●リプレイ本文
●約半年という月日を振り返り
「出会ってから半年‥‥」
ホアキン・デ・ラ・ロサ(
ga2416)は、すでに宴の始まっている『凛々亭』の前でふと思いをはせた。
「半年ですね、ライディと会ったのは‥‥」
ラジオ局立ち上げにホアキンと共に立ち上げた常夜ケイ(
ga4803)がとなりで頷く。
(「それもそうだったか、しかし彼女のことしか頭になくなるとは、半年前には思ってもみなかったな」)
ホアキンは心の中で風(
ga4739)の笑顔を想い浮かべながら呟いた。
「お二人ともお店にはいってくださいね」
紙袋を抱えたのハンナ・ルーベンス(
ga5138)が二人を店の中へ案内する。
「本当に前回参加できなかったのが残念だわ、皆勤賞を逃すなんて‥‥今回は彼が話がしたいってから来たけど、あれかしらね」
半年という月日の間に彼女も笑顔が増えたと最近、皆からよく言われるようになった。
リン=アスターナ(
ga4615)もハンナの後ろから、少し遠慮しがちに店にはいっていく。
「ここが凛々亭‥‥俺が参加した『中華まん大食い大会』の会場となった店の支店だったのか‥‥、あれから半年。俺は『成長』できたのだろうか?」
「にははは、トヲイ君は成長してるよ‥‥。びっくりだよねー、あの支店がラストホープでこんなイベント開くことになるんだもん」
その後に小さく、あたしが好きになるくらい‥‥と葵 コハル(
ga3897)が店の前にたたずむ煉条トヲイ(
ga0236)の手を繋ぎ言った。
●スタジオただいま準備中
「お、ようやく到着だな、真琴への代理投票感謝だぜ」
Redio−Hopeのスタジオで、アンドレアス・ラーセン(
ga6523)は先行して機材を買って煙草を吸いつつ放送の準備をしていた。
ライディからの要望もあり、機材を新しくしている最中である。
「ああ、すみません挨拶を一通り済ませてましたんで‥‥って、ラーセンさん。煙草吸うならサンルームで吸ってくださいよ」
「ライディ接客ばかりであんまりくってねぇようだから、凛華にお土産もらってきたでやがるです‥‥しかし、シーヴからみても綺麗でやがったです」
ライディ・王(gz0023)はシーヴ・フェルセン(
ga5638)と共にスタジオに訪れた。
「おう、悪いな。いろんな意味で邪魔っぽいから、ちっと煙草すってくる」
アンドレアスはニヤニヤとしながら、スタジオを後にする。
だが、その気使いも阿野次 のもじ(
ga5480)に破られた。
「ライディさんジャマネ就任おめでとー。と、今日はサブパーソナリティよろしく〜」
「あ、はい、よろしくお願いします」
室内の換気をしつつライディはのもじに挨拶をし、番組に届いたメールやイベントを考慮してタイムテーブルを組みだす。
「ライディはそうしいるほうが生き生きしていやがるです」
シーヴは肉まんをライディに笑いつつわずかに微笑んだ。
「前半はシーヴで、リクエスト曲いれつつのもじさんに後半って感じでいきましょう。後はアドリブで大体は対応できるから」
「そうそう、ちょっと個人的質問〜。IMPのアイドル落ちたのって何が理由かな?」
番組が始まる前にと、のもじがテンション低めに聞いてきた。
「う〜ん、細かく米田さんには聞いてないですけど、のもじさんはアイベックス・エンタテイメントのアイドルより他の事務所のほうがあっているんじゃないかなとのことだそうです」
「そっか〜いろいろ企画考えていたのにな〜」
ライディの返答にますますへこみだすのもじ。
「のもじ、前向き必要。企画あるなら、アイドルじゃなくてスタッフでもできるでやがるです」
無表情ながらシーヴがサムズアップしつつ、のもじをフォローした。
放送開始まで10分をきる。
最終チェックが始まった。
●宴は(女装で)盛り上がれ!
