タイトル:模擬戦VSルーキーズマスター:望月誠司

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 10 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/04/02 18:54

●オープニング本文


「依頼です――」
 とまだ若いオペレーターのお決まりの台詞で説明された依頼とは以下のようなものだった。
 能力者になったばかりの新人を相手にKVのシミュレーターを使った模擬戦――まぁ要するにルーキー達の訓練相手になってくれというものだ。
 使用可能機体はS‐01とR‐01のみ、武装も用意されたものから選ぶ、という形式だ。
 貴方達の目的は新人達を鍛える事であって撃破する事ではない。故にそこそこ勝って、そこそこ負けるという事をやっていたのだが――
「おい、実戦でバリバリやってる先輩達相手にこれだけやれるって事は俺達かなり才能あるんじゃね?」
「あるかもあるかもー」
 といった感じで新人達の鼻がにょきにょきと伸びてきたのである。戦場において正当な自負は必要だ。戦力を元に作戦とは立てられるからである。しかし必要以上の自負は過信という。過少評価も過大評価も共に危険だ。
「おい、次は思いっきりやれ。手加減はいらん。最大限の戦術を駆使して現実というものを教えてやれ。一機もやられずに撃破したら報酬を弾んでやる。まぁ、ルーキー相手とはいえ同じ性能の機体では大分難題とは思うが‥‥」
 ルーキー達の気配を感じ取った教官は貴方達にそう言った。
「そうだな、六機以上の生き残りでも多少は色をつけよう。ただし、もし万が一負けでもしたら――」
 それは言わなくても解るよな? とにこにこと笑いつつもまったく目は笑っていない表情で教官は言った。

●今回のシミュレーターでは以下のどちらかの機体データを選択します。無改造です。(操縦値未加算、判定の際には操縦値が加算されます)
・S‐01
攻撃 220
命中 180
回避 140
防御 180
受防 180
知覚 130
抵抗 140

装備 400
行動 3
生命 150
練力 100
移動 3

特殊能力 ブレス・ノウ

・R‐01
攻撃 250 
命中 160
回避 180
防御 160
受防 160
知覚 100
抵抗 100

装備 300
行動 3
生命 140
練力 120
移動 4

特殊能力 アグレッシヴ・ファング

●主兵装は以下の四つのうちから一つだけ選べます(重量は今回は考えなくてOKです)

1・ディフェンダー
攻撃80
命中20
受防30
抵抗20
射程1
・格闘武器

2・ユニコーンズホーン
攻撃70
受防10
抵抗20
射程2
・格闘武器

3・3.2cm高分子レーザー砲
命中30
知覚80 
射程7
・銃器。装弾数18発、一度に三発=六回攻撃分。リロード可。

4・スナイパーライフル
攻撃30
命中40
射程20
・銃器。装弾数1発。リロード可。

●以下のうちから一つだけ武装を追加できます。

5・P‐115mm高初速滑腔砲
攻撃50
命中-20
射程10

6・突撃仕様ガドリング砲
攻撃30
命中30
射程6
・銃器。装弾数150発。一度に50発=3回攻撃分。リロード可。

7・H‐01煙幕銃
命中40
射程4
・一発のみ。リロード不可

8・メトロニウムシールド改
受防60
・受け成功時、防御力に加算。

9・メトロニウムフレーム
防御20
・アクセサリ。追加時、常に記載能力がUP。

10・サブアイシステム改
命中20
・アクセサリ。追加時、常に記載能力がUP。

11・ステルスフレーム改
回避10

12・中型燃料タンク
練力15
・アクセサリ。追加時、常に記載能力がUP。

●敵戦力
 PC達は1マスに全機固まっています。PC達を中心として北200mにR‐01四機。西200mにS‐01四機。東200mにS‐01四機です。
 R‐01の武装はディフェンダーと中型燃料タンク。攻撃時、使用不能になるまで全機アグレッシヴファング連打で集中攻撃してきます。
 西のS‐01の武装はユニコーンズホーンとメトロニウムシールド改。一足に飛びこめる範囲になったら全機ブースト&ブレス・ノウで集中突撃してきます。硬いです。
 東のS‐01の武装は3.2cm高分子レーザー砲と突撃仕様ガドリング砲。攻撃時はブレス・ノウ使用で集中して精密に当ててきます。

