タイトル:俺の褌を返してくれマスター:水貴透子

シナリオ形態: ショート
難易度: やや易
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/11/24 01:32

●オープニング本文


な、何と言うことだ!

これは俺の存在に関わる一大事だ!

※※※

「こんにちはー! クリーニング屋でーっす」

今にも風で吹き飛んでしまいそうなおんぼろアパートにクリーニング店を営む女性が『204・大石』と書かれたドアを少し乱暴に叩きながら叫ぶ。

「あ、どうも! 今日頼むやつはこれだけだな」

そう言って大石は褌が大量に入れられた袋を女性に差し出した。

「‥‥あのさぁ、頼むから褌をクリーニング屋に頼むのはやめようよ。お得意さんに言いたくないけどさ‥‥むしろ普通の服をクリーニングさせろ」

女性はため息混じりに袋を受け取り、じろりと睨みながら大石に言葉を投げかけた。

「それは無理、俺は服なんて持ってないのさ!」

無駄に歯を輝かせながら女性に言葉を返し、女性は「昔からだから分かってるけどさ」と盛大なため息を漏らした。

クリーニング店の女性は大石の同級生で、大石とはそれなりに長い付き合いになる。

「あんたもさ、普通に服を着なきゃ結婚できないよ?」

幼馴染の女性が少し哀れむような視線を向けながら呟くと「じゃあキミが‥‥「ふざけんな」‥‥ぐふっ」と彼女は大石の言葉の途中で顔面パンチを入れる。

「私はもう旦那さんがいるし、子供も二人、結婚生活に不満なんてないから浮気もしません。するとしても私に相手を選ぶ権利があります」

蹲る大石に彼女は言葉を返し「んじゃ、二日くらいで全部終わるだろうから取りに来てよね」と女性は呟きながらアパートを後にしたのだった。

「さて‥‥俺も仕事に行くかな。その前に何処かに寄って朝飯を食おう」

独り言をぶつぶつと呟きながら大石はアパートから出て、近くの喫茶店へと足を運んだ‥‥しかし、その途中で事件は起きたのだ。

「きゃあああっ!」

女性の悲鳴が聞こえ、大石は足を止める。何故ならその声には聞き覚えがあり、先ほどまで自分と喋っていた幼馴染の声だったからだ。

「お、おい、どうした!」

道路で足を押さえながら座り込んでいる幼馴染を見つけ、大石が駆け寄る。

「く、車が‥‥」

「車?」

「クリーニングする服を入れた車が盗られたのよ!」

いたた、と表情を歪めながら幼馴染は言う。

「すぐそこの店で強盗が起きたみたいでねぇ、停まっていた車に乗って逃げちゃったのよ‥‥」

中年女性がおろおろとしながら大石に話しかけてくる。

「強盗‥‥待ってろ、すぐに取り返してきてやるから」

「あ、ありがと‥‥」

そう呟き、大石は仲間に応援を求める為に本部へと向かい始める。

「強盗めえええええっ! 俺の褌を取った事を後悔させてやるぜええええっ!」

大石の叫ぶ声に幼馴染は少しでもカッコイイと思った自分を恥じる。

ちなみに強盗は『逃げる為の車を奪った』だけで『大石の褌を狙って奪った』わけではない。

●参加者一覧

山科芳野(ga0604
20歳・♀・ST
UNKNOWN(ga4276
35歳・♂・ER
羽鳥・流(ga5232
18歳・♂・BM
佐竹 つばき(ga7830
20歳・♀・ER
香坂・光(ga8414
14歳・♀・DF
天道・大河(ga9197
22歳・♂・DF
千祭・刃(gb1900
23歳・♂・DG
ディッツァー・ライ(gb2224
28歳・♂・AA

