タイトル:烈火殿軍マスター:望月誠司

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 10 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/12/27 22:07

●オープニング本文


 日本国が九州、バグアと地球人類の競合地帯。戦線の移動により戦火に飲まれてゆく街がある。
 キメラは黒色の津波のように押し寄せ、それを押しとどめんとする防波堤はUPC軍の僅かな旅団のみ。業火は黒煙の葬送曲を歌い、銃弾がアスファルトを穿ち、爆裂がコンクリートのビルを倒壊させてゆく。
「後退ッ! 後退だーッ!! もたもたしてると、取り残されるぞ、急げッ!!」
 UPC軍大隊長が声を枯らして叫んだ。
「大隊長ッ! 三番地区にまだ民間の生存者がッ!」
「なに、まだ残ってる奴がいたのか!」
「それが、倒壊したビルの下敷きになっていて避難できなかったらしくッ! 現在ハチガネ分隊が救助にあたっていますが、もうしばらくはかかるとのこと!」
「もうしばらくだぁ?! もうしばらくってのは、どれくらいだ!!」
「もうしばらくだそうですッ!」
「くそっ‥‥!」
 大隊長は歯ぎしりする。いっそ見捨てろ! と言いたい状況ではあるが。あるが、しかし。しかし‥‥だがそれで自軍の被害が拡大してしまっては。
「‥‥上手く行って五分だ! それ以下になる場合もある。とっとと救出しろとハチガネに伝えておけ! それと殿軍の連中に伝えろ! 五分間、持ち場を守れ! ただし、無理だと感じたらこちらに連絡の上、撤退せよ、と!」

●参加者一覧

鳴神 伊織(ga0421
22歳・♀・AA
鷹司 小雛(ga1008
18歳・♀・AA
如月・由梨(ga1805
21歳・♀・AA
宗太郎=シルエイト(ga4261
22歳・♂・AA
ラルス・フェルセン(ga5133
30歳・♂・PN
アレックス(gb3735
20歳・♂・HD
橘川 海(gb4179
18歳・♀・HD
白蓮(gb8102
18歳・♀・PN
和 弥一(gb9315
30歳・♂・FC
湊 影明(gb9566
25歳・♂・GP

