タイトル:学校の二不思議マスター:九頭葉 巧

シナリオ形態: シリーズ
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2010/08/30 10:36

●オープニング本文


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『家庭科室の晩餐』
 この学校にとある女子生徒がいたそうです。その生徒はいたって普通でしたが、少しだけ家庭環境に難がありました。
 彼女の父親と母親はとても仕事が忙しく、いつも彼女は家に帰ってもひとりぼっち。学校が終わって帰っても、誰もいない家。いくら夜遅くまで待っても、帰ってこない両親。彼女が早起きをしても、いつも彼女が目覚める前に仕事へ行ってしまう両親。
 唯一彼女に残されているのは、母親の短い手紙と食事代だけでした。
 そんな寂しい生活を送る中、彼女はある授業で希望を見出します。
 家庭科の調理実習。
 そんな平凡でありきたりでちょっと面倒な授業で、彼女は今さら気付いたのです。
「おとうさんとおかあさんのためにお料理を作ってあげよう」
 そうすれば父親と母親は自分を褒めてくれるはず。褒めるために私に会ってくれるはず。そしたら私はもっともっと料理するんだ。そしたらもっともっと喜んでくれるはず。もっともっと会ってくれるはず。

 女の子はわくわくしながら、両親にもらった夕ご飯代で次の日にある調理実習の材料を買い、
 その帰りに車に撥ねられて死んでしまいました。

 それからというもの、学校の家庭科室では妙な音がするそうです。
 まるで包丁で何かを千切りにする音。
 まるでフライパンで何かを炒める音。
 まるで鍋で何かをゆでている音。

 でも食事の音は聞こえません。食事の音は聞こえません。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
「なんだか少し悲しい話ね‥‥まぁ、怪談話に楽しい話なんてないけどさ」
 宮原ルイカは二つ目の七不思議を読みながらふと呟いた。少女はきっと無念だったであろう。その無念がまだこの世に残ってしまっているのかもしれない。
「この話が本当のことかはよくわからないし、この子も本当にいたのかよくわからないけど‥‥でも、その廃校の家庭科室で何かが起こっているならば‥‥どうにかこの子の気が静まるようにしてあげたいわね。うん‥‥よし!」
 自分に似合わずナーバスになっているのに気付いたルイカは、自分を奮い立たせるように立って、歩いていた傭兵をびしりと指差してこう言った。
「そこのあなた!七不思議を解明してみない?!」

●参加者一覧

Letia Bar(ga6313
25歳・♀・JG
キヨシ(gb5991
26歳・♂・JG
相賀 深鈴(gb8044
17歳・♀・ER
ヘイル(gc4085
24歳・♂・HD
天野 天魔(gc4365
23歳・♂・ER
ニコラス・福山(gc4423
12歳・♂・ER
月読井草(gc4439
16歳・♀・AA
峯月 クロエ(gc4477
16歳・♀・FC

●リプレイ本文

■昼の映像
「桑の実はおいしいなー」
「月読さん、口の周りが真っ黒ですよ」
 無邪気にはしゃぐ月読井草(gc4439)を見て、沢渡 深鈴(gb8044)は笑顔を浮かべながら言う。指摘され、ごしごしと服でぬぐう姿もヘイル(gc4085)に撮られていた。
 ヘイル、井草、深鈴の3人は廃校の裏にある山の捜索をしていた。ヘイルは時々ビデオカメラを2人に渡しながら、ノートに裏山のマップを書いていった。
井草も山の幸を取りながら探索を楽しんでいるようだ。
 裏山に入ってすぐ。山道の右手側には大きな竹林があった。そのまま北に向かって伸びる山道を進んでいくと、分かれ道となっていた。そこで一同は東の方面の山道を進んでいった。30分ほど歩いたところで、
「うわ‥‥」
 と井草は思わず声を上げた。道の横に地蔵が6体並んでいたのだが‥‥

 首が首が首が首が首が首が。
 首がなかった。

「これって‥‥」
 深鈴は恐怖で顔を歪ませる。3人は他の『七不思議』を思い出した。
 ヘイルはこの場所をノートにメモをして先に進むことにした。
 その先を進んでいくと、川が見えてきた。
「大丈夫か?この辺りで少し休もう」
 ヘイルは2人を気遣って休憩を申し出た。3人は川沿いの岩場に腰を下ろす。
「‥‥やはりこの山も七不思議の舞台になっているのだろうな」
 さきほどの光景を思い出して、3人は薄気味悪い気分に包まれた。
「そ、そろそろ行きましょう!」
 深鈴の言葉で3人は岩場から腰を上げ、川沿いを上流に向けて歩き出した。山をぐるりと回ったのだが特に珍しいものは見つけることができなかった。
「まだ時間がありそうだね。それじゃあ、ちょっと調査してみたいことがあるんだ」
 井草はそう言うと、付近の小学校に調査へと向かった。
「ねーねー。家庭科室の噂知らない?」
 と聞いていくが、子供たちは話自体は知っているものの、事実の有無に関しては知らなかった。
 集合時間までは調査をしようと、3人は次の中学校へと向かった。

