タイトル:【京都】戦国御伽活劇マスター:橘真斗

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 10 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/09/23 23:34

●オープニング本文


「のう、じぃ。秋じゃのぅ」
「左様でございますな。勉学の秋と申しますゆえ、磨理那様にはいっそう励んでもらわねばなりませぬ。結納も近いですからな」
 黄昏る平良・磨理那(gz0056)の目の前に吾平が遠慮なく書物の山を置く。
 時折の外出公務以外磨理那の自由は少なくなっていた。
 いいなづけとの結納も近いこともあり、磨理那の両親も気を使っているのだろう。
「窮屈じゃ‥‥まことに窮屈じゃ‥‥」
 山となった書物を前に磨理那の目がますます遠くなった。
 その中に、ふと気になるものがあったのか磨理那は手に取る。
「桃太郎かや‥‥」
「御伽話とて、古典文学ですぞ。学んでもらわねばなりませぬ」
 ぺらぺらとめくりながら古めかしい文章を読み始めた磨理那だが、顔をしかめた。
「じぃよ。鬼と呼ばれる化け物に犬、猿、雉では心元ないと思わぬか? 鬼も鬼じゃ、金品だけでなく人質でも持っておれば一方的にやられなかったであろうにの」
「そのようなことを申されましても、昔は摩訶不思議なことがあったものでしての」
「今の世の方が摩訶不思議じゃ。奇妙な化け物はよく出るし、武人か鬼神かと思えるような武士[もののふ]がいるのじゃぞ?」
 吾平が磨理那からの突っ込みに言葉を詰まらせていると更に疑問が畳み掛けられていく。
「磨理那様のおっしゃることもわかりますが温故知新というものでして‥‥はっ!」
「つまりじゃ、妾がここに新たな桃太郎を作ってもよいのじゃな。今月はうずまき映画村で公務があったはずじゃ、妾の脚本で桃太郎をやるのじゃ」
 自らの言葉を悔やむ吾平だったが、とき既に遅し‥‥水を得た魚のように磨理那は持ち前の行動力を見せた。
「犬、猿、雉というのはそういう名前を持った武士じゃな。鬼も何処かの姫を浚うのがよいのじゃ」
 ぶつぶつと一人構想を呟きながら、磨理那は巻物につらつらと脚本を書いていく。
「役者としてせめて能力者を呼んであげましょうかな」
 吾平は真剣に取り組む磨理那を見て笑うのだった。

●参加者一覧

智久 百合歌(ga4980
25歳・♀・PN
勇姫 凛(ga5063
18歳・♂・BM
乙(ga8272
16歳・♀・DF
シュブニグラス(ga9903
28歳・♀・ER
クロスエリア(gb0356
26歳・♀・EP
美空(gb1906
13歳・♀・HD
大槻 大慈(gb2013
13歳・♂・DG
エミル・アティット(gb3948
21歳・♀・PN
トクム・カーン(gb4270
18歳・♂・FC
ヤナギ・エリューナク(gb5107
24歳・♂・PN