●リプレイ本文

〜盗まれた褌、実際狙われたのは車です〜

 事の始まりは褌男の大石・圭吾(gz0158)の褌が狙われた事だった。不要かもしれないが補足しておくと狙われたのは車であり、決して大石の褌ではない。
「強盗だああああっ! 俺の褌が狙われたああああっ!」
 現場近くで叫びながら走る大石の言葉に「ご、強盗!?」と羽鳥・流(ga5232)が『瞬速縮地』で追いかけようとするが、相手は車なので追いつくはずもなく羽鳥はスキルで追いかけるのを諦めて周りを見渡す。
 その時に同じく強盗犯を追いかけようとしているUNKNOWN(ga4276)がキキィと音を鳴らしながら車を停める。
「あ、あんた、俺も乗っけてくれないか? 強盗をとっ捕まえたいんだ!」
 羽鳥が問いかけると「ふ‥‥乗りたまえ」とUNKNOWNは車の鍵を開ける。
 そして出発しようとしていた時、二人と同じく強盗犯を捕まえる為に行動を起こしている仲間を見つけて話しかける。
「褌を盗むとは不届き至極! 目に物見せてくれるーっ!」
 鳳 つばき(ga7830)がやる気を見せながら叫ぶ。しつこいかもしれないが決して強盗犯は大石の褌が欲しくて車を盗んでいったのではない。
「‥‥はっ!」
 ディッツァー・ライ(gb2224)が自分の行動に何か違和感を感じてハッと呟く。何故なら彼は着ていた服を脱ぎ始めて『漢のふんどし』に『わらじ』という格好になっていたからだ。
「俺は何故こんな格好で‥‥まぁ、大石絡みだし、仕方がないか」
 全ては大石のせいにしてディッツァーは納得したように呟く。他のメンバーも異論を唱える者はいない。全ては褌一丁の大石が悪いのだ。
「ふふん。身体を張ったネタで負けるわけには行かないもん!」
 香坂・光(ga8414)が多少恥ずかしさを覚えながらも褌一丁になる。
「ふきすさ〜ぶ〜風が〜褌には〜よく似合う〜♪」
 天道・大河(ga9197)は『サングラス』に褌一丁という格好で歌いながら現れる。その隣では大石を『ふんど師匠』と仰ぐ弟子の千祭・刃(gb1900)が「師匠の危機は弟子の危機でもあります!」と大きな声で叫ぶ。
 何度も言うが『大石の褌が狙われた』という事実は一切ない。
「おはよう〜、今回も大石君が何かしたらしいね〜。とりあえず気合いれて頑張ろ〜」
 山科芳野(ga0604)が眠そうな表情で呟く。
 そして何故か『恒例』となりつつある事、それは能力者達の褌化だ。山科と千祭以外の能力者達は全員が褌姿で任務に当たる事となっていた。
「それじゃ、うちは本部に残って追跡する皆に情報を送るオペレーター的な役割を引き受けるね。クリーニング屋のおねーさんもいる事だし、車種やナンバーを聞いたらすぐに連絡するから、出発して大石君の褌を取り返してあげて」
 山科の言葉に、能力者達は首を縦に振り、それぞれの班に分かれて行動を行う。
「あたしが大石さんを拾うから、連絡がついたら何処にいるかとか教えてくれると嬉しいな」
 香坂が山科に話しかけると「うん、分かったら連絡するよ」と山科は言葉を返し、能力者達はそれぞれ出発していったのだった。

〜褌を求めて、強盗犯を求めて、それぞれが動き出す〜

 能力者達の班分けは山科が本部に残って連絡係、羽鳥はUNKNOWNの所有する『ランドクラウン』に乗り、鳳が所有する『ファミラーゼ』にディッツァーが乗り込む。
 そして千祭のAU−KVをバイク形態にして天道が後ろに乗り、強盗班を追いかけるために車やバイクを動かしだしたのだった。

※UNKNOWN&羽鳥組※
「ふむふむ、ふんどしファイターの褌のっけたクリーニング屋の車が強盗に盗られたってワケね‥‥って、ンなもんクリーニングに出すなっての!」
 羽鳥が山科からの強盗班の情報を聞きながらため息混じりに呟く。
「大石君は褌一丁で追いかけてるみたいだから、見かけたら連絡宜しくね〜」
 と言っていた山科の言葉にUNKNOWNは「はて」と首を傾げる。
「褌一丁で追いかけている? ‥‥もしや、初めに撥ねかけたアイツか? いや、私は見てないな、うん‥‥」
 何処か自信なさ気に言葉を返すUNKNOWNに「‥‥まさか」と羽鳥は嫌な予感が頭を過ぎったのだとか‥‥。

