タイトル:【AA】決戦! ジ城!マスター:姫野里美

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 10 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2010/06/15 11:01

●オープニング本文


【AA】決戦! ジ城!
 悪魔の館を抜けた先にあるのは、庭と言う名の広場を持つジブラルタル城。通称『ジ城』だった。
「まさかここまで攻め入られるとは‥‥」
「なかなかやりますなぁ」
 驚愕している割には、殿もマンゴー頭ものんきに茶ぁシバいていたりする。
「感心している場合じゃないと思うけどー」
 しかも何故かレンまでジュースをつついている。地中海産の美味しいマンゴージュースだ。
「うーん。何か策はあるのか?」
「ご安心をっ。当方あの方から、色んな材料を頂いておりますから、兵器はばっちりです」
 べしっと図を表示するマンゴー頭。それを見て、レンは不満そうに立ち上がっていた。
「なんだ。向こうからも貰ってるんだ。じゃあこっちが送り込まなくてもよかったかなぁ」
「そうでもないです。余ったのは資金として叩き売って強化しましたから」
 殿、そう言ってマンゴー頭に布を取らせるよう命じた。と、そこには巨大なキャノン砲が乗ったタロスが1台と、フル改造されたヘルメットワームが9台ある。
「この話のご安心をはぶっちゃけ負けフラグな気がする。僕負けるのいやだから帰る」
「って、ここまで来たんだから、遊んでってくださいよ!」
 結局、尻拭いは下っ端がやる事になったらしい。

 ってなOPコントはさておき、今回の作戦を説明しよう。
「今回の目標は、ずばりこのタロスを撃破する事にある」
 どうみても変なトラップがありそうな場所だが、そこはそれ、これはこれだ。
「ただし、偵察機からの画像を分析した結果、今回は通常のKV戦は出来ないそうだ」
 そう言って映し出されたのは、まるで金魚すくいの網みたいな物がついた装置と、水鉄砲みたいな非実弾発射装置である。
「何でも、あのタロスには特殊なコーティングと制御装置が施されており、この装置を使わないと、そのコーティングがはがれないそうだ」
 要するに、その水鉄砲で殿のタロスのコーティング制御装置を壊せばOKと言うことらしい。殿の方も、見た目が金魚すくいのポイなので、とてもわかりやすい。
「ただし、この装置はとてもデリケートなので、サイエンティストの超機械へのリンク接続は出来ない。また、ヘヴィガンナー等の広範囲な射撃でもイカれてしまうので、射撃の際には注意しろ」
 よく見れば、水鉄砲にプチロフのマークがあった。斜め45度アタックとか効くかも知れない。
「他のヘルメットワームは、特殊コーティングだけなので、制御装置を壊せば、武器は沈黙するだろう。中身に強化人間が乗って居る可能性はあるので、出来るだけ沈黙させるのが望ましいが、無理はするな」
 とりあえず全部ぶっ倒せばOKだろうと言う脳筋思考じゃない方が良いらしい。
「ここまで来たら、あの敵のバグアを撃破するのみだ。 幸運を祈る!」
 なお、殿を倒してボーナスを‥‥と言う傭兵には考えとくらしい。

●参加者一覧

流 星之丞(ga1928
17歳・♂・GP
UNKNOWN(ga4276
35歳・♂・ER
ミッシング・ゼロ(ga8342
20歳・♀・ER
ヒューイ・焔(ga8434
28歳・♂・AA
紅月・焔(gb1386
27歳・♂・ER
七市 一信(gb5015
26歳・♂・HD
月城 紗夜(gb6417
19歳・♀・HD
天小路 皐月(gc1161
