペンダントを破壊してもヴァンパイアロードが暴走する事はなく、火の召喚師の命が奪われてしまう。
・シーン3 魔界の門
すべての悪魔召喚師が滅びたため、魔界の門が開きかけている。
その隙間から次々と飛び立つ悪魔達。
テンプルナイツも天使達と融合して悪魔達の退治にむかう。
そんな中、テンプルナイトとヴァンパイアロードが戦いを始める。
テンプルナイトが勝てば魔界の門は消滅し、ヴァンパイアロードが勝てば世界が闇に包まれてしまう。
果たして世界の運命は……。
【登場人物】
・土の悪魔召喚師(魔法使い)
カオスを扱う事が出来ず、パニックに陥っている。
契約アイテムは魔道書。
・カオス
あらゆる物を取り込み、肉体を変化させていく究極生物。
既に水の召喚師を取り込んでいるが、何か使えるというわけではない。
・火の悪魔召喚師(狂戦士)
血の気の多い性格で、イフリートと仲がいい。
契約アイテムは剣の柄。
・イフリート
炎の魔神。
普段は剣になっており、あらゆるモノを焼き尽くす。
・闇の悪魔召喚師(神父)
以前までヴァンパイアロードを支配下に置いていたが、逆に血を吸われて下僕と化している。
一応、意識はあるようだが、ヴァンパイアロードの命令に逆らうと激痛が走るらしい。
契約アイテムはペンダント。
・ヴァンパイアロード
悪魔召喚師Aと契約をかわした吸血鬼の王。
普段は伯爵と呼ばれており、悪魔召喚師の血を吸い、意のままに操っている。
・テンプルナイト
純白の鎧に身を包んだ騎士。
天使と融合する事で、人並み外れた力を発揮する事が出来る。
既に風の悪魔召喚師を退治しており、風の力を自由に操る事が出来るらしい。
・天使
テンプルナイツと契約を交わした天使。
悪魔を滅ぼすため、テンプルナイツに力を貸している。
●リプレイ本文
●キャスト
パイ(土の悪魔召喚師:魔法使い)役:楼瀬真緒(fa4591)
カオス(究極生物)役:シトリー・幽華(fa4555)
ホムラ(火の悪魔召喚師:狂戦士)役:志羽・明流(fa3237)
イフリート(炎の魔神)役:シーザー・N(fa4450)
カイ(闇の悪魔召喚師:神父)役:壱嶋 響時(fa5258)
伯爵(ヴァンパイアロード:吸血鬼の王)役:河辺野・一(fa0892)
メリッサ(テンプルナイト)役:佳奈歌・ソーヴィニオン(fa2378)
ラファエル(風の天使)役:ノエル・ロシナン(fa4584)
●シーン1 森の中
「ハラ‥‥ヘッタ‥‥」
虚ろな表情を浮かべながら、カオスがジロリとパイを睨む。
カオスはあらゆる物を取り込み、肉体を変化させていく究極生物。
現在カオスは水の悪魔召喚師を取り込み、禍々しい豹の獣人になっており、身に纏っているマントで獲物を包み込み、エネルギーに換えている。
その代わり、常に飢えた状態にあるため、何かを食べていなければならない。
「ちょ、ちょっと待っててね?」
常備用の食べ物を出すため、パイがリュックサックの中を漁り始める。
しかし、リュックサックの中には荷物しか入っておらず、カオス用の食料が見当たらない。
「‥‥マサカ‥‥食イ物ガ‥‥ナイノカ?」
殺気に満ちた表情を浮かべ、カオスが舌なめずりをし始める。
『常備用の食べ物がなければ、パイを食べてしまえばいい』
‥‥単純にカオスはそう考えた。
「そ、そ、そんなわけないでしょ。えーっと‥‥、どこだっけ?」
慌てた様子でリョックサックの中を漁っていき、パイが契約アイテムである魔導書を落とす。
「‥‥ナルホド。コレヲ喰エトイウ訳カ」
含みのある笑みを浮かべながら、カオスがマントを開いて魔導書を吸収する。
全身に漲る究極のパワー。
