●リプレイ本文
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千葉――白子海岸。
休園日に集まったのは――タッチーナのファンもとい‥‥ああっすみません、覚醒して石を投げないでっ‥‥ULTから依頼を受けた傭兵達であった。
●彼女はインタビューアー
さて、そんな傭兵達の中でも変わり種――変態キメラコレクターの未名月 璃々(
gb9751)は別行動で「管理事務所」と書かれた小汚い中古プレハブに手に入れたパンフレットを見て向かっていた――。
と言うよりも、見るまでもなく遊園地の直ぐ側にあるので目的に向かいずんずんと進む。
「こんにちわ〜ですよ」
今にも朽ちそうなドアノブを勢い良く引くと其処には‥‥
「な!なに急に開けてんるんにゃ!! 部屋に入る時はノックくらいしろにゃ!!」
其処にはどうやらお楽しみ途中のあられもない姿のタッチーナ。何時ものオムツは脱いで手には何やら本と何かが――正直見たくない格好であるが未名月は気にせずパシャリとワンショット。
「にゃ! その写真で朕を恐喝するのにゃ?! おのれ卑怯なり! 傭兵!」
タッチーナの頭の中では写真がばらまかれ超絶人気がガタ落ちする想像を――否、妄想が繰り広がられている。
「取材を受けていただければ、消して差し上げますよー」
(そんな事は無いですけどね〜)
「にゃ! 銀河一の優雅で華麗で超絶天才の全知全能の朕に何でも聞くにゃ! 答えて進ぜようにゃ!」
「この字は中々風情がありますね。何方が書いたんでしょうか」
「我が部下の作にゃ!」
「なるほど‥‥ですが、旗ではなくバルデス三世さんの形にするとますます、愛嬌があるかと。と言う事なので頂いていって良いですか」
「よいにゃ! 朕は機嫌が超絶にいイイにゃ!」
貰えそうなものを片っ端からもらい、本題に入る未名月。
「バルデス三世さん、偉業達成おめでとうございます。ところで、記念撮影は済ませましたか」
「朕の偉大な業績を称えるスペシャル超絶豪華絢爛カッコイイ撮影を頼むにゃ!」
インタビューの前に撮影を薦める未名月、それにノリノリ過ぎて斜め45度に飛んでいきそうな馬鹿。
「マグロキメラの皆さんもどうぞ。バルデス三世さんを真ん中に、そうそう、はい、笑顔で」
奥の控え室にいたマグロキメラも一緒に映ることと成る。
「あ、みんさんもどうぞですのー」
未名月は戸惑う他の傭兵達を集めてタッチーナを真ん中に記念撮影をする。
この写真は――この戦争が終わっても記念に残るだろう。
●THE テッキョ!
「まだまだインタビュー有るですよー」
記念撮影後、未名月に事務所へ連れて行かれるタッチーナ。
我に戻る、傭兵達。
さて、冷静になった傭兵たちが覚醒した終夜・無月(
ga3084)の女性化した姿で二度驚く。
自身の信仰故にワニの被り物をしているフール・エイプリル(
gc6965)もいるが――それはあくまでも被り物。
人体が変化している終夜とはレベルが違う。
「覚醒後の姿です」
終夜が周りに覚醒の影響であると説明すると皆が納得した――というより無理矢理納得した。エミタの不思議パワー、恐るべし。
「移動遊園地、だと? 奇妙なものを!」
意気込んでいるのは御年2X歳のイケメンすぎて残念、前の料理ではお好み焼きで火傷をするというコメディ体質なルーガ・バルハザード(
gc8043)今回もその体質が発揮されるか楽しみである。
「うふふ‥‥ルーガと一緒に依頼、うれしいな♪」
でまぁ、未だ正気な全壊もとい前回、ヤンデレっぷりを発現したエルレーン(
gc8086)、ある意味期待。
「またまたタッチーナちゃんが面白い事やってるのね♪」
と、言いながら酒と仕込み道具を持ってきて楽しそうにしているのは雁久良 霧依(