●リプレイ本文

 日本国、九州の戦場。
「ったく、なんつー数で攻めてきやがる」
 押し寄せて来るキメラの群れを槍を縦横に振るって蹴散らしながら宗太郎=シルエイト(ga4261)言った。
 倒しても倒してもキメラの群れは尽きる気配を見せず、一群を倒しても、また波のように次の群れがやってきて襲いかかって来る。
 傭兵達は戦線において最後部の殿を務め、軍の撤退を助けていた。またキメラの一群を全滅させた折、傭兵達の元へと所属する大隊から通信が入った。曰く「後退を止め、五分間、持ち場を堅守せよ」との事。
「五分耐えろ‥‥ですか、ならば私達はそれに応えるだけですね」
 鳴神 伊織(ga0421)がそれを聞いて答えた。
「まぁ、そのくらいでしたら」
 と頷いて如月・由梨(ga1805)。
「‥‥今日は運良く腕利きの奴が多い。安心して仕事進めてくれよ、大隊長殿!」
 シルエイトが無線にそう返した。
「応、頼むぞ!」
「了解!」
 頷いてシルエイト。
「後退停止、ですか。何か状況に変化があったようですね」
 ラルス・フェルセン(ga5133)がSMGを手にやってきて言った。
「何があったのでしょう」
 と橘川 海(gb4179)。
「解りませんが、しかし今は考えても仕方ありません。私達は『守れ』という指令に従うのみです」
 とラルス。
「はい」
 頷いて橘川。彼女には軍のことはわからない。ただ、多くの人々が危険に晒されているのは解る。
 赤い外套に学んだのは、自分の為に人が傷ついても泣かない覚悟。橘川は戦場に不慣れで、未熟で、力も言葉も足りない。しかし、そんな自分自身を許しているわけでもない。
(「涙を流す前に、できることは沢山あるから‥‥!」)
 UPCの大隊長、口は悪いが、根はさほど悪くは無い。後退停止命令にも何か理由があるのだろう。そんな事を思う。
「殿ですか、損な役割ですねっ」
 白蓮(gb8102)がスコールSMGを手にやってきて言った。傭兵が殿、一見切り捨てられるようにも見られる配置だ。
「私は大隊長の心を信じます」
 橘川が言った。守れと云われたのは十字路と五分、でも守りたいのは。
「そうですね――五分間意地でもこの場を守りきって見せますよっ」
 ふふりと笑って白蓮。
 通りの彼方、またもやキメラの軍勢が押し寄せて来る。かなりの数だ。
「まだ来ますか‥‥凄いな‥‥これ程とは」
 半ば呆然としたように和 弥一(gb9315)が言った。
「数が生半可ではありませんね‥‥」
 押し寄せる群れを見やり如月は呟く。長柄の竜斬斧を構える。
(「それでも、これで助かる人がいるというのなら。私は修羅にでも何でもなりましょう」)
 そんな事を思う。
「相変わらず、この絶望的な雰囲気ってのには逆らいたくなるよな。人として、なァ!」
 石突でアスファルトを叩き火炎の槍を構えてアレックス(gb3735)。
(「外套の赤は騎士の誓い。己が血を流すことを厭わぬ誓い。ラウンドナイツ。志は私の胸に。ナイト・シトラスを名乗る最後の戦いですっ。だから、主。お母さん。私を守ってっ」)
 橘川もまた胸中で呟き覚悟を固める。
「雑魚でも、こうも群れればなかなか楽しめそうですわねぇ。さあ、ソーニャ、麗華、一緒にたっぷりと遊びましょう♪」
 エネルギーガンと月詠を左右に構え、ふふっと笑って言うのは鷹司 小雛(ga1008)だ。『人生を濃く生きる』為に戦いに身を投じたという隻眼の娘である。見た目は可憐なお嬢様だが、なかなか修羅だ。
「一度叫んでおくか‥‥」
 そんな中、ゆらりと湊 影明(gb9566)が進み出た。大音量で叫ぶ。
「好きだ! 白蓮!」
 その言葉に慌てたのは言われた当人である。
「なっ湊さん、こんな状況でいきなり何を言い出すんですかっ」
 少女は顔を真っ赤にして叫ぶ。
「‥‥答えは任務が終わった後に聞かせてくれ」
 男は黒曜石の色の瞳で白蓮を見据え言う。
「‥‥‥‥はい」
 白蓮はこくりと頷いた。
「二人での戦闘ですか、ふふ。微笑ましいですね」
 にこにこと微笑して如月が言った。口々に仲間達がはやしたてる。
「い、今は‥‥目の前に集中ですっ!」
 白蓮が赤くなりつつ己の頬を両手ではたいて言う。
「生きて帰らないと、どうする事も出来ませんから」
 キメラも運命の神も空気など読まない。殺戮をもたらす絶望の群れが迫った。


