タイトル:【AP】ラスホプ伝説2マスター:玄梠

シナリオ形態: イベント
難易度: 易しい
参加人数: 11 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/04/22 06:18

●オープニング本文


 むかしむかしのみらいのみらい。
 ないとふぉーげる、あるいはけーぶいとよばれるじゅうみんのすむせかいがありました。
 『め・がこーぽ・れー・しょん』のいせきからうまれたかれらは、それぞれのくにをつくり、へいわにくらしていました。
 しかし、そんなあるひ、そらからとんできたあかいつきから、ばぐあぞくがやってきたのです。
 せかいのせいふくをたくらむばぐあぞくに、けーぶいたちはなかまをあつめ、たたかいをいどみました。

 (過去映像終了)

 ラスホプの勇者達により、世界に平穏は訪れた。
 ように見えた。
「「「ふっ、(初期)シェイドなど我等エース機では一番の小物」」」
 暗雲の晴れた地上を見下ろす、3つの影。
「このフォウン・バウが、浮上した遺跡など一番に沈めてくれよう」
「なら、あのドリル付きの遺跡は俺がやる、いいな」
「良かろうゼダ・アーシュ。巨大な船の遺跡は儂が請け負った」
 3つの影は分かれ、地上に飛来していく。
 その予兆を感じ取った、何人かの戦士達。
 こうして、けーぶい達とバグア族との戦いが、再び始まろうとしていた‥‥‥






※このシナリオはエイプリルフールシナリオです。実際のWTRPGの世界観に一切関係はありません

●参加者一覧

/ 如月・由梨(ga1805) / 金城 エンタ(ga4154) / UNKNOWN(ga4276) / カルマ・シュタット(ga6302) / 百地・悠季(ga8270) / フェリア(ga9011) / 鹿島 綾(gb4549) / 犬彦・ハルトゼーカー(gc3817) / ミリハナク(gc4008) / 立花 零次(gc6227) / ADE(gc7161

●リプレイ本文


○プロローグ

「私が時間を稼ぐ‥‥その間に逃げるんだ!」
「狼嵐殿ーっ!!」
 場面は、いきなり襲撃を受けた遺跡から始まる。
 ゆにばーすないとの遺跡に真っ先に襲撃を掛けたフォウン・バウ。その攻撃に、遺跡を守っていた狼嵐が吹き飛ばされる。
 二刀を砕かれ、空へと放り投げられる最中、残された力を揮ってフォウン・バウへと迫る。
「例えこの身が砕け散ろうとも‥‥この世界を、平和を脅かす者は、この狼嵐が、許しはしない!」
「くっ、ラージフレアだと‥‥!」
 狼嵐が突撃と共に放ったラージフレアに阻まれ、目を瞑るフォウン・バウ。狼嵐はそのまま力を失い、眼下の森に消えていく。
 フォウン・バウが目を開けた時には、既にゆにばーすないとの姿は無かった。
「逃げたか‥‥だがしかし、三機随一の速度を誇るこのフォウン・バウから逃れられる筈もない」
 ゆにばーすないとの全速力を越える速度で飛び出す。真逆へ。
 それは致命的なまでの、方向音痴だった。