※鳳&ディッツァー組※
「よぅ、そういえば挨拶がまだだったな。通信機越しで悪いが、今回も宜しくな。頼りにしている」
 ディッツァーが通信機越しに千祭に挨拶を行う。彼が話している間に鳳は褌とサラシ姿になり、そしてサングラスを装着する。
「褌魂発現!」
 くわっと表情を険しくしながら鳳が叫び、勢いよく運転を開始する。喋っている最中だったのでディッツァーは危うく舌を噛む所だった。
「鳳つばき‥‥少し運転が荒――」
 ディッツァーが鳳に話しかけようとするが、大音量で流れる刑事ドラマのテーマ曲に彼の言葉はかき消される。
「何か言いましたか!?」
 鳳が大きな声でディッツァーに問いかけるが「いや‥‥なんでもない」と言葉を返す。
 そして、そこで彼は思う。大石の褌が盗まれた、つまり大石から褌がなくなる。
「おいおい、アイツから褌がなくなったら‥‥やべぇな、さっさと犯人捕まえないと」
 大石から褌がなくなったら‥‥それはただの変質者である。別な意味で大石を心配したディッツァーに急かされるように鳳もアクセルを強く踏んだ。

※千祭&天道組※
「ふんど師匠の褌、返してくださーいっ!」
 千祭は叫びながらバイクを運転してLH内を走る。その後ろでは天道が褌を靡かせながら大石の褌を積んだクリーニング屋の車を探す。
 この寒空なのに褌という姿の天道は寒くないのだろうか、千祭はバイクを運転しながら心の中で呟く。
 その時に山科から通信が入り「大石君だけど、近くにいるみたいだから拾ってあげて」と連絡が入ったのだった。
「それに犯人の車も近くにいるみたいだから、注意してみててね〜。ナンバーは‥‥××××だよ」
 山科から奪われた車の車種とナンバーを聞き、それぞれの班は車が向かった場所へと急いで走りだした。

※香坂&大石組※
「大石さんゲーット♪ ‥‥ってどうしたのさ! 何か擦り傷だらけ!」
 大石の居場所を山科から聞いて、香坂が大石を拾って再び強盗班捜索に向かおうとした時、体中に擦り傷がある大石を見て香坂は驚きながら問いかける。
「ふふふ‥‥強盗班を走って追いかけていたら『ランドクラウン』が俺を撥ねかけてさ‥‥危うく俺の命が天国に浚われる所だったぜ」
 大石の言葉を聞いて「‥‥天国に行くつもりなんだ」と小さな声で香坂は呟く。
「しかし俺が怪我してるってよく分かったな〜、はっ! もしかして俺にLOVE!?」
「違うから!」
 何処からともなくハリセンを取り出してスパーンと叩きながら言葉を返す。何故分かった、と聞かれても大石は褌一丁なのだ、傷があれば目立つだろう。褌一丁な彼が怪我してるのに気がつかないとすれば、それは明らかに『気づかない振り』をされているだけじゃないだろうか――と香坂は心の中で呟くが、あえて口には出さなかった。
 大石も合流した事により『褌返せ大作戦』は本格的に開始し始めたのだった。