 十字路に十名の傭兵達が展開する。左右の通路の先ではUPC軍の別部隊が戦っている。故に側面の道路から攻撃を受ける心配は薄い。逆に一部隊でも防御地点を抜かれれば、そこから浸透され側面や後背を突かれるだろう。抜かれる訳にはいかない。
 片道四車線、なかなか広い。傭兵達は中央、左翼、右翼に別れた。中央。如月、白蓮は並んで最前線に立つ。鷹司はそのやや後方、湊は遊撃に構えた。左翼。鳴神がやや前に出る。橘川もまた左翼。
「さて、とおせんぼと行きますか。先輩方の戦いぶり、しっかり拝見させて貰うとしますよ」
 和は言って、鳴神の少し左後方につけた。
 右翼。シルエイトは最前列、攻撃重視。アレックスもまた同様だ。ラルスも右翼につけた。
 白虎、狼人、蜥蜴人が駆け、巨大な鼠と蟻が這い寄り、蝙蝠が宙を舞う。巨大な蜻蛉、ドラゴンフライの姿も見えた。数はそれぞれ空に十、陸に二十程度か。蜻蛉が六で、残りは全て四匹づつ。飛行キメラを先頭に十字路に立つ傭兵達目がけて突き進んで来る。
 距離百。蜥蜴人達が口を大きく開いた。
「電撃、来ます!」
 ラルスが言った。言葉の通り電撃の嵐が飛来する。中央、如月は軽くステップして回避。白蓮もまた脚部を輝かせながら素早く身を翻して回避した。左翼、鳴神に集中射撃。電撃の道を見切ってすり抜けつつ前進。右翼、爆槍コンビが猛然と突進中。襲い来る電撃の束をシルエイトは槍で切り払って突き破る。アレックスはAU−KVの装輪走行でスライドしながら回避する。
 左翼鳴神、小銃を構えると先頭を切って突っ込んでくるドラゴンフライへと向けて弾丸を連射する。凶悪な破壊力を秘めた弾丸が巨大蜻蛉が前から後ろまでぶち抜いた。大蜻蛉は体液を噴出しながら流れ、次の瞬間、ビルに激突して落下し絶命する。素早く銃口を切り返しリロードしつつもう一匹へも連射。弾丸を叩き込んだ。撃墜。
「この先は通行止め、ですよ」
 ラルス・フェルセンは両腕に白光を輝かせサブマシンガンを構えた。大型蝙蝠ブラッドサッカーを狙って弾幕を張る。銃弾の嵐を受け、蝙蝠が鳴き声をあげながら墜落する。目標を二匹目に移し、猛射。二匹目もまた弾丸の嵐に撃ち抜かれて堕ちた。
「自分達を数で押し通ろうなんて、無駄な事だと教えてあげましょうっ」
 白蓮が言ってスコールSMGを構えた。地上を狙う。最速は白虎か。三メートルを超える巨虎へと嵐のような弾幕を張る。虎の身に弾丸が次々に突き刺さり鮮血が吹き上がった。虎が怒りの咆哮をあげる。ギラリと瞳を輝かせ白蓮へと突進の方向をづらす。
「キメラごときが、俺の惚れた女に近寄るんじゃねえ!」
 湊が言って練力を全開にし、裂帛の吠え声をあげてシエルクラインを叩き込んだ。猛烈な勢いで弾丸が白虎に襲いかかる。白虎が肉片をぶちまけながら転倒し、勢いあまって道路上を滑ってゆく。湊影明、気合が入っている。
「させないんだからっ!」
 橘川、鳴神へと向かう大蝙蝠をへとロングバレルの拳銃「瑠璃瓶」の銃口を向け、発砲。連射。弾丸が蝙蝠の身を撃ち抜き、地上へと叩き落とす。撃墜。
 鷹司はソーニャ(エネルギーガン)を空へと構えると突っ込んで来ているドラゴンフライへと向けて猛連射。閃光を爆裂させる。空中で大蜻蛉が爆ぜた。体液と破片をばらまきながら墜落、地面に激突して動かなくなる。
 和は空へと向けてグローブを嵌めた左腕をかざした。ブラッドサッカーのうち一体の周辺へと激しく明滅する電磁嵐を巻き起こす。一匹が焼き焦げて地面に落ちた。
 右翼、ドラゴンフライの一匹が猛然と宙をかけ、その巨体でぶちかましをかけてくる。狙いはシルエイト。
「‥‥改良された感じもしねぇ、昔のと同型か。懐かしいなぁ、おい」
 槍を構えて見上げ、男は飛来する蜻蛉を睨む。人に倍する巨体の大蜻蛉が迫る。シルエイトはスライドしながら軸を外して突撃をかわし、横手から腹の関節の隙間を狙ってエクスプロードの切っ先を叩き込んだ。槍がトンボの甲殻をぶち破り、猛爆を巻き起こす。大蜻蛉の半身が爆砕されその巨体が道路に叩きつけられる。撃墜。間髪入れずにもう一匹がその横手から迫る。
「センパイ、任せろ!」