この事によってパイとの契約は解かれ、カオスは自由の身になった。
「ま、魔導書を食べちゃったの!? ど、ど、どうしよう‥‥。と、とりあえず、契約をし直さなきゃ‥‥」
青ざめた表情を浮かべながら、パイが慌てて別の魔導書を探す。
しかし、カオスはパイの支配下から逃れているため、落ち着いた様子でマントを広げる。
「や、闇よ、よりいで、いでし物よ‥‥、うわぁ〜」
パニック状態に陥りながら呪文を唱え、パイがカオスのマントに吸い込まれた。
「‥‥安心しろ。これで私達はひとつになった。何も怖がる事はない」
満足した様子で笑みを浮かべ、カオスが大きく深呼吸をする。
‥‥清々しい気持ちであった。
契約者からの束縛から逃れ、自由の身になった以上、何も恐れるものはない。
地球上のあらゆる物を吸収し、究極生命体になるため、カオスが行動を開始する。
「‥‥そこまでだ! これ以上、悪事を働くつもりなら、俺も容赦はしない」
純白の鎧を身に纏い、メリッサがカオスの行く手を阻む。
メリッサは天使庁に所属しているテンプルナイツ。
男装の麗人として名を馳せており、既に風の悪魔召喚師を倒している。
「ほお‥‥、私を止めるつもりなのか? ‥‥愚かな真似を。ならば私も全力で相手をしてやろう」
すべての力を解放し、カオスがメリッサに攻撃を仕掛けていく。
次の瞬間、近くを飛んでいた蝶がラファエルへと変化し、真空の刃を作り出してカオスのマントを切り裂いた。
「き、貴様! よくも私のマントを!」
単なる布切れと化したマントを見つめ、カオスがギチギチと歯を鳴らす。
「‥‥もう、話し合いの余地はないのですね?」
それと同時にラファエルがメリッサと融合し、時空の結界を張ってカオスを閉じ込める。
「‥‥残念だったな。この時空の中では貴様の力も無に等しい」
そう言ってメリッサがラファエルと共にその場を去った。
●シーン2 古びた教会
「‥‥たくっ! せっかくここまで追い詰めたって言うのによ! 何で倒す事が出来ねえんだ!」
不機嫌な表情を浮かべながら、ホムラが炎の魔剣を握り締める。
古びた教会の傍にある墓地で、ホムラは闇の悪魔召喚師であるカイと対峙していた。
ホムラの魔剣はイフリートが変化したもので、剣の柄を使って契約を交わしているため、炎の力を自由に操り、カイに攻撃を仕掛けていく。
しかし、カイはヴァンパイアロード(通称:伯爵)と契約を交わしているため、いくら傷ついてもすぐに回復してしまう。
「もうお終いですか? もう少し骨のある男だと思っていましたが‥‥」
クールな表情を浮かべ、カイがボソリと呟いた。
背後には不敵な笑みを浮かべた伯爵が立っており、二人の戦いを見て楽しんでいる。
「か、勘違いするんじゃねえ! お前が前に出ているって事は、それだけ後ろに立っているヴァンパイアロードの力が強いって事だろ? だったら契約アイテムを壊しちまえばいいだけだ! そうしたら後ろの野郎がお前の命を狙う事になるぜ!」
雄叫びを上げて炎の魔剣を振り回し、ホムラがカイのペンダントを狙う。
しかし、カイが直前でホムラの攻撃を避けたため、近くにあった墓が粉々に砕ける。
「‥‥何度やっても同じです。諦めてください」
何処か悲しげな表情を浮かべながら、カイがホムラの攻撃をかわしていく。
その姿はまるでマリオネット。
伯爵の命令に従い、ホムラと戦っているように見える。
「ちっ、壊せねぇか‥‥。出て来い、イフリート。お前も手伝え」
悔しそうな表情を浮かべ、ホムラがイフリートを解放した。
‥‥炎の魔神イフリート。
イフリートの身体は常に炎で包まれており、あらゆるものを焼き尽くす。
「任せておけ! おい、お前ら! 俺に触れたら火傷するぜ!」