gc7839)、相変わらずのサディストっぷりだ。
「って皆さんなんでそんなにユルいんですか‥‥」
イスネグ・サエレ(
gc4810)からしてみれば、到底、バグアと対峙する雰囲気でない様子に戸惑いを感じている。
「撤去です♪‥‥」
口調が体に引っ張られてそうな終夜は 聖剣「デュランダル」 で片っ端から破壊神のごとく破壊する。
半端ない攻撃力が移動遊園地の片っ端から崩していく――KV並の攻撃力は半端無かった。
「発想はいいんだけど、いかんせん バグアだからなー」
ルリム・シャイコース(
gc4543)は大さっぱに壊れた施設を非覚醒ながら両手武器で手際よく持ち運びが容易なぐらいの大きさに粉砕していく。
「バグアでなければ良かったのに」
そう言いながらフールはピクシスアックスで手当たり次第に壊していく。
「アウッ! ポゥ!」
そんな中、雁久良は某踊りの天才のように月歩き等をしながら軽快でキレのあるダンスを踊りながら掛け声をかけてメイスで施設をぶん殴ったりしていた。
イスネグは撤去しながら思案していた。
(遊園地もその場限りの物にしては結構しっかりしているなぁ、安全にも以外と気を配っているし、壊すのが惜しいくらいだ)
「休園日なら都合がいい!キメラもろとも、粉砕だッ!」
と言いながら日頃のストレスを発散するがごとく破壊活動に勤しむルーガ。真面目故に苦労も多いのだろう。
さて、肝心の施設だが、貧相なこともあり瞬く毎に解体され、分別までされている様だ。将来は解体屋を営めそうなぐらいの解体っぷりの分別ぷっりであった。
さすがの異常事態にわらわらと管理事務所から出てくるマグロキメラとタッチーナ。
「にゃー! 何事にゃー‥‥ 朕の! 朕の! 朕朕!! にゃー! 朕の夢の国が!」
流石の事態に驚きを隠せないタッチーナはちん●んとやかましく卑猥に聞こえそうな喋りで漫画のごとく、顎を外し目が飛び出さんばかりであった。
「!?」
タッチーナと相対したイスネグに衝撃が走る。悪寒ではなくて。
(タッチーナとか言ったかな‥‥今までの強化人間とは違うタイプ。戦いを旨としない強化人間‥‥理外の存在‥‥そして以外と商売上手なようだね‥‥知将といったところか。あの理解をしがたい格好にも恐らく意味があるのだろう)
深く考え過ぎである、というツッコミが入りそうなぐらいに見事に残念強化人間のタッチーナを盛大に誤解するイスネグ。
「これは!」
そして、マグロキメラを見るまたまた驚愕するイスネグ。
(鮪型キメラ‥‥鮪は時速100キロ超で泳ぐという。あの体当たりを食らったら能力者といえども不味いかも知れないな。さらに子供に好かれるというカリスマ性‥‥手ごわい相手だな)
残念! そのマグロは圧倒的な弱さで有名なのだ。
さて、イスネグが戦慄している間にもファンクラブの皆様、もとい傭兵達にとって食材であるマグロキメラの対処に当たり始めた。
「! ‥‥ふん、随分な軽装だな! それほど自信があるということかッ?!」
初参加――と言うよりも偏見が無いルーガは酒を飲ませ動きを封じると可食部分を損なわないように倒していく。
その――主にグロテスクな腕や足などだが。
「うふふ‥‥♪」
未だに月歩きをしている雁久良は近くにいたマグロキメラに酒を飲ませると超機械でこんがりと焼きあげている為、美味しそうな匂いが辺りに立ち込める。
皆の空腹がマッハで加速し、マグロキメラの悲劇もマッハを超えて加速していく。あれ? 光速超えるんじゃね? 燃え尽きるんじゃね?
「セベク神よ 私に加護を与えたもう‥‥食材になるために生まれてきたとは」
さて、覚醒し、神に仕えるフールさんは「レイ・バックル」を使用して開きにする感じで攻撃しようとする――あれ? お酒は?