 アレックスが叫んだ。竜の翼で加速すると竜の咆哮を大地に叩きつけるようにして跳躍、割って入ると大蜻蛉の顔面へとエクスプロードを繰り出した。爆槍の切っ先が蜻蛉の顔面をぶちやぶり、貫き通し、その体内で凶悪な爆裂を巻き起こす。次の瞬間、蜻蛉の身が半ばから爆ぜ、炎に包まれた残りが大地に墜落した。AU−KVがアスファルトを砕きながら着地する。
 中央。如月へと向けて大蜻蛉が迫りぶちかましをかけんとする。
「楽、ですね。戦っていれば良いというのは。何も考えなくて済みますから!」
 女は長柄の竜斬斧を振りかぶると迎え撃つようにして踏み込み、振り抜いた。カウンター。巨大な斧の刃が蜻蛉の顔面を断ち切り、そのまま真っ二つに裂いてゆく。蜻蛉は身を左右に別れさせながら如月の後方に堕ちた。撃墜。
 陸、先頭を切って突っ込んで来るのは白虎。それぞれ鳴神、シルエイト、アレックスへと襲いかかる。次いで来るのは狼人の集団、四匹固まって突出している右翼へと突っ込んで来る。四匹のキメララットがそれに続いた。四匹の蟻が中央を進軍する。
 飛びかかって来た白虎の爪を鳴神は鬼蛍を抜刀してかざし、受け止める。火花が散った。
 シルエイトは虎の連撃を槍で捌き、四匹の狼人が振り回すシミターをかわし、一撃が脇腹を裂いた。中に一匹、妙に動きの良いのがいる。
「ちっ、次から次へと!」
 アレックスもまた白虎の爪牙をエクスプロードで捌き、群がる鼠達を振り払う。
 中央に前進した四匹の巨大蟻達は白蓮に向かって酸を十二連射した。数発をかわすも、大半をかわしきれずに少女の身に酸が命中し白い煙が吹き上がってゆく。
「白蓮!」
 湊が間に飛び込んで背後に少女をかばう。AU−KVに酸が命中し、隙間に浸透して煙を噴き上げ始めた。関節から火花が散る。
 四匹の蜥蜴人が口を開き高さの低い蟻達の背越しに中央の如月と湊、白蓮へと電撃を猛連打する。如月はかわし。湊は背後にかばって動かず、電撃がAU−KVへと次々に叩きつけられる。
「‥‥私も随分と甘く見られた物です」
 鳴神は鬼蛍を振るって三条の閃光を巻き起こし白虎を肉塊に変えた。蜥蜴人へと向かって間合いを詰める。橘川と和もそれに続いた。
 如月は電撃を掻い潜り、酸を吐き出している蟻へと間合いを詰めると連打を浴びせて竜斬斧を一匹、二匹と叩き潰す。鷹司もソーニャで閃光を爆裂させ残りの二匹を消し飛ばした。湊は蜥蜴人へと間合いを詰め、白蓮もそれに続く。
 シルエイトは爆槍を振るって大虎を焼き殺し、狼人の一匹を消し飛ばす。アレックスもまた虎を突き殺し、キメララットを薙ぎ払って爆殺した。ラルスは間合いを詰めるとエネルギーガンで光線を連射し精密な射撃で二匹の狼人を吹っ飛ばしてゆく。三匹目はシミターで光線を切り払って回避する。
 間合いを詰めた鳴神が小銃で射撃し蜥蜴人の二匹を葬り去った。橘川もまた拳銃で射撃し蜥蜴人を撃ち抜く。
「‥‥まけていられない。俺も‥‥出来る事をやってみるさ」
 和が橘川の攻撃によろめく蜥蜴人に肉薄すると抜刀・瞬を用いつつ壱式、零式、機械剣βと三連斬を繋いで斬り倒した。斬った感じでは特にどれが効果的、というのは無いように感じられた。強いていうなら鍛えられている壱式が打撃力があるか。
 湊もまた間合いを詰めるとシエルクラインで蜥蜴人へと弾幕を浴びせ、怯んだ所へ白蓮が瞬天速で飛びこんで蹴り倒した。
「そいつはちったぁ骨がありそうだな! センパイ、アレをやるぜ!」
 ただ一匹残ってシミターを鋭く振り回す狼人を指してアレックスが言った。
「お、いいねぇ‥‥初連携だ、景気良くぶっ放そうぜ!」
 狼人の攻撃を飛び退いて回避し、槍を構えなおしながらシルエイト。
「リミッター解除、ランス『エクスプロード』――」
『――Wイグニッション!!』
 二人同時に爆槍を構え、叫ぶ。
 二人のエクスプロード使いは練力を全開にすると突進しながら同時に槍を繰り出した。残った狼人は強力であったが、その同時攻撃を防げる程では無く、捻り込むように突きだされたシルエイトの槍と竜の翼で加速して突っ込んだアレックスの槍に貫かれて爆裂炎上四散した。オーバーキル過ぎる破壊力であった。