全身の炎を燃え上がらせ、イフリートがカイに体当たりを仕掛けていく。
それと同時にホムラがカイの懐に潜り込み、ペンダントを奪い取って勢いよく放り投げる。
「へへっ! これで‥‥終りだ!」
指をパチンと鳴らしてペンダントを炎で包み、イフリートが高笑いを響かせた。
しかし、はくしゃくが暴走する気配はなく、落ち着いた様子で埃を払う。
「‥‥残念でしたね。カイさんは既にわたくしの支配下にあります。つまり立場が逆転しているというわけです。‥‥気づきませんでしたか?」
含みのある笑みを浮かべながら、伯爵が闇の力を解放しホムラの身体を包み込む。
「ち、畜生‥‥。イフリート‥‥後は‥‥まか‥‥せ‥‥た」
身体の大半が闇に飲まれていく中、ホムラが険しい表情を浮かべて剣の柄を放り投げる。
これでイフリートが暴走する事は無くなった。
「てめえ、ホムラに何をしやがった!」
怒りに満ちた表情を浮かべ、イフリートが伯爵に攻撃を仕掛けていく。
それと同時に伯爵が闇の力を解放し、イフリートの身体を飲み込んだ。
「暗く冷たい闇の世界に、ご招待しただけです。よろしければ一緒にどうですか? もちろん、貴方に拒否する権利はありませんが‥‥」
そう言って伯爵が邪悪な笑みを浮かべるのであった。
●シーン3 魔界の門
「これですべての悪魔召喚師が滅びた事になりますね。そして、カイさんが晴れて魔界の王に‥‥」
満足した様子で笑みを浮かべ、伯爵がカイの肩をぽふりと叩く。
魔界の王を決めるために始まった戦いは、闇の召喚師の勝利で幕を閉じた。
しかし、カイにはこれからやるべき事がある。
「‥‥それじゃ、魔界の門を開きます‥‥」
不満そうな表情を浮かべ、カイがブツブツと呪文を唱えていく。
次の瞬間、何もない場所から魔界の門が出現し、中から次々と悪魔が飛び出してきた。
「やはり魔界の門を開放したか。だが、そこまでだ」
沢山の天使を引きつれ、メリッサが悪魔達を倒していく。
メリッサの目的は、ただひとり。
魔界の門を開いたカイを倒す事のみだ。
『‥‥気をつけてください。何か‥‥嫌な予感がします』
彼女と融合したまま、ラファエルが心配した様子で声を掛ける。
それと同時にラファエルの剣が光に包まれ、まわりにいた悪魔達をあっという間に浄化した。
「‥‥なるほど。これが神の力というわけですか。しかし、わたくしもここで滅びるつもりはありません」
邪悪な笑みを浮かべながら、伯爵がカイの血を吸い尽くし、魔界の王としての力を得る。
糸の切れた人形のようにして崩れ落ちるカイ。
それに合わせて魔界の門が完全に開き、悪魔の群れが次々と天使を喰らっていく。
『マズイ事になりましたね。早く敵を倒さねば‥‥』
一気に形勢が逆転したため、ラファエルが光のパワーを解放した。
「‥‥覚悟はいいな。チャンスはたったの一度きりだ」
険しい表情を浮かべながら、メリッサが伯爵を魔界の門まで追い詰めていく。
しかし、伯爵は闇の力を解放し、メリッサを取り込もうとする。
「神よ、我に力を!」
祈るような表情を浮かべて伯爵に剣を突き刺し、メリッサが天使達の力を集めて魔界の門ごと封印の術を施した。
「ば、馬鹿な!」
信じられない様子でメリッサを見つめ、伯爵が断末魔の叫びを上げる。
次の瞬間、魔界の門が消滅し、力を失った悪魔達が消えていく。
「‥‥終わったな」
ホッとした表情を浮かべ、メリッサが汗を拭う。
しかし、そこで異常に気づき、ハッとした表情を浮かべてカイを捜す。
いつの間にか‥‥、死んだはずのカイがいない。
「まさか最初から俺達を罠に‥‥。ちくしょ〜っ!!」
そして、本当の意味でメリッサの戦いが始まった。
伯爵の魂が宿ったカイを倒すため‥‥。