タイトル:笑いの神マスター:御影友矢

シナリオ形態: イベント
難易度: 易しい
参加人数: 3 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/05/08 16:28

●オープニング本文


 近年バクアの侵攻により、人々は怯えながら暮らしていた。
 そしていつしか本当の笑いが無くなっていく。
 笑いとは人々の生きる活力であり元気の源。
 人々はほんのひと時でもいいから、本気で笑いたい。
 大声を出して、口を大きく開けて笑いたい。
 ほんの些細な願望。
 でもそれは、人にとって安らぎを与える。
 だから‥。

「う〜ん、きますかね〜」
 熊本のとある観光会館を貸しきって行う、イベントの進行役の一人熊本テレビアナウンサーの須藤真美(24)は不安に駆られていた。
「お前の気持ちも分からんでもないが‥開始前からそんな感じだともたないぞ。」
 そう言ったのは、もう一人の司会者で真美の上司である堺丈治(32)
 そう‥このイベントはお笑い大会で、優勝賞金7万円、参加者は、全て傭兵だった。
「そうですが‥もう少しで始まりますね〜」
 真美は手に平仮名の、のを書いてそれを飲み込む。
「そんな事してないで、お客様を誘導するぞ。」
 既に、観光会館の前には長蛇の列。
 真美と丈治とスタッフの誘導で混乱無く、入場入りし‥そしてイベントが始まった。

●参加者一覧

/ クレイフェル(ga0435) / 空閑 ハバキ(ga5172) / 阿野次 のもじ(ga5480

●リプレイ本文

 普段はお笑いなどやった事もない傭兵達。
 だが時々詰まりながらも精一杯やっていた。
 それが徐々に観客達に伝わり、1人、また1人と笑う者が出てき。
 その熱気が周りに浸透し、2時間もたてば、笑わない者はいないほどになっていた。
 その理由の一つが安心感や安堵感にある。
 例えこの瞬間バクアやキメラに襲われても、傭兵達がいれば安心。
 その事が、純粋に観客として見られる大きな要因となっている。
 そして‥。

「さーて、残す所は決勝戦だけとなりました。それでは選手の入場です」
 真美の掛け声の後、白い煙が噴出し、ステージの奥から三人の人物が姿を現す。
「皆さん知っていると思いますが、改めてご紹介しましょう。一組目は浪花の美形コンビクレイフェル(ga0435)さんと空閑 ハバキ(ga5172) さんです」
 奥様方から黄色い声が飛び、二人は手を振り、それに答える。
「決勝への意気込みをどうぞ‥まずはクレイフェルさんから」
 クレイフェルはすっと息を吸い込み。
「俺の強化ハリセンが叫ぶんや! 思いっきりツッコンでこいと! 空閑とコンビを結成しての参加! 阿野次のもじ(ga5480) には負けんで!」
 闘争心めらめらに叫ぶ。
「燃えて来ましたね。続いて空閑さんどうぞ」
「クレイと組んで参加しています。沢山の人に笑って貰いたい。よろしくお願いしまーす♪」
 柔らかな笑みは、会場の奥様方をうっとりさせるには充分だったが。
「何かっこつけてんねん」
 クレイにつっこまれた。
 続いて出てきたのは、阿野次。
 こちらは一部の若い者達に大人気で熱烈な歓声を受け、目の上に手を置きお決まりのポーズを決め、歓声がより一層大きくなる。
「すごい歓声ですね。では阿野次さん意気込みをどうぞ」
「ハイ!ジャック★掲示板でネタバレしまうまーでもジョブジョブ大丈夫、皆阿野次が勝つよね〜」
「「「「お〜〜〜」」」」
 萌える声援が飛ぶ。
「ここで決勝戦の説明をします。決勝戦はネタの他に大喜利にも挑戦して貰い、合計ポイントが高い方が優勝になります」
「聞いてないよ〜」
「そんなん当たり前やんけ、今姉ちゃんが説明しとったやろ」
「あ〜‥紹介」
「その後や〜」
 会場の笑いを誘いながらも、2組のボルテージは最高潮。
「ふっふっふっ、私が勝っちゃうよ〜」
「いーや俺等が勝つ」
 二人の目線がばちばちと火花が散ったが。
「じゃあ引き分けという事で」
「「そんなんないわ(よ〜)」」
 今度は二人がつっこんだ。