 かくて傭兵達はキメラの一群を殲滅した。しかしそれはただの一波に過ぎず、その後も何度もキメラ達は押し寄せて来た。だが十人の傭兵達はその悉くを蹴散らし、やがて鷹司がセットしたアラームの音が鳴り響いた。鳴神は撃破したキメラの数をかぞえていたが、激しい戦闘の最中、五十あたりを超えたところで解らなくなってしまっていた。まぁ撃墜王であるのは間違いがない。遠近あるとやはり強い。
「‥‥さて、ぼちぼち五分か。どうする?」
 とアレックス。十字路の彼方、隣の道を守っている隊は撤退を開始している。
「まだ余裕はあるが‥‥」後輩の問いにシルエイトは少し考えてから「戦線に穴を開ける訳にはいかねぇ、かな。隙間が出来るとそこから滑りこまれる。友軍が不味い。それに俺達としても何重にも囲まれる事になったらさすがに不味い」
 隊一つだけで戦ってる訳じゃない、と男は言った。
「では、撤退の報告をいれますね」
 橘川が言った。
「ああ、頼む」
 傭兵達は大隊に連絡を入れると、なおも押し寄せて来るキメラの追撃を抑えながら後退して行った。


 傭兵達の活躍もありUPC軍は賭けに勝った、と言えるようだった。ハチガネ隊は無事に民間人を救出して後退していた。全体の損害もそれほどは増さなかったようである。
「あははっ お互い無茶をしたものですねっ」
 湊の腕へと包帯を巻きながら白蓮が言った。
「ああ」
 頷いて湊。表面上はそれなりに平静を保っているが、
(「勢いでやらかしたが‥‥どうすれば良いんだ?」)
 そんな事を胸中で呟き、大いに焦っていたりする。
「一つだけ約束して下さいっ」
 そんな湊へと微笑しながら白蓮が言った。
「自分達は互いを護り合うだけの力があるんですから、一人で無茶はしないで護り合うってっ」
 湊は微笑む少女の顔を見て思う。
 それは、つまり――


 人は皆それぞれがそれぞれの意思を持ちそれぞれの人生と物語がある。
 この地上に生きる彼等彼女等の物語はこれからもまだまだ続くだろうが、とりあえず今回はこれにて一巻の終わりとさせていただき、それはまた別の話とさせていただこう。


 了