●参加者一覧

リズナ・エンフィールド(ga0122
21歳・♀・FT
伊佐美 希明(ga0214
21歳・♀・JG
煉条トヲイ(ga0236
21歳・♂・AA
月影・透夜(ga1806
22歳・♂・AA
セラ・インフィールド(ga1889
23歳・♂・AA
崎森 玲於奈(ga2010
20歳・♀・FT
藤村 瑠亥(ga3862
22歳・♂・PN
南雲 莞爾(ga4272
18歳・♂・GP
みづほ(ga6115
27歳・♀・EL
ツァディ・クラモト(ga6649
26歳・♂・JG

●リプレイ本文

「ノーマル機体でのシミュレーター使用?」
 月影・透夜(ga1806) の申し出に一瞬意味が解らなかったか首を傾げる教官。
「本気でやるなら事前の情報戦は必須。自機と無改造の差を知ることも重要です」
「ああ、ノーマル機体というのは普段使用している機体のことか‥‥少し手間だが、まぁ良いだろう。違いを確かめると良い」
 一同はシミュレーターでその違いを確かめる。シートにつくと実物さながらの光景がディスプレイに映った。

●模擬戦
「行きますよ先輩!」
 ルーキーが通信を送ってきた。
「よろしく頼む。自信の程を見せてもらう」
 月影はそう答えた。
 北方からR‐01四機、西からS‐01四機、東からもS‐01四機、三方より迫るルーキー達が迫る。それに対し一同は全機北へと向かった。まずは戦力を集中させて一方を破る構えだ。
 互いに距離を詰める中、横一列で迫ってくる北のR‐01に対し、相対距離100でまず 伊佐美 希明(ga0214)が仕掛けた。スナイパーライフルを用いて敵の脚部を狙って発砲。しかしこの距離、この機体の性能で部位を狙うのは厳し過ぎる。いつもの愛機とは違う。外れた。距離を詰める必要がある。
 南雲 莞爾(ga4272)、藤村 瑠亥(ga3862)、煉条トヲイ(ga0236)、ツァディ・クラモト(ga6649)の四機はさらに距離を詰めレーザー砲の限界射程から得物を構える。
 中衛と共に南雲は動き、スナイパーライフルで仕掛けた。サブアイシステムの補助を借り精密に狙う。だが部位を狙っての攻撃には少し足りない。脚部めがけて回転して飛んだライフル弾丸はすんでのところでかわされる。
 続いて藤村が限界射程からレーザー砲を発射したが、これも距離がある為、R‐01に飛び退かれて回避される。
 煉条トヲイは考える。この戦い、機体の基本スペックはまったくの五分であり、その上、頭数等でルーキー達にかなり分のある状況でのスタートだ。一機もやられずに圧勝するのはかなり難しい。
「ルーキーと言えども、手加減は一切無しで叩き潰す‥‥!」
 難しいが実戦で取り返しの付かない事態に陥る前に、何としても現実の厳しさを教えなければならない。それが先達としてルーキー達にしてやれる数少ない一つだろう。
 煉条はそう考え、全力で攻撃を仕掛けた。ブレス・ノウを発動させて閃光を撃ち放つ。三条の光がルーキーCへと突き刺さり、装甲を削り取る。
「先手必勝、っと‥‥」
 呟きつつツァディもレーザー砲で攻撃を仕掛ける。万一敗北して教官に怒鳴られるのも面倒だ、覇気は出てこないが手も抜けない。
 しかしブレス・ノウを用いて放たれた光線は炸裂するかに見えたが、すんでのところでかわされた。この機体の性能では距離がきつい。
 互いに距離が詰まる。前衛組は加速した。
「行くわよルーキー君、お姉さんが相手になってあげるわ」
 リズナ・エンフィールド(ga0122)が相対距離50でブレス・ノウを発動させレーザー砲を解き放った。宙を裂いて飛んだ閃光がルーキーCの膝関節に直撃し、その装甲を痛めつける。
 距離が詰まる。
