タイトル:THE ふんどしCMマスター:水貴透子

シナリオ形態: イベント
難易度: 易しい
参加人数: 6 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/02/03 01:12

●オープニング本文


はははははっ!

ふんどしをもっと普及する為に皆でCMを作ろうじゃないかーっ!

※※※

現在『ふんどし』を愛用している傭兵、一般人はどれだけいるだろうか?

しかしもっともっと『ふんどし』が素晴らしい事を皆に分からせる為に『CM』を作ろうじゃないか!

「おお、ふんどしのCMに俺を起用してくれるのか!」

とある広告会社のプロデューサーに呼ばれて褌男『大石・圭吾』はCMの説明を受けていた。

内容は至って簡単なもので『傭兵による褌の為のCM』を作ってくれと言うものだった。

「CMを流すのは夕方と深夜の二つだ。それぞれ別なものを作ってくれてもいいし、同じものでもいい。
 だけどイロモノ系は夕方にはあまり流せないから、その辺を忘れないでくれ」

とりあえず『褌のCMに大石を起用する時点でイロモノ』と言う事を遠い空の彼方へ放り投げておこう。

「他の傭兵にも声をかけたかったんだが、他の番組の方で手一杯でね。その辺はキミに任せるから好きにしてくれていい」

プロデューサーの言葉に「おお、任せてくれ! 立派なCMにしてみせよう」と腰に手をあてて高笑いをし始める。

そしてUPC本部にて大きなチラシが張り出された。

『明日の褌を作るのはキミだ! 朝焼けに靡く褌の為にCMを作ろうじゃないか!』

恐らく説明は不要だろうが、念のために言っておこう。

これは決して褌を作るものでもなければ、朝焼けに褌も靡いていない。

●参加者一覧

/ 鷹司 小雛(ga1008) / 鳥飼夕貴(ga4123) / UNKNOWN(ga4276) / 香坂・光(ga8414) / 天道・大河(ga9197) / 美環 響(gb2863