酒を入れないとタダの酢味噌臭い物体に成り果てるという悲劇が其処にあった。
「あはは‥‥♪」
因みに――終夜もその攻撃力でマグロキメラを消し炭――と言うよりも跡形も無い形に変えて行っている。お陰で酢味噌臭さも無いのだが。
と、まぁ10体のマグロキメラが何体食えるかというと6体が食える形で倒されていて、そそくさと後のために移動させられていた。
酒での処理後と処理前をみて感慨に耽るイスネグ。
(え、これ食べれるの…なんか脛毛とか匂いとか凄いんですが‥‥なるほど、加工法があるのか‥‥非常食になるキメラとは‥‥
何というテクノロジーだ‥‥やはり天才かタッチーナ)
イスネグの中ではタッチーナの株が上がっているようだ。
一方、タッチーナは‥‥。
「‥‥!? ‥!! ‥‥!?」
切られて言葉が出ないタッチーナ。そのまま静かな方が環境的にも宜しかろうと思うのだが――。
だが、KV並の攻撃力を誇る終夜が聖剣「デュランダル」で斬りつけてみるも、既に傷は修復されてしまう。
「朕の光輝くボディーに傷を付けるとは‥‥でも、ちょっと気持ちいいにゃー」
痛がゆさに恍惚な表情を浮かべるタッチーナ。やばい吐息が気色悪い。
次の傭兵は――「バグアは滅ぼすべきという信条」のルリムだ。
「先手必勝」を使用して「シザーハンズ」でタッチーナの肛門に深々と突き刺す! そして、抉る様に引き抜く。
「えぇい! またしても朕のぷりちぃーな尻を責めるか! ぎにゃー! 見えるぞ! 朕にはマッチョなお兄さんがサムズアップしているのが!」
あまりの刺激の為にトリップしたのか不明なことをのたまうタッチーナ。 ついに幻覚を見始めたようだ。
「疾風脚」を使用してタッチーナの前面に来るルリム。
「朕に愛の告白かな? 朕は銀河一の大人気者! 近う寄るにゃ!」
「‥‥」
と同時に無言のルリムは「急所突き」を使用して下から綺麗に斜め四五度の角度で金的目掛けてシザーハンズで突き刺し上げる!
「!?」
目を白黒させて叫び声すらでないタッチーナ、これは洒落にならない痛さ、そして男性にしかわからない痛さでもあった。
そんな悶絶しているタッチーナを他所に雁久良へとバトンタッチをした。
「私はキャプテンERO! 貴方がここの最高指導者ね♪ 贈り物をあげるわ♪」
悶絶しているタッチーナの背後に回り、鼻フックを装着させると撤去作業中に出た極太角材を無造作にお尻に捻じ込む!
「はっ! 朕は! アヴァロンに逝ってたにゃー! 戦乙女が朕のプリティーヒップを乗馬槍で突いてきたにゃ!」
意識を取り戻すタッチーナ、だが荒縄で亀甲縛りにされ、うえからイルミネーションを巻き付た状態になった。
「これは! なんと朕に相応しい飾りだにゃ! 何かが朕を締め付けて切なくなるにゃ‥‥」
縛られたことによってどうやら感じているらしい‥‥想像もしたくない。
そんなタッチーナを雁久良はお尻を突き出させた恰好にして角材に酒をぶっ掛け火を付けた!
