タイトル:使命の重さ、命の重さマスター:鋼野 タケシ

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2010/05/07 09:44

●オープニング本文


 医学の進歩と共に、人類は様々な病を克服してきた。
 かつては不治の病や死の病と恐れられて来た伝染病も、今では予防法が確立され、簡単に治療が行えるようになった。
 だがそれも、比較的安全な先進国での話しだ。
 ここはバグアとの交戦区。充実した医療センターもなければ、ワクチンや特効薬の備蓄もない。
「これは、天罰だとでも言うのか」
 この村に住む人間の多くは、生まれ故郷は捨てられないと、疎開を拒んだ老人たち。交戦区に残ることの意味を承知した上で、彼らは村に残ることを選んだ。
「ワシらが死ぬのはまだ良い。だが、あの子たちは‥‥」
 小さな林間の村を襲ったのは、死病のウイルス。
 今、村の者たちは次々と病に倒れ、死んでいく。村長の若い頃、まだ地球が平和と呼べたあの時代であれば、簡単に治療できる病だった。
 特効薬を一本、注射するだけでいい。それだけで尊い命が救えるのだ。だが今は薬の一つもなく、村人たちはただ緩やかな死を待つだけだった。 
 病弱な者、生まれたばかりの子供たち。自らの意思とは関係なく、この村に残らざるを得なかった者もいる。
 彼らまで犠牲になることに、村長は耐えられずに居た。あの時、村を棄てることを選択していれば、違う結末を迎えられたのだろうか。
 もはやこれ以上、幼い命が失われるのは我慢出来ない。
「それでは村長、行ってまいります」
「うむ‥‥任せたぞ」
 街から特効薬を持ち帰るために、まだ比較的若く、勇敢な青年が村を飛び出した。
 道のりは遠い。村には自動車の一台も置いていない。仮にあったとしても、森を抜けるには乗り捨てるしかなかった。
 猛獣の生きる山を降り、キメラの潜む森を命からがら駆け抜ける。彼は昼夜を問わず走り続け、とうとう大きな街に辿り着いた。

 病院に担ぎ込まれた青年は、意識を失う直前にこう言った。
「私は大丈夫です。それよりも、村のみんなを‥‥お金なら用意しました。だから薬を‥‥」
 説明を聞いた医師は、特効薬を用意すると共に、すぐにULTへと依頼を持ち込んだ。
 危険性を知りながら村に残り、文明社会と断絶された小さな村の中で生き続ける人々。
 たしかに自業自得かも知れない。彼らが村を棄てることを選択すれば、このような事態には陥らなかっただろう。
「だがそれでも、この薬を届けて欲しい。バグアの殲滅が傭兵の役割なら、助けを求める声に応えるのが医者の役目だ‥‥頼む」
 医師は真っ直ぐな眼差しで、特効薬をアナタへ手渡した。
 人の命が懸かっているにしては、薬の重量はあまりにも軽い。
 だがアナタは今、命の重さを共に背負っていた。

●参加者一覧

リュイン・グンベ(ga3871
23歳・♀・PN
番 朝(ga7743
14歳・♀・AA
聖・綾乃(ga7770
16歳・♀・EL
御守 剣清(gb6210
27歳・♂・PN
流叶・デュノフガリオ(gb6275
17歳・♀・PN
牧島 徹(gc0872
17歳・♂・HG
ガナドゥール(gc1152
42歳・♂・ST
ゴルガルオ=シゼ(gc2742
28歳・♂・EP

