ニンジャバトル南北アメリカ
種類 |
ショート
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担当 |
ゆうきつかさ
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
3.6万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
02/03〜02/07
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●本文
【物語】
舞台はアメリカ・ニューヨーク。
隠れ里の存続を賭けた忍者同士の戦いを描いた作品です。
東洋の忍術を主流としたヒガシと、西洋の科学を取り入れたニシ。
果たして残るのは、どちらかなのか。
注:ワイズマンが忍者を誤解しているため、色々と間違った解釈をしています。
【シーン説明】
・シーン1 森の中
アメリカを影で支えてきた者達、忍者。
忍者達はスパイ活動から暗殺まで請け負っており、大統領にとってマイナスになる相手を消していった。
しかし、忍者達の数が増えすぎたため、アメリカ大統領が彼らを戦わせる事によって、数を減らしてしまおうと考えている。
表向きは隠れ里を賭けた戦いという名目で‥‥。
そして、忍者達の戦いが始まった。
・シーン2 真夜中のビル
真夜中のニューヨーク。
ビルの谷間で戦う二人。
決着がついたのと同時に、副大統領が登場。
ふたりの戦いを止める事ができなかった事を悔やみながら、その場を去っていく。
・シーン3 地下コロシアム
決着をつけるため、用意された戦いの場。
決着がつこうとした瞬間、副大統領が真相を語る。
そのため、大統領は副大統領を射殺。
真相を知った忍者達も射殺しようとするのだが、生き残った忍者が最後の力を振り絞り、何とか大統領を倒す。
【キャスト】
・アメリカ大統領役
戦いのキッカケを作った張本人。
忍者達が増えた事を危険視しており、忍者達をテロリストとして処理して、隠れ里を滅ぼそうと考えている。
・アメリカ副大統領役
アメリカ大統領の考えに賛同する事が出来ず、忍者達に真実を伝えてアメリカ大統領の暗殺を考えている。
・ヒガシ側忍者A
伸縮自在の身体を持っており、あらゆる物に形を変える事が出来る。
・ヒガシ側忍者B
普段はマジシャンをしており、あらゆる物を切り裂くトランプカードを持っている。
・ヒガシ側忍者C
全身の血液が毒になっており、興奮すると毒の霧を発生させる事が出来る。
・ニシ側忍者A
光学迷彩を使って景色と同化する事が出来るため、数多くの暗殺を請け負っていた。
・ニシ側忍者B
特殊な音波を出す装置を使って、動物達を操る事が出来る。
・ニシ側忍者C
相手の身体に触れる事によって血を吸う事が出来る特殊なスーツを着込んでいる。
●リプレイ本文
●キャスト
アメリカ大統領役:斉賀伊織(fa4840)
コール・サカザキ(アメリカ副大統領)役:篠森 露斗(fa0164)
サミダレ(ヒガシ側忍者A)役:時雨(fa1058)
アズマ・ニケ(ヒガシ側忍者B)役:茜屋朱鷺人(fa2712)
毒ノ谷ワタル(ヒガシ側忍者C)役:荊木・星河(fa5218)
シャノワール(ニシ側忍者A)役:相麻 了(fa0352)
死音(ニシ側忍者B)役:マモル・ランスロット(fa4930)
ブラッド(ニシ側忍者C)役:シーザー・N(fa4450)
●シーン1 森の中
「‥‥(敵か)」
両手を広げて指先を揺らし、ブラッドがアズマを見据える。
アメリカ合衆国大統領の命により、忍軍同士の争いが始まった。
‥‥ヒガシとニシ。
どちらか片方が倒れるまで、戦いは続く‥‥。
「私はアズマ・ニケ。一介のマジシャンが表の顔。しかし、もうひとつの顔は伊達男──!」
大きく張り出した木の枝に逆さまでぶら下がり、アズマがトランプを投げつける。
次の瞬間、ブラッドが一気に間合いをつめ、アズマの右腕をガシィッと掴む。