 一旦二組はステージ奥に戻り、幕が下がり、ステージ上では先行の空閑とクレイフェルのセッティングが行われ、2分足らずで完成し、幕が上がる。
 そして二人はステージに出た。
「どもー、ハバキです」
「クレイです」
「二人合わせて《すと☆もん》ですっ」
「しょっぱなから略すなーっ」
 すぱこーんっと、クレイフェルの巨大ハリセンが唸りをあげる。
「あたっ、ごめんごめん!んじゃ、もう一回ね。出だしから」
 そう言って二人は幕間に下がる。
「どもー、ハバキです」
「クレイです」
「二人合わせて《すと☆もん》こと、《ストロング☆モンスター》ですっ」
「どうぞ宜しくお願いしまー‥ってちゃうわっ」
 すぱこーんっと、若干覚醒状態気味になったクレイフェルのハリセンの音が響き渡る。
「ストロベリー☆モンブラン》!2人の好物でってつけたやんか。何やねん、モンスターって。俺らはどこぞのキメラかい」
「あ、お客さんもアフロ被ります?」
 空閑はにこっと笑う。
「人の話をきけやっ! アフロも、勧 め な い! もーほんま、すいませんね」
「ところで、クレイさん。ちょっと聞いてほしい事が」
「なんやー?」
「俺、エクセレンターなんですけどね。最近エキスパートがLHに来たじゃないですか」
「うんうん」
「エの字が被って、ただでさえ小勢力なエクセレンターの存在が更に薄くなった気がして」
「エクセレンターもなかなかステキな気はするねんけどなぁ‥‥確かに、エが被って見難いよなぁ‥‥」
「そなんで、俺、新しいクラス名考えてみました」
 空閑はしゅたっと1歩前に出る。
「器用貧乏なー‥ボンビーマン!」
「なんや、そのどっかのドラマみたいなん。っちゅーか弱そうやんかその名前っ! もうちょっと強そうなんはないんかい」
「あるある! もう1個考えた!」
 空閑は再びしゅたっと前に前進する。
「自己回復もできるー‥壁!」
「って!それ、切なすぎるやろ!」
「でも、新しいクラスはもっと増えていきそうやんなぁ」
「ふっふっふ。この後どんなクラスが出てくるか、俺、予想してみました!」
「ほほーう。どないなん?」
 空閑は三度前に前進する。
「新クラス。ずばり《ツッコミ》」
 どーんと、空閑が強調する。
「ぬう‥‥」
「装備はハリセン。ぴこハン常時携帯っ。つっこんでは投げ、ちぎってはつっこみ!!」
「‥‥バグアをどかんどかんと笑わせ悶絶させる気か‥‥おそるべしツッコミ」
「って、何納得してんねん! つっこまんかい!」
 空閑はクレイフェルからハリセンをひったくり、ここぞとばかりに覚醒状態になりぱこ〜んとはたいた。
「ぎゃふ」
「何の為にハリセンをレベル6まで強化したのか! ええか、次はちゃんとつっこむねんで」
「う‥うっかり、本分忘れとった‥」
 クレイフェルは汗を拭く仕草をする。
 空閑は4度前に前進する。
「新クラス。《エスパー》」
 どーんと、再び空閑が強調する。
「って。やっぱり〈エ〉かいっ! もうええわ」
「「ありがとうございましたー」」
 会場から割れんばかりの拍手と歓声がなる。
 
「やばいわーこれはー」
 舞台裏で見ていた阿野次はそう呟く。
「でも負けないんだからね〜」
 幕が下り、ステージ上では阿野字のセッティングが行われ10分後完了し幕が上がる。
 そこはケーキ屋の店内でテーブル席にはマスコットのフルパワ人形がすわっていた。
 そこに舞台裏からケーキ屋の店員姿で元気良く阿野字が登場。
「いらっしゃいませろうてりや まくどなる どまどまらっき さーてぃー せぶん』にようこそ!」
?無駄にながっ! 1つに絞れよ
 録音した声の音声(人形)が突っ込み役を担当していた。
「略してパワプロ!」
?一文字もあってねぇ!しかも某プロジェクトと似てるし
「銅の剣ケーキですね。ご一緒に皮の盾はいかがですか」
?何屋だよ
「パンケーキ4個分くらいかな」
?返答になってないし
 その後店員のアイテム欄が全て皮の盾で埋まってることが判明したりするが、以下色色中略
?中略かよ! そこ重要だろ
「ご注文は以上ですね。タンタンヅゥ」
 阿野次は両手あげ奇声をあげる。
?怖っ
「失礼しました。嬉しくなるとついやっちゃうんだ。では改めて」
 こほんと阿野次は咳払いをし。
「ご一緒に皮の盾はいかがですか」
?そこからかよ! もういいよ! 帰るよ。
「支払いはどうされます」
?ほらよ
「「一万入ります。阿野次嬉しくなっちゃう」
?ぼったくりかよ
 幕が下ろされ、阿野次は高速で着替え、クレイフェルと空閑に耳打ちし。
「おもろいやんそれ」
「ピコハン(と書いてライバルと読む)のいっちゃん賛成です」
「なんやねん、その不良少女みたいな名前は」
「とりあえずオッケーでいい?」
「「「タンタンヅゥ」」」
 3人の心は今ひとつに。
「なんやねんこの流れは」

