タイトル:【蒼穹】宙からの来訪者マスター:戌井 凛音

シナリオ形態: ショート
難易度: やや易
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/01/27 19:30

●オープニング本文


■始マリノ謳
『リンゴーンリンゴォーン』
 どこまでも変わる事のない荒野の果て在るとある町。
 何時もと変わらぬ鐘の音が町全体に響き渡る。
『蒼いお星紅いお星 仲良しさん
 いつも駈けてく 遠い空
 星屑の煌き仰いで かげぼうし追いかけ
 いつも駈けてく どこまでも』

 どこか遠くで懐かしい様な旋律が何処からともなく聞こえてくる。
 次の瞬間、町に箒星の様な物体が突然降り注いだかと思うと、無数のキメラ達が各地へと飛び散っていった。

■調査団ノ失踪
 事件の報告を受け先行して調査団が派遣される。
「これは‥‥酷い‥‥」
 調査員の一人が言葉を失ってしまう。
 確かに地図では調査員が立っているその場所には町があり、人々が生活を行っていた筈だった。
 しかし、目前に広がっているのは荒れ果てた瓦礫の山々のみ。
「生存者は‥‥いる筈ない‥‥か」
 溜息混じりに言葉を吐くと、彼は周辺の地質調査を始める。
 彼の手に持っていた方位磁針にも似た物を地面に近づけ土を採取し、
 何やら液体の入った小瓶に採取したものを入れ蓋をする。
「喰い散らかしたこの地にはもうアイツラはいないか‥‥」
 彼は怪訝そうな顔で空を見詰めながら、無線機でどこかに呼びかける。
『ザザザ‥‥こちら研究所‥‥何かあったか?』
「土の採取は完了した。これより帰還する」
『デシジョン』
「仕事中に歌でも聴いてるのか?」
『ネィ』
「それじゃ‥‥これは‥‥」
 彼は自身の周辺で音楽が鳴り響いてる事に気づき周りを見渡す。
 すると、まだ昼間だというのに辺り一面が突然黒い影で覆われていく光景を目の当りにする。
「こ‥‥これは‥‥何だ! 一体何がっ!!」
『‥‥? どうしました? 応答願います』
「き‥‥巨嘴鳥の群れ?」
 辺りからは他の調査員の悲鳴が響き渡る。
 彼は恐怖に体を震わせながらも必死に荒野を逃げる。
『ザザザ‥‥応答‥‥願い‥‥ます』
 無線機の向こうからは、応答の願いが返って来るが、彼はそんな物に答える余裕などなかった。
 巨嘴鳥は、けたたましい鳴声を上げながら彼に近づいてくる。
「悪魔か‥‥」
 そう呟いた瞬間、とうとう彼は巨嘴鳥に似た物に追いつかれ影を踏まれたかと思うと丸呑みされてしまった。

●参加者一覧

ドクター・ウェスト(ga0241
40歳・♂・ER
ファリス(gb9339
11歳・♀・PN
後藤 浩介(gc2631
22歳・♂・HG
ヘイル(gc4085
24歳・♂・HD
安原 小鳥(gc4826
21歳・♀・ER
BEATRICE(gc6758
28歳・♀・ER
ミレーユ・ヴァレリー(gc8153
20歳・♀・CA
真下 輝樹(gc8156
22歳・♂・CA

