●リプレイ本文
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KV☆養成所内、情報管理室でアラームが鳴り響く。
「何事だ!?」
情報室長が立ち上がると、端末を叩いていたオペレーターがスクリーンに原因を捉えた。
「クラッシュ・バグ幹部と交戦中のKV☆α隊です。この場所に、正体不明のエネルギー帯が接近中!」
「すぐα隊に連絡を――」
「接近速度が速すぎます! 接触‥‥!」
スクリーン全体が眩い光に溢れる。凄まじい共振音が小さくなると共に光も穏やかに薄れていく。
「KV☆は‥‥どこへ――?」
光に呑まれたその場所からは、KV☆はおろかクラッシュ・バグの姿さえも消え去っていた。
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ドラグナイツのメンバーが学校に通っているとき、ぐらりと校舎が揺れた気がした。
それは錯覚ではなく、激しく校舎が揺れ始め、気がつくとロスの街全体を黒い嵐が取り囲んでいた。
点滅する信号、各地で発生する交通事故。
――UPC基地
『時空振動が確認されています。ロスの街全体が、異空間に取り込まれかけてます』
基地のオペレーターがそう報告する。
「くっ! バグラムの仕業か!?」
『不明です。ですがこのままではロスは孤立します。市民がパニックになる可能性も!』
「UPC出撃。治安維持活動に当たれ!」
「了解です!」
――学校
「これは、ただことじゃないわね」
藍・カレンがそうつぶやきながら、体調が悪いと言って授業を抜け出し、UPC基地へと向かう。
そして、基地にドラグナイツのメンバーが到着したとき、ロスの街は異空間に取り込まれた。
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画面は暗転したまま、若い女性の声だけが流れる。
「えぇと〜、観る時は部屋は明るく画面からは充分離れてくださいねぇ。博士とのお約束です〜。え? 私が何の博士かは、まだ秘密ですよ〜」
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「にゃっ!? にゃんだここ」
起きあがった黒木メイは、丘の端に立っているイスル・イェーガーに気が付き駆け寄る。後に続く声は驚きに消えた。丘から見える景色は、見たことも無いものだったからだ。
複雑に入り組んだ街並みの向こうには、巨大な日本式の城のシルエットが霞んで見える。
「ついさっきまで、ロスにいたはず‥‥」
イスルは街を見下ろしたまま呟く。AU−KVとの適正が合わずドラグナイツになれなかった彼は、バグラムに拉致され強化人間としてドラグナイツと敵対していた。
メイ──ブラックキャットもまた、バグラム幹部シルバー・クロウの部下として戦った過去を持つ。
そう、それは過去の話。今は二人共、シルバー・クロウという洗脳から解き放たれたエオス・アイオーンと共に喫茶店を営んでいた──はずなのだが。
「イスル、イスル。いつの間にか変な格好してるにゃ。人っぽくなってるし」
そう言うメイは、半袖で腹部の出る上衣と下衣に分かれた和服に鈴付きの黒い首輪を身につけていた。黒い毛に包まれた手や足、猫耳や尾は、キメラと強化人間の融合体であるダークキャットの姿を残している。
腕にはリストバンド型の機械、KVテクターがある事から、KV☆であるメイと別世界のダークキャットが時空を越える際に同化してしまったらしい。
「ここ暖かくて昼寝にちょうどよさそうにゃ。イスルも‥‥ってどこ行くにゃ」
「とりあえず、ここが何処かを知らなくては」
丘を下り始めたイスルを、メイが急いで追いかける。
その頃、二人が目指す謎の街では──。
「きゃーっ!?」
「い今、人がバラバラ降って来やがったぞ!」
何事かと人が集まり始めたのは街の一角。建物の屋根が大破し、皆がのぞき込む屋内には数人が折り重なって倒れている。
「これは‥‥少なくともここはロスではないようですね‥‥」
落下を免れ屋根の上で呟いたのはドラグナイツの一人、チェスター・ハインツ。
「何はともあれ、情報がないと始まらない。か‥‥」
屋根に開いた大穴から、倒れていた藍・カレンが起きあがるのが見えた。
彼女を置いて行くのが少し心残りではあるが、情報収集は身軽な方がいい。チェスターはそっとその場を離れた。
「〜っ一体何が起こったの?」
身を起こしたカレンは周囲を見回す。UPC基地にいたはずが、気づけば激しい衝撃と共に空中へ投げ出されたのだ。学校の制服までも、いつの間にか青色の着物の中にさらしを巻いて帯刀した女任客風の姿へと変わっている。