「クッ‥‥、吸血鬼か!」
すぐさまトランプを投げつけ、アズマが右腕を押さえて後ろに下がる。
本当なら警告だけで済まそうと思っていたが、ここでブラッドに背中を向ければ確実にトドメをさされてしまう。
それだけブラッドの実力は高く、油断なら無い相手であった。
「‥‥やるしかないのか」
険しい表情を浮かべながら、アズマがチィッと舌打ちする。
‥‥残されたトランプは5枚。
一枚でも外せば、アズマの命が危うくなる。
「‥‥」
身体に纏わりついてきた虫を掴み、ブラッドが一気に血を吸った。
干からびた虫の死骸が地面に落ちる。
それを合図にして、アズマが動く。
「‥‥臆したか、ニシの? それとも、もう手札がないのかな? 手札が欲しいのならくれてやる! 但し、ジョーカーだがな」
含みのある笑みを浮かべながら、アズマがトランプのジョーカーを投げる。
アズマの投げたトランプはブラッドの身体を切り裂き、大量の血がマントの如く広がった。
「うおおおおおおおお‥‥」
雄叫びを上げてアズマに抱きつき、ブラッドが一気に血を吸っていく。
しかし、アズマに傷つけられた傷口から大量の血が舞い、それまで一緒に吸い込んでしまう。
だが、ここでアズマから離れるわけには行かない。
そんな事をすれば、あっという間に反撃され、命を落とすのがオチだ。
「や、やるじゃないか。だが、ただでは落ちぬ。ヒガシ忍法奥義、『ダイヤの9』!」
ダイヤの9の真ん中に立つようにして忍法陣が完成させ、アズマが地獄の業火でブラッドを炎で包む。
断末魔の叫びを上げ、黒焦げになるふたり。
しかし、戦いはまだ始まったばかりである。
●シーン2 真夜中のビル
真夜中のニューヨーク。
ビルの谷間で戦う二人。
ヒガシの忍者、毒ノ谷ワタルと、ニシの忍者、死音。
とあるビルの屋上を舞台にして、命を懸けた戦いが、いま‥‥始まった。
「俺の毒霧にかかったら、敵も味方もゴートゥーヘルだぜ……」
邪悪な笑みを浮かべながら、ワタルがクナイを投げていく。
ワタルの毒霧は敵味方関係なく効果があるため、人気のない場所を選んで攻撃しなければならない。
「今日のお前達の餌はあいつだ」
ヘルメットについたマイクを使い、死音が両肩のスピーカーから音波を出す。
それと同時に大量のネズミが姿を現し、次々とワタルに対して攻撃を仕掛けていく。
「汚い真似をしやがって! オレは動物が好きなんだよー!」
悔しそうな表情を浮かべ、ワタルが拳を震わせる。
円らな瞳のネズミ達。
ワタルの胸はキュンとした。
「ははははははっ‥‥、苦しめ! そして、ネズミに食われてしまえ!」
高笑いを上げながら、死音がネズミ達を嗾ける。
シオンの両肩から放たれた音波によって、ネズミ達の心は完全に支配され、ワタルの身体に噛み付いている。
「そ、その装置を潰せば貴様の術は使えないんだな!?」
ようやく死音の弱点を見つけ、ワタルが毒の霧を発生させた。
それと同時にネズミ達が方向を変え、今度は死音に飛び掛っていく。
「お前‥‥達、どうしたんだ‥‥」
ネズミ達に喉を噛み千切られ、死音が呻き声をあげて血溜まりに沈む。
息絶えた主人を、遠巻きに見つめるネズミ達。
それが、主人の死を悲しんでいるのか、餌として認識しているだけなのか、ハッキリとした事は分からない。
なぜならネズミの群れも、ワタルの放った毒霧を吸い込み、眠るようにして命を落としてしまったから‥‥。
「ふははははは‥‥、これで俺の勝ちだな!」
勝ち誇った様子で笑みを浮かべ、ワタルがその場から去ろうとする。
しかし、急に風向きが変わったため、思わず毒霧を吸い込んでしまう。
「うっ‥‥、抜かったぁ! ‥‥オレ自身がゴートゥーヘルとは‥‥ッ」
青ざめた表情を浮かべながら、ワタルがどす黒い血を吐いて倒れ込む。
「そ、そうだ。げ、解毒剤。こ、これで‥‥大丈夫‥‥ああっ!?」
解毒剤の蓋を開いけようとして手を滑らせ、ワタルがハッとした表情を浮かべて悲鳴を上げる。
解毒剤の瓶はビルの屋上から地上へと落下し、夜の闇へと飲まれていった。
