タイトル:流れる夢を掴め!?マスター:京乃ゆらさ

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/08/10 03:37

●オープニング本文


 ドイツ。アーヘン市某所。
 その日、そのプールは暴走した。
「オーナー。何か、多分機械の調子が悪いと思うんですけど。勢いが止まんないです」
「何‥‥だと‥‥?!」
「まぁ客なんていないんで、被害はないんですけど」
「関係あるか! 案内しろ!!」
 バイト(20・彼女有)を怒鳴りつけ、オーナー(36・独身)がプールサイドに出てみる。
 なるほど確かに、恐ろしい勢いで温水が流れ、オーソドックスなドーナツ型のプール全体が、遠心分離機にでもかけられたかのように回転しているではないか。
 ――客がいなかったのがせめてもの幸‥‥。
 自分でも思ってしまい、がくりと膝をつくオーナーである。
「何で、お客さん来ないのん‥‥?」
「口調ちょっと気持ち悪いですオーナー」
「宣伝とか足りないの? ここが平凡すぎるの?」
「さぁ。それより今はこの『流れすぎるプール』をなんとかする方が先かと」
 そう言ってバイトが従業員専用通路に行こうとした、その時。オーナーの頭に、1つの天啓が訪れた‥‥!
 ぴしゃんと立ち上がってバイトの両肩を掴むと、顔を近づけて叫ぶ。
「それだ! 流れすぎるプール。大いに結構じゃないか! それが私のプールのウリだ!」
「や、それは流石にまずいです」
「はは、そうだ、今話題の傭兵とかいう人達も呼んでみよう、きっと気に入るぞ! もしかしたら良い宣伝とかもしてくれるかもしれんしな! はは、ははっ!」
 聞いちゃいない。
 瞳孔が開いたまま捲し立てるオーナーに多少恐怖感を覚えるバイトだが、最後の良心が彼をそこに留まらせた。そして詳細を尋ねると、オーナーはなんとも贅沢な案を披露しだしたのである。曰く。

 世界中を飛び回っている傭兵が来たとなれば、注目が集まる筈。
 世界中を飛び回っているのだから、何かプールを流行らせる秘策を持っている筈。
 世界中を飛び回っている傭兵に依頼を出せば、何かやってくれる筈。
 ていうかプールで遊んでいいので泣きついてもいいですか!

「‥‥受け付けてくれるんですか? キメラのキの字もないのに」
「そこはほら『機械にスライム(仮)がへばりついてる。なにこれ怖い。助けて!』とか言えばさ、なんとかなるんじゃないかな‥‥」
 どこまでもおかしな方向にポジティブなオーナーである。
 そうして従業員通路を通り、裏の機械の方へ行ってみると。
「‥‥。‥‥良かったですね。堂々と頼めますよ」
 本当に、水をプール内に送り出す機械全体を覆うような形で、巨大スライムが住み着いていたのだった。

●参加者一覧

ロッテ・ヴァステル(ga0066
22歳・♀・PN
幸臼・小鳥(ga0067
12歳・♀・JG
里見・さやか(ga0153
19歳・♀・ST
潮彩 ろまん(ga3425
14歳・♀・GP
常夜ケイ(ga4803
20歳・♀・BM
智久 百合歌(ga4980
25歳・♀・PN
フラウ(gb4316
13歳・♀・FC
ファブニール(gb4785
25歳・♂・GD

●リプレイ本文

「プール、ぷーうるっ♪」
 熱せられたコンクリが空気を温め、体感温度を上昇させる。
 夏!
 まさにそんな質感。が、茹だるような暑さを吹き飛ばして潮彩 ろまん(ga3425)はアーヘン市街をスキップしていく。両腕を大げさに振り。感情を表すようにプール鞄が飛び跳ねた。
「嬢ちゃん元気だねぇ! 良い事あったのかい?」
「うん! だってプールだよ! 流されすぎちゃうんだよっ!」
「ははは、そうかい」
 敢えて遠くで高速挺を降り、汗をかいてプールに入る。健全優良女子すぎて眩しい発想だ。しかもその眩しさに加えてプールという響き。そんなろまんを見れば、街のオジサンまで「プールか、いいねぇ」と思うのも頷ける。
 それ程、彼女の姿は魅力的だった。