○巨大 VS 巨大 VS 巨大


 MSI連合からギンガの国を繋ぐ海に、その遺跡はあった。
 3番目に目覚めた事からゆにばーすないと3ばん。ごーりゅーごーという愛称で親しまれる。
「小童どもめ‥‥退けい!」
「うーわー」
 その遺跡に突如として襲来した巨大なバグア族、ソルの猛攻を前に、ごーりゅーごーで働いていたぐりふぉん族達が逃げ惑う。
 一報を聞きつけた戦士達がすぐさま戦支度を整えて走り出す。
 が、ごーりゅーごーの余りの大きさに、端から端まで全力疾走していたけーぶい達の大半は途中でバテてしまった。
「私は、でぃあぶろ族の武官、イダテンです! さぁ、私と勝負なさい!」
 軽い鎧に一本刀と、軽装備のイダテンがソルの前に立ちはだかる。
 降り注ぐプロトン砲とフェザー砲の雨をかいくぐり、その砲身を一つずつ切り捨てていくイダテン。
 何本もあった筈の砲塔は、気付けば綺麗にカットされ、全体のシルエットも少し縮んだように見える。
「小癪な‥‥だが、遺跡のコントロールさえ奪ってしまえばこっちの物!」
 ソルは方向を変え、ごーりゅーごーの舵輪にアームを伸ばす。
 そこには、頑固一徹数十年、頑として動く気のないらいでん族の船長が1人、舵を守っていた。
「仲間が危ない!? ‥‥アレをやるしか、ないのですね‥‥あぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 イダテンの体に紋様が光り、奮い起こされたでぃあぶろ族に伝わる力と共にソルの巨体へ真正面からぶつかっていく。
「けーぶい族の小僧が、儂の邪魔をするか‥‥!」
「うわぁぁぁぁぁ!」
 空中で激突し、甲板に倒れるイダテンとソル。
「手こずらせおって‥‥」
「くっ‥‥」
 力を使い果たしたイダテンだったが、ソルはまだ余力を残していた。
「全く、騒々しいですね‥‥」
 と、それまで遺跡でくつろいでいたでぃあぶろ族の旅人が、その得物と共に顔を覗かせる。
 くつろいでいたと言っても、遺跡の中にはソルが派遣したばぐあ族の戦士が居た筈だが。どうやらその程度の雑魚相手では話にならなかったようだ。
「どなたか、戦っているのですか?」
 その手に持った剣から、シヴァとだけ言われるその修行者。
「あ、あの剣は!」
「知っているのか、らいでん!」
「うむ‥‥」
 疲れ果てて、もとい様子見でその場に隠れていたらいでん族としらぬい族。
「それはあまりにも大きく重量も高く行動も妨げられ射程と長さのバランスも悪い事から使い手が付かず、それを奮う者は『真・快像』という古の僧侶に倣い『まかいぞう』と呼ばれる巨大剣‥‥まさかこんな所で見掛けるとは」
「らいでん、あれもそうではないのか!」
 と、しらぬい族の指さす先に、もう一機。
 俺より強い奴に会いに行く‥‥そう故郷に言い残し、このごーりゅーごーに同乗したしゅてるん族の戦士、ウシンディ。
 騒ぎの先に戦いあり。そうして出逢ってしまった2人の巨大剣使いの間に、火花が散る。
 お互い、その長大な剣からすれば射程の範囲内。
「おっと手がすべりましたー」
 黒地の顔をにこりともさせず、上手くやれば叩き切れるといった具合でシヴァを狙うウシンディ。
 しかしシヴァ嬢の方も劣らず、振り下ろされかけた剣の下に剣を重ねてウシンディの動きを止める。
「その細腕では不釣り合いでしょう、あまり担がない方がよいのではないですか?」
「お気づかいなく‥‥!」
 青筋立て、言いつつ始まる巨大な剣戟。
「うわー!」
「にげろー!」
 それまで甲板でぐったりしていたぐりふぉん族やせいてんたいせい族も、巻き込まれてはたまらないと遺跡の中へ逃げていく。
「えぇい、其所を退け!」
 そんな最中を、空気の読めないばぐあ族が横切った。
「「邪魔ぁっ!」」
「ごぇぁっ!?」
 巨大なボディに、巨大な刃が両側から突き刺さる。
 邪魔と言いつつ逃がす配慮など一切無く、2人の喧嘩はその障害物越しに延々続いた。
 ごーりゅーごーがギンガの国の港に着いた時、和解が成立し、2人に切り刻まれてただの高台となったソルの上で、仲直りの握手が執り行われたと言う。