18歳・♀・SF
姫川桜乃(gc1374
14歳・♀・DG
ラナ・ヴェクサー(gc1748
19歳・♀・PN

●リプレイ本文

 天空から地上を威圧するようにそびえるジブラルタルの城。秘密のトンネルを抜けた先は、ちょっとした広場になっていた。
「良くぞ生き残った我が精鋭達よ!」
 監督と言い張る紅月・焔(gb1386)が、ガスマスクを外した状態で、ふんぞり返っている。と、姫川桜乃(gc1374)もぐっと拳を握り締めてまだ言ってる。
「ん〜、とりあえずセーラー服を返してもらわないと!」」
 いや、冗セーラー服は奪われたわけではなく溶けちゃったので、返しようがないわけなのだが、そんな経緯を知らされたUNKNOWN(ga4276)の旦那はこう呟いていた。
「くっ、バグアめ‥‥恐ろしい兵器を。第二第三の兵器が来る前に潰さなくては‥‥‥‥」
 とき既に遅しの様な気がするが、こんなもんまかり間違ってミカエルの内部にばら撒かれた日には、目も当てられないので、やはり殲滅が必要だろう。
「悪魔の館に続いて今回も突飛な事を‥‥」
 それはラナ・ヴェクサー(gc1748)も同じ考えのようだ。前回はバグアのおふざけに付き合ってやったが、今回はそうは行かない。粉砕あるのみである。
「ついに、ついにここまで来てしまったぜよ‥‥。こうなれば狙うは殿の首ただひとつ! 続け、万夫不当の精鋭たちよ!」
 問題は、指揮官用の棒がわりに笹竹を高々と掲げるパンダこと七市 一信(gb5015)が相手では、今ひとつシリアス加減にかけると言ったところか。
「ジブラルタルの平和を取り戻す為にも、殿軍団の非道を許しておくことは出来ません‥‥この、黄色いマフラーに賭けて!」
 そう言った流 星之丞(ga1928)により、水鉄砲型非実弾発射装置スーパーガンと名付けられた銃が、准将の手により仕掛けられているはずである。それを使い、勝利の花火と賞金を山分け出来れば、目的は大成功といえよう。
「どうせなら白馬の王子様がよかったなぁ〜」
 が、ミッシング・ゼロ(ga8342)はそんな銃より、白馬に乗ったジョーみたいなイケメンさんがご所望のようで。
「ボーナスの為には、汚れ仕事だってやりますわよ。査定の基準は判らないけど‥‥とにかく活躍すればいいのでしょう?」
「ボーナスってなんだろう‥‥?」
 ラナにもっともな疑問を浮かべる姫川さん。その賞金が『資金で』100万とは限らないのだ。もしかしたら、不明の所望するように、パンダの右手かもしれない。
「タロスとHWは皆配置に付いたようだよ。‥‥よし、これで大丈夫なはず」
 パンダが双眼鏡で確かめた所、タロスとHWは一列に並んで待機中。そんな彼らに対応する為、月城 紗夜(gb6417)は自分のAUKVにスーパーガンを取り付け、パンダも照射装置を取り付けていた。
「私もじゅんびかんりょうー」
 姫川、今日もやっぱり胸から呼笛を装着中。まぁ見ようによってはおされなアクセなので、全くにならない。武器はスコーピオンだ。
「笛だけじゃだめだよ。やっぱり準備体操っ。体操は大事なんだよ?。健康のためにもっ!。はい、みなさんもご一緒に!」
「いーちにっさんしっ」
 最後に、ゼロちゃんの号令で、体をほぐす体操を行う一行。皐月の案でチーム分けを行って、天小路 皐月(gc1161)だ。
「いよいよ、ここまで来ましたね‥‥皆さん、後はあそこでふんぞり返っている殿と、そのまんまな副官を倒すだけです」
 準備が終わったところで、ジョーが、そのふんぞり返っている殿と、そのまんまなマンゴー頭に向けて、水鉄砲改めスーパーガンを構える。
「いけーーー」