●リプレイ本文

●昔々あるところに‥‥
『二人の子供がいました。彼らは政変なりなんなりで都を連れ出された公家の血を引く双子なのです』
 シュブニグラス(ga9903)の大人っぽいナレーションで劇は始まる。
『一人は桃ばかりを食べるから桃、一人はそれ以外を食べるから太郎を名づけられました。
 吾平おじいさんが決めたことで八木お婆さんは一切関与していません』
 どっと客席から笑いがこぼれる。
『さて、そんな双子も成人なり武者修行も兼ねて出生のルーツでもある都へと旅立ちます。
 しかし、都では鬼ヶ島を制圧した竜王が都へとやってきているのでした。
 果たして両者はどう合間見えるのか‥‥はじまりはじまり』
 舞台の幕が上がり、ついに『新説・桃太郎』が始まった。
「行こう太郎‥‥も、桃一人だって、鬼達になんか負けないんだからっ、爺と婆との約束だから、特別に付いてきていいんだからなっ」
 立ち寄った村でぬいぐるみを舞台袖に投げていた桃(勇姫 凛(ga5063))は隣の背の高い男にツンとした態度を見せる。
「はいはい、桃はツンデレだねぇ。本当に桃がカワイコちゃんだったら俺の嫁にしているんだけどな」
 つんとした態度の桃の頭を撫でる太郎(ヤナギ・エリューナク(gb5107))はくわえ煙草で楽しそうだ。
「桃の頭を撫でていいのは爺と婆だけなんだなっ!」
 ぽかぽかと太郎の胸を叩く桃の姿は愛らしい。
「まぁまぁ、まずは都に行こうぜ。酒が切れたから補充しないと」
 テクテクと二人が舞台袖に下がっていくと背景が動いて村から都へ早代わり。
「姫〜、遊びに来たぞ〜♪」
 よじよじとドラゴンの着ぐるみ姿で都の塔に登る竜王(大槻 大慈(gb2013))がお姫様(平良・磨理那(gz0016))とご対面。
「おお、竜ノ輔じゃな。玄関からくればいいのにのぉ」
『お姫様は普通に対応します。それは竜王があらかじめ仕掛けていた暗示のせいで恐ろしい竜には見えていないのでした』
「俺も姫とずっと一緒にいたいな」
「兄様! 浮気は許さないのでありまっ‥‥むぐっ!?」
「まだ出番ではないの‥‥」
 急に飛び出てきた鬼娘三女(美空(gb1906))を鬼娘次女(乙(ga8272))が舞台袖に引き戻した。
 鬼娘長女もいたのが体調不良により欠席中である。
「‥‥えーと、そこでだ。姫を俺のお城へ連れて行こうと思うんだ! ということで、後は任せた!」
 竜王が磨理那を脇に抱えると翼が広がりワイヤーでもって空へと飛び上がっていく。
『姫が浚われた! であえであえー』
「兄様の邪魔はさせないのであります」
「わるいごはいねがー」
『それはナマハゲだよ。鬼には違いないけどさー』
 鬼娘達が舞台に出てきて暴れだすと暗転し、一つの場面が終了するのだった。