「仄かに暖かいにゃー こう、じんわりと体の芯からあたたまるにゃー」
鼻フックと荒縄でタッチーナを引きずり回す雁久良は電気的仮装行列の曲をカセットで再生して引き釣り回す。
「そ、それは! 古代より伝わる禁忌の処刑曲! やめろー傭兵ども! 貴様らも危ないにゃ−!」
「あは、あははははは! 見つけた! かれーまにあさん、見つけた!!‥‥離せ! かレーまにアさんヲハナセ! また! 貴方!」
「あは、あはははははは! 私のことが好きなかれーまにあさん! 浮気なんて酷い! あは、あはははははは。あ、ははははははは! 私に蹴られるのが大好きなかれーまにあさん! そのお尻が私に蹴ってと主張してる! 好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き! 大好き! かれーまにあさん! 私も貴方が大好き! 貴方のお尻を蹴るのが大好き! 好き好き好キ‥‥スキスキスキスキスキ‥‥」
狂ったように一気にまくし立てながらひたすらタッチーナの尻を責め続けるエルレーン。
「ま‥・・待て、エルレーン!いくら敵でも、弄ぶなど!」
エルレーンの狂乱っぷりを見ると、顔面蒼白になり、ケツを狂喜して蹴りまくるエルレーンを後ろから羽交い絞め、凶行を止めようとするルーガ。
「あははは、あはは、いいんだよルーガぁ! だって、だってね?!かれーまにあさんは私のことがすきなんだよ?! 私にお尻を蹴られたくてたまらないんだよぉ! だからぁ…思いっきり蹴ってあげるんだよぉ、何度だって!」
「敵にも矜持というものがあろう!むしろ、一思いに一刀両断して楽にしてやれ!」
そして、タッチーナのケツが左右に完全に二つに別れるような切れ味で、刀で尻を一刀両断するが‥‥!
ケツは元から2つに割れてましたとばかリに切れるが、瞬く間に回復してしまう。
「ぬぅ! 面妖な!」
そんなタッチーナの様子をみて意地になってタッチーナのケツを斬撃し続けるルーガ。弟子も弟子であれば師も師であった。
師弟によるタッチーナのケツへの蹂躙。これがタッチーナでなければ師弟の共同作業といういいはなしだったのだろうが‥‥。
さて、当のタッチーナはあまりのショックに気絶していた。超回復と云えどもメンタルは厳しいか。いやまぁ、ご愁傷さまである。
「マゾヒストがマゾヒストである為には、サディズムな立ち位置の方の存在が必要不可欠ですからねぇ」
エルレーンや雁久良の攻撃を撮影していた未名月がポツリとこぼした。
で、そんな様子を見ていたイスネグは――。
(能力者の半数をその身で足止めしている‥‥だと。更に一部の能力者は魅了されているようだ‥‥。ひまわりの唄で正気に戻さねばっ‥‥何という漢だ)
ということで、イスネグによって正気に戻された師弟コンビだった。
「はっ‥‥!」
(嗚呼…私の、私のエルレーンが‥‥とんでもないサディストになってしまっていた…)
愛娘同然の弟子の豹変っぷりにショックを隠せないルーガ。
「私の教育が悪かったのか‥‥ううっ」
ルーガは悲しみに暮れていた。
●祭りの後
狂乱が過ぎ去った後はコンクリ詰めにしたタッチーナを思いっきり沖へ投げて投棄するとそそくさとみな、料理の用意を始めた。
「さて調理の時間ですね、頑張りましょう」
フールが張り切って調理に参加する。
「地元の人と親睦会やろうかしらね♪」
雁久良は地元の人を呼んできて親睦を深めようとしていた。
そんな様子を写真に収めつつ、戦闘中に撮影していた写真を吟味しいていたのは未名月。
(今回も、いい写真が撮れたのですよー)
未名月は皆で飲み食いししてる様子も思い出とファインダーに収めていく。
「はぅはぅ‥‥うふ、今日もいいしごとをしましたなの」
マグロをほうばり、満足げに息をつくエルレーン。欲望が満たされたためか、瞳はきらきらと輝き、お肌はつやつやしている。
背後でたそがれてしまっている師匠をよそに、エルレーンはひたすらに幸福だった。
調理が終えたフールはちゃっかりと御神体を祀っていた。
「‥‥」
マグロを食べながら思いにふけるイスネグ。
(タッチーナ・バルデス敵として会わなければいい友人になれたかもしれないな)
こうして、傭兵たちは仕事の後の余興を楽しんでいた。