「イタタ‥‥どうやら、時空を越えて異世界に飛ばされたみたいだね」
そう言う青野ソラコも、ミニ丈の着物姿だ。
そんな二人の下敷きになった星川ショウキは藍色の着流し姿で言う。
「しかも、時空を越える時に存在が二分されて異なる世界に同時に存在してやがる。厄介だな──」
「お? なになに、その口調!」
「飛ばされた影響みてぇだな‥‥」
ソラコに答えたショウキだが、クールで男らしい性格になりたい願望の現れである事は口にしなかった。
「ほら、どいたどいた!」
外にできた人垣をかき分けて中へ入ってきた袴に赤い銅鎧を付けた剣士達に、三人はたちまち取り囲まれる。
「お前達か、番屋を襲撃したというのは!」
先陣切って駆けてきた小柄な剣士が見事な太刀を突きつけて言う。三人が事情を説明すると、彼は剣を納め部下に野次馬を追い返すよう命じた。
「にわかには信じ難い話だが、まぁ悪い奴らではなさそうだ。私は陽之元・朱桜(ひのもと・すおう)、EDOの治安を維持する『改方』の人間だ」
番屋の奥間で、朱桜が皆に茶を出しつつ言う。
「EDO‥‥」
土間からは屋根を修理する機械音が響いてくる中、ソラコが繰り返す。
「街の中心にそびえるEDO城におわすSHOGUN家が治める、この街の事だ。最近は妙な事件が多発していてな‥‥お前達が現れたのも、関係があるのかもしれん」
「妙な事件?」
カレンの問いに朱桜が頷く。
「ああ。茶屋から盗まれた大量の饅頭を追って野良犬や野良猫が大量に集まったり、EDO城の金の鯱が神社の狛犬と変えられていたり‥‥」
「それって悪戯って言うんじゃねぇのか?」
ショウキが呆れるが、朱桜は真面目そのものだ。
「確かに些細なものではあるが、迷惑している者がいる。捕まえようとしても捕まらん上にこちらには怪我人も出ているからな。黒と銀の二人組なのだが、今日も逃走中に寺一つ吹き飛ばしている」
「それにしてもEDOかぁ。歴女としての血が騒ぐ‥‥! 街見に行こう、街!」
最近ハマっている歴史モノに似ているEDOにはしゃぐソラコに呆れつつ、カレンは立ち上がった。
「街へ行くのには賛成だわ。お互いに他の仲間もこちらに来ているかもしれない」
「なら私も行こう。案内役が必要だろう?」
目付も兼ねて同行をかって出た朱桜と共に、三人は街へとくり出した。
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軒を連ねる瓦や板葺きの屋根。一見そう見えるものの、それらを照らす陽光にメタリックな輝きを放っている。日本の城下町を彷彿とさせる建築様式でありながら、金属や機械のパーツによって組み上げられているのだ。
街行く人々も多種多様で、自分達と変わらぬ姿の者もあれば、獣人や、言葉では形容しがたい姿の者までいる。共通しているのは、皆和服をベースとした衣服に身を包んでいることだろうか。
日本の江戸時代を思わせる機械都市。それがEDOの印象だった。
飛脚や物売もバイクやスクーターに似た乗り物で行き来している。だからAU−KVが通りを抜けてもいぶかしむ者はいない。
乗っているのはドラグナイツ銀竜騎兵の月影・白夜。弱冠五歳にして英国に特別留学し、飛び級で大学院博士課程まで修了している帰国子女だ。洋服の上に着物を羽織り、篭手と臑当を着けている。
「ふうん‥‥」
一人街の様子を眺めて呟く白夜の周囲を数十cmの少女の投影が舞っている。年の頃は十三前後。銀髪碧眼の彼女は身体の各所に銀の機械パーツを装着しており、長髪と黒いコートを舞わせて彼の肩に腰掛ける。
AIシステムSAI(支援人工知能)と立体映像技術を複合させて生み出された高知能で、各ドラグナイツの相棒となる可能性を秘めた存在だ。
『随分な所みたいね。皆、妙に不安がってるみたいだし』
「‥‥噂になっている、銀と黒の二人組のせいなのか‥‥フェンリス、もう少し調べてみよう」
『了解! 噂の声を拾ってみる』
二人の姿はEDOの雑踏の中へと紛れていった。
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──EDO城・離れの一室。
縁側には立派な着物を着た、少女と見紛う少年が腰掛けていた。彼はSYOGUN家の末子である。
何処からともなく舞い降りたのは同じ年頃の少女。黒髪を高く結い上げて、くのいち装束に身を包んだ彼女は、膝をついて報告する。
「流風(るか)、只今戻りました。謎の反応の正体は、博士殿の仰せの通り異なる世界から来た者のようです!」