●リプレイ本文

 ―― THE ふんどしCM ――

 今回は、何処でどう話を間違ったのか暑苦しい褌男の大石・圭吾(gz0158)に褌のCMに出演してくれという話が舞い込んできた。
「はーっはははははははっ! 俺もついにブラウン管の中の人になるぞおおおっ!」
 きっと漫画だったら背中にざっぱ〜んと波を背負っているであろう大石が感激に浸りながら叫ぶ。
「まぁまぁ、始まる前からそんなに気合を入れていたら本番で疲れましてよ? 今回は褌のCM‥‥褌は良い物ですわ‥‥わたくしも普段から愛用していますの」
 鷹司 小雛(ga1008)がにっこりとお嬢様らしい笑みを浮かべて大石に話しかける。
「おお! キミも褌を愛用しているのか! 奇遇だな、俺も愛用しているんだ!」
 大石は鷹司の肩を掴みながらまるで仲間を見つけたかのように喜んで言葉を返した。
「え、えぇ‥‥見れば分かりますわ」
 鷹司は苦笑しながら答える。彼が褌を愛用しているなど彼女の言う通り見れば分かる。
 何故なら、大石は普段から褌しか着用していないのだから。まだ百万歩ユズってラストホープ内で彼が通用するのは分かるが、ラストホープを出て任務に赴く際、警察に捕まらないのが不思議である。
「同じ褌を愛用するもの同士ですもの、何か助けになれば幸いですわ」
 鷹司が話しかけると「そうだね、何か大石頑張ってるもんね」と鳥飼夕貴(ga4123)が大石と鷹司に話しかけてくる。
「俺は頑張っている奴は応援したいからね。それに俺も完全に褌の魅力にはまっちゃったし」
 鳥飼は様々な色の褌を着用する機会が多いらしく、今回の夕方放送時のCM撮影では黄色の褌を着用するのだと大石に話しかけてきた。
「むっ! キミは‥‥あんのん!」
 大石は少し遠くから歩いてくるUNKNOWN(ga4276)の姿を見て「ひき逃げ犯めええっ」と走って駆け寄る。
「やぁ、大石。今回はCM出演おめでとう。微力ながら協力させて貰うよ」
「お前はまた俺を轢きに来たのか〜〜っ!」
 大石がUNKNOWNにひき逃げをされた数は二回、彼を見ると『轢かれる』と言う言葉がインプットされてしまっているのか大石がわなわなと震えながら言葉を返す。
 しかし、彼は気づいていない。彼が褌姿であるが故に別な意味で『引いている』人がいる事を。
「――今、どういうCMが主流なのか私も考えてみたんだ」
「いやいや、CMは大事だけど今は別の話をしているだろう!」
 そうしてUNKNOWNは目を伏せてここにくる前日の事を思い出す。
「俺の話を聞けぇぇぇぇぇっ!!」
 大石の言葉など彼は遠いお空の上にポイッと投げながら考えてきたCMの事を思い出す。彼は大石の為に、他の能力者達が考えた『褌戦隊』とは別のCMを考えてきていた。
「私が考えたCMは大石の為に作ったものだ」
 UNKNOWNの言葉に感激したのか、今まで叫んでいた大石の絶叫がぴたりと止まる。
「お、俺の為に態々何日も寝ないで考えてくれたのか‥‥っ!」
 UNKNOWNに向けて呟くが、彼は『何日も寝ないで』という言葉は一切発していない。むしろ大石の思い込みだ。
「あぁ、戦隊のCMを撮り終えたら一緒に撮影をしようじゃないか。私はその後、大石を二度もひき逃げしたバグアを探しに行くが‥‥」
 UNKNOWNは呟いてその場から離れる。
「‥‥ってちょっと待てえええっ! それはお前だあああっ!」
「大石さん、今回も宜しくね――――ってうるさいよ」
 ばちこんと『巨大ハリセン』で叩きながら香坂・光(ga8414)が大石に話しかける。彼女はCMの話が楽しそうだったので参加したのだとか‥‥。
「にしても褌CMを作る‥‥そして大石さんに頼むって言うのも凄い話だねー」
 面白そうだけど、香坂は言葉を付け足しながら呟くと『巨大ハリセン』で叩かれて痛みのあまりうるうるの目で見る大石が視界に入った。はっきり言って褌男のうるうる目などキモいだけだったりする。
「さぁて、他には誰が来るのかなー?」
 視界の隅に入る大石から目を逸らし、香坂は他の能力者を探すと大石と同じように褌一丁で歩いてくる男――天道・大河(ga9197)だった。
「よぅ、褌界の未来を担う子供達にもアピール出来るものを作ろうぜ」
 天道がびしっと親指を立てながら呟くと、大石も答えるようにびしっと親指を立てる。格好も似ているが、それ以上に気が合うのかもしれない。
「こんにちは、圭吾さん。CM撮影で圭吾さんに声がかかるだなんて褌ファイターの知名度は確実に上がっているんですね」
 美環 響(gb2863)が花束を大石に渡し「おめでとうございます」と言いながら話しかける。
 しかし、能力者達の撮影協力の為にやってきたカメラマンが心の中で思っている事は『知名度ではなく恥名度なんじゃないんだろうか‥‥』と言う事だったりする。
「さて、これで今回協力してくれる能力者達が皆集まったかな、それでは早速撮影に取り掛かりますんで宜しくお願いします」
 カメラマンの男性は能力者達に向けて話しかけると、CM撮影に取り掛かったのだった。


―― 撮影開始・登場せよ、ふんどし戦隊! ――

 最初に撮影を行うのは『ふんどし戦隊』からだった。配役は以下の通りになる。
・ふんどしレッド‥‥大石・圭吾
・ふんどしブルー‥‥美環 響
・ふんどしホワイト‥‥香坂・光
・ふんどしピンク‥‥鷹司 小雛
・ふんどしイエロー‥‥鳥飼夕貴
・ふんどしゴールド‥‥天道・大河
 ふんどしゴールドの天道以外は正義の味方であり、CMの内容は天道と戦うふんどし戦隊‥‥という設定で行う手はずになっていた。UNKNOWNはこの後に控えている大石の撮影の最終確認の為に『ふんどし戦隊』には登場しない。
「褌戦隊と言う事で‥‥なかなかシュールですけどまあ、それはそれで面白いですわよね」
 鷹司は呟きながら着替える為に簡易更衣室に向かい始める。夕方枠のCMを撮影する際の彼女の格好はピンクの越中褌と上は派手な法被を着用する事になっている。
「やっぱり褌リーダーと言ったら大石さんだよね☆ 大石さんがやらなければ誰がやる、だよね♪」
 香坂も白の褌にさらし姿になる為に簡易更衣室に入ってきながら鷹司に話しかける。
「ふふ、そうですね。わたくしはピンク担当ですからお色気ですね、夕方枠なのであまりやり過ぎない程度の‥‥中学生に見せれるくらいのお色気キャラを目指しますわ」
 鷹司はにっこりと笑みながら呟き「あたしは元気と爽やかアピールかなぁ」と香坂も着替えながら言葉を返す。
 そして全員が着替え終わり、褌戦隊の撮影が開始された。