●リプレイ本文

●未来科学研究所にて
「けっひゃっひゃっ、我輩はドクター・ウェストだ〜」
 未来科学研究所の総合案内嬢達に笑いながら語りかけるドクター・ウェスト(ga0241)の姿が。
「すみません。依頼を受けた傭兵の者ですが、地質調査の方と取り次いで頂けますか?」
 溜息を吐きながら、ドクターの後方から案内嬢に話すヘイル(gc4085)。
「あ‥‥はい。少々お待ちください」
 案内嬢は、ドクターに少しだけ驚いていたようだが地質調査班と連絡を繋いでくれる。
「あら? ドクター様とヘイル様も来ていらっしゃったのですか」
「お待たせしました」
 程無くして、研究所所員が安原 小鳥(gc4826)と共に駈けて来た。
 ドクターは案内嬢にした様に笑いながら挨拶をする。
 研究所所員は少し圧倒されたのか苦笑いしながら挨拶に答える。
「安原君は、一体どうしたんだね〜」
「あ、私はですねー。調査内容を確認しに」
 安原は、どうやら予定していた調査内容に基づいて調査したいと思い一足先にやって来ていたようだ。
 分かった調査内容はというと――
 一つ、飛来した彗星の様な物の欠片の採取
 一つ、瓦礫と化した町の地質調査
 一つ、異常を示した際その地質サンプル採取
 以上の三点が当時行っていた調査内容だった。
「お忙しいところ、有難うございました‥‥それでは失礼します‥‥」
 研究所所員と二人に深々とお辞儀し、その場を後にする安原。
「すみません‥‥あの、地質調査にて使用する機材を貸して頂けますか?」
 安原を見送った後、地質調査に必要な機材を貸してくれるよう願い出るヘイル。
 研究所所員は、上司と相談し「これならば」ということでコンパスの様な物を手渡す。
「使い方を教えていただけますか?」
 丁寧にコンパスを受け取り教えを斯うヘイル。
「さすがに雑学程度の地質学だけでは調査など出来ないからね〜」
 コンパスを珍しそうに覗き見るドクター。
 このコンパスは、振り子・方位磁針・水準器・ルーペなど様々な機能が搭載されており、
 少しばかり複雑なものだ。
「まず、この機材を調べたい面に対して直角あてます」
 研究員は自身のコンパスを取り出し、手本を見せる。
「赤い印が付いた指針が方位を示す物で、左下にある小さな液体と球が水準値を示す物です」
 丁寧に一つ一つ説明する研究員。
 黒い太い指針が示す物がどうやら傾斜度の様だ。
 左上部にあるボタンを押すとルーペの様な物が出現し、それを用いて組織や構成物を観察するそうだ。
「あ、後はですね其の面に存在する物質内に、何かがある場合のみ音が鳴ります」
「ムムム、何かがあるとは何なのかね〜」
 興味津々に質問するドクター。
「それは現在研究中の為、まだ何とも言えません」
 研究員の答えを聞くや否や口から魂が抜けてしまうドクター。
 どうやら期待していた答えとはかけ離れていた様だ。
 研究員は突然の出来事に理解できず、ドクターの身体を上下に必死に揺する。
「ドクター‥‥魂が抜け出てますよ‥‥」
 少し溜息を吐きながら、ドクターに話しかけるヘイル。
「けっひゃっひゃっ、すまない」
 ヘイルの声で我に戻るドクター。
 こうして二人はコンパスの使用方法を一通り聞き終わると、一礼し帰っていった。