 プールは、吼えていた。
 無事ろまんが合流し8人となった傭兵を出迎えたのは、反時計回りに働きすぎのプールだった。速すぎて波――というか一塊の水がシュゴォォなんて恐ろしい音を出している。幸臼・小鳥(ga0067)の表情が固まった。
 その時、遠心力で外に跳ねた水(40mm砲弾級)がフラウ(gb4316)を襲う。
 直撃。
 見事、顔に。フラウから立ち上る苛立たしげな雰囲気を打ち破ったのはろまんだ。
「すっごーい! 洗濯機みたいだよっ」
「にゃ、でも暑いのもヤだけどこれに入るのも怖いニャ」
「た、確かにここまで尋常じゃない水流だと訓練でも‥‥」
 猫のように身震いする常夜ケイ(ga4803)と、里見・さやか(ga0153)。智久 百合歌(ga4980)は水に近づき、しゃがんで水底を眺めようとする。足がつく程度の筈の底が、泡で全く見えなかった。
「流れすぎにも限度があるでしょ」
 苦笑して引き下がる――と思いきや。
「でも」ロッテ・ヴァステル(ga0066)も百合歌に並び、サイドぎりぎりに「「それがいい!」」
 小鳥の首根っこを掴まえたまま。
「あぅう‥‥よくない‥‥ですぅっ」
「何言ってるの‥‥小鳥、水着に着替えるわよ」
「ひ、や、やらぁ‥‥おーぼーですぅっ」
 じたばた足掻く小鳥を見かねて、早くも借りてきたパラソル片手にファブニール(gb4785)が声をかける。
「なら僕とのんびりピクニックしますか?」
「はぃ‥‥」「何腑抜けてるのファブニール。こんな激流、めったに無いのよ?」
 喜びかけた小鳥を封殺するロッテである。しかもその言葉に感じ入るものがあったのか、ファブニールは膝を叩き「成程!」などと閃いている。
「僕、そうだな‥‥この荒波に漕ぎ出してみようかな! 今しかないですよね!」
 心躍らせ浮きマットを借りに行くファブニールだ。小鳥涙目。
 そんな小鳥達を斜に眺め、フラウがあからさまに嘆息した。
「早くキメラの方に行かないか」
「そうね。でもちょっとだけ。これも『現場検証』でしょ?」
 お茶目にのたまう百合歌(永遠の17歳)。フラウが深呼吸した。
「‥‥先に行っている」
「あ、私もお手伝いしますっ」
「ケイも行くニャ、キメラ、殺したげるニャ♪」
 フラウとさやかがバイトに先導されて通路に入っていき、それにケイが続く。
 高速挺内で立てた作戦は、施設を一旦停止して敵を動かした後、退治するというもの。だからこそ完全停止までに多少の猶予があったのである。

●準備と装備
 機械室に足を踏み入れるとまず、ゴゥン、という重々しい音が意識に入った。次いでその音の元を覆う巨大スライムの姿。
「オーナー。空調その他全ての施設を止めてほしい」
「は、はい」
「その後即座に退避するように」
 キビキビと現場を動かすフラウ。オーナーはおっかなびっくりさやかの後ろについて操作盤の所へ行くと、震える指で電源を切った。とはいえこの部屋の環境が変わるには時間がかかる上、なんらかの方法で敵が自主的に水を送り出し続ける等多くの不測事態が考えられる。
 十二分の警戒が必要だった。
「よし。では出てくれ」
「あ、ありがとうございましたー」
 もう少し柔らかく言ってあげればいいのに。さやかが取繕ってオーナーを出口に促した。
「ほにゃらばケイもやる事やっちゃうニャ♪」
「監視は我だけでも充分だが‥‥」
「目張りニャ。にょろーんなんて逃げられたらいけないニャ」
 言って布テープで換気扇を塞ぎだすケイ。それを見てさやかも隙間を塞いでいく。
「ジュース持ってきてますのでこの後で飲みましょう」
「やたっ♪ 蒸されるケイに愛を〜」
「何ですかその歌‥‥」
 次第に暑くなりゆく機械室に、謎の歌が響く。