「さぁ、来るが良い! 貴様等の褌パワーを見せてみろ!」
 天道演じるふんどしゴールドがひらひらと輝く褌を靡かせながら腕組みをして大きな声で叫ぶ。
「うふふ、褌戦隊に勝てるとお思いですの?」
 鷹司はピンク色の褌を靡かせながら投げキッスをして、天道の動きを止めようと試みる。
「ぐはっ‥‥」
 ふんどしゴールド自身は強い設定なのだが、演じている天道が大人の欲求にちょっぴり弱いので鷹司の投げキッス攻撃の効果は抜群である。
(注意・彼がダメージを受けているのはお色気のせいであり、褌のせいではありません)
 そして天道の動きが止まっている間に鷹司が近寄り、居合い斬りで攻撃を仕掛ける振りを行う。
「くくく、流石は褌! 何ともないぜ!」
(注意・これはCMですので実際の褌と同じ効果は得られません)
 ずざざ、と砂煙をあげながら天道が不敵に笑う。
「ふふ、次は俺が行くよ」
 髪の毛も褌も黄色のふんどしイエローを演じる鳥飼は手にはカレーを持っている。
「やっぱり、褌姿には激辛カレーよね〜」
 鳥飼はにっこりと笑いながら手に持つ激辛カレーをスプーンで一口よそって天道の口にポイッと投げる。
「おおおお‥‥辛くないっ、褌のおかげで辛くないぞおおお」
(注意・褌に激辛カレーの辛さを緩和する効果はありません)
「次はあたしが行くよっ! ふんどし戦隊、ふんどしホワイト参上♪」
 香坂が『巨大ハリセン』をビシッと構えて天道の周りを走り始める。それと同時にリーダー役の大石も赤褌姿で走り始め、拳を振り上げて天道に攻撃を仕掛ける。
「くっ‥‥やはり赤褌の力は凄いな‥‥」
(注意・赤褌も白褌も効果は変わりません)
「そっちばかり見てるとこっちから行っちゃうよっ」
 香坂は『巨大ハリセン』でバシンと叩き、少し離れた家の屋根から青色の褌を着用している美環が演じるふんどしブルーが現れる。
「程よい着用感が人気のふんどしブルー参上」
 美環がそこから飛び降り、爆煙と共にポーズを取って登場した。
「ふん、どれだけのふんどし戦隊が現れようとこの黄金褌の俺には適わぬわ!」
「邪悪なるものよ、褌締めて、改心せよ」
 美環は呟くと、何処からともなくシルクハットを取り出してその中から色々な褌が現れて天道を締め付ける。
「マジック・ザ・フンドシ」
 美環は妖艶に笑み、ふんどし戦隊全員で攻撃を仕掛ける、しかし天道は褌を引きちぎり必殺技のようなポーズを取ってCMを終えたのだった。

「とりあえず撮影は終了だね、最後にCGエフェクトをかけて天道君の手から粒子砲のようなビームを出せばいいんだね。あとは注意書きの編集もしなくちゃ‥‥」
 ぶつぶつとカメラマンはメモ帳に殴り書きをしながら呟き「次の撮影に入るよ」とUNKNOWNと大石を呼んだのだった。