 天野 天魔(gc4365)はある一軒の家の前に来ていた。そこが今回の依頼人の家である。
 玄関を開けて出てきたのは、真っ黒な髪を腰まで伸ばし、真っ黒なシャツとスカートで全身を包んでいる少女だった。
「少女が黒宮佐貴子か。俺は、君が依頼した『七不思議』の調査を行なっている天野だ。今日は前回の報告と、あとちょっと話を聞かせてもらいたいと思ってな」
 名乗っている間、佐貴子はじっと天魔を見つめているようだが、顔のほとんどが黒い髪で隠れているため表情はわからない。
佐貴子の口が少しだけ動いた。声が小さくて何を言ったのかわからなかったのだが、玄関を開いて入るように促す佐貴子を見て、部屋に入れてくれるのだとようやくわかった。
 部屋は佐貴子とは逆で真っ白く統一されていた。その部屋で天魔は前回の依頼の報告をしたのだが、佐貴子はほとんど無反応であった。ぴくりとも動かない。天魔は話をすることで依頼人の観察をしようと思ったのだが、これでは逆に観察されているようだ。
 世間話にも反応をしない天魔は、七不思議について聞いてみることにした。
「ところで少女が一番気になる七不思議は何だい?」
 すると佐貴子は急に顔を上げ、
「どれが一番気になるかという点にはうまく答えられない。何故ならばそのどれもが特有の性質と出自を持ちどの七不思議も共通する点が見受けられないからだ。固有のものが固有性質を持っているならばそれらは同一にするべきではないだがそれと同時にこの七不思議は七不思議として存在しているのであって‥‥」
 急に勢いに任せて話始める佐貴子。
「えーっと、全部気になるってことでいいのか?」
 天魔が話しを遮って言うと、先ほどの勢いはどこへやら、急に大人しくなり、ほんの少しだけ髪を揺らした。どうやら頷いたようだ。
「わかった。それじゃあ、俺はまた調査に戻るから、もしよかったら連絡先を教えてもらえないか?」
 佐貴子はメモ用紙に自分の連絡先を書き、天満に無言で手渡した。一応玄関まで見送ってもらえたのだが、そこでも無言であった。天魔はなんとなく薄気味悪さを覚えながら次の目的地、警察へ向かった。
また警察の人たちに協力を要請し、怪異の元となった事件の調査を行なった。ここ数十年の廃校付近での交通事故を調べ、その中からあの廃校の生徒が犠牲になった死亡事故を調べていく。
「これだけあるのか。しかし、なんとか見つけ出すしかあるまい」
 天魔は警察で集めた情報を元に、一つ一つの家を調べていくことにした。

「さすがに、ちょっと多すぎとちゃうか?」
 たくさんの食材と飲み物が入ったビニール袋を両手に抱え、ヨロヨロと進むキヨシ(gb5991)。その前には身軽なLetia Bar(ga6313)と峯月 クロエ(gc4477)が歩いていた。
「大丈夫さねっ!余ったら私が全部いただくからっ!」
 その手には今回買った材料の領収書が握られていた。UPCに必要経費として申請しよう思ってであるが‥‥後日、その申請は見事却下されてしまい、この3人で払うことになってしまった。
 大量の荷物を抱え、3人は廃校から戻ってきた。
「帰ってきたね」
 廃校の周辺をいろいろと調査していたニコラス・福山(gc4423)が出迎える。4人で今回の舞台となる家庭科室に向かったのだが、
「これは‥‥ホネが折れそうだよ」
「散らかってますネー‥‥」
 Letiaとクロエは思わずそう言った。さらに、泊まる予定の宿直室も見たのだが、こちらおヒドイ有様だ。
 そこへ裏山を捜索していた3人も戻ってき、7人で家庭科室と宿直室の掃除となった。
「霊は何処ですかネ」
 などともう幽霊探しをしているクロエの様子を尻目に、深鈴は丁寧に掃除をしていく。
「こらぁ!キヨシ!さぼるな〜!」
 Letiaも委員長気分でテキパキと指示していく。
「へいへ〜い」
 と注意されても適当に箒で掃くキヨシにはやはりやる気がない。
「おい、キヨシ。こっち来てみろ」
 宿直室を掃除していたヘイルがキヨシを呼ぶ。
「おおっ!もしやこの穴は‥‥?」
「精々気をつけろよ。俺は知らんぞ」
「わかってまさぁ。ヘイルさんもなかなかワルですなぁ」
 くふふと笑うキヨシ。ヘイルは何もなかったかのように宿直室の掃除と調査を行なった。
 掃除が終わったところで、今度は宴会料理の支度である。ルイカに用意してもらったコンロや水などの調理器具を使い、井草を中心としてダシを利かせた蕎麦屋風カレーを作っていく。味噌汁は調理実習らしく煮干ダシで出しを取り、山で採ってきた山菜は豚バラと合わせて炒め物にしていく。深鈴も気合を入れて料理に取りかかる。
「肉じゃがとポテトサラダ、どっちがいいですか、ニコラスさん?」
「私は日本食っぽい肉じゃががいいかな」
「わかりました」
「おーい、深鈴ちゃん。そこにある人参とじゃがいも取っておくれ」
 井草に言われ、深鈴は自分の横にある、不器用に切られた人参とじゃがいもを渡した。
「‥‥あれ?先ほどの人参とじゃがいも、誰が切ったんでしょう?」
 誰かが切ったところは見かけなかったのだが‥‥。
「なぁなぁ、この後どうすりゃええんや?」
「あ、はい。ここはですね‥‥」
 と料理をしている最中に、些細な違和感など忘れてしまった。
「そうそう、こうやって煮立てていくんだ」
 などとヘイルは少女の霊に調理実習を教えるように、調理している皆を撮影した。
「んぅ、ビール、ビールを早くっ」
 美味しそうな料理とおつまみを目の前にし、Letiaは思わず身悶える。
「お。いい匂いがするな」
 そこへ調査を終えた天魔が戻ってきた。皆の歓迎を受けつつ、天魔も料理に加わる。
まるで本当の調理実習のように、賑やかで温かなものとなった。