「あらん、久しり〜」
凛々亭オーナーの蓮華(♂)が相変わらずのチャイナドレス姿でリュイン・カミーユ(
ga3871)と再会のハグをする。
「予想を裏切らずというか何というか、元気そうで何よりだ‥‥ああ、そこの少し我に似ているように見える奴は、気の所為なので放置しておくように」
「リュンちゃんひどい〜」
「可愛そうならうりん、私が慰めてあげるね♪」
なぜか、藤色蝶柄ロングチャイナドレスで女装中のラウル・カミーユ(
ga7242)を同じく女装をした雑賀 幸輔(
ga6073)が料理を食べつつ慰めていた。
「放置なんて、できるわけないじゃない。お仲間なんですもの♪ ようこそ、凛々亭へ〜オーナーの蓮華・フェルディオよん。よろしくねぇん♪」
いつも以上にうれしそうな蓮華は二人に挨拶をした。
美形な男が女装して3人集まっている姿は異様な雰囲気をかもし出している。
そんな輪にノエル・イル・風花(
ga6259)が平然と入って注文を取り出していた。
「ご注文は何にいたしましょう?」
(「チャイナドレスは、着る機会があまり無いのでありますが‥‥体にタイトなので装備があまり仕込めないのが難点であります‥‥」)
仕事をしつつも、ノエルの考えがどこか別の方向にいっているのは傭兵としての性なのかもしれない。
「あ、それじゃあチンジャオと肉まん追加で! 飲み物いいのあるかな?」
いつの間にか、女装集団に混じってホイコーローと春巻きをテーブルでつまんでいた不知火真琴(
ga7201)が追加注文をしだした。
「ジャスミンティーがオススメであります」
「じゃそれでよろしく〜」
真琴が手を振っていると、同じテーブルで食事をしていた叢雲(
ga2494)が唸る。
「む‥‥。素晴らしい味ですね」
「すいません、もしできるならレシピをお聞きしたいです」
「ふふ、それじゃあ後で厨房で手伝ってくれたらね♪ これからお客さんが増えそうだから」
蓮華はそういってウィンクを叢雲に投げかけるのだった。
ラジオ番組『Wind Of Hope』がもうすぐ始まる。
●希望の風が吹き始める
『ライディ・王のWind Of Hope! 今夜も皆さんにラジオをお送りいたします。この度は二人のサブパーソナリティー迎えての放送です』
凛々亭の有線放送がラジオ放送に切り替わり、ライディの声が宴席に広がる。
「本当に、皆様が無事で良かったですし、このような美味しい料理を食べながら平和にラジオを聞けるなんてすばらしいことですわ」
絢文 桜子(
ga6137)は友人であるリュス・リクス・リニク(
ga6209)とテーブルを囲みつつ料理に舌鼓をうっていた。
『サブパーソナリティーその1。シーヴ・フェルセンです。今夜もよろしくお願いします』
『もう一人サブパーソナリティーを務めるのは阿野次のもじ。気軽に『20人目の地獄』とか『地雷原に咲く花』とか二つ名で呼んでね★』
『気軽に呼べないですって、それ』
「くす‥‥面白い。絢文‥‥どれが‥‥いい‥‥? リニクが‥‥とって‥‥あげる‥‥」
3人のパーソナリティによる漫才をきき、リニクは笑顔を桜子に向けた。
その間に結城加依理(
ga9556)と結城玖沙久(
ga9646)が次々と料理を運んでくる。
「フィルムに収めるよりも‥‥こうやって見守っていられるって事は幸せですねぇ‥‥」
グリク・フィルドライン(
ga6256)が写真を一通り撮り終えて席に着き、リニクの笑顔を喜んだ。
『まず、前半はシーヴさんにお便りを読んでもらおうとおもいます』
その間にも番組は進み、メールを読むコーナーがはじまる。
『では、最初のお便りいきます‥‥』
『
LHに来て、私が最初に受けた仕事が「希望の風」の立ち上げだった
雑居ビルの一角から生まれたそよ風の行く末を見届けてみたくなって
少しずつ大きくなっていく風を見守ることが、いつしか私の楽しみになっていた
――あれから半年。
すっかり大きくなった「希望の風」とまでは行かないけれど、私も少しは成長できたかしら?