―― UNKNOWNと大石の褌通信販売 ――

「いいか、大石。コンセプトは『30秒の通信販売、褌あれば大丈夫』だ」
 UNKNOWNの真剣な表情に「お、おう」と少したじろぎながら大石は言葉を返す。
「今日が晴れていて良かった。ライトは控えめに」
 監督である人物を差し置き、監督席に座りながら指示を出す。
「大石、普段通りに笑顔で自然に、だ――それと後半から撮影を開始する」
 UNKNOWNの言葉に「何で? 最初からの方がやりやすくないか?」と大石は問いかけるが「いや、後半からだ」と有無を言わさぬ彼の言葉に「分かったよ」と疑問に思いながらも撮影を始めた。
 彼から指示されたのは『爽やかな笑顔で歯を光らせ、親指を立てる』と言うもの。
「今なら俺の生褌をサイン入りでプレゼントだ! 電話してくれよ!」
 眩しすぎる爽やかな笑顔で大石が台詞を言うと「照れが入ってるぞ、もっと爽やかにもう一度だ」とUNKNOWNが駄目出しをする。
(「‥‥大石に照れというものが存在したのか‥‥初耳だな」)
 天道が撮影風景を見ながら腕を組み、心の中でひっそりと呟く。
 そして二度目でOKを貰い、前半の撮影へと移る。
「ここに立っているだけでいいんだな?」
 大石が問いかけると「あぁ、もちろんだ」とUNKNOWNは呟き「GO」とサインを出す。それと同時に車が走ってきて(軽い速度で)大石は車に轢かれ派手に吹っ飛ぶ。
「‥‥おおおおおおおおいっ!」
 異議あり、と手を挙げながら大石は平気な顔で立ち上がる。
「大石、立ち上がりが遅い。笑顔を忘れるな、それと車、ブレーキが入ってるぞ」
 やり直しと言いながら再び同じアクションをさせる。納得がいかない大石だったが「CMを成功させる為だろう?」と言われてしまえば逆らう言葉が出ない。
 つまりBAKAなのである。
 そして何度もやり直しの結果、出来上がったのが次のCMだ。

 突如車型キメラに襲われる大石‥‥(注意・真似しないで下さい。褌は守ってくれません)
「人生、どんな事があるか分からない、だが褌があれば大丈夫!」
 大石は爽やかな笑顔で立ち上がり、ビシッと親指を立てる。
「さぁ、キミも今すぐ褌ファイター」
 はい、カット! スタッフの声が響いて撮影を終了する――と同時に「あんのおおおおおおんんっ!」とドドドドドと砂煙を舞い上がらせながら追いかけ、UNKNOWNはそれを無表情で逃げる。
「何で大石さんは車に轢かれても大丈夫なんだろう」
 香坂がポツリと呟きながら走り回る大石を見る。
「それは圭吾さんだからですよ」
 答えになっていない言葉を美環が返し「そっか」と香坂も納得する。
「‥‥‥‥」
 しかし天道は腕組みをしたまま、何も言わない。無表情で何かを考えている様子だが‥‥彼の頭の中を少しだけ覗いてみよう。
(「ふむ、相変わらずいい眺めだ」)
(「録画した物をモニターで見るのも悪くはないが、やはりこうして生で見るのにはかなわんね」)
 何処か満足気味に天道は女性陣を見て「うんうん」と首を縦に振って唸っていた。つまり彼の頭の中は人の中に必ず住むといわれている大人の欲求魔人『ボンノーン』が盛大に活動しているのだろう。
「えぇと‥‥次は深夜枠の撮影に取り掛かりたいんだけど‥‥」
 走り回る大石とUNKNOWNを見ながらカメラマンが苦笑して呟くと「大丈夫ですわ、撮影が始まれば大石さんも此方へ来ると思います」と鷹司がカメラマンに言葉を返したのだった。