●調査開始
 現地に着いた一行は警戒班、サポート班、調査班に分かれる。
 警戒班。
「街を一つ壊滅‥‥なるほど、なかなか赦せないことをしますね、バグアも」
 襲撃された町を眼下に望み拳を握り締める真下 輝樹(gc8156)。
「‥‥何の罪もない人達を無残に殺し尽くすなんて、ファリス、けしてそのキメラを許さないの!」
 町を突然襲った悲劇を目の当りにし憤りを感じながら呟くファリス(gb9339)。
「何人も食い散らかしやがって‥‥許せねぇ」
 廃墟の瓦礫に紛れる様に待機する後藤 浩介(gc2631)。
「巨嘴鳥‥‥中南米に生息するオオハシ科の鳥の総称‥‥」
 残された手がかりを再度確認しつつ周囲を偵察するBEATRICE(gc6758)。
「鳥さんハンティングが俺らハンティングになんねぇようにしねえとな」
 奇襲に備え愛機のHERMITに搭乗しヴァイナーシャベルを装備する後藤。
「そういえば、歌‥‥が流れていたとか」
 キメラを制御する周波数なのだろうかと心の中で問いつつ話す真下。
「情報が断片的で‥‥抽象的ですね‥‥」
 もう少し明確な情報があれば‥‥と思いながら、溜息混じりに答えるBEATRICE。
「歌に烏さんに相当メルヘンチックな戦場じゃねえか。‥‥いや、惨状か。これ以上の現実はねえしな」
 周囲を見渡し起こった出来事を再確認する後藤。
「無念はファリスが必ず晴らすの!」
 長距離ガトリング砲を構えながら空を仰ぐファリス。
 上空班と地上班に別れ、緻密に連絡を取り合う警戒班。
「そういえば‥‥群れ‥‥と言えるほどの数が隠れられるようなポイントでもあるのでしょうか‥‥」
 ふと頭を過ぎった疑問を口にするBEATRICE。
「どうでしょうか。今の所洞窟などは見つかっていませんが‥‥あまり散らばるのも良くないでしょうし‥‥」
 上空よりバグアの隠れ家となりそうな場所を探す真下。
「まさか迷彩機能を持っているわけではないでしょうが‥‥」
 考えうる全てを計算しながら警戒しつつ必死に眼を見開き地上を見下ろすBEATRICE。
 其々「必ずバグアを倒す」と心に決意しながら敵が来るのを今か今かと待っていた。

 サポート班。
「これは‥‥酷い有り様ですね」
 眉を寄せつつ荒れ果てた荒野を見渡すミレーユ・ヴァレリー(gc8153)。
「‥‥調査団の方‥‥生存は、難しそうですね‥‥」
 愛機アモンに搭載した地殻変化計測器を設置しながら呟く安原。
「諦めずに‥‥頑張りましょう」
 丁寧に瓦礫を避け生存者がいないかどうか確認するミレーユ。
「ミレーユ様、こちらは設置し終えました」
「こちらも‥‥後もう一つですね」
 其々、設置場所が被らないように連絡を取り合い地殻変化計測器を設置する。
 低空より警戒しながら設置した計測器に異常がないかどうか確認する安原。
 一方地上にて、調査班を望める位置にてスナイパーライフルを構え敵の襲来に備えるミレーユ。

 調査班。
「けっひゃっひゃっ、ヘイル君。この機材は本当に面白いですね〜」
 サンプル採取の為に借りたコンパスをキラキラした瞳で見詰めるドクター。
「ドクター、分解しては駄目ですよ」
 今にも機材を解体しそうなドクターに釘を指すヘイル。
 リンドヴルムにドクターを搭乗させ廃墟へと移動した後、停車すると不眠の機龍等を使用し警戒しつつ侵入する。
 研究員から教わったとおりにコンパスを使用し、サンプルを採取する二人。
「歌がどうとか言っていたらしいが‥‥さて‥‥」
 双眼鏡を覗き周囲を確認するヘイル。
 双眼鏡から見える景色は、瓦礫と化した町とどこまでも広がる空のみだった。
「宇宙から直接キメラを送り込んできたのか?」
 ふと、彗星の様な物体が降り注いだという情報を思い出す。
「けっひゃっひゃっ、宇宙から直接送り込むなど日常茶飯事の事ではないか」
 眉間に皺を寄せるヘイルの肩を叩き、採取した欠片を入れた試験管を見せるドクター。
 どうやらコンパスに装着されたルーペに反応があり、採取したもののようだ。
「今は、調査が最優先事項でしたね」
 コンパスを片手に調査を続行する二人。
 と、そこに。
「敵群、右前方より来るの」
 空中にて警戒をしていたファリスから敵襲来の一報が入る。
 巨大な敵影が右前方の彼方に一杯広がっていた。
 一報と共に周囲には、旋律の様な謳の様なモノが響き渡る。
 其の音は、とても周波数が高いモノだった。
「ヘイル君、今の音、聞こえたかね〜」
「何かのメロディーの様な物が聞こえましたが‥‥」
 遠くから聞こえてくる旋律に耳を済ませるドクターをリンドヴルムに搭乗させ、
 急いでその場を離脱するヘイル。
 こうして戦いの火蓋は落とされた。