これからもこの番組と共に、歩んでいけたらと思う。それはとても素敵なことだと思うから
RN:銀の鈴
』
『多分、この番組をとある中華飯店で聞いていらっしゃるスタッフの方ですね。ありがとうございます』
ライディのリアクションにレールズ(
ga5293)と共に食事をしていたリンが苦笑した。
「彼も成長しているようね‥‥」
『成長らしい、いいお便りです‥‥次のお便りよみます』
微笑ましく思うリンとは対象にすごしている時間の差を感じて、シーヴは少し越えのトーンが落ちてしまう。
『
時は移り、人々の想いが変わるとしても‥‥私の知る『彼』はきっと自らの願いを貫く事でしょう‥‥
時に辛く、悲しい思いを越えてなお‥‥
嗚呼、私は風になりたい
『彼』の傍らに在ろうと願う、乙女の背を優しく包む‥‥私は風になりたい
RN:マリア
』
『久しぶりのマリアさんからのお便りですね。前回から大分たっていますがありがとうございます‥‥彼って誰でしょう?』
『ライディは相変わらず鈍いでやがるです』
『シーヴさん、次お願いします』
『はい、同じようなものなので、続けて読ませていただきます』
一瞬地がでていたが、それでもの物怖じせずシーヴは手紙を読む。
『
LHに来てから俺は変わったと思う。感情を素直に出すようになったかな
っつーか、最近優しいとか言われんだけど! 言われんだけど! キャラ違くねぇ!?
この路線でいっていいものか、悩む今日この頃だぜ‥‥
これも『成長』か?
RN:空飛ぶ海賊
』
『
こちらへ来てから半年ほど経つのでありますが、仕事を通して出会った方々から、『明るくなった』と言われるのであります
たぶん、今までの私に欠けていたピースが、一つ、また一つ‥‥少しずつ埋まっていくからだと思いうのであります、この先も‥‥
RN:Rui
』
『成長は失われたものが戻ったり、新しく変化することのようです。それは人との出会いから‥‥』
シーヴはどこか熱の入った声で伝える。
「それで良いのです。時は流れ‥‥人の輪は大きくなる‥‥」
放送を聞きながら、ハンナは義理の妹の言葉に頷く。
そして、レールズに合図を送るとコンテストへの着替えに向かった。
『あと、Ruiさんよりのリクエストでアイドルマーセナリープロジェクトの曲。ラジオドラマでも放送した『僕たちの自然(ナチュラル)』のOPより『NATURAL−ナチュラル−』です』
曲がはじまりだすと共に、凛々亭の照明が一度落ちる。
ここから連動ショータイムがはじまるのだ。
●ミス凛々コンテスト!