●桃太郎さん桃太郎さん
「桃と太郎は別なんだからなっ!」
「どっちでもいいから、食べ物欲しいいんだぜ〜」
 まとめて呼ばれたことにプンプンと怒り出す桃だったが、犬神(エミル・アティット(gb3948))は裾の短くギリギリまで胸元を開いた着物姿で餌を願う。
「桃、ここは困っている人もいるんだキビ団子をあげようじゃねぇか」
「嫌らしい目で言っていても説得力ないんだな、桃たちの目的は誘拐されたお姫様を助けにいくんだから」
 犬神のセクシーな姿に思わず生唾を飲み込んだ太郎は格好をつけながらいうが、桃にはお見通しのようだ。
「わぅ? そのうまそうなのくれたら何でも言うこと聞くぜ」
 二人のやり取りなんかお構いなし二犬耳と犬尻尾を垂れさせた犬神は空腹を訴える。
 演技とは思えないほどリアルだ。
「仲間になるならいいじゃねぇか、旅は道連れ世は情けっていうだろ?」
 太郎はキビ団子を犬神に渡して餌付け‥‥もとい、仲間にする。
 一人増えた桃と太郎一行がトコトコ進むと見慣れない甲冑を身に着けた武士とであった。
「なんか、強そうな人がいるんだな。太郎、仲間になってもらおう」
「えー、男はパス」
 太郎は実に素直な男である。
「旅のものかな? 両手に華とは実に羨ましい」
 西洋甲冑と呼ばれるものを着こんだ武士は猿ヶ崎総一郎(トクム・カーン(gb4270))だ。
「両手に華? ああ、こっちのちまいのは男だから。俺と双子ってやつ?」
「ちまいいうなっ! そっちも桃は男なんだなっ!」
 美少女に間違われた桃は抗議の声をあげ、猿ヶ崎と太郎をぽかぽか叩く。
「ところで何を目的に旅をしているんだ?」
 叩かれているのをスルーしながら猿ヶ崎ヶ聞くと太郎が事情を説明した。
「へえ、鬼が女の子をさらうとはねえ。まあ、いいけど。この南蛮渡来の刀剣の試し切りに最高だからねえ‥‥ふふふふふ」
 話を聞いた猿ヶ崎はナイトソードを抜き刃の光りを恍惚とした表情で眺めトリップしはじめる。
 桃と太郎は仲間にするのを少し戸惑った。
「俺も協力させてもらおう」
「仲間が増えたんだぜ〜」
 しかし、周りはノリノリであり断ることも出来ずにそのまま旅を続ける事となる。
 再びテクテクと舞台の上で足踏みすると背景が動いて海が見えてきた。
「太郎、海! 海なんだな!」
「ビーチ‥‥じゃない、浜辺の女の子とかいないかぁ」
 海を見てはしゃぐ桃とは別の方向で太郎は内心はしゃいでいる。
 そんな一行の後ろから刀を杖にしてやってくる一人の女性がいた。
「や、やっとおいつきましたぁ〜、あ、あの‥‥わ、私も、鬼退治に連れて、行って、ください」
 疲れているのか緊張かそれとも両方なのか息も絶え絶えに雉原・ゆり(智久 百合歌(ga4980))が声をかけてくる。
「鬼退治よりもねーちゃん‥‥俺の彼女にならない?」
「こんなときにものすごい余裕‥‥素敵です!」
 倒れそうになる雉原を抱きかかえ、百戦錬磨のスマイル(自称)を仕掛ける太郎だったがゆりの方は斜め45度くらいずれて受け取っていた。
「水とキビ団子ならあるからこれを食べて、元気になったら一緒にいくんだな」
 桃が雉原にキビ団子と水を渡すと嵐のような強い風が吹く。
「わふぅ‥‥いやな予感がするんだぜ」
 犬神がくんくんと鼻で臭いを嗅ぎ上を見上げ、他のメンバーも上を見上げると舞台が再び暗転し場面がきられた。