■夜の映像
夜20時となった。調理を終えた料理たちは一旦置き、これからは学校の探索の時間である。まずはA班として家庭科室の見回りをキヨシとニコラスが、廃校の見回りを天魔とLetiaが行なう。
「あ!Letia!ちょっと待った!」
 部屋を出ていこうとしたLetiaを止めたのはキヨシである。
「な、なにさね?」
「Letia、コレを受け取ってくれ!返事はこの仕事が終わった後でええから」
 と綺麗に包装された小箱を渡し、去っていくキヨシ。
「えぇっ、またこのタイミングっ!」
 中身を見てみると‥‥中には『プラチナリング』が。
「コレ‥‥本当に?」
 なんだかいろいろと複雑な気持ちになるも、ここまでフラグを立てたキヨシへの無事を祈るしかなかった。
「おいLetia。行くぞ」
 と天魔が呼ぶ声で我に返り、急いで天魔の元へと小走りする。

 その頃、ニコラスとキヨシは真面目に家庭科室の見張りと調査を行なっていた。
「犬や猫が入り込んで荒らしてるってことはないよなぁ」
 ぶつぶつと言うニコラスに対し、気になるところを片っ端からデジカメで撮っていくキヨシ。
 そうして調査をしていると、交替の時間の22時となった。4人は休憩をし、B班の面々と交替する。
 B班のヘイル、深鈴は家庭科室の隣の準備室で家庭科室を監視し、その間井草とクロエは校内を見回りすることとなった。
「ホホゥ‥‥」
 と廃校の中を興味津々で見て回るクロエ。何が見えているのだろうか。

 家庭科室を見張るヘイルはふと、隣にいる深鈴に離しかけようとしたのだが、深鈴の様子がおかしい。
「どうした?」
「ヘ、ヘイルさん、さっきから、あ、足音が‥‥」
 そう言われて、ヘイルも足音に気付いた。コツコツと廊下を歩き、こちらに来る音。真っ直ぐとこちらに来る音。
 足音は立ち止まり、隣の――家庭科室の――扉を開け‥‥
「うわぁ!」

「なにしてんだアンタ‥‥」
 ニコラスは呆れたような声を上げる。傭兵たちの目の前には、家庭科室の扉を開けて腰を抜かしてる初老の男性がいた。
「あ、あんたたちの方が一体なんなんだ!」
 パニックになりかけの男性は叫び声を上げる。そこで傭兵たちは自分の素性と目的を告げようとしたところで、天魔がふと気付いたように言う。
「もしかして‥‥津ケ谷先生か?」
「どうしてあんた、私の名前を知ってるんだ?」
「やっぱり。実は俺たち‥‥」
 と天魔が説明を始めた。
 天魔が調査した結果、この七不思議の元となる交通事故の被害者の女の子、岸貝絵里奈の両親から話を聞くことが出来たそうだ。そして、交通事故で亡くなったときの担任の先生の名前が、
「津ケ谷先生だ」
「そう。私は絵里奈ちゃんと仲が良くてな。調理実習を楽しみにしていることも聞いていた。そんなときに亡くなってしまったから、さぞかし無念だろうと思って‥‥それで毎年、この時期に機材を持ち込んで一緒に料理をしていたんだ。とは言っても、私1人で簡単な料理をするだけだがな。ここ最近は仕事が忙しくてこんな遅くになってしまうのだが‥‥そうか。そんな噂話になってしまっていたのか」
 津ケ谷は悲しそうに目を細めた。
「じゃあここが散らかっていたのは?」
「暗くて手元が見えなくてな。大分散らかしてしまったようだ。そういえばまともに片付けをしていなかったな」
 と津ケ谷は少しだけ笑った。
「しかし驚いた。教室に入ったら綺麗に片付いていて料理まで出来てるんだからな」
 津ケ谷はひとしきり話し、そして、
「大勢と楽しく料理が出来て、きっと絵里奈ちゃんも満足しただろう。なら、もう私の役目も終わったってことだ。最後まで楽しく食事をしてやってくれ」
 と言い残して去っていった。
「じゃあ、楽しくやりますかっ!」
 Letiaは努めて明るく言い放った。