「はいはい〜、今からコンテスト始めるよー」
やや長めのイントロと共に以前中国の依頼で作ってもらった鳳凰の刺繍が入ったチャイナドレスを着てコハルがライトアップされながら出てくる。
「司会者が目だっていいというわけはないよね! チャイナで登場!」
エーという反応を黙れとコハルが一喝して制した。
「さあ、ここ凛々亭に集まったチャイナ服を纏った美女達! 果たしてミス凛々の栄冠を手にするのは、一体誰なのかっ!? 出場者、入場っ!」
そして、コハルの言葉と共にイントロが終わりファッションショーよろしく、チャイナ姿の美女達がでてくる。
「良くも悪くも常に自然体、最近グラビア復帰する事になった風です♪ 皆応援よろしくね♪」
白い羽ショールを肩にかけ、白地に水色の大花羽模様控えめな配色ながら、胸元は大胆にダイヤカット、ロングだがスリットは深く入ったチャイナドレスでステージに現れる。
そして、ホアキンに向けて投げキッスを飛ばしたあとステージの袖へ戻っていった。
(「この服装だと‥‥、くっ‥‥」)
自分の貧乳を気にしつつも、ステージに現れたのはファルル・キーリア(
ga4815)である。
チャイナドレスは蓮華にチョイスしてもらった青を基調としたシンプルなもので白い花弁がところどころ散らされていた。
「ファルル・キーリアよ。大きさだけが力でないことを大規模作戦ともどもここでも見せるために来たわ、よろしくね」
スリットから白く細めの足を強調してステージを動きまわり、袖へと戻っていった。
次はハンナの番となり、最初は恥ずかしそうに俯き気味ですが、意を決し凛とした表情でステージの中央へあるいていく。
チャイナドレスは薄桃色の生地にヤマユリの花の刺繍がされているおとなしい彼女らしくないものであり、またステージでは舞を披露した。
「‥‥ありがとう、皆さん‥‥」
出場者が登場するたびに贈られる拍手を受けたハンナは少し感動しながら、ステージを後にする。
「はーい、みんなー! ちゃいなっ娘50%のデビュー曲、『希望の風に乗っチャイナ』聞いてね!」
ハンナの次に出てきたのはさっちー&らうりんによる女装チャイナ娘ユニット『ちゃいなっ娘50%』だった。
出てくるなり、いきなり手持ちのラジカセでBGMを流して踊りだす。
「今日もいつものお楽しみタイム♪ ラジオの前で胸高鳴らせるの〜♪」
さっちーこと雑賀の衣装は山吹色ミニチャイナ白牡丹柄にヘッドドレスと羽扇子。
さらにはハイヒールという徹底ぶりだった。
「いつも笑顔を届けてくれる♪ 希望の風に鼓動ドキドキ〜♪」
らうりんことラウルの衣装は藤色蝶柄でスリットばっちりのロングチャイナドレスで髪にコサージュ、胸元にレインボーローズというこだわりぶり。
「「乗っチャイナ♪ ノッちゃいな♪ ライライラライライ〜♪」」
サビを二人で踊りながら、締めた。
拍手というかどよめきしか起きないが、気にせず二人はウィンクと投げキッスと共にステージを後にする。
なお、コハルによりラジオでこの歌が流されていたと二人が知るのは後日であった。
●コンテストの最中に‥‥
楽しそうに騒ぐコンテントに人が集中している間、レールズは凛々亭の二階ベランダへリンを誘っていた。
「こんなところに呼び出して‥‥という出だしも当たり前すぎかしらね」
タバコを咥えつつ、リンはレールズを見る。
「すみません。こんな先が見えない仕事をしているからこそ、今の関係でも良いと思ってしまいます‥‥けど、一歩関係をすすめたいので‥‥俺はリンさんが好きです」
レールズはハンナの合図と共に取りにいった青のアイリスに白のユーストマで包んである花束を言葉と共に差し出した。
「‥‥有り難う。貴方が私を好きだと言ってくれたことを‥‥心から、嬉しく思う。けど聞かせて? 私のどこがよかったの?」
花束を受け取りながらリンはプロポーズに答えつつも、疑問をレールズに投げかけた。
「‥‥やっぱり恋に理由は要らないじゃダメですか?」
照れながらレールズが答えると、ラジオから他のリスナーがリクエストしていたのかダンス曲が流れ出す。
「ここは‥‥こういうべきですかね。shall we dance?」
お辞儀をしつつ手を差し伸べるレールズに、手を握ることでリンは答えた。
●決定、ミス凛々中華娘!