●鬼ヶ島にやってきて‥‥
『船に揺られて一日進むと、ついに鬼が島が見えてきました』
 シュブニグラスがナレーションで状況説明をしていると舞台の上が明るくなり、船のハリボテが舞台袖から出てきて止まる。
「すごい、まがまがしいです」
「いかにもワルがいそうな場所じゃんかよ。大丈夫、俺が守るぜ」
 オロオロびくびくしている雉原の肩を抱き寄せている太郎はスマイルを浮かべた。
『人の島でいちゃつくな〜。クマ鬼だぞ〜がお〜』
「鬼は、とっても強いの。逃げるなら、今のうちなの」
 太郎と雉原が舞台の中央で見つめあっていると反対の舞台袖から鬼娘次女がテディベアの癸を持ちながらエアーソフト剣を振り回してくる。
「鬼がきたんだなっ! けど、倒してもいいのか迷うんだな」
「お、鬼? ‥‥どう見てもただの女の子なんだが‥‥やだなあ。
 こんな女の子に刃を向けるの。武人の恥だよ恥」
 桃と猿ヶ崎が出てきた乙に驚く。
 鬼というにはあまりにも可愛いのだ。
「姫以外の人間は消毒だ〜なのであります」
 追い討ちを駆けるように額に『π』の文字が書かれている鬼娘三女が意気揚々と飛び出してきて桃と太郎の一行へ襲い掛かる。
「わっふっふ‥‥腕が鳴るぜ‥‥」
 飛び出てきた三女に犬神は興奮するように尻尾を立てて言葉どおりに腕をパキポキならした。
「向こうがその気であるならしかたない。先陣をきるのは武士の誉れ、いくぞ!」
 猿ヶ崎がソードブレイカーとナイトソードを抜刀し、猿ヶ崎が<迅雷>を使って瞬時に鬼娘次女へと肉薄する。
『うわっ、いきなりきたよ〜』
「すごく早いのっ!?」
 一瞬で猿ヶ崎に背後へ回りこまれた鬼娘三女は慌てふためく。
「女人に手を上げるのは武士として避けたいところ‥‥ごめん」
 ソードの柄でもって猿ヶ崎が鬼娘三女の首の裏をトンと叩いて気絶させた。
「おう、こっちもやるんだぜ!」
 殺陣に使う用の槍をもった犬神が大きく振り回し鬼娘三女と戦いあう。
 ずばっと貫かれた鬼娘三女が「あべし」といいながら舞台袖に下がっていった。
「わわ、皆さん凄いです」
 雉原は戦いあっていた二人を見て思わず手を叩く。
「いいところとられちゃったんだな‥‥」
 桃が少ししょんぼりしていると竜王が空から姫をお姫様抱っこしながらワイヤーで降りてきた。
「なかなかやるじゃないか、久しぶりに楽しめそうだ」
 ゆっくりと着地した竜王は姫を下ろし胸を張る。
 味方のいない状況というのに余裕が漂っていた。
「アンタが親玉か? さぁ、そっちの姫さんを帰してもらおうか?」
 太郎が零式を突きつけてかっこよく決める。
 しかし、竜王の前に姫が立ってさえぎった。
「どういうことなんだな!?」
「竜ノ輔をいじめてはだめなのじゃ‥‥竜ノ輔と妾は大切な仲なのじゃ‥‥」
 両手を広げ、ゆらりと体を揺らしながら姫はぽつぽつと話す。
 洗脳されている演技ではあるが、実際にはものすごく恥ずかしがっているだけだ。
「そういうオチかよっ!」
「ほれほれ、姫の仰せだぞ? 俺たちをいじめるんじゃないっ! ワハハハハッ! さぁ、やってしまえ!」
 竜王が手を振り上げて降ろすと倒したはずの鬼娘三女や気絶したはずの次女が立ち上がって太郎達に襲い掛かる。
「竜ノ輔をいじめるやつは妾が許さないのじゃ」
 短刀を取り出した姫も桃へと切りかかる。
「ひ、姫様! 私を覚えていらっしゃらないのですか?」
 三女と戦いながらも雉原が姫へと精一杯声をかけた。
「余所見をしていてはだめであるます」
 つくり物ではあるが金棒で雉原は殴られ転がる。
「雉原! くそっ、どうしたらいいんだな‥‥」
 身の丈よりも大きな斬馬刀を持ってはいるも姫に向けるべきか桃は悩んだ。
 その悩みが隙を生み、姫からの一太刀を桃は受けてしまう。
 肩口を斬られ、痛みに肩口を押さえる桃。
「桃ッ! 俺の桃を‥‥俺の彼女候補を傷付けるヤツは赦さ無ェ‥‥」
『太郎‥‥あれを使うのです』
 太郎が怒りをあらわにしたとき、舞台が暗くなり、八木お婆さんの声が聞こえてきた。