「また何か異世界の技術が手に入るかも‥‥さっそく見学に行かなくては。博士は引き続き、その機械虎の調査を!」
縁側を飛び降りた彼が言うと、室内からおっとりとした女の声が返る。
「了解です白虎様〜。お気をつけて行ってらっしゃいませ〜」
――高い塀で閉ざされたとある邸宅。
「あー楽しかった!」
街から離れた人気のない場所に建つその敷地内に駆け込んで来たのは、丈の短い黒の忍装束に身を包み髪をポニーテイルに結ったニュクス・アイオーン──バグラム改造戦士『ADR−2アロンダイト』だ。
その隣で頭を抱えている白銀長髪の美人は、同じくバグラムの幹部、シルバー・クロウ。右顔額まで届く傷を覆う大きめの眼帯と露出の高いフィットアーマーにレザーのグローブとブーツを身につけている。
「見ているこっちは気が気でないのですがね‥‥」
エオスはロスからこちらに渡った際に、シルバー・クロウの部分だけが切り離されてしまったようだ。
ニュクスもまた、彼女の中の『誠実で理性的な大人な部分』と『無邪気で感情的な子供っぽい部分』が別れ。後者とアロンダイトの力がEDOへと飛ばされたようである。
庭に設けられた祭壇の前にいた一人の青年が彼女らを迎える。彼の名は氷冬(ひとう)。EDO城お抱えの陰陽師でありこの邸の主だ。
「これは巫女様方。おかげで邪神復活の為の負の力は着々と宝玉に集まっていますよ」
怜悧な冬の夜を思わせる彼の瞳が見つめるのは、祭壇に据えられた宝玉だ。透明な膜内に黒く濃い気が蠢く。
姉妹がEDOにたどり着いたのは、空間の狭間を抜ける際に時を遡って数日前。かつてEDOを襲った邪神を復活させる儀式を行っていた氷冬達は、この邸の祭壇に現れた二人を邪神が遣わした巫女と信じたのだった。
(私とアロンダイトは強い念の力によりこの世界に呼び寄せられた‥‥同じく強い力──復活した邪神のそれを利用すれば、元の世界に戻れる可能性がある。僅かな可能性でも、今は試してみるしかない)
そのためにシルバー・クロウは今の立場を利用しているのだが、アロンダイトの方は気の向くままに行動していた。
「悪い事なら任せておいてよ! 今日もEDO五山の送り火『大文字焼き』を『犬文字焼き』にしてやったんだー♪」
「アロンダイト。もっと効率良く負の気を溜めなくては──」
「だって、シルバー・クロウの作戦て地味なんだもん。それじゃつまらないし」
こんな調子で、全く言うことを聞かない妹に苦心しているのだった。
「堅実と言ってください。全く‥‥」
「まぁまぁ、巫女様方。宝玉が満たされるのもあと僅か‥‥そろそろ、封印の地へ参りましょう」
氷冬が二人を促すその様子を、庭の植え込みから窺う者があった。忍装束の体型から男と知れるが、その顔は頭巾に隠されている。
彼は風が植え込みを揺らす音に紛れてその場を跳び去った。
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EDO市街の広場では『歌唱型機械娘』と書かれたステージで歌う巫女服姿の少女ロボがいた。KV☆STARサポート兼オペレーターの自立思考型アンドロイド・アリスだ。気が付いた時には、EDOで人気のアイドルとなっていたのである。
「こんなに人に見られるって‥‥なんかいいかも」
最初は戸惑うばかりだったのだが、ファンの声援に囲まれて何かに目覚めつつある。
その人だかりを遠巻きに見つけた異世界の旅人が二人。
「全くもう! 女の子なのに何でこんな格好かなぁ」
勇ましい侍姿の時雨アヤメは、ぼやきながらも見知らぬ街を調査──という名目で観光していた。
「あれ? 何かやってるのかな」
アヤメが人だかりに合流した直後。スーツに白衣を羽織り眼鏡をつけた、眼の下に赤いラインのある男が現れた。
「一体ここはどこなのだ! このドクター・ウォッシュにも解らんとは──まさかKV☆STARの仕業か? 一緒にいたはずのトラバグラも戦闘員も‥‥しかもKV☆ATARまでおらんとは」
正直、心細いことこの上ない。
「とにかく元の場所に戻らねば‥‥どうも落ち着かん。む、何だあの人だかりは? よし、奴らを使って──」
ウォッシュが白衣から洗脳用カメラを取り出したその頃――。
ショウキ、ソラコ、カレンを案内していた朱桜が、腰に大小を差して黒に角通し柄の着流しを纏った浪人に声を掛ける。
「龍一じゃないか。仕官の口は見つかったのか?」
「やあ朱桜。まぁ、気長に探すさ。ん‥‥彼らは?」
眼が合った瞬間、龍一とカレンは互いに絶句した。
(兄さん? な訳はないわよね‥‥でも同一存在なら──)
カレンがそう思うのも無理はない。彼は亡き兄、藍・祥龍に生き写しだったのだ。