〜大石の褌を返せ! それは今から洗うんだ〜

「えっと、渋滞情報は特になし、道路工事も今はないみたいだよ〜、それと車の特徴についてもう一つ『貴方の服と一緒に心も爽やかにします』って言葉が白い文字で書かれているみたいだよ」
 山科からの連絡を受けて、能力者達は同じ特徴を持つ車を探すが、やはり簡単には見つからない。
 しかし、防犯カメラや住人の情報などが集まり、人気のない倉庫に車が向かっていくのを見たという情報が入った。
「見つけた! アレだ!」
 羽鳥が指差しながら山科の情報通りの特徴を持つ車を指差して「強盗ー! その車返しやがれ!」と窓から身を乗り出して強盗犯が乗る車に向かって叫ぶ。UNKNOWNも強盗犯達の車の隣に並び、煽るようにクラクションを鳴らす。
「止まらんと撃つ! 止まったら撃つ!」
 空に向かって『スコーピオン』で威嚇するように発砲しながら強盗犯達に彼は叫ぶ。どちらにしても撃たれるんだ、というツッコミはこの際ナシにしておこう。
 しかし強盗犯たちは大人しく捕まる気はないらしく、加速してUNKNOWNの車を追い越して逃げようとする――がそれを見て鳳が一気にアクセルを踏んで加速した。
「同じ車でも褌の分、私の方が早いんだよっ! たぶん!」
 たぶん、と言葉を付け足している辺りが何処か自信なさ気である。そして『褌』には車両の加速効果などはついていない。
「そこの車! 止まれ! 止まっても撃つぞ!」
 UNKNOWNと同じ事をディッツァーは強盗犯に向けて叫ぶ。
「どうせ撃たれるんなら止まるわけねえだろう!
 サングラスに帽子を目深に被った男性が窓越しに叫んでくる。その時タイミングよく千祭達も合流して「ふんど師匠の褌を返しなさい!」と千祭が強盗犯に向けて叫ぶ。
 ちなみに強盗犯たちは『褌』については意味が分からず首を傾げている。強盗犯達もまさか自分達が乗っている車に積んである『褌』のせいでここまで人が追いかけてくるとは夢にも思っていないだろう。
「天道さん、作戦開始ですか? 上手くいくといいですね!」
 千祭が後ろに乗っている天道に話しかけると「褌を盗む輩に容赦はなしだからな」と呟き『ペイント弾』を装填した『ハンドガン』を構えて強盗犯達が乗る車のフロントガラスに発砲して強盗犯達の視界を奪う。
 そして天道が『ペイント弾』を使用したのを見て、ディッツァーも『ペイント弾』で反対側のフロントガラスに発砲して全ての視界を塞ぐ。
 流石に前が見えなくなったせいか、大石の褌を積んだ車は急ブレーキで止まり、能力者達の車やバイクに囲まれる。
 しかし往生際の悪い強盗犯たちは逃げようと足を動かすが、香坂の『デヴァステイター』によって牽制攻撃をされて、動けなくなる。
「褌窃盗者達に告ぐ。君達は完全に包囲されているー。素直に投降すれば良し、さもなくば死よりも恐ろしい結末が待っているぞー」
 鳳がメガホンを使って犯人達に話しかけるが、犯人達は「褌?」と互いの顔を見合わせる。
「ちょ、ちょっと待ってくれ! 褌って」
 犯人達が足を動かそうとした時に「動くな」とディッツァーが叫ぶ。
「鬼ごっこはここで終わりだ。神妙に縛につけ! ‥‥一度言ってみたかったんだ、この台詞」
 ディッツァーはどこか感激に浸るように言葉を付け足して、手錠を手に持つ。
「大石? その怪我はどうした‥‥バグアにやられたのか? くっ、バグアめ。LHで大石を襲うなど‥‥――仇はとってやるからな」
 UNKNOWNは大石に言葉を返させないほど早く喋り、一人で納得するように呟く。ちなみに大石の怪我の原因となったのはバグアでも強盗犯でもなく、目の前にいるUNKNOWNだと言う事を大石はまだ知らない。
「おい、逃げられるかな――」
 強盗犯の一人がもう一人に呟くように話しかけているのを見て「ふ」とUNKNOWNは褌姿で格好をつけながら犯人達へと歩み寄る。
「‥‥あまり悪さするな。褌ライダーズはいつでも、LHの平和を見守っているから、な」
 彼の言葉に犯人達は思った事だろう、彼ら褌一丁能力者達が『平和を崩しているのではないか』という事に。
「大体なぁ! 他人様のモンを取るんじゃねえ! 褌も返しやがれ!」
 羽鳥が犯人達に向かって叫ぶと「だから褌なんて知らないって!」と犯人達も自棄になったように叫ぶ。
「嘘をつくなあああ! 俺の褌を奪っていったじゃないかあああ! おかげで俺は洗い換えの褌がなくなったと心配で夜も眠れなかったんだぞおお!」
 大石が鬱陶しく叫ぶ、しかしまだ事件が起きて夜は来ていないのだから眠れる筈はない。
「だからぁ、その車の中に大石さんの褌が入ってるんだって!」
 香坂が犯人達に説明すると「こんなのいらねぇよぅ!」と褌の入った袋を大石に投げ渡す――が、袋がきちんと閉まっていなかったのか褌が大量にばら撒かれる。
 その隙を突いて犯人達は逃げようと走り出すが、それを見ていた天道が「48のふんどし技」と手を十字にクロスさせながら敵に突っ込み手刀――という名の体当たりを行う。
「褌十字空烈刃」
 ちなみにこの技の何処にも褌は使用されていない。
「うわあああ!」
 天道の褌技を食らい、犯人達はその場に転んでしまう。どうやら能力者ではなく一般人だったようで、特に苦労する事もなく制圧する事が出来た。
「よくもふんど師匠の褌を盗もうとしたね‥‥僕を怒らせると怖いよ? 覚悟するんだね」
 千祭は犯人達の前に立ちながら低く呟く。ちなみに何度目になるかわからないが『犯人達は大石の褌を狙った』ワケではない。
「大石、こいつらに褌的指導を施すぞ!」
 天道が叫び「悪い事した人にはお仕置きだ♪」と香坂も楽しそうに呟く。
 その後、その場には犯人達の悲痛な叫び声が響き、彼ら同様に『褌一丁』にされてしまった。
「褌一丁とはいい姿だね」
 香坂が呟いた後に、今回強盗犯を捕まえた能力者達を見渡して「‥‥ってあたし達も褌姿だから変わらないか」と苦笑しながら言葉を付け足した。
 その後、犯人達は警察に連行されていき『褌姿の強盗犯を褌姿の能力者達が捕まえた!』という見出しで後日の新聞に載る事になる事をまだ能力者達は知らない。