■深夜の映像
「「GhostなんてNothing!GhostなんてFakeさっ♪悪酔いした人がっ夢でもみたのさっ」」
 Letiaと天魔はものの見事に酔っ払い、肩を組んで大声で歌っている。
「ニコラスは飲まないんかねっ?」
「アルコールはノーサンキューdeath」
 ときっぱりと断り、他の料理に舌鼓を打つ。カレーはマイ箸では食べられないが、深鈴の肉じゃがをしっかりと掴んで口に運ぶ。
「おぉ、うまい!もっとおかわりある?」
「美味しいですネー。楽しいですネー」
 キヨシとクロエも美味しそうに料理を食べている。
「こっちきてカレー食べなよー」
 ヘイルが用意した席に料理を置き、井草はまるで絵里奈がいるように話しかける。酔っ払った天魔とLetiaも同様だ。その様子を見てヘイルも深鈴も笑顔を浮かべながら食事を楽しんだ。

女性が寝息を立てている宿直室に、怪しい影が一つ。
「ふひひ‥‥」
 キヨシである。昼間にヘイルの用意した覗き穴に一直線だ。キヨシの後ろにはヘイルの仕掛けたビデオカメラが証拠映像を撮らえているのだが、まったく気付いていない。
「さてさて‥‥」
 と覗き穴の中を見たところで、
 中にいるLetiaと目が合ってしまった。
目が合ったLetiaは、寝惚けて変なものを見たと思い、もう一度穴を覗いてみる。
しかし、誰もいない。
おかしいと思ってもう一度穴を覗こうとしたところで、
「お晩です!」
 と背後で声がした。開き直ったキヨシが宿直室に乗り込んできたのだ。
 Letiaはそのままキヨシにしだれかかり、
「‥‥怪奇・廃校の塩詰め男!」
 と口に塩を詰め込む!そして、やりきった顔でそのまま熟睡してしまった。
「げほげほっ‥‥ってか、普通その場で寝るか?」
 詰め込まれた塩にむせながら、その場で寝てしまったLetiaを抱えて布団まで運んでやった。
「まぁ、運賃ってことで」
 パシャ。

□鑑賞者
「へぇ!なんかいい話だったんじゃん!よかったね!」
 また宮島ルイカがビデオの感想を言っている。どうやら二つ目の七不思議の鑑賞会のようだ。
「‥‥あはは、幽霊と会話しちゃった」
「頭が痛い。二日酔いで何も覚えてないぞ」
 酔っ払いの2人はどうやら定かではないらしい。その横では深鈴がまた無表情になっている。が、目に涙が溜まっている。
「‥‥フフフ‥‥良い者が見れましたネ」
 クロエは何かいろいろな者が見えていたようだ。他のやつらに気付かれないように言っているが、こちらの音声にはしっかりと入っている。
「オカルトが存在するなんて、そんなふざけた妄想はぶち壊す」
 どうやら何も見えていないニコラスのようなやつもいるようだな。
「そんな決め付けはできへんで。食事のときの写真なんやけど、この空席に白いもやもやがかかってるんや」
「どれどれ‥‥あれ。キヨシ、これってLetiaの寝顔じゃないか」
「えっ!あの‥‥これは‥‥」
「キヨシ‥‥あ〜ん☆」
 また塩漬けにされてるな、この男は。
 ん‥‥?井草がスプーンを持ってカメラに近寄ってきたぞ。
「後ろのお友達もカレー食べる?」
 ‥‥。
「井草。ちょっと貸してくれ。
以上が家庭科室の晩餐についての調査記録になる。
映像は廃棄予定。
今回の教訓は


『汝が深遠を覗くとき、深遠もまた汝を覗いている』


逆もまた然り。『貴様』も覗きは程々にしておけ」

――ぷつん。

‥‥フン。

<続>