(彼女は‥‥どこかで‥‥? いや、出会った覚えはない、はず‥‥)
龍一は、バグラム幹部・カインが二分された存在だった。彼自身はその事実を知らず。カレンを見た瞬間に訪れた強烈な既視感を押し殺して笑顔を向けた。
「俺の名は藍染龍一(あいぞめ・りゅういち)。君達は‥‥見た所この町の者では無いな?」
「何故それを──」
ソラコが言いかけた時、一つ向こうの通りから人々の悲鳴が聞こえてきた。
駆けつけたその場所では、男女の別無く破壊活動を行っていた。
「あれはアヤメとアリスじゃない!?」
「二人共、しっかりしろ!」
ソラコとショウキが多少乱暴に二人の洗脳を解く。
「あれ? ショウキにソラコちゃん?」
「あたし、ドクター・ウォッシュを見たような」
二人が言う通り、騒動の中心には白衣の彼がいた。体育座りで。
「そこまでだ、ドクター・ウォッシュ!」
魂が抜けかかったような状態だった彼は、宿敵・KV☆を前に蘇った。
「ふはは! やっと現れおったなKV☆!! 心から待っていたぞ!!!」
「‥‥なんだか、いつもよりも歓迎されてない?」
ソラコはテンションの高いウォッシュを不気味がる。独りぼっちで途方に暮れていたウォッシュだったが、今や水を得た魚だった。
「こいつらは我のブレイン・クラッシュで洗脳してくれたわ!」
「何にゃ、この騒ぎ?」
「‥‥喧嘩か暴動か‥‥?」
ウォッシュの台詞に被せるように、脇道からメイとイスルが現れた。カレンが少しほっとした表情を見せる。
「二人もここに来ていたのね」
「ああ‥‥他の皆は‥‥?」
「わからないのよ。チェスターも白夜もニュクスも、何かトラブルに巻き込まれてなきゃいいけど」
イスルとカレンが話す横で、
「お前等は誰にゃ」
KV☆STAR達を睨みつけるメイを見てショウキが尋ねる。
「あんたは姉さんじゃないのか?」
「‥‥ボクは、お前等の知ってるメイじゃないにゃ。記憶は何となくあるけど」
とダークキャットに変身してみせる。融合したせいか人間形体にも自由に変身できるようだ。
再び一人取り残されたウォッシュは地団太を踏みつつ叫ぶ。
「今は我の台詞中だろうが!! ここがどこだかわからんが貴様等さえ倒せば万事解決! 今日こそ覚悟してもらうぞ」
その声に、アヤメとアリスは敢然と言い放つ。
「よくも洗脳してくれたね!」
「ファンを巻き込んで、許さないんだから」
「む、お前達あの中にいたのか!? まぁ良い。やってしまえ!」
ウォッシュの声に、洗脳された町人達が一斉に襲いかかってくる。
「奴がこの騒動の元凶か!」
「──義を見てせざるは勇無き也。助太刀するぞ!」
朱桜と龍一は抜刀し、峰討ちに備え刃を返す。
「面白そうにゃ、一緒に戦うにゃ!」
「‥‥どうにも面倒だが‥‥仕方ないか‥‥」
言って駆け出すメイに、イスルも溜息混じりに彼女の援護に入る体勢を取った。
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町人達とぶつかり合わんとしたその瞬間。
「待ちな!」
現れたのは、手下を引き連れた極道の女親分。手下が町人達へ当て身をし洗脳を解いていく。
「今はいがみ合ってる場合じゃない。どちらも元の世界へ戻りたいんじゃ無くって?」
「レイナ!?」
KV☆達の驚く声が重なる。女親分は、吹雪財閥の我侭お嬢様レイナだった。彼女も、皆よりも一週間程早いEDOにたどり着いていたのだ。
「かつてEDOを襲った邪神が復活するという噂があるの。邪神が復活すれば、EDOは崩壊してしまう」
「そして‥‥救いを求める人々の想いが、僕達をここへ呼び寄せた‥‥」
いつの間にか歩み寄っていた白夜の声に振り向き、カレンが駆け寄る。
「良かった、無事だったのね!」
『今のEDOには最近起きている事件で発生した、救いを求める想いが生むエネルギーと、不安や苦しみ、悲しみといった負のエネルギーが渦巻いてる』
フェンリスが白夜が降りた座席に腰掛けて言う。
『でも、負のエネルギーはどこかに消えていってるみたいなの』
その時、空を切る音と共に飛来した一条の矢。落下したそれを拾ったアヤメが、矢に結ばれていた紙を広げた。皆頭を寄せてのぞき込む。
『邪神復活をもくろむ陰陽師・氷冬に、シルバー・クロウ、アロンダイトが手を貸している。負の力を宝玉に集め、それで邪神に力を与えるらしい。
邪神が眠るのはEDO五山にある封錬寺。彼らはそこに向かっている』
「これは‥‥!」
カレンは驚きの声を上げた。内容にだけでなく、その文字に見覚えがあったのだ。白夜も合わさった辻褄に納得しつつ皆に言う。