 監督の紅月が号令を発した。傭兵達が早速用意されたカートみたいな特殊車両に乗り込み、殿とHW軍団に切り込んでいく。
「乗り物は得意じゃないけど〜」
 1人にならないように、ジョーの後へとことこ付いていくゼロちゃん。そこへ、皐月がこう指示しながら、後方へと下がる。
「まずは、HWを順次片付けていく方が良いでしょうか。救急セットの準備はしてありますから!」
「私はいい。自前のセットがあるし、そんなもので私の肌は傷つかん!」
 自前の盾で防ぎ、竜の鱗で致命傷を避けるようにセッティングした月城が、その前に割り込む。反転したHWが突っ込んでくる中、彼女はすかさず竜の咆哮を使う。
「わぁん、言う事聞いてよ〜」
「あぁもう!プチロフ製なら根性見せなさいったら!」
 後ろの方で、慣れないゼロが一生懸命操作していたり、ラナがコンソールを斜め45度の覚悟でぶっ叩いて、調子の悪いカートに、強烈な一撃をお見舞いしていた。
「諦めたら?ここで試合終了だよ」
 どっかのセリフをパクった上に、微妙に字が違う紅月のセリフは見ないふりだ。
「このままではらちが開かないな‥‥。さすがにポイを破るには、条件が必要か‥‥」
 竜の咆哮を使い、ポイの破れたHWを吹き飛ばす月城。しかし、それをぶつけた殿のタロスはびくともしない。ポイも相当水を被っている筈なのだが、全く破れていなかった。
「援護を続けてください。そうすれば、殿だけに出来るはずです」
「了解っ。私はそっちに行くわね!」
 皐月は、体力的に前にでるタイプではない。それを知っている彼女自身は、攻撃班の援護に徹している。それは、姫川も同じだった。
「あっ、次は右に動くっ! えいっ!えいっ!!」
 そこへ、ようやく運転に慣れてきたゼロが、探査の目を使い、HWやタロスを監察しては、その動きのパターンを掴もうとする。指さして皆に報告してくる彼女だが、そのお洋服は既にびしょぬれだ。
「しまったっ。水に濡れたら透ける事を忘れていた! 煩悩が必要じゃないなんて、俺とした事がっ」
 ガスマスクをつけてこなかった事を激しく後悔する紅月。ゼロの薄い布を多用したひらひら、スパンコール大盛りの衣装は、透けてお肌がしっとり見えている。
「えぇい、煩悩は後回しにしろ。ひきつけるぞ!」
 月城がそんな紅月を蹴り飛ばした。ツッコミに頭を抱える監督をよそに、刀を持ち出した月城、刀を振るい易いように柄に近い部分を握り込む。
「てぇいっ!」
 握り締めた刀を、下段から上段へ跳ね上げる。いわゆる逆袈裟と言う奴だ。そして、そのまま刀を返して袈裟斬り、正眼へ戻している。
「ふむ。あのくぼみなら、遮蔽物に使えるだろう。少し距離を置いて迎撃するといい。そうだな、HWの位置が悪いかもしれない」
 アンノウンが後ろに潜んだ状態から、水鉄砲を静かに射出していた。足元に着弾させ、HWの方向をすこしずつずらしている。目に当たる感覚機がどこにあるのかわからなかったが、とりあえず目っぽい場所に当て、視界を遮ろうとする彼。時折、狙撃眼で距離を伸ばし、仲間に的確なアドバイスを施していた。
「って、そっちはパンダさんのポイだYO!」
 その割には、距離を離して狙うのは、なぜかパンダのポイだ。逃げ回るパンダに、不明は水鉄砲の引き金を絞りながら、悪びれた様子もなくこう言った。
「おや、そうだったかな。あのHWには、どうやら幻覚を起こす装置が組み込まれているのかもしれないね」
 あくまでもダンディズムは忘れない。その様子に、ラナは難しい表情をして、その援護に回る。
「なるほど。間抜けに見えるけど‥‥気をつけなければ、ねぇ」
 HWから「俺らは無実だーーー!」とかマンゴー頭が叫んでる気がするが、無視してその攻撃をこちらにひきつけようとする。HWに対してスキルをかけているラナを見て、姫川も同じ相手に狙いを絞った。