―― イヤンあはんウッフン☆ 大人になってからじゃないと見ちゃダメよ ――

「深夜枠はお色気たっぷりのセクシーなCMにしましょう。それと同時に、様々な褌のアピールと言う方向も、ですわね」
 鷹司が呟く。彼女の格好は少しマイナーな九尺褌で胸まで隠されている。そのせいか眼帯以外のものは全て取り払われている。
「‥‥いい」
 天道が首を縦に振りながらポツリと呟く、その表情は今にも泣きそうだ。
「色気も大事だけど、あたしは可愛さを前面に出していくのだ♪」
 薄手で可愛いフリル褌とサラシ姿の香坂が呟く。焼けた肌と薄いピンクの褌が互いを引き立てている。
「んふ〜、あたしの可愛さで皆をめろめろにしちゃうのだ♪ どうかな〜♪」
 少し照れたような表情で呟くとスタッフの目がめろめろになっている。
「まぁ、アレだ。お色気で大きな友達を釣るのも重要だし? 夕方枠で俺らの顔を覚えさせておけば、深夜枠の方も話題になりうるからな」
「そうですね、沢山の人が見てくれるといいのですが‥‥」
 美環が呟く。彼は元々が中性的な容姿をしており、少年にも少女にも見える。しかも何処か妖艶さを含んでいる為、男性と分かりながらも赤面するスタッフがいた。
 最初に撮影に入ったのは鷹司と香坂の二人。鷹司は色っぽくお尻を強調したり、胸も強調してカメラに向けてポーズを取る。
 しかし元々のスタイルが良い鷹司の体を隠すには九尺褌でも精一杯だったりする。誰かが引っ張ってしまえば直ぐに裸になってしまうのではないかという程に。
「ちょっとぉっ! あたしも撮ってよ〜!」
 スタッフも男性である、己の欲望には忠実なのである。そのせいか何故か鷹司ばかりを撮影している為、少しだけ香坂が怒ったように叫び、手を腰に当てている。
「ごめんごめん、じゃ撮影始めるからね」
 カメラマンが顔を赤くしながら香坂に話しかけ、香坂の撮影を始める。確かに色気というより可愛さや元気さが前面に出ているが、少女特有の何かをひきつけるものが香坂にあった。
 香坂もカメラの前で褌やお尻などを強調したポーズを取り、無事に撮影を終えたのだった。
「はい、お疲れ様。寒いだろうから温まるものでも飲んで」
 鳥飼は暖かい飲み物を二人に差し出しながら話しかける。
「何か俺に手伝える事があったら言ってね」
 鳥飼はこれから撮影を始める大石、天道、美環に話しかけ「あぁ、その時はお願いするよ」と言葉を返す。
「さて大石、本当の漢というものを見せてやろうじゃないか」
 男性用褌をアピールする為、二人はボディビルダーのようなポーズを取って褌をアピールする。
 そして二人が終わった後は美環がファッションショーのモデルのように色々なポーズを取り、褌の良さをアピールする。
 そして何パターンも撮影を行い、今回のふんどしCM撮影会を終了したのだった。


―― お疲れ様! 打ち上げ会 ――

「終わった〜〜!」
 スタッフ、能力者達は大きく伸びをしながら叫ぶ。
「とりあえず、お疲れ様の意味を兼ねて打ち上げをするから参加できる人は参加していってよ」
 スタッフが能力者達に向けて話しかけると「そうですわね、折角ですしお邪魔しましょう」と鷹司が言葉を返した。
「ちょっと待て、あんのん! お前またもや俺を――! 今日という今日は謝罪してもらうぞ!」
 ふん、と鼻息荒くUNKNOWNに大石が言うと「何のことだ?」と彼は全く何も知らないかのように言葉を返す。
「それより、その格好はどうしたんだ? ずたぼろじゃないか‥‥しかし今日は私もいい仕事をしたと思うよ」
 物思いにふけるような表情でUNKNOWNが呟くと「俺に謝れえええええっ」と再び追いかけ始める。
「あ、ちょ――圭吾さん!」
 美環が止めようとした時、目の前の石に躓いてしまい、更に大石の褌をグイッと引っ張って倒れてしまう。
「いたた‥‥ん?」
 美環は手に持たれている白い布を首を傾げながら見る。
「「きゃあああああああっ」」
 女性陣二人の悲鳴が響き渡り、美環、そして他の能力者達もソレを見る。

(大変見苦しいものをお見せしました‥‥現在復旧作業中です‥‥)

「おおおおおおおおっ! 何で俺はこんなんばっかりなんだ!?」
 大石が叫ぶと、以前ポロリ経験のある天道が大石の肩をぽんと叩き、哀れみの視線を向ける。
「お、おのれ‥‥ここにも圭吾さんの褌を狙うバグアがいるとは‥‥」
 険しい表情、手は怒りで震えながら美環が呟く。
「お前だあああああっ」
「くっ、バグアめ――」
「お前も便乗するなああああああっ」
 大石は慌てて褌を締め、美環とUNKNOWNの二人を追いかけ始め、結局打ち上げは鷹司、天道、香坂、鳥飼の四人が参加しただけだった。
「ん〜、面白かった♪ これいつから放送されるのー?」
 香坂はスタッフに問いかけ「編集作業が終わったらお知らせしますよ」と言葉を返される。

 後日、良心などに負け、美環が謝りに大石の元へ向かう姿が見受けられたのだった。


END