「僕達が、救いを求める想いに呼ばれたならば‥‥その想いに答えれば、あるいは‥‥」
イスルが白夜の言葉を継いだ。
「‥‥ロスに戻れるかもしれない‥‥という事か‥‥」
レイナはウォッシュの鼻先に人差し指を突きつけた。
「先ずは目の上のタンコブ‥‥いいわドクター、この世界を脱出するまで手を組んであげましょう」
「もちろん私達もね」
カレンの言葉に、白夜、イスル、メイも頷く。
すると朱桜と龍一も。
「EDOの危機を、改め方が見過ごす訳にはいかない」
「どれだけ力になれるかわからないが、手伝わせてくれ」
皆の視線が、残るウォッシュに集まる。
「EDOの崩壊に我まで巻き込まれてしまってはかなわん。協力してやろう‥‥」
渋々、といった様子で言うウォッシュだが、ほっとしている本心を悟られぬように慌てて付け足した。
「脱出するまでだからなっ!」
「それじゃ、やろうぜウォッシュのおっさん。あんたの方なら信用できそうだ」
ショウキが言う。本体のウォッシュと違い、こちらのウォッシュには情深い一面があるのだ。
その時。
「頂戴します!」
「あっ! 何を──」
アヤメの腕にはめられていたKVテクターが、突如現れたくのいちに奪われたのだ。
流風は屋根の上に素早く飛び上がり、そこで待っていた少年にそれを捧げる。彼はテクターを手にほくそ笑む。
「SHOGUNの座を賭けた権力争いに虐げられていた過去とはオサラバ。この異世界の力があれば、EDOはしろとらのものだにゃー☆」
煙玉に紛れて姿を消した彼らを、一同は呆気に取られて見送った。
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アヤメのテクターは奪われたままだが、邪神復活を阻止するために封錬山へ向かう。
「何で私ばっかり、テクターを盗られちゃうの‥‥?」
アヤメはかつてクラッシュ・バグにテクターを盗られた事がある。落ち込む彼女の様子に、ショウキが怒りを燃やす。
「アヤメを泣かせる奴は俺が許さねぇ」
それを聞いて、アリスが笑いを堪えて言う。
「お兄ちゃんが、俺なんてなんか変。似合わないよ」
アリスには事故死したショウキの妹・星川ありすの人格が宿っており、今はありすの人格が色濃く表に出ている。
「‥‥しかし、星川博士は敵ながら優れた科学者だ。その点は我も認めている」
ウォッシュがふと言ったのをきっかけに話が盛り上がる。
「若き博士の研究の──」
「ああ、俺もそれは覚えてる。あれは──」
そんな中、ショウキはふと思う。
(父親と家族三人で過ごす時間って、こんな感じなのかもな‥‥親父とは、そんな時間も持てなかったが)
「銀と黒の二人組が壊して行った寺の話をしただろう? あれが封錬寺なんだ」
朱桜が言い、カレンが呟く。
「その二人が、アイオーン姉妹だったのね‥‥」
まさか、二人とまた敵対することとなろうとは。元来口数の少ない白夜だが、心なしか表情も重い。
「封錬寺はもうすぐだ。皆、山道は辛くないか?」
「大丈夫よ。鍛えているもの」
龍一にカレンは笑みを返す。一方でカレンも白夜も、祥龍がこの場にいてもこうして皆を気遣っただろうと切ない気持ちを抱く。
到着した封錬寺の門は、ならず者達が囲んでいる。皆は目線で頷き合うと、同時に森を抜けて駆けた。
「何者だ!? ぐあっ」
「退かないと怪我をするわよ!」
カレンと白夜がバイク形態のAU−KVで囲みを突破し、皆がその後に続く。
龍一は抜刀し遅い来る敵の刃をかわし、すれ違いざま首筋を峰討ちで叩く。続く敵の斬りおろしを朱桜が太刀で受け止めながら言う。
「ここは龍一と俺に任せて、君達は先に行け!」
「でも‥‥!」
AU−KVを停めて振り返ったカレンの眼前に迫った刀。とっさに駆け寄った龍一が絡め取る。彼の腕に朱の筋が走ったのを見たカレンの内に、兄を失った痛みが蘇った。
「行こう、カレン」
意志を秘めた白夜の瞳に、カレンは頷く。兄と違うと分かっていても、どうしても面影を重ねてしまう。
「必ず‥‥必ず生きて会いましょう!」
「ああ、後でまた」
その微笑みを信じて、白夜とカレンはAU−KVを奥へ走らせる。それを見送って、龍一と朱桜は門内を背に塞ぐ形で浪人達と対峙する。
「さて、多勢に無勢だが‥‥」
そう言いつつも、龍一の口元には笑みさえ浮かんでいる。朱桜もまた。
「望む所。葵顕流剣術伝来の太刀『鳴神』を継ぐ者の力、とくと見よ!」
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封錬寺の中はあちらこちらが破壊されており、特に本堂は跡形もなく吹き飛んでいる。