「う――っみゃあぁあ!」
 夏、夏、夏!
 ぐるぐる流されてはしゃぐろまんを筆頭に、いかにも涼しいプール組。

★そうび
ろって きょうえいみずぎ(かこいい)
ことり すくみず(こん)
ろまん すくみず(しろ)
ゆりか ほるたーわんぴ(せくしー)
ぼく ばみゅーだ

 なんてドット文字が各人の下に見えたのは、ファブニールの気のせいだ。
「さてと」
 緊張で唾を嚥下し辛い。どうするか。
 暴走する水流にマットを浮かべると同時に自分も飛び乗る。一瞬の勝負だ。しかも直後にマットを操るとなると神業に近いだろう。が、やるしかない!
「行きます!」
 跳んだ。水面にマットを放つ。着水――同時に正座の如く着地!
 途端に体を持っていかれる感覚。水流に乗った。右サイドに打ち上げられかける。辛うじて体を左に寄せ回避。瞬く間に5分の2回っている。これは‥‥
「いけ‥‥!?」
 自分を褒めようとした矢先
「るがぼッ!!?」
 盛大にバランスを崩したと思った時には、もう全身を水に侵食されていた。耳に、目に、口に水が入り、手足を圧力の鎖が縛める。
 ――僕は、間違ってなかっ‥‥が‥‥ま‥‥‥‥。
 などと危うく完結しかけたファブニールを、細く力強い腕が水面に引き上げた。勢い込んで水を吐く。
「何やってるの‥‥水を感じ、乗りこなしなさい」
 ロッテだ。彼女は数周ファブニールについて回り、なんとか溺れる事はないと判断すると波に逆らって全力クロールを始めた。入水する腕が痛い。硬い。というか流石に逆らえない。
 それを悟り、サイドに向かうロッテ。水から上がるのも一苦労だが、淵を掴むや握力と腕力で強引に体を寄せた。
「どうしたの‥‥ですかぁ‥‥?」
 サイドで体操座りの小鳥が不安げに。『1‐2 ことり』と書かれた布が丁度縫い付けられてあるその薄い胸が、びくっと跳ねた。そんな小動物にロッテは近づき
「ほら。来な、さいっ」
「ふぇ、て、ひ、はぁあぁぁあ‥‥!?」
 腕を引っ張るだけかと思えば、一気にプールに投げ飛ばしちゃう悪戯っ子さんだ。
 ざぱぁ! 腹から着水。同時に洗濯物と化して流される。
「あ! ボクも洗濯物やる!」
「いえ本当に溺れてるのだけど」
 器用に顔を出しながら流されるろまんと百合歌が、沈みそうな小鳥の横で呑気に笑う。
 残念ながら。小鳥の味方は今ここにいない。
「っ、は、わた‥‥!?」
「流れに身を任せて。そうね‥‥」
 何を思いついたか百合歌が嗜虐的な笑みで言い差した時、遠心力が小鳥を襲った。
 壁に叩きつけられる!
 ロッテが飛び込んで掴まえようとするより早く、百合歌が水のリズムに乗って一気に小鳥を抜いた。水中で回転して壁に足をつくや、柔らかく蹴って小鳥の方に戻る。全身で抱きとめた。
「大丈夫?」
「ぅ、ふぇえぇー‥‥」
 嗚咽を漏らす小鳥に、サイドから流石に申し訳なさそうにロッテは声をかけた。
「百合歌、ありがとう。小鳥、ごめんなさいね‥‥」
「‥‥ひっく‥‥おやつ抜きですぅ」
 よく解らぬオシオキである。
「だからね、この力強い流れを好きな人の強引な抱擁と思えばいいのよ。そしてその温かい胸に身を任せるの」
「‥‥。ぇ、ぅーっ!?」
 突如真っ赤になる小鳥。
 無垢な少女を弄ぶ快感に百合歌が微笑した刹那。
『敵が動いた。応援頼む』
 サイドに置いた無線から、フラウの声が聞こえた。