●リプレイ本文

●進む傭兵たち。背負うものは使命。
「わかった。あんたの想い‥‥確かに俺が引き受けた」
 薬の入った小箱は、牧島 徹(gc0872)が受け取った。出発前、彼は医師と約束をした。
「この薬は必ず届ける。必ず、な」
 彼らを信じて待ち続ける人々のために、命の重さを背負い、傭兵たちが森の中を進む。
 森の付近までは、オフロード走行に適したジーザリオに搭乗して接近した。準備に費やした時間を考えても、まだそれほどの時間は掛かっていない。
「しっかり守りますから安心して下さいねぇ〜♪ あ‥‥勿論、薬を、ですけどぉ☆」
 真剣な表情をしている徹の背中を、聖・綾乃(ga7770)がニコニコと笑いながら軽く叩いた。
 二人のやり取りを横目に見ていた番 朝(ga7743)が少し羨ましがるように呟く。
「徹くんと綾乃くんは仲が良いな」
「‥‥まあ。察してくれ」
 徹は遠い目をしている。
「ま、とにかく急ぎましょうか‥‥それしか出来ないんだろうし、な‥‥」
 しんがりの御守 剣清(gb6210)が呟く。薬を持つ徹から少し離れた後方で、皇 流叶(gb6275)と剣清の二人は部隊の後方を守っていた。
 流叶は方位磁針で方向を確認する。森の中では道を見失いやすい。時間との勝負であるこの状況で迷子にでもなったら、冗談にもならない。
『今のところは問題なし。急ぐぞ』
 先行遊撃を務めるリュイン・カミーユ(ga3871)が無線機を介して、仲間に状況を告げる。
「青年の命懸けの行動を無駄にせんよう、しかと薬を届けてやろう。これで救われる命があるのだから」
「ええ‥‥時間は無駄に出来ません」
 リュインの呟きに、ガナドゥール(gc1152)が呟いた。リュイン、ガナドゥール、ゴルガルオ=シゼ(gc2742)の三人が、先行部隊のメンバーだ。
 まだ日は高いが、時間が経てばそれだけ人々の助かる見込みが減ってしまう。彼らは鬱蒼と生い茂る森の中を突き進んだ。
 ほとんど草生えに隠れてしまっているような獣道を、朝が発見する。獰猛な野生動物との遭遇を避けつつ、最速で進める選択する。事前に集めた情報と、実際の状況を確認しながら、無線機で仲間たちに進むべき道を示していた。
 ガナドゥールも森を進む際の注意点は、朝から学んでいた。若いながらも、森での行動には朝に一日の長がある。ガナドゥールは素直に彼女の知恵に感服していた。
「待ってくれ、二人とも」
 かなり奥まで進んだ頃、ゴルガルオがリュインとガナドゥールを制止する。彼は『探査の目』を使って周囲の警戒を行っている。気付いていない敵でも発見したのだろうかと、二人は真剣な顔で次の言葉を待った。
「煙草を吸っても問題ないだろうか‥‥」
 ヘビースモーカーのゴルガルオは戦闘時以外、いつでも煙草を吸っている。
「汝の趣味にまで口出しするつもりはない」
 リュインは再び歩き出すと、ぶっきらぼうに答えた。
「健康のためにも止めた方がよろしいかと思いますが‥‥」
「いや、わりと深刻なんだ。ニコチンが足りないと力が出ない」
 軽口を叩きながらも、ゴルガルオの目は警戒を緩めない。彼は何かに気付くと、両手でバスタードソードを構えた。
「だが、そんなヒマはないか‥‥二時の方向。野良キメラだな。近付いて来るぞ、どうする?」

●戦う戦士たち。守るものは希望。
 ゴルガルオの言うキメラの姿を、リュインとガナドゥールも目視で確認した。金色の毛並みを持つ猿のような中型キメラ。たったの一体で、見た目からもそれほどの脅威は感じない。
「やり過ごせるようならそうするべきだ。我らの任務はキメラの討伐ではなく薬の配達なのだからな」
「賛成です。たとえ相手がキメラでもあっても、無為な殺戮は避けるべきでしょう」
 だが、三人の姿を見つけたキメラは、こちらを敵として認識したようである。乱杭歯をむき出しにして、雄叫びを上げる。
「やる気みたいだな。後ろがつっかえているんだ。退場頂こうか‥‥?」
 ゴルガルオが身構える。同時にリュインが鬼蛍の切っ先を向けた。
「我に任せろ」
 リュインが一気に駆け出すと、鬼蛍で『急所突き』を狙う。足の付け根を切り裂かれた猿のような醜悪なキメラは、痛みか怒りか、唸り声を上げた。
「先を急ぐのでな、ここで黙って見送ってもらおうか」
 立ち上がれなくなった相手にこれ以上の時間は掛けられない。八人は倒れたキメラを無視して再び森の中を突き進む。
 森の中に聞こえていた鳥や虫の声が消えた。不気味に静まりかえる森の中、何かの咆哮が轟いた。 
 しんがりを務める剣清と流叶が、草生えの中を走る影を見つける。
「剣清殿。見えたか?」
「ああ‥‥仲間を呼ばれたみたいですね。まったく、厄介な真似を」
 どうやら猿型キメラの雄叫びは、仲間に位置を報せるためのものだったらしい。一匹、また一匹と、野良キメラが八人の周囲に姿を現し始めた。
「足止めしますかね。まあ、二人でも何とかなるでしょう」
「賛成だ。あまり悪戯に時間を浪費しては、被害が増えてしまうしね」
 無線を通じて、六人を先行させる。足を止めた流叶と剣清の二人を取り囲むように、キメラは移動を開始する。殺気を感じてか、猿型のキメラは二人に狙いを定めた。
 流叶が超機械「クロッカス」を敵に向ける。電磁波に撃たれたキメラが短く悲鳴を上げた。すかさず、剣清が手にした刀で敵の両足を切り裂く。
 剣清に飛び掛った別のキメラは流叶の機械剣「ウリエル」に膝の腱を断たれ、地面を転がった。
「剣清殿! 後ろを!」
「承知した!」
 流叶が隙を作れば、剣清がすかさず一撃を加える。剣清とキメラが対峙すれば、流叶の『迅雷』による背面強襲。
 二人は細かい傷を負いながらも、致命的な一撃は巧みに防ぎ合っている。共にいくつもの死線を潜り抜けた剣清と流叶は、息の合った連携で敵に立ち向かった。
 今回の作戦に重要なのはキメラを退治することではない。薬を届ける邪魔をさせなければいいのだ。行動力を殺ぐことを狙い、足を奪うよう攻撃を繰り返す。
「邪魔をするなよ。俺たちもヒマじゃないんだ」
 キメラの繰り出す腕の一撃をギリギリのところで回避、カウンターの要領で首筋に刀を叩き込む。『刹那』の一撃が、金色の猿の首を斬り飛ばした。
「さて、これだけ距離を稼げば充分か」
 先行する六人が先に進んでいることを確認すると、二人は敵を撒くように走り出した。満身創痍のキメラは二人に向かって怒りの声を上げるが、まともに立ち上がることも出来ず、その場に釘付けになっていた。