 再び幕が上がり、クイズ番組のステージに、回答席にはクレイフェルと空閑が座っていて、司会者は阿野次だった。
「『クイズ☆らッぴーいっちゃんネル☆』おはーハッピー☆
 みんなのスーパーアイドル〜司会の阿野次のもじです♪」
と、『時間押してます』というテロップ板をぶっ壊し、阿野次は宣言する。
「観客の皆も考えてね〜。それでは第1問加藤清正が、熊本城で帰らぬ人となったのは、1611年(慶長11年)のこと。その死に際に、天守前に植えられた樹木を指差し、「この木が天守より高くなったとき、城に異変が起こるだろう」と預言したというエピソードが残されています」
 ぴこーんとボタンを押す空閑。
「それでは空閑さんどうぞぉ〜」
「16歳って‥イイねっ」
「問題と関係ないやん」
「正解〜!」
「こら司会者何言うてんねん」
「というのは嘘です〜」
「当たり前や」
「それでは問題の続きから、清正が指差した天守前の樹木は、何の木と言われているでしょうか? それじゃあ〜クレイフェルさん答えてくださ〜い」
「ボタン押してないやろ」
 クレイフェルはボタンを強調して‥。
 ぴこ〜ん。
「あっ」
 押してしまった。
 にんまりする阿野次。
「それではクレイフェルさんどうぞ〜」
 ごほん‥とクレイフェルは咳払いをして。
「銀杏の木や」
 周り全体がシーンとする、クレイフェルのKY発言。
「だから言いたくなかってん! 突っ込みにぼけ求めんな〜」
 それはクレイフェルの魂からの叫び。

 問題が進み、空閑のボケにクレイフェルの突っ込み、阿野次の無茶振り。
 そして‥。
「最終問題は超イントロドン。正解すると53万Pだ!」
 ぴこーん。
 素早く反応しボタンを押した、のもじが一曲歌いだす。
「曲は阿野次のもじ『試作型LOVE放電装置♪』」
「こら司会者」
 クレイフェルの突っ込みで幕が下がった。

 大喜利のセッティングが行われ、10分後2組は浴衣姿で出てきて中央の畳の前にある、アフロを3つ被って座った。
 位置の方は右から順にクレイフェル、空閑、阿野次。
 司会者は真美だった。
 ちなみに丈治はアフロ係。
「それでは大喜利を始めます。全部で2問あり、第1問目は、指名された物が何か言い、私が「暑いからですねぇ〜」と答えます。その後何かぼけて下さい」
 素早く手が上がったのは空閑。
「はい、空閑さん」
「最近アイスが売れてますね」
「最近暑いですからね〜」
「あっついでにジュースも」
「最初の言葉と関係ないし」
 クレイフェルがつっこみをいれる。
 続いてクレイフェルが指名され。
「いいかよく見とけよ。辛い物がおいしい季節になりましたね」
「最近暑いですからね〜」
「汗出て汗出て、発汗作用つよっ!」
「それでは阿野次さん」
「するーかよ」
「ライブが盛り上がる季節ですね〜」
「最近暑いですからね〜」
「ぜひ私のライブに来てください盛り上がりますよ〜」
「告知かよ!」

 1問目が終わり、空閑4アフロ、クレイフェル2アフロ、阿野次3アフロ。
 当然前は見えない状況だった。
「それでは、ないても笑っても最終問題です。最終問題はあいうえお作文でお題となる単語の各文字を各句の頭文字に据えて文を作ってもらいます。それではお題は、皆さんにちなんで『ようへい』です」
 スパッと空閑は手を挙げる。
「速いですね。それでは空閑さん」
「よってらっしゃい、ういろう屋、ヘリウムガスを、入れてます」
「声変わるし、まずそうで誰もくわへんわ」
 内心、クレイフェルはおもろいと思ったのは内緒である。
 続いて阿野次が指名された。
「ようこそ、うちのライブへ、へたっぴですが、一杯一杯がんばります」
「また宣伝かい」
 そういいながらもクレイフェルは焦っている。
(「どうするよ、俺」)
 当然選択を決めるカードなど存在しなく、とうとうクレイフェルの番になった。
(「なるようになれだ」)
「傭兵は、運が無いと死ぬ可能性がある大変な仕事、変にかっこつけて死ぬより、生きて皆が笑って過ごせるならどんなにかっこ悪い姿を晒しても構わない」
 会場全体がやさしい笑みに包まれる。
 そして‥全部の項目が終了した。

●その後
「もうちょっとだったのに〜」
 阿野次は悔しがる。
 審査の結果は、優勝は空閑とクレイフェルの2人で阿野次は僅差で敗れた。
「まっ、俺達には敵わなかったって事やな」
「き〜最後が良かったからって」
 最後の最後でクレイフェルは5アフロ獲得し、優勝に繋がった。
「まあまあ、面白かったですし、良かったじゃないですか」
「「よかないわ〜(よ〜)」」
 ぴこハンと巨大ハリセンにはたかれ。
「何で俺が」
 と☆マークを頭に浮かべ、空閑は昏倒する。
「もうちと、手加減しとけや」
「私は優しくしたわよ〜」
 言い争う阿野次とクレイフェル
 空閑の頭にこぶが2つ
 2人とも覚醒状態で、全力ではたいたのは言うまでもなかった。