●大逆転
 暗い舞台の端にスポットライトが当たり、ナレーションを兼任しているシュブニグラスが姿をみせる。
 太郎の方にもスポットライトが当たって二人だけの回想シーンを表現していた。
「婆さんあれとは‥‥」
「キビ団子を同時に食べるのよ同じものを食べることで心のつながりが生まれる‥‥それが力となるはずよ」
「わかったぜ、婆さん!」
 舞台の上が明るくなり、戦闘が再会される。
「お前らっ! こいつを同時に食え!」
 太郎は腰の袋からキビ団子をだすと三人の仲間に投げた。
 ぱくりと食べると体から力が溢れてくるのを感じ、姿が変る。
「おいたが過ぎたわね‥‥お仕置きよ?」
 背中に一対の翼を生やした雉原は冷ややかな視線を鬼娘次女に向けると身軽なステップを踏み攻撃に出た。
「わっふぅい! ここはあたし達で道を開くんだぜ!」
 操られて襲ってくる姫を食い止めた犬神が髪と瞳の色を入れ替え桃と太郎に視線を向ける。
「むっ、パワーアップしただと! ええい、遠慮せずやってしまえ!」
「はいなのですー! 何度倒しても無限にでてくるのですー」
 焦りだす竜王が鬼娘をけしかけた。
「行け! 桃! 太郎! 我らが屍を踏み越え! 愛を勝ち取れ! 二連剣舞・弐式飛燕!」
 <迅雷>で近づき、<円閃>をかけた<二連撃>でもって鬼娘を猿ヶ崎は食い止める。
「わかったんだな、竜王! 例えどんなに強くても、他人をいたわる心のないお前は、日本じゃあ2番なんだからなっ!」
 背中に背負った日本一の旗を見せた桃が竜王に立ち向かった。
「くっそー! 姫を返せこのやろう! 俺は普通に仲良くしたかっただけなんだ!」
 ハリセンを乱れ打ち状態にして竜王は桃と太郎の二人を攻撃する。
「しつこい男は嫌われるぜ? ナンパってのは言葉で響かせるものであって、妖術とかでやるものじゃないぜ!」
 ハリセンを二刀流の剣技で受け止め続けた。
 そのとき、再び八木婆さんが姿を見せる。
『桃、桃の実を食べるのです。貴方と太郎の心を桃の実で一つにするのです』
「うん、婆の言うこと桃守るよ。太郎! この実を一緒に食べるんだな!」
 一つの桃の実を二つに分けて桃と太郎は舞台の中央に立ちほうばった。
「今桃の実に想いと力を込めて‥‥桃と太郎」
「二人そろって桃太郎だ!」
 桃を食べた太郎の手の甲に紋章が浮かぶ。
「なんだ、その力は!」
「心と心が通じた絆の力だ!」
「太郎、決めるんだな!」
 桃の実を上に投げるとピンクのボールが落ちてきた。
 それを桃が蹴り、更に太郎が竜王に向けて蹴りつける。
「ピーチオーヴァードライブッ!」
「ぎゃぁぁぁっ、おぼえてろー」
 シュートを受けた竜王は捨て台詞を残しながら舞台袖へと去っていった。
「む、これは‥‥あの竜王カラチからを得ていたとでもいうのか?」
 無尽蔵に復活してきた鬼娘の一人の動きが止まると猿ヶ崎は警戒しながらもソードを下げる。
「およ? 妾は何をしていたのじゃ?」
 また、鬼娘が止まるのと入れ替わるように姫の暗示も解けたのか不思議そうな顔をして姫が意識を戻した。
「姫も元に戻ったか‥‥なぁ、俺の彼女にならね?」
「何を言っておるのじゃ、おぬしは? どこぞの馬の骨ともわからぬものに妾はやらぬのじゃ」
 感動も何もなくナンパをしだす太郎だったが、姫は軽く切り返した。
「彼女とか置いておいて、都に戻るんだなっ、姫」
 桃が姫をお姫様抱っこすると仲間達も寄ってきて勝利を喜びだす。
「ひ、姫様ご無事でなにより、です! 雉原ここまでついてきて安心しました」
「おお、雉かや。有無ご苦労じゃったの」
 普段のオロオロした様子に戻った雉原が姫の手を握り涙を流し始めた。
「暴れて疲れたんだぜ〜、都に戻って美味いもの食べたいんだぜ〜」
 犬神のお腹がなり、どっと笑いが起きる。
 短い付き合いながらも戦友が出来たことを喜びながら、姫を入れた6人は都へと船を向かわせるのであった。
 一度舞台袖に全員消えるが、その後舞台の中央に集まり、恭しく頭を下げる。
 それと共に客席から拍手が捧げられ舞台の成功を能力者達は感じたのだった。