●戦闘開始
「ファリス‥‥頑張るの」
 長距離ガトリング砲を放ち、敵群の分析を図るファリス。
 敵個数は約二十数匹、高空より降下してきている事が判明する。
「さて‥‥ミサイルレディーらしく‥‥行くとしましょうか‥‥」
 飛来するキメラに向けて、ホーミングミサイルを撃ち放つBEATRICE。
 発射されたミサイルは、華麗な動きでキメラを追尾し次々と撃ち落していった。
 堕ちていくキメラは空を斜めに滑り、やがて地面に激突して土埃を巻き上げていた。
「さて、この機体はラスヴィエートとどのくらい違うのか。試してみましょう」
 愛機回天の操縦桿を軽く握り締め、敵陣へと一気に翔る真下。
 ミサイルを撃ち放ちつつ、機体を宙回転させ敵陣から離脱する。
「左前方より数体降下、ミレーユさん安原さん宜しくお願いします」
 高空から低空へと翔た為、凄まじいスピードで降下している事を伝える真下。
「了解‥‥です」
 照準精度を高め空を望むミレーユ。
 やがて敵三体がリンドヴルムに搭乗し機体の方へ走るドクターとヘイルへ向って加速しながら近づいていく。
「敵三体、ドクター様ヘイル様の頭上に接近中。右上方より鉤爪で襲ってきます」
 タクティカル・プレディレクションBを使用し予測した結果を伝える安原。
 報告を受け、ヘイルはブーストさせ一気に加速させる。
 安原のアドバイスを元にリンドヴルムを操縦し、敵の攻撃をかわして行くヘイル。
「巨体だが、コレを喰らっても平気かね〜!」
 電波増強を使用しつつエネルギーガンでキメラを攻撃するドクター。
 だが、キメラ達は翼を左方や右方へと少し傾けまるで蝶が舞うように攻撃を避けていく。
「一体なら生身でも倒せそうだがヤツラは複数いる、KVに急ぎたまえ〜!」
 攻撃を続けながらヘイルへ語りかけるドクター。
「援護してやるから、さっさと機体に乗りなッ」
 ヴァイナーシャベルを用いて敵の攻撃を防御し二人を援護する後藤。
「あれが敵‥‥ローストチキンにしてもあまり美味しそうじゃないですね」
 少し頬を膨らませながら、スナイパーライフルを用いて一体ずつ確実に撃ち落すミレーユ。
「堕とさせて頂きます‥‥」
 ミレーユの攻撃に合わせる様に、スラスターライフルを撃ち放つ安原。
「どっちの方が強いか、勝負しようぜ」
 シャベルを振り上げ、キメラの翼を地へと打ち込む後藤。
 後藤、ミレーユ、安原による援護の甲斐もあり無事に愛機の元へと辿り着く二人。
 二人は急いで愛機に乗り込み、宙へと舞い上がる。
 其の頃、上空では。
 旋回しつつ下方を睨むBEATRICE。
 現在の高度がキメラよりも高い事を確認しつつ瞬時に戦術を組み立てる。
 一気にキメラ達の目前を下降すると、目論見通り後を付いてくるキメラ達。
 急降下の勢いにより、キメラ達の照準が乱れた一瞬の隙を突き、
 機体の腹を空へ向け落下したかと思うと水平飛行へと瞬時に移行し、操縦桿をやや右に傾けるBEATRICE。
 やがて機体が九十度横転したタイミングで、操縦桿を右前に傾けた背面飛行したかと思うと、
 前に倒した操縦桿を少しずつ元に戻しつつ水平飛行へと戻る。
 こうする事で、敵が自機に狙いをつけにくくすると共に、スピードを落とす事がないため反撃しやすくなるのだ。
「遊びは‥‥お終いです‥‥」
 真スラスターライフルを用いて敵を牽制し、二十四式螺旋弾頭ミサイルで撃ち落していくBEATRICE。
「俺の兄はバグアに殺された。この街の人々のように。
 だから俺は‥‥貴様たちバグアを殲滅する! 真下機、エンゲージ!」
 機体の翼を翻し、乱戦のただなかへと翔けて行く真下。
 昂ぶる感情を深呼吸し落ち着け左斜め前方にいるキメラ達を睨む真下。
 背後より近づくモノに気付いたキメラは急旋回し、真正面より牙を剥き出しにし、真下へと飛び掛ってくる。
 回天は左に捻り込みするりとキメラの攻撃をかわしてみせる。
 その後、キメラの背後を取ったかと思うと機関砲による集中攻撃を繰りなす。
 一方、左前方の空では。
 遠距離より確実に螺旋弾頭弾を用いてダメージを与えつつ、その後お互いの後方を狙うファリス。
 やがてジリジリと距離を詰め、スラスターライフルを用いてキメラを撃ち落したかと思った次の瞬間。
 複数のキメラにより取り囲まれてしまう。
「――沈め!」
 下方より対空砲による援護攻撃が繰りなされる。
 愛機HSII−テンペストに搭乗したヘイルだ。
 ファリス機が被弾しない位置へと旋回し、ガトリング砲を撃ち放つ。
 ヘイルの集中砲火を受け、キメラがとうとう最後の一匹になった次の瞬間。
 スレイヤーを空中変形させ歩行形態となったドクター機がキメラの翼をブーステッドソードを用いて薙ぎ払う。
「バ〜ニシング、ナッコォー!」
 翼を切られ地へと急落下するキメラに向ってナックルがまるでロケットの様に飛び出し、強烈な打撃を与えた。
 こうして、キメラ達は全て討伐された。