「ば、馬鹿野郎。それはオレが飲むはずだったんだぞ。‥‥返し‥‥やが‥‥れ‥‥」
苦笑いを浮かべながら、ワタルが血溜まりの中で息絶える。
次の瞬間、屋上の扉が音を立てて開く。
‥‥アメリカ副大統領コール。
この戦いを止めるため、彼はここにやって来た。
だが、しかし‥‥。
「クッ‥‥、間に合わなかった」
彼が辿り着いた時には、すべてが手遅れであった。
●シーン3 地下コロシアム
「‥‥えっ? う、嘘でしょ!? なんで兄様がここにいるの!?」
信じられない様子でサミダレを見つめ、シャノワールがダラリと汗を流す。
隠れ里の存亡を懸けた戦いは、ついに終盤を迎えていた。
最終決戦の舞台となるのは、地下コロシアム。
‥‥戦いは最後の一戦を残すのみ。
「まさか、貴様と戦う事になろうとは‥‥」
この戦いが始まる前、サミダレはシャノワールと出会っていた。
その時、ふたりに芽生えた感情。
‥‥ふたりは惹かれあっていた。
「一体、何をやっているの? 早く勝負を始めなさい。そんな事じゃ、ギャラリーがしらけるわよ」
不機嫌な表情を浮かべながら、アメリカ合衆国大統領がふたりを睨む。
‥‥この戦いの仕掛け人。
そして、すべての元凶である。
「‥‥そこまでです!」
次の瞬間、コロシアムの扉が開く。
この戦いを止めるため、コールがふたりを止めに来た。
「だが、ここで戦いを止めれば、我等の里が‥‥」
険しい表情を浮かべながら、サミダレが拳をギュッと握り締める。
ここで勝負を放棄すれば、サミダレの里は滅んでしまう。
そんな事をすれば、後悔するのは自分自身である。
「あなた方が争う必要はないんです! ‥‥すべては大統領の仕掛けた罠! あなた方のどちらかが勝ったとしても、大統領は隠れ里を滅ぼすつもりです! しかし、私達は神ではありません! ガーデニングをするかのように人の命を間引きするなどと‥‥指導者にあってはならない思考です! そうは思いませんか、大統領!?」
ふたりの間に割って入り、コールが大統領に問いかける。
しかし、大統領は鬱陶しそうに舌打ちし、コールに迷わず銃をむけた。
「‥‥邪魔よ。やっぱり最初のうちに殺しておけば良かったわ‥‥」
クールな表情を浮かべながら、大統領が引き金を引く。
「だ、大統領‥‥。な、なぜですか‥‥」
ボロボロと涙を流しながら、コールがポトリと眼鏡を落とす。
その眼鏡を無情にも踏みつけ、大統領がニヤリと笑う。
「さぁ、早く戦いを始めなさい。それともコールの言葉を信じるつもり?」
ゆっくりとサミダレに銃を向け、大統領が引き金を再び引く。
真相を知ってしまった以上、誤魔化すわけには行かなくなった。
「兄様、危ない!!」
次の瞬間、シャノワールがサミダレに飛びつき、大統領の銃弾をモロに浴びる。
「だ、大丈夫か!? し、死ぬなっ!」
突然の出来事に驚きながら、サミダレがシャノワールを抱き上げた。
薄れ行く意識の中で、笑みを浮かべるシャノワール。
「兄様‥‥、兄様に逢えてボク‥‥幸せだったよ」
優しくサミダレの頬を撫で、シャノワールが命を落とす。
それと同時にサミダレの怒りが爆発し、それが雄叫びとなって辺りに響く。
「‥‥お疲れ様。これで戦う必要がなくなったわね。ゆっくりと‥‥、眠りなさい」
別れの言葉を呟きながら、大統領がサミダレの頭に銃を当てる。
真相を知ってしまった以上、サミダレもここで消すしかない。
彼らの隠れ里共に‥‥。
「うおおおおおおおお!」
次の瞬間、サミダレが雄叫びを上げ、自分の指を硬化させる。
そして大統領の胸を貫くと、クールな表情を浮かべて背をむけた。
「こ、こんな事をして‥‥、許されると‥‥思って‥‥いる‥‥の‥‥ぐはっ!」
最後の力を振り絞り、大統領が引き金を引く。
‥‥一瞬の沈黙。
「これも‥‥運命か」
自分の胸が撃ち抜かれた事に気づき、サミダレがクスリと笑う。
‥‥もう戦う必要は無い。
少し休むとしよう。
そう思いながら、サミダレが崩れ落ちる。
そして、シャノワールに寄り添い、眠るようにして息絶えた。