「‥‥・っとまだまだ、これからよ!」
 弾幕を張るように。ばしゅっとポイが破れ、バグアの中の人が悲鳴を上げている。そこへ、彼女は隙ありと見て、自分のカートのスピードを上げた。
「行け!ジェット姫アタック!」
「バグアに栄光あれー!」
 ちゅどーんっとHWが爆炎を上げてリタイアする。こうして、ずらされたり撃破されたりして、数を減らしつつあるHWに、パンダがこう言い放った。
「ほいほい、守りがなくなってきたよー、どうするかね世界の御殿様ー」
「ぐぬぬぬ。だが替え等いくらでもいるのだ! だいたい、我がポイはまだ無傷!」
 挑発されたお殿様、パンダを集中的に狙ってくる。無傷と言うか、濡れても破れない仕様になっているだけなのだが、傭兵達は諦めなかった。
「大きい‥‥でも、ここで挫けるわけにはいきません!」
 支援班の面々が、HWを分散させ、各個撃破の様相を呈した間に、ジョーは黄色いマフラーをなびかせながら、覚醒する。奥歯がかちりとなり、加速装置がドライブ運行するような音が響いた。
「さぁ、僕はこっちだっ、このマフラーのなびきを恐れぬのならかかってこい!」
 殿様のポイを狙い撃ちつつ、挑発するジョー。モニターを黄色いマフラーが遮り、ゼロたんがおめめをハートマークにしていた。
「よし、奴を支援するぞ。本当は女の子がいいんだが、女性と共にと言うのも悪くない」
 そう言って、ヒューイ・焔(ga8434)が2人の援護に集中するよう告げた。月城が「ボーナスは弾んでくれよ」と、その輪に加わってくる。過去の映像データでは、勝率は6%となっていた。過去の英霊達の為にもってわけではないが、それでもやらねばならん。
「そうは行くか。この若から貰った光線銃がある!」
「ショタ需要は完全に負けている気がするが、変態の多さならこっちの勝ちだな」
 殿がそう言いながら、巨大な交戦銃を取り出した。銃身部分に『メイドインREN』とか文字が躍っている。その水鉄砲は、ちょうど加速してきた焔を餌食にしようとしていた。流し切りを叩きつける焔に発射される水らしきもの。それを何とか回避しようと体を捻るが、残念ながら活性化を使うハメになってしまった。
「く‥‥。着ぐるみを着てなかったら即死だったぜ」
 黄色っぽい着ぐるみがなければ、落ちていたところだろう。痛手の衝撃が緩和されたとは言え、痺れの残る着くるみが、銃弾を装填しなおしているそこへ、のこのこと寄って来るタロス。その前には姫川の姿が。
「引っかかったわね!こっちは水路よ!」
 ちょうどその先には、堀に刻まれた水路があった。追いかけてくるタロスから、パンダが竜の翼を使って逃げる。
「くっ、パンダ。お前のタタキは‥‥いや、仇はとろう」
 その間に、詰め将棋のようにまっすぐ飛んでくる水鉄砲の弾。後ろに回った不明が撃ったものだ。パンダがまだ死んでないのは、見えてないようだ。
「でも、僕は諦めません‥‥。あっ、後は勇気だけだっ!」
 プチロフ製にまともな稼動を期待してはいけないとはたまに言われるが、ジョーは斜め四十五度のチョップを食らわし、コンソールを復活させる。その味方の煙幕にまぎれて、タクティカルゴーグルを使っていたパンダがこう言った。
「こんな機械、ミカエルで押し返してやる‥‥! ミカエルは‥‥‥‥伊達じゃない!!!」
 グラサンかけた白黒のもこもことか言うAUKVが、咆哮を上げて加速した。既に昨日を停止したHWによじ登り、タロスにぶつけようとする。
「直感を信じて‥‥・見える!ほら!こっちよ!」