●廃墟の町にて
 瓦礫の中から煉瓦等を運ぶファリス。
 中心部から少し離れた場所にあった見晴らしのいい場所にて、少しでも町の人々の為にと考え祭壇を作っていた。
「これも‥‥使えるでしょうか‥‥?」
 後方より、何やら十字架のネックレスを差し出すミレーユ。
 瓦礫の間で光っている物を見つけ取り出した物の様だ。
「本当は‥‥お花とかがあればよかったのですが‥‥」
 襲撃に遭った町には花一つ残されていなかったようだ。
「大丈夫‥‥ありがとうなの」
 丁寧に受け取り、小さな祭壇に飾って上げるファリス。
「どうか、安らかにお眠り下さい、なの」
 亡くなってしまった人達の冥福を祈り手を合わせるファリス。
(これ以上こんなことが起きないよう、私たちが少しでも頑張らないと)
 決意を胸に秘め、死者を悼むファリス。
 その上空では、真下とBEATRICEが空を周回しつつ警戒していた。
「あれ‥‥? あそこにいるのは?」
 廃墟より少し離れた場所にて佇む後藤の姿を見つける真下。
「やっぱ、チョコはうめぇな」
 集合前に購入しておいたチョコを頬張り空を見上げる後藤。
 一方、ドクター、ヘイルからコンパスの使用方法を聞く安原。
「‥‥調査団の方々の、痕跡‥‥何か残っていればいいのですが‥‥」
 注意深く足元を見つつ調査を行う。
 サンプル回収の片手間、再度生存者がいないか探査の目やバイブレーションセンサーを用いて調べる安原。
 が、生存者を発見する事はできなかった。
 こうして一同は採取したサンプルと共にその場を後にする事となった。
 未来研究所へと辿り着いた一行は入手したサンプルと、
 敵襲来時に聞いた旋律について詳しく話をするのであった。

●追悼
『クゥ〜ンクゥ〜ン‥‥』
 一同が廃墟を去った翌々日、周辺の空域にて紅い燃えるような巨鳥達が、
 まるで追悼の意を示すかの様に円を描き舞うとやがて宙の彼方へと去っていったらしい。
 其の瞳に憎しみにも似た炎を燃やしながら‥‥