本堂跡に築かれた祭壇が見えたその時、シルバー・クロウとアロンダイトが行く手を塞いだ。
「やはり貴方達も来ていたのですね、ドラグナイツ‥‥と、そちらは──」
「地球戦隊KV☆STAR──麗しきレイナ様とその下僕達よ!」
レイナの名乗りにKV☆STARの面々がずっこけ、ウォッシュがひとまとめにされた事に抗議する様子にシルバー・クロウは呆れたような溜息をついた。
「‥‥ともかく。元の世界に戻る為に、邪神の力が必要なのです。邪魔をさせるわけには行きません」
「‥‥邪神の復活を阻止する事で、戻れるのではないのか‥‥?」
イスルの言葉に、彼女は妖艶に微笑んだ。
「どの方法が正しいかなど、試してみなくては解らぬ事。貴方達が正しいと言うのならば、私達を阻止してみせなさい」
「できるものなら、やってごらん! 氷冬!」
アロンダイトの声に、氷冬がその手から呪符を撒く。
「御意‥‥招霊獣魂──焔!」
声と共に印を結んだ瞬間、空を舞う無数の符は燃え上がりキメラの如き異形の獣を生み出した。
「そうはさせーん!」
突然の声に、全員が振り向いた。そこに現れたのは白虎だった。
「支配する予定のEDOを破壊されては迷惑千万! 博士に開発してもらったValiant(勇者)とVariant(異形)二つの意味を併せ持つ擬装テクター『ヴァリアント』の威力を見よ!」
腕に装着した機械のスイッチを押した瞬間。小柄な白虎の姿は光に消え、機械パーツと虎の毛皮で構成されたテクターに包まれた成人サイズの戦士が立っていた。
「何がどうなって大きくなってるのか、しろとらにも解らない程の技術にゃー!!」
その虎顔を象ったヘルメットを見たウォッシュが愕然とする。
「あ、あれはっ。トラバグラー! 何て姿に!!」
「大破してたのを拾ってリサイクル! これももういらなーい!」
「私ののテクター!」
放り投げられたテクターをアヤメがキャッチし、仲間を振り返る。
「皆、行こう! 地球(テラ)パワー、セット!」
アヤメ同様、KV☆STAR達はテクター発動スイッチを押す。
全身をまばゆい輝きが包み、光はKVを象った鋼の装甲となって皆の身体を覆う。
実は宇宙から来た王女であるレイナは、ロイヤルリングを周囲に舞わせてポーズを決める。
「煌めく白は王家の証、絶対王聖スタープリンセス!」
「暗雲切り裂く一陣の光、KV☆STARスターオレンジ!」
アヤメは短柄の軽戦斧を構え、ソラコはクリスタルのステッキを手にくるりと回ると翔幻をモチーフにしたスカイブルーグラデーションのテクターを身につけた。
「光り輝く翼で闇を裂く、シャイニングラピス見参!」
「蒼き電子の守り手、スターシアン!」
「天翔る不屈の銀狼、スターシルバー!」
アリスは青いミカガミB、ショウキは銀のロビンを象ったテクターを装着した。
「こうかにゃ、テラパワーセット‥‥」
メイも装着したテクターを発動させ、シュテルン×ファームライド+猫耳尻尾なテクターに身を包む。
「悪を狩る黒き疾風、暁の翼ダークルージュ参上にゃ!」
「正義の翼で悪を討つ、地球戦隊・KV☆STAR!」
それを見た白夜は研究心をくすぐられたようだ。
「興味深いですね‥‥」
「余所見してたら危ないよっと!」
十手刀と機械剣を左右の手に構えたアロンダイトの攻撃を、ぎりぎりでかわす。
「んふっふっふー、このアロンダイトはバグラム大首領様の命の元、悪い事をするのだよー」
「ニュクス‥‥なんてこと。エオスも思い出して! 白銀の魔女、エオス・アイオーンを!」
呼びかけるカレンを庇うようにルージュが前へ出る。
「いくらご主人様だからって許さにゃい。シャドウブレイズ!」
「ダークキャット、貴女如きに邪魔はさせません!」
「させない‥‥!」
イスルが2mはあろうかという電磁投射砲で、技を繰り出すルージュを援護する。しかしシルバー・クロウの黒きオーラが二人の攻撃を打ち消し、鞭のようにしなる奇形剣がルージュに迫る。
「‥‥今のうちに!」
始まった戦いに背を向け、数人の護衛に守られた氷冬は宝玉を手に祭壇へ駆ける。が、護衛の一人が突如その手から宝玉を奪い取った。
「邪神復活にはこれが必要なんですよね? いただいていきますよ」
深編笠を被ったその浪人は素早く距離を取る。氷冬が激昂し叫ぶ。
「貴様、どういうつもりだ!」
「フフフ‥‥ある時は謎の忍! またある時は邪神復活に加担する浪人! その実態は‥‥」
深編笠を高く放ると同時に、宝玉を取り戻そうとする護衛を蹴散らして緑のAU−KVが彼の元へ駆けつける。
「ドラグナイツの一人、チェスター・ハインツです!」
「チェスター! 心配したわよ、馬鹿!」