○シルクロード道中膝栗毛


 クルメ・タル共和国を出国して数日。
 しゅてるん族の剣士、夜桜は、ギンガの国へ続くとされる道を歩き続けていた。
「オレ、ぎゃおちゃん。三度の飯より、戦い好きー」
「おお、ギンガの国のりゅーが族でござったか。此処で会ったのも何かの縁でござる」
 旅路の途中で出逢ったりゅーが族の♀、ぎゃおちゃんを旅の共にしたのがつい先日。
 ギンガの国のサムライ文化を少しでも知りたかったのだが、今の所、りゅーが族の噛み癖以外分かった事はない。
 そんな旅にもそろそろ慣れた頃、2機は物凄いスピードで飛んでくる何かと遭遇した。
「そこのけーぶい、クルメ・タル共和国というのはどっちだ」
「あぁ、それなら向こうでござるが‥‥」
 親切にも指さして教える夜桜。しかし訪ねてきた者の顔は、何処で見知った物でも、けーぶいのようにも見えなかった。 
「けーぶい族には見えぬ‥‥貴様、何やつでござる!」
「フォウン・バウ。貴様等けーぶい族を滅ぼし、この地球を手にする者よ」
 何言ってるんだこの人は、と、夜桜とぎゃおちゃんが顔を見合わせる。
 痛い人なら付き合わないでおきたい。
 しかしばぐあ族と言えば、前の大戦の敵ではないか。
「フッフッフッ、ハーッハッハッハッギャーッ!?」
「あんがー」
 がっちり突き刺さるディノファング。
「台詞の最中に行動をするな!?」
 頭にぎゃおちゃんの歯形をくっきり残したフォウン・バウがキレる。
 しかしその理由も分かった様子ではないぎゃおちゃんは頭に「?」を浮かべるばかり。
「我が名はしゅてるん族が剣士ヨ・ザ・クーラ、いざ尋常に勝負!」
 敵と見定め、こっちはちゃんと名乗った上で斬りかかる夜桜。
 顔面オイルだらけにしながら、それを避けるフォウン・バウ。噛み痕は結構深い。
「フン、近接戦はそこそこ出来るようだ‥‥だが、この超長射程圧縮加速収束粒子プロトン砲の威力痛ったぁーっ!?」
「あんがー」
 今度は手だ。
 ぎゃおちゃんは長台詞や無駄説明など待ってはくれない。
「こ、コケにしおって‥‥我が部下達よ、奴等を血祭りに上げろ!」
 勿体ぶって、噛まれて痛い指を鳴らすフォウン・バウ。
 しかし、それまで誰も見物人すらいなかったように、その場には夜桜とぎゃおちゃんしか居ない。
 速過ぎる上に方向音痴な上司の所為で、誰も付いてきていなかったのだ。
「‥‥勝負は預ける! 私は忙しい身なのでな!」
 来た時よりも慌ただしく、クルメ・タル共和国の方へ飛び去っていくフォウン・バウ。
「まてー、血祭り、するぞー」
 食べそびれた戦いの御馳走、逃げるそれを追い掛け、ぎゃおちゃんも走り去ってしまう。
「旅は靴擦れ余は情けない。転じて、一人旅の無情を表す物でござるな‥‥」
 何処かの商人に聞いたギンガの国の言葉を思い出し、夜桜は再び一人、ギンガの国目指して歩き始めた。





○騎士道ドリル

 私の名前は雷轟丸、ふぇにっくす族の騎士だ。
 今は大国ド・ロームの騎士団に身を置く私だが、いずれは騎士団長、いや、かつての大戦で名を馳せた英雄のようになろうと思っている。
 今回唐突に現れたばぐあ族達も、私に掛かれば物の数ではない。現に、多くのへるめっとわーむ達はこの千鳥十文字で追い払ってやった。
 この跳躍力、そして空中での戦闘能力。
 どんなばぐあ族が来ようとも、この空中戦法と千鳥十文字があれば負ける事はない。
 そう思っていた時間が、私にもありました。
「ハーッハッハッハァ! どうした、ド・ロームってのはこんなモンかぁ!」
「馬鹿な、これほどとは‥‥!」
 走馬燈のようにモノローグを負えた雷轟丸が、槍を支えに立ち上がる。
 遺跡への関所を守っていた騎士団は壊滅状態。
 さいふぁあ族のへらるでぃあが遺跡の方へと助けを求めにいったが、その到着を待つことは出来ないようだ。
「手応えの無い奴等だぜ‥‥此処には大したけーぶい族は居ないらしいな」
「お、おのれぇ‥‥」
 プライドを傷付けられ、渾身の力で槍を構え直す雷轟丸。
 しかし銃剣付きプロトン砲から放たれる砲撃の前に為す術もなく、爆風に吹き飛ばされる。
 危うく地面に打ち付けられる所だったその体は、何処からともなくあらわれた、黒い手に抱えられた。
「‥‥何だ、テメェみたいなけーぶい見た事もねぇぞ。新型か? 何、古参? そんな訳が‥‥」
 意識が遠のく中、薄れゆく視界の中で、黒くて素早い何かが駆けていくのが見えた気がした。


 ふと目が覚めると、ゼダ・アーシュはまだ関所の前で踞っていた。
 何が起こったのかはさっぱり分からないが、きっと自分の攻撃が何かしら効いていたのだろうと、雷轟丸は思う事にした。
「ばぐあ族、ド・ロームの掟に従って貴様を逮捕する!」
「畜生、離せ、離せよっ!」
 何とか浮遊しようとするゼダ・アーシュを、集団で押さえ付ける雷轟丸達騎士団。
「皆さん、ご無事ですか?」
「へらるでぃあさん、間に合いましたか!」
 ようやく訪れた援軍に、顔を上げる騎士達。
 しかし、へらるでぃあの後ろには、連れてきた筈の援軍の姿は無い。
 そう、後ろには。
「よいですか、そのままですよ」
「はい?」
「ゆにばーすないと2へ、こちらへらるでぃあ。ドリル突撃を行う進攻路を誘導致しますね」
 ふと翳った空を見れば、その鋭い切っ先は此方へ向いている。