●駆ける仲間たち。目指す先に待つ命。 
 森の中を走る六人。太陽は徐々に傾き始めている。途中、先行する三人が猿型のキメラと数度の遭遇をした。だがこちらに気付いていなければやり過ごし、発見されれば雄叫びを上げる隙を与えずに攻撃を仕掛ける。
 大きな邪魔は入らず、六人は順調に道を進んだ。
 目的地まで、残す道のりはわずかだ。このまま順調に進めば、日が沈む前には辿り着ける。
 鳥の鳴き声が空に響く。違和感に気付いたのは朝だ。
「‥‥待って。何かおかしい」
 自然に囲まれて育った朝は、野生動物とも心を通わせていたことがある。彼女の耳に聞こえた鳴き声は、今までに聞いた鳥のものとは何かが違う。彼女の知っている音ではない。まるで鳥を模した鳴き声のようだ。
 振り仰いだ頭上に、禍々しい紫色の翼を持つ鳥が飛んでいる。
「なんだあれは?」
 事前に集めた情報では、空を飛ぶタイプの敵は確認できなかった。
「しっ‥‥来てます。動かないで」
 葉が目隠しになるよう、木々の近くで鳥の動向を伺う。先ほどのように、また仲間を呼ばれては面倒だ。
 だが、哨戒用に改良でもされていたのか、わずかな足音を聞き付けた鳥型キメラは、六人の存在に気が付いた。  
 強襲する鳥型キメラ。覚醒した朝が小銃「S−01」を頭上に向ける。
『豪破斬撃』を発動し、正確な射撃で鳥の翼を打ち抜く。だが、スピードに乗った鳥は勢いを殺さずに徹に襲い掛かる。徹は咄嗟にリュックを抱きかかえ、キメラの一撃から守った。鋭い爪が肩に食い込み、激痛が走った。それでも、リュックだけは身を呈して守りきる。
 朝が「イアリス」の刃で鳥型の翼を切り裂く。飛び立てない鳥型の頭部に刃を付き立てた。
 接近していたキメラは鳥型だけではなかった。まるでタイミングを見計らっていたかのように、ゴリラ型のキメラが後方から飛び出して来る。
 徹の背後を守るように、綾乃がキメラに立ちはだかっていた。拳の一撃を舞うように跳んで避ける。
「お前達の相手をしてる暇はない‥‥散れ」
 着地と同時、キメラの硬い皮膚に刃を付き立てた。
 先行していたリュインが、『瞬天速』で三人に追いつく。
「囲まれているか。ならば、徹底交戦だ!」
 リュインが鬼蛍を振りかざし、キメラに立ち向かう。
 最優先で守るべきは薬を持つ徹だ。だが、キメラたちは標的を手負いの徹に定め、隙あらば彼に襲い掛かって来る。
「邪魔するな‥‥これにはたくさんの人の希望が詰まってるんだ!」 
 ボロボロになってまでこの森を駆けてきた青年。薬を託したあの医者の瞳。彼らの期待は裏切れない。何よりも、この薬を待つ子供達の為にも。
「俺は託されたんだ。油断も躊躇も立ち止まることもしない。この薬を届けるまでは止まるものか!」
 徹は自らの身を盾に、薬を守ろうとする。猿型のキメラが徹に飛び掛った。
「綾乃、頼む‥‥!」
 鋭い爪の一撃が届くよりも早く、綾乃の放った『ソニックブーム』がキメラを直撃する。
「言ったでしょ、守るって‥‥邪魔はさせない」
 綾乃は徹の前に立ち、彼に近付くキメラに刃を向ける。金色に輝く瞳で、鋭く敵を見据えた。
 徹を狙う猿型に向かい、朝と綾乃が立ちはだかる。二人は自らの身体を盾にしてでも、徹と薬を守るつもりだった。
 無言で朝がイアリスを振りかざす。覚醒した彼女は人形のように無言、無表情になり、次々と敵に正確な攻撃を加えていく。
 綾乃と睨みあうキメラの背後に、ゴルガルオが忍び寄った。死角からバスタードソードを振り下ろす。鋭い一撃を受け、猿型が苦悶の声を上げる。
 怒りの咆哮を上げて振り向いたキメラが、ゴルガルオに飛び掛る。体当たりの衝撃に、ゴルガルオが地面を転がった。
「くっ、ニコチンが足りん!」
「何だ、冗談ではなかったのか」
 ゴルガルオがキメラの追撃を地面を転がってかわし、素早く立ち上がって体勢を立て直した。繰り出される攻撃を、バスタードソードを盾代わりにして受け止める。
「治療は私が。リュインさん、援護を頼みます」
 ガナドゥールが『練成治療』で徹の怪我を癒す。治療を終えると、すぐにゴルガルオの下へ駆け、続けて『練成治療』を開始した。
 徹は自らの身体を盾に薬を守り、敵が徹に近付けば朝と綾乃が立ちはだかる。リュインとゴルガルオが味方に敵を近付かせないよう、剣を振り回した。誰かが怪我を負えば、ガナドゥールが治療する。
 混戦の状況になりながら、全員で薬を守るために立ち回った。
「やれやれ。さっさと終わらせて一服といきたいものだ」
「ええ。待っている人たちのためにも、時間は掛けられませんよ」
 ゴルガルオの振るうバスタードソードが、猿型の首を断ち切った。その隙を狙っていたかのように、別のキメラがゴルガルオに向かって駆け出す。
 だが、敵の懐に、後方から追い付いた剣清が飛び込んだ。『迅雷』で獣道を駆け抜けた剣清は、そのまま勢いを殺さずに抜刀術を放つ。鞘走る刃が猿型を袈裟斬りに切り捨てる。
「やらせねぇよ、薬も、仲間も…」
「ようやく追い付いたな。無事で何より」
 流叶が機械剣を猿型に向ける。
 形勢を不利と見て取ったか、キメラの攻撃の手が緩む。
 敵の包囲に穴を開けると、再び八人は走り出す。先行するリュイン、ゴルガルオ、ガナドゥールが先手で攻撃を仕掛け、朝と綾乃が徹を守る。無謀にも追いすがる敵が居れば、剣清と流叶が相手を務めた。
 日が殆ど没しかけた頃、森の切れ目から集落が見えた。