会うなり怒鳴るのは安心の裏返し。矢文がチェスターのものだと字面から判ってはいたが、安否までは知りようがない。
そんな彼女にチェスターは穏やかな微笑みを返す。
「心配掛けてすいません。さぁ、いきますよ! 邪神復活なんてさせません!」
『力を!!』
三人はAU−KVに力を求めた。マシンは声に応じ、白夜を銀色の、チェスターを緑色の、カレンを青色の竜の力を宿した装甲で護る。
「行け式神共!」
氷冬の命に従い、キメラ達は一斉に牙を剥き跳びかかった。
白虎はトラバグラの腕パーツを利用したヴァリアントクローで斬り裂き、白夜は槍斧を駆使した騎士剣術で襲い来るキメラを薙ぐ。
「甘く見ないでください‥‥」
「閃光拳!」
槍斧の懐に飛び込んできた一体をプリンセスが撃退し、チェスターがガトリングで追い込んだ所をシアンのフォトンスイングが重力の一撃で吹き飛ばす。
護衛の浪人達はウォッシュのブレイン・クラッシュが洗脳する。
「貴様等は祭壇を破壊するのだ!」
「やらせないよ!」
アロンダイトが十手刀で空を薙ぐと、衝撃波が浪人達もろとも祭壇と祀られていた岩を大破させる。
「あ」
「アロンダイト! 貴女という人は!!」
シルバー・クロウが叫ぶが時すでに遅し。邪神復活は阻止された――かと思いきや。砕け散った岩から黒く濃い霧が流れ出す。
「この邪悪なる思念、邪神がついに‥‥く、うああぁぁ!」
氷冬を式神もろとも消し去った霧は、見る間にアロンダイトを包み込んだ。
「ニュクス! ‥‥くっ、宝玉が!?」
チェスターの持っていた宝玉が砕け散る。込められていた負の力さえも取り込んで、アロンダイトは笑い出した。
哄笑の中、アロンダイトを包む黒く禍々しい気はグロテスクな触手が絡み合った異形の大樹へと成長しアロンダイトを天に戴く。
『あはははは! ようやくあの狭い岩から出ることができたわ』
彼女は高みから左右の二刀を振るった。
「いかん! ヴォルテクスサイン!」
ウォッシュが放った竜巻で、その軌道にいた数人が直撃を逃れた。しかしその余波だけでもその場にいた全員を弾き飛ばす。
●
朱桜と龍一が駆けつけた時には、皆傷だらけで地に伏していた。
「大丈夫か、皆!」
「あれが邪神‥‥あの、子は‥‥」
アロンダイトを見た龍一の脳内に記憶の断片がよぎる。
「救わなくては‥‥何故かは分からないが、そう強く感じる‥‥!」
「ええ‥‥彼女は、僕達の仲間です‥‥」
白夜は力を振り絞って立ち上がる。シルバー・クロウも自虐的な笑みを浮かべながら言う。
「姉として、放り出すわけにもいかないのが正直な所ですね」
「もう一人の自分が命張ってるのに諦めるにゃんて出来ないにゃ」
立ち上がろうとするルージュに、イスルは苦笑混じりに手を貸す。
「‥‥分かった。だったら好きにやれよ‥‥後ろの世話ぐらいは俺がやる」
「どうやら、別の世界の姉さんもへこたれないな」
ショウキが負けじと立ち上がる横で白虎も、
「将軍になるまで、這ってでも生き延びると決めたのにゃー」
誰一人として、勝利を諦める者はいなかった。
『愚かな‥‥人間如きの力が神にかなうと思うのか』
言い終わらないうちに、無数の触手が鋭く伸びる。自らに向かってきたそれをカレンがガラティーンで斬った。
「目を覚ましなさい、ニュクス。一緒にロスへ帰るのよ!」
「R−45!」
オレンジが45度の角度で斬り上げるスターアックスの柄が伸び、脳波で操る軌道で縦横無尽に触手を払う。
「シアン・レイバスター!」
「シャイニング・ブルーレイ!」
シアンの光剣とラピスの短波長光線が、
「お前を倒して俺達は元の世界に戻ってみせる。フェンリルレイジングサイクロン!」
シルバーのスターゲイザーから繰り出される技が、チェスターのガトリングが触手を薙いで道を作る。
「今です!」
チェスターの声に、白夜が力を解放する。
「光の竜よ‥‥」
ブーストの光を纏う竜と変じた彼と白虎は一直線にアロンダイトを目指す。
彼らを絡め取ろうとする触手は、イスルの狙撃とシルバー・クロウの白銀の弓アルテミスの矢が打ち払う。
その間にも仲間を襲う触手は闇薙刀を振るうルージュと朱桜が相手取る。
『人間がっ‥‥うっ!?』
向かってきた二人に二刀を振るおうとしたアロンダイトをウォッシュの竜巻が牽制した刹那、
「最後に笑うのはこの僕だにゃー☆ ヴァリアントスラッシュ!」
白虎が抜いた爪は長く伸び、刀となってアロンダイトに絡まる触手を斬り離し。左右の爪を合わせ生み出した太刀の一撃と、白夜の光の竜が彼女に繋がる大元を断つ。
意識を失ったアロンダイトを未練がましく囚えようとする触手から、光の竜を解除した白夜が救い出した。