(「機体仕様はほぼ同じで、連携も示唆される‥‥ならば、腕と覚悟の差で勝敗をつける」)
 南雲がスナイパーライフルをリロードし、ルーキーAの脚部を狙って発砲、再装填。弾丸がKVの膝関節に突き刺さった。
「近距離兵器しか持たない部隊がどれほど愚かか知ってもらおう」
 藤村は呟き、再びレーザー砲で狙いをつける。
(「近距離武器にあこがれるものもいるだろうが、戦場の基本は相手に攻撃される前に攻撃するのが有効だ」)
 藤村はそう考える。あながち間違いではない、古来より戦の多くは飛び道具がその勝敗を決してきた。
 しかし――距離をおくと著しく命中率が低下し、機体の装甲厚く、一撃必殺とはならぬが為に、一気に距離を詰めて射程を制する事の出来るKV戦では火力の重要性もまた高い。上手く射撃で制する事が出来るか否か。
 既に距離は40程にまで詰まっている。引き金をひくと同時に放たれた六条のレーザーがルーキーBへと襲いかかった。そのうちの三条がR‐01の装甲を削った。半分は残念ながら回避された。藤村はレーザー砲をリロードする。
「――Lasst lustig die Horner erschallen Wir lassen die Horner erschallen‥‥」
 崎森 玲於奈(ga2010)が近距離からブーストし盾を構えてチャージした。ルーキーCと崎森の機体が激突し轟音を巻き起こす。ルーキーCはディフェンダーで受けようとするも押し切られ態勢を崩した。その隙を狙って崎森はアグレッシヴ・ファングを発動させると猛然と剣を振り上げて痛烈な二段撃を叩き込む。R‐01の腕部のフレームが鈍い音を立ててひしゃげ、射撃によりダメージが蓄積していた脚部が圧し折れる。ルーキーCは武器を取り落として転倒し、無力化された。
「畜生、うごかねぇっ!」
「まだまだっ!」
 ルーキーAがディフェンダーを構えて月影機に突っ込む。
「格闘戦の極意を教授してやる」
 月影透夜はユニコーンズホーン構えて迎え撃つ。月影機はアグレッシブ・ファングを発動させ脚部を狙って槍を繰り出す。
「なんとぉ!」
 R‐01の巨体が舞った。ルーキーAは跳躍して穂先を回避していた。
「甘い!」
 間髪入れず宙に浮いたR‐01へと向けて月影が雷光の如く槍を繰り出す。ユニコーンズホーンとディフェンダーとの間に火花が散った。宙で押し返され着地したR‐01に向けて月影機は迫り、脚部を狙って槍を振るう。R‐01は後方にさがり回避した。
 その瞬間を狙いリズナ機と煉条機がレーザー砲を猛射する。ルーキーAの装甲が閃光の嵐を受けて次々に吹き飛んだ。後もうひと押しに見えたがカートリッジ切れだ。再装填。
「戦場では常に周囲に気を配れ! だから集中砲火を浴びるんだ、脇が甘い!」
 伊佐美機がリロードしながら移動して射線を通し、スナイパーライフルで発砲する、弾丸が突き刺さった。そこへさらにツァディ機がレーザー砲を叩き込んで打ち倒す。
(「序盤はとにかく速攻が大事‥‥!」)
 ルーキーDへはセラ・インフィールド(ga1889)機がディフェンダーで斬りかかっていた。アグレッシブ・ファングを発動させると破壊力にものをいわせて竜巻の如く剣を振り回す。二回命中、R‐01の胸甲を強打して歪ませ、肩口へと剣を叩き込んだ。
 セラ機がルーキーDの相手をしている間にみづほ(ga6115)機は隣をすり抜け後背に回り込んでいた。重心を傾けて急転回させると向きなおり、ディフェンダーを構え突進。
 アグレッシヴ・ファングのエネルギーを乗せて敵機の背後から切っ先を突き出す。鈍い音と共にR‐01の背甲が陥没した。よろめいた敵機に向かってディフェンダーを引き絞ると、