●辿り着く勇者たち。救うものは未来。
 日が落ちる直前。八人は情報の位置にあった村に辿り着く。村の入り口では、老人が一人立っていた。
「薬‥‥届けに来ました」
 徹の言葉を聞くと、老人は涙を浮かべて呟いた。
「何とお礼を言えば良いのか‥‥アナタたちには感謝してもし切れません‥‥」
「故郷を捨てられないという気持ち、おおいにわかります‥‥故郷に帰れない方も多いですから、その気持ちを責めることは誰にもできないでしょう」
 ガナドゥールが老人の肩に手を置いて、諭すように言った。
「この御時世、何処が安全だと断言も出来んと思うしな」
 同意するように、リュインが呟いた。
「さぁ、今は急いで薬の投与を。私たちも手伝いましょう」
「無論だ。そのために我らは来たのだからな」
 手分けして、病人たちに投薬を始める。
「どぉぞ? 和みますよぉ〜」
 戦闘中の苛烈な雰囲気は消え、人懐こい笑みを綾乃は浮かべている。投薬を手伝いながら、皆にココアを振舞っていた。
「まったく、次はもっと手加減してくれ‥‥」
 タバコに火を付けながら、ゴルガルオが傷付いた肩を見る。
「キメラに気遣いを求めてもね」
 救急セットを手に、流叶が手早く彼の治療を終える。八人の後を追って、キメラが村に入り込んでは本末転倒だ。彼らは村の入り口に立って、抜けた森への警戒を怠らなかった。
「これならもう、大丈夫そうだ」
 朝が遠く、日の沈みかけた森を見つめている。葉の揺らめきに混じって、鳥や虫たちの鳴き声が聞こえた。付近にキメラの気配はない。
「ま‥‥誰も死ななかったし薬も無事に届けた。任務完了、ってとこですかね」
 剣清が呟いた。自らの身を省みずに青年の勇気と、その勇気に応えた八人の能力者たち。これで多くの命が救われるはずだ。
 彼らが救った命の重さは、小さな集落一つ分だ。だが、それがやがて地球全体の未来を救うことに繋がるかも知れない。
 想いはそれぞれにあるだろうが、彼らの行動が地球に生きる全ての未来を救う。それこそが、能力者たちが背負う使命の重さなのだから。