「邪神なんてささっと倒しちゃおう。皆の力をあたしに!」
全員の邪神を倒さんとする想いが暖かな光となってアリスへと集う。アリスの身体をベースに想念が奇跡の武器『ミラクルキヤノン』を生み出す。
巨大砲から発射された煌めきが触手の大樹を打ち破り、その奥に蠢く黒い渦を剥き出しにする。
「あれが、邪神の本体なのか‥‥?」
吹き付ける負の気に眼を細めつつ龍一が呟く。
「さあラピス! 後は頼んだわよ」
プリンセスが、同郷の光の巫女であるラピスに託す。ラピスは古からの精霊の力をその手に集わせ印を結んだ。
「今へ繋がる全ての精霊よ、未来を紡ぐため力を与えたまえ! エインシェント・ウィッシュ!」
聖なる力が邪悪なる力を包み込み、凝縮する。邪神を封じた光の玉は空に立ちこめていた暗雲を裂いて上昇し、消えた。
後に残ったのは綺麗に晴れ渡った青空だった。
●
邪神を倒して変身を解き、ほっと息をついたのも束の間。
「え、何!?」
「きゃあああ!」
アヤメとソラコも光球に包まれ天へと昇っていった。驚く二人に、テロップが重なる。
時雨アヤメ(KV☆スターオレンジ)/シャーミィ・マクシミリ(
gb5241)
青野ソラコ(KV☆シャイニングラピス)/桜井 蒼生(
gb5452)
彼女達だけでなく、全員が順に天へと昇っていく。
「これは‥‥元の世界へ‥‥?」
月影・白夜(DR・銀竜騎兵)/月影・白夜(
gb1971)
チェスターはまだ地上にいるカレンに告げる。
「カレン! 先にロスで待ってます」
チェスター・ハインツ(DR・緑竜騎兵)/チェスター・ハインツ(
gb1950)
眼下にいる宿敵に、ウォッシュは機械義手の指を突きつけた。
「KV☆STAR、今日のところは退いてやる! ‥‥なかなか楽しかったぞ」
ドクター・ウォッシュ/桂木穣治(
gb5595)
「全く、仕方のない妹ですね」
シルバー・クロウ(エオス・アイオーン)/烏丸 八咫(
gb2661)
そう言いつつ優しい視線を向ける姉の腕に抱かれて、意識の無いアロンダイトはうなされている。
「うーん‥‥もうしません〜‥‥」
アロンダイト(ニュクス・アイオーン)/キャプテン・エミター(
gb5340)
レイナは護り切った街を満足げに見下ろす。
「まっ、私がいるんだから勝って当然よね」
吹雪レイナ(KV☆スタープリンセス)/鬼道・麗那(
gb1939)
はしゃぐメイをイスルは苦笑しつつ見守る。
「‥‥あまり暴れると、落ちるかもしれないぞ‥‥」
イスル・イェーガー/イスル・イェーガー(
gb0925)
「わー、街が小さく見えるにゃ‥‥って、それは困るにゃ!」
黒木メイ(KV☆ダークルージュ、ダークキャット)/柿原ミズキ(
ga9347)
本来消えてしまっていたありすの記憶は、元の世界に戻れば再び消えてしまうだろう。
「本当にお別れだね‥‥この身体はアリスに返さなきゃ。お兄ちゃんカッコ良かったよ」
アリス(KV☆スターシアン)/雪代 蛍(
gb3625)
ありすが自分に淡い恋心を抱いているとは知らず、ショウキはアリスを見上げる。
「そんな! ありす‥‥いや、また会えて嬉しかったぜ」
星川 ショウキ(KV☆スターシルバー)/柿原 錬(
gb1931)
地上から兄と同じ笑顔を向ける彼に、カレンは笑顔を返す。
「さようなら。兄さんに久しぶりに会えたみたいで嬉しかったわ」
藍・カレン(DR・青竜騎兵)/サラ・ディデュモイ(gz0210)
龍一は片手を挙げて応える。
「‥‥ありがとう。そちらの世界に帰っても、皆元気で!」
藍染 龍一/ドニー・レイド(
gb4089)
「なんだか、夢みたいな出来事だったな」
陽之元・朱桜/葵 コハル(
ga3897)
朱桜の言う通り、邪神の力で破壊されたはずの周囲は何事もなかったように元通りの姿を取り戻していた。
装甲を解いた白虎は両手を突き上げ身体を伸ばす。
「これから忙しくなるにゃー、目指せ、世界征服!!」
しろとら/白虎(
ga9191)
山を降り始めた三人から江戸の街並み、EDO城、その上に広がる青空へと光景が流れ、ゆっくりと暗転していく。
友情出演
くのいち流風/流風・シャルトローゼ(gz0241)
博士/小野路 綾音(gz0247)
氷冬/八丈部 十夜(gz0219)
続いて制作スタッフのテロップと麗那の歌うEDテーマが流れる。
ブレイブハーツ
諦めるな
ブレイブハーツ
苦しい時も拳握って立ちあがれ
勇気は正義
熱い魂(ハート)呼び覚ましたら
君がヒーロー
特別番組 機装戦隊ドラグナイツ VS 地球戦隊KV☆STAR
『DR☆・EDO事件帳』
制作・著作
グリューンムービー
イツメパイユ