ダンス曲に変わったとき、ステージでは真琴が舞を踊っていた。
真琴の衣装は上下で分かれたタイプのチャイナドレス。光沢のある白地に薄紫の糸で蓮の花の刺繍がされており。
上着の丈は短くへそ出しぐらいの物で下は足元までの長さでスリットも深めだ。
ふちのレースが真琴の舞と共にふわふわ揺れる。
設定時間の半分までくると、覚醒し、胸元から腹部にかけて焔の紋様が現れ、髪や瞳に赤みが差す。手足には幻視の炎を纏う。
暗くなったステージで、その光景は幻想的に映った。
「どうも、お粗末様でしたっ」
覚醒をといて、舞を終えると丁寧に礼をし、拍手と完成をあとに真琴はステージを後にする。
「どうも、風華です♪」
次にでてきたのは赤地に金刺繍のロングチャイナでスリット深めの衣装。
黒髪でポニーテールを結わえた美女だった。
見えそうで見えない足運びをし、それ共に動く視線をみつけると
「あら、いけない人。そんなんじゃ女の子は振り向かないわよ?」
と注意までするその姿は妖艶という言葉がよく似合っていた。
そのまま正体を明かさず風華と名乗る美女はステージの袖へと消えていく。
「え、えっと‥‥結城玖沙久です。よろしくお願いします」
一風変わって初々しさが光る玖沙久がステージにでてきた。
水色のチャイナドレスでちょこちょこと現れ、挨拶を終えると袖へと消えていく。
ラストを飾ったのは桜子。
赤地に花の金刺繍のチャイナドレスで、髪は左右高めににシニョン結い。靴は白い絹のパンプスを持参でなぜか桃まん片手にステージに現れた。
「な、何をいいのでしょうか‥‥えー。本日は皆様とこうして楽しい時間を過ごせて嬉しいですわ。ええと、桃まんをお持ちしたのですけれどお食べ下さいね」
はじめはおろおろしていたが、ややずれていたが桜子自身は満足したようすで桃まんを配りステージ袖へと帰っていった。
「以上です〜、もう少しで集計作業にはいりますので、この人! という方がいたら投票してください。それまではラジオをお楽しみください」
そして、照明がつき、司会のコハルが進行を始める。
音楽がしばらく立って終わり、メールコーナーも再開する。
携帯電話でライディともども打ち合わせしていたコハルの見事なコラボレーションだった。
『後半のメール担当はいっちゃんがお送りしまーす』
『そんなことはじめの挨拶で言ってなかったじゃないですか』
『細かいことは気にせず気にせずっ』
どちらがメインか分からない流れでメールコーナーは進んでいった。
『
大切な友達の笑顔のおかげで、こんなにも楽しい毎日が送れている
戦争中だと言うことを忘れさせてくれるくらい、充実した日々
こんな風に笑えるのは、きっと、桜のような笑顔のおかげ
RN:小さな笑顔
』
『
ライディさん、こんばんわ。そして欧州で共に戦った戦友たち、お疲れ様
私は、今回の戦いで今まで育ててくれた隊長と別れ、新しい部隊を設立しました
どう部隊を運営していくのか、そもそも人数は集まるのかなど
手探りで動いていく中、入隊し支えてくれ、最後までついてきてくれた隊員たちのお陰で、無事に戻ってくる事ができました
戦果もあげることも出来ましたが、それより隊員全員が無事に戻ってきた事が、私には嬉しいです
全ての隊員、戦友達、そして今まで育ててくれた元隊長に感謝を示しつつ‥‥
RN:白い花びら
』
『追い風でジャンプすれば気持ちよく飛べるね』
『いや、コメント意味不明ですから』
『次ぎいってみよー』
ライディはのもじにやや振り回されていた。
『
‥‥成長したいこと‥‥配慮ある行動を心がけたい。
あることをして、そうしたらどうなるか‥‥それが分かるようになりたい‥‥
ああ、食べさせるんじゃなかった‥‥
RN:コレでも日本生まれ
』
『サルミアッキを食べさせちゃだめですって‥‥』
『世界三大危険食物の一つだねっ!』
『そんな認定されてされていましたっけ?』
『ノリと勢いだー!』
『嘘を流しちゃいけませんよー。皆さん、危険な食べ物には注意してくださいね』
ライディが訂正を入れつつ注意をうながす。
『ここからはラブーイ空気の漂うのを読んでいくよー。聞きたくない方は耳をふさいじゃってちょうだいな。やっちゃいな』
『ちゃんと聞いてくださいね〜』
『
数多の戦いを経て、身体が強くなった
数多の想いを経て、心が強くなった
今、俺は青い髪の君の前にいる
これから育っていく君との物語を思い、俺はまた弱くなっちゃいそうだよ
‥‥好きだよ、大好きだ
p.s.ライライはずっとウチの大事な店員だ。いつでも顔出せよ!