 ―――その惨劇は、その場に居た全ての騎士の記憶から、触れ得ざる悲劇とし封印された。

「勝ちましたか‥‥これも皆様のお力を束ねた結果ですね」
 主にドリルに巻き込まれてボロボロになったゼダ・アーシュと騎士団を前に、にっこりと頬笑むへらるでぃあ。
 誰による誰の勝利か、それは言うまでもなかった。





○光と影と

「フフフ‥‥ようやく見つけたぞ、ゆにばーすないとの遺跡よ」
 迷いに迷って地球一周。結局クルメ・タル共和国でも迷子になり、真っ先に地球に降りた筈が最後の一機となっていた。
 しかし単騎でも強力は強力。ゆにばーすないとを守る個々の戦士達も奮戦するが、瞬く間に防衛線は砕かれてしまう。
「後はこの遺跡の頭脳を破壊するのみ‥‥!」
「‥‥「待ていッ!」」
 艦橋に手を伸ばすフォウン・バウの眼前に、神天速のブーストを光らせ、けーぶいが降り立つ。
 もう一機居た気がするのは、光によって生じた影の動きだろう。誰かが座っていたらしいアウトドアチェアが片隅に見えるが、プロトン砲の攻撃で焦げてしまっている。
「君「我らけーぶい‥‥何度倒されようと、幾度砕けようとも、諦めずに立ち上がり続ける‥‥この世界に、平和をもたらす為に‥‥ッ!」ろう」
 遺跡の上で逆光に立つ、輝くけーぶい。その影に何かもう一機居るような気がするがきっと気のせいに違いない。
 燻らせた煙に見えるそれも、きっと朝靄か何かだろう。もう夕方だが。
「さ「人、それを‥‥『不滅』というッ!」ないか」
 大声の裏で、ぽつぽつ何か声が聞こえる気もするが、ゆにばーすないとの遺跡で必死に修理を行うけーぶい達の叫びに違いない。
 フォウン・バウの目も、降り立った金色の姿にしか向いていないようだ。
「カ「アヌビス族が戦士、黄金騎士・真・狼嵐! 世界に平和をもたらす為、バグア族に天誅を下すッ!」え」
 マントを翻し、飛翔する真・狼嵐。黒い影を率いて、フォウン・バウを強襲する。
「さぁ、決着をつけようフォウン・バウ!」
「この速度、この力‥‥まるで2機同時に攻撃されているようだ!」
 輝きの中で繰り出される、2倍の攻撃。それでもフォウン・バウの速度は侮りがたい。
 影の中から放たれる攻撃の方が苛烈なようにも見えるが、その戦いを見届ける物の目は金色のあぬびす族に向けられていた。
 失った刀の代わりに、旅の最中に得た獅子王、建御雷。
 それらを授けたけーぶいとの、それぞれの出会いが回想される。
「我らはけーぶい‥‥例えその力に破壊があろうとも、その力、そのSESは、平和の為にある!」
 ブーストアップした力を受け、纏ったGウイングは虹の翼となる。
 その光に曝され、浮かび上がる影の姿。
「貴様‥‥何時の間に‥‥!」
 黒い一撃に、フォウン・バウの姿勢が傾ぐ。
 続けざま放たれた真・狼風の二刀一閃が、その装甲を大きく切り裂いた。
「これで‥‥勝ったと‥‥!!」
 空中で爆発するフォウン・バウ。
 ゆにばーすないとの旅路は再び静寂を取り戻したのだ。
 危機は去った。しかしこれが最後のばぐあ族の襲来ではないだろう。
「ぼくらはけーぶい。どんな未来であっても、その翼で未来へ進もう。それがぼくら、けーぶいなのだから」
 ゆにばーすないとは行く。
 それが例え戦いの未来であろうと。
 その先にある平和を目指して‥‥‥。

 











○今日の寝坊

「ね、寝過ごしたぁーっ!!」
 何時も朝の時砲を鳴らすはずだった、某でぃあぶろ族。
 そして、まだ旅立ちを迎える前の某あんじぇりか族。
 彼女らの戦いは、まだ始まっていない。