●溶かさないスライム
「我が前を務める、2人はフォローを!」「了解」
 雷光、フラウが一瞬にして敵に接近、さやかの強化を纏う機械剣を一閃した。機械から離れ、水を求めて伸ばしていた触手が弾け飛ぶ。声ならぬ絶叫が轟いた。構わずフラウの連続刺突が本体を穿つ。次いでケイがスパークマシンを構えようとし、
「にゃにゃ!?」
 無い。どこかで落としたか。手持ちの装備でやるしかない。
「水なんか飲ませてあげないニャ!」
 唯一部屋に光射し込む方――敢えて目張りしなかった入口に瞬時に回りこみ突撃銃の引鉄を引いた。命中。弾ける粘液が部屋を汚す。
 刹那、幾本もの敵触手が思いの外素早く蠢いた。至近のフラウは辛うじて1本を腕で止めるが、もう1本が腹を直撃する。追撃。息が止まる。吐き気を抑えて1本を掴んだ。
「そんなに水分が欲しい、か‥‥!」
 機械剣が触手を焼き斬る。が、その隙に敵本体はケイの待ち構える入口に突進していた。
「常夜さんっ」
 さやかが祈りを捧げるように杖をかざす。異なる光が2つの対象に現れた。ケイの銃を包む淡い光と、敵を覆う昏い光。直後、両者が入口で交錯した。
 銃声が連続する。くぐもった声が耳朶を打つ。
 見れば敵は当初の大きさの半分以下となっていた。触手の集中攻撃を受けたフラウは震える脚で敵背後に迫る。
「油断するな! 小さくなれば‥‥」
 丁度警告しようとした時、ケイの脇を抜けて敵が外へ飛び出した。即座にケイは振り向きぶっ放すが、やはり銃では効率が悪い。
 この先、20mの通路を抜ければプール。水を得る前に倒さねば。
 ケイが瞬速を飛ばして回り込もうかというその時。
「遅れてすみません! でも」
 海パン一丁のファブニールが、急停止してマシン先端を差し向ける!
「それはそれで結果オーライ‥‥にしてみせます!」
 電磁波が敵を襲う。勢いに任せた敵体当りをファブニールが体で受け止めた。気持ち悪い。触手が全身に絡みつく。なんとか首を動かし空を向いた。
「お願いします!」
「任せよ」「うにゃぁッ!」
 フラウとケイが迫る。銃弾が敵を穿ち、ファブニールの体スレスレを通り抜ける。フラウの迅雷が発動した。肌を刺激する力の奔流。次の瞬間、
 機械剣の超出力が、敵を貫いた‥‥!
「‥‥えぇと。し、信じてましたよ、はい、で、でもですね、その‥‥」
「遊びに興じすぎた罰、としておこうか」
 ファブニールの首の皮を1枚削った姿勢で、フラウが言い放った。

●歌が聴こえる
「夏だっ」「え‥‥っと。水着だ?」「れっつごーぷーるニャ〜♪」
 地味な『Unterseeboot』入口で、花柄ビキニ少女と匂い立つ淑女のちぐはぐコンビが声を上げる。ケイと百合歌だ。
 ケイの要望もありプールサイドに小ステージを作る事にしたオーナーだが、当然傭兵の手伝いがなければ即日完成はない。そこでケイは入口で歌う事にしたのである。
 歌か知らないが、音楽を嗜んでいそうな百合歌はコーラスとして拉致だ。
「う〜と。普通の‥‥本当に普通のプールだけど、だからこそ寛げると思うわ。それに時々マッサージ効果抜群の激流プールになるかも?」
 白い柔肌と黒水着のコントラストが美しい。その百合歌が髪をかき上げ自分の肩を気持ちよさげに揉むのだからそれはもー!
 ‥‥ともあれ人が集まってきた。
「そんなこのプールの為に作った歌ニャ。聴いてくれたら中に入る権利を有料であげるニャ! 『流れる夢を掴め』!」