RN:道化師
』
『
3度の大規模作戦と、色んな依頼を超えて、少しは強くなれたみたいです
それでもまだ届かない相手がいる‥‥いつか絶対、超えて見せます
RN:風猫
』
『
法的に大人になっても、まだまだ心の弱い子供です
支えてくれる大好きな人
守ってくれる優しい人達
大好きな人を支えられるよう
優しい人達を守れるよう
急がずに良いと人は言うけれど、早く強くと願わずにはいられない
RN:紅の炎
』
『6月が近いからって、皆ラブラブだねー』
『道化師さんは誰か分かってしまうのがちょっとうれしいような悲しいような‥‥でも、ありがとうございます』
『RN使う意味がない人もいるよね、たまに』
『紅の炎さんも無理をしないよう。急がば回れという言葉がありますから』
そんなやり取りをしているあと、コハルが動き出す。
「集計結果でました、でれれれれれでん! 今回のミス凛々中華娘は不知火真琴さんに決定でーす。覚醒をつかった幻想な舞の評価が多かったです!」
「おめでとうございます!」
結城加依理が【祝・ミス凛々&大規模作戦成功!】と書かれたチョコレートの板の乗る巨大なケーキを真琴に渡した。
「あ、あっと本当にありがとうございます! まさか私が優勝するとは‥‥」
予想外の展開に真琴は困っている。
『おおっと、ここで最後のデンワコーナーもしもしー?』
のもじが電話をプッシュする音と共に、女装から着替え直したラウルの携帯が鳴り出す。
「はいはーい、こちら自称ライライの親友です」
『え、この声って』
ライディの驚きの声が聞こえてきた。
「僕らは少しずつ変化‥‥成長してると思うんだ
旅立つ度に
何かをやり遂げる度に
時には失敗しても‥‥
そんな僕らの帰りを待っててくれるライライも、一緒に成長してると思うヨ
成長してるカラ『おかえり』って笑って受け止めてくれる
そんなライライに感謝をこめて、それじゃあ、せーの‥‥」
「「「「ただいま!」」」
宴会場にいる能力者達から一斉にただいまとの声が響いた。
しばらく、感動して番組が中断しそうになったが、ライディはこたえる。
『ぐず‥‥はい、おか‥‥えり‥‥』
ライディの傍にシーヴやアンドレアスがいなければ番組は中断していた。
それでも、涙をぬぐって放送をライディは続ける。
自分自身の成長だと思っているからだった。
●宴の終わりで‥‥
その後、ケイによる一発芸が行われ、またコハルとトヲイによる肉まん大食い大会はコハルのスリットから覗く太ももにトヲイの意識がいってしまったためトヲイは敗北してしまった。
帰り道、ホアキンが風にダイアモンドの指輪と共に結婚を願い、風も自分の欠点を受け止めてくれた彼に了解をするなど、それぞれが新たな一歩を踏み出していた。
すべての人々に成長を届ける希望の風となりえたラジオとなったのである。