 その間に、姫川は殿の巨大な水鉄砲と言う名のキャノン砲から逃げ回ると言う名の回避をしまくっていた。きゅぴんと電球に似た何かが閃き、HWの攻撃先に、殿のタロスが突っ込むように誘導していく。
「えぇい、こうなったら弱い奴から撃破するのだ!」
「そうはいかないわよ。こっちには奥の手があるもの!」
 そうして、距離を詰めた所に、うずくまっていた皐月が、ふらりと起き上がる。見れば、練成治療を使ったところだ。だが、殿のタロスは、月城とパンダ、そして他の面々にもHWをぶつけられて、彼女に気付いていない。
「抜け駆けになるが‥‥これで決まったら金星‥‥かなっ!」
 そこへ、ラナが鋭覚狙撃を使って、狙いを定めた。頷いた皐月が牽制攻撃をしながら、制御装置だろうポイに狙いを定めさせる。
「皆、あれを狙って!」
「その前に、サングラスを!」
 パンダにグラサンがかけられた。そして直後、閃光手榴弾がタロスを照らした。そこへ、ジョーがすかさずポイを指し示す。
「タロスの頭の中心核を撃つんだっ!」
「殿に天誅っ!タマとったる〜っ!タマけってやる〜っ!」
 ゼロたんが大騒ぎをしながら、女性にはどうよってセリフを吐く中、不明は平然と表情を変えずに、急所攻撃をプラスする。
「左からHWが来ているぞ。気を付けたまえ」
「つか任せた!」
 紅月が牽制役を不明に一任させる。最後はみんなで集中攻撃を狙うらしく、皐月がこう言いながらフォローを入れた。
「こっちは殿への総掛かり集中攻撃中なので、お願いしますね!」
「了解した。援護をずらすのは織り込み済みだ」
 元々、仲間の援護役だ。うなづいて、広い範囲をカバーし、HWが近付かないよう、配慮する不明。孤立した殿の頭に、パンダが迷うことなくトリガーをひく。
「一発でだめなら2発、3発、4発!!!」
「皆の思いを一つに! この思いを届け!」
 姫川も、それに合わせて集中砲火だ。可能ならボーナスも獲得したいし。
「斜め45度から抉り込むように‥‥撃つべし!撃つべし!」
「バグアだって、焦点は一つ‥‥全員で攻撃したら対応が追いつかんだろう‥‥!」
 力をあわせて、全員で一斉掃射する。集中砲火を食らえば、いかな強化型ポイと言っても、ひとたまりもないようで、びしぃっと盛大に亀裂が入った。
「爆発したりしないよな、まさか」
「そのまさかだ! やってやる!」
 怒りで湯気を出している殿が、月城にそう答えた。発射装置が狙われないよう庇う彼女に、殿はマンゴー頭が青い顔をしてすたこらさっさと逃げ出すのを無視して、自爆装置らしき赤いボタンをぽちっと押す。
「そうはさせないさ。大量にあるんでな」
 だが、月城はそんな殿に対策を施していた。予備の発射装置を使い、集中攻撃に加算する。どしゅうっと盛大に水柱が上がり、タロスは水路の藻屑と消えるのだった。
「あの憎たらしいバグアをついに倒したか‥‥いやったあぁぁ♪」
 ラナが大喜びでカートを使ってあちこち走り回る。ゼロが「やったねっ!」とジョーに飛びついてほっぺちゅーしており、皐月も勝ち鬨を上げて喜びを表現している。そんな中、パンダは愛用の電子タバコをかちっと点火すると、しみじみと一服していた。
「ふう、生まれる場所が違えば、敵味方でなければ、仲良く慣れたかもしれんね‥‥芸人的な意味で」
「――なんて恐ろしい敵だ」
 こっちは本物のタバコを燻らせる不明が、どこか見た覚えのあるようなカートから下りて、そう呟く。
「掴み所のない相手だったが‥‥今回の依頼は楽しめた。また逢う機会があれば、よろしく」
 握手を交わしたラナとジョーを中心に、横一列に並んで決めポーズを取る傭兵達。その後ろで、でかい花火がぱーーんっと盛大に戦士達の検討を讃えてのだった。
 参加した全ての傭兵達に、ありがとう‥‥と。