♪空と海の間 光の輪 踊る

「充分遊んだところで、どうぞ。宣伝はお菓子でも食べながら考えましょう」
 快い歌が微かに聞こえる。ファブニールはサイドにパラソルを立てシートを敷き、完全ピクニックスタイルで呼びかけた。
「キメラも夢中! とか言い触らしますか?」
「逆に怖がる可能性も‥‥」
「じゃボクがシール作るよ、カッコいいゴー‥‥キメラバスターズ! 入口に貼るやつ!」
 ぱり、と煎餅を頬張るさやかの横で、ろまんが鞄を漁って作業を始める。スク水のまま横になり、ストローをぴこぴこ動かす姿がプールに合う。

♪柔らかな朝 雨上がりの匂いが私を連れてく

 緩やかになった水流を、小鳥がふわふわと流れる。浮輪の穴にお尻をはめ込み膝下ぶらぶら。その筋の人的には完全装備だ。
「はふ‥‥私はやっぱり‥‥これくらいがいいですぅ‥‥」
 空を突き抜ける飛行機雲。どこまでも高い雲に手を伸ばす。
「宣伝じゃなくても‥‥この日の記念に‥‥写真撮りたいですねぇ」
 凄く‥‥ほのぼのです。が、そこに刺激を持ってくるのはいつも。
 「独りで」水底から潜水艦の如く突撃する影!
「一息ついてるんじゃないわよ」
「へぁあっ!?」
 魚雷――ロッテが小鳥を浮輪ごと押し上げた。
 転覆。またしても水を飲んでしまう小鳥である。
「ぅー、ロッテさんーっ」
 上目に抗議する小鳥の髪にロッテが触れた。柔らかな微笑に微かな罪悪感を滲ませて。
「さっきはごめんなさいね‥‥加減を間違えたわ」
 そんなロッテは久しぶりで。小鳥はなんとなく、競泳水着に包まれた彼女の胸に顔を埋めた。
 本気で怒った訳じゃないのに、ね。
「じゃあ‥‥オヤツを持ってきてくれたら‥‥許してあげますぅ」

♪あの雲の彼方 貴方を想う心乗せて

「流れすぎるプールって、再現できたら売りにすべきですよね」
「出来るだろうか?」
 さやかとフラウに尋ねられ、暫し考えるオーナー。数分スタッフと話し、なんとかやってみるとの結論に達した。
「となると、後は‥‥」
「ポスターでも作りますか?」
「あ、だったらボクまんなか!」
「我がシャッターを押そう」
「タイマーありますので大丈夫ですよ」
 天然か。さやかは逃げようとしたフラウを阻止すると、思いついたようにオーナーに向き直った。
「今度ここでプール同窓会やってもいいでしょうか? 昔の同期と」
「そりゃ歓迎ですが」
「海自‥‥海軍でしたので、うんたーぜーぼーと、なんて名前の所でやるのもいいかなと。私はうちの伊号の方が好きですけど」
 何故かオーナーの趣味に対抗するさやかである。
「な‥‥!?」
「では常夜さんと智久さんも呼んできましょう」
 Uボートと伊号。挑発され顔を紅潮させるオーナーを無視して話は進む。

♪So Bright! 水飛沫上げて飛んでいこう 貴方の傍へ

「10秒後ですので。いきますよー」
 ――こうして。
 街の片隅の小さなプールにポスターが出来上がった。
 楽しげな雰囲気のそれに、謎のオマケシールがつくという形で‥‥。

<了>

今日傭兵がいるプール見つけたんですけど(1)

1 名も無き傭兵さん 2009/08/XX(火)22:00:03.69
キメラ倒した後遊んでるっぽい?
綺麗なさやk‥‥綺麗な人います
これからうpします



Fw.★恋★の★新★情★報★

どっかのプ→ルに†天使様†降臨っ\(>▽<)/
好きなヒトと泳いだ帰りにプロポーズされたとかでママ再婚しちゃったぁいやん(*ノノ*)
行くしかないってヵ誰か知ってるヒト教えてぇッ



 その夜、そんな噂が電子の波を駆け巡った。
 後者には旋律を刻む天使が水面に立つ写真が添付されていたが、その正体は終ぞ知れる事はなかったとか何とか‥‥。