〜褌返ってきたよ、大石君〜

「俺の褌ぃぃぃっ!」
 必至に褌を集めながら喚く大石の姿を見て、能力者達が少しだけため息を漏らす。
「それにしても大石、まさかこれ全部褌なのか‥‥いや、見れば分かるけど、今更何も言わないけど」
 ディッツァーが指差したのは大石が抱えている大量の褌、それを見て自分も何かクリーニング頼もうかなとディッツァーは心の中で呟く。
 その後、山科も本部の車で現場へとやってきた。警官達が驚いた褌集団だが、山科はある意味見慣れているので驚くことはなかった。
「無事に解決してよかったね〜」
 山科が大石に話しかけると「無事なものか! 俺の褌が破けてるうううう」と大石は目をうるうるさせながら今にも泣きそうな声で言葉を返す。
「そんなに大事な褌なら自分で心を込めて洗えよな?」
 羽鳥が注意をするが「前に洗濯板で洗ってたら摩擦で破けたんだよ‥‥」と大石から言葉が返ってきて、羽鳥は返す言葉が見つからなかったとか。
「やりましたね、ふんど師匠!」
 千祭が大石に抱きつきながら話しかけると「まぁな! 無事に褌強盗も捕まったし!」と言葉を返す。
 そして、達成感を胸に抱きながら鳳は自分の所有する車・ファミラーゼの屋根に乗って褌一丁のまま沈む夕日‥‥はないけれど、腕組みをしながら満足気に頷いていた。
 その後、自分に怪我をさせた犯人がUNKNOWNだと知った大石がLH内を走り回って彼を探す姿が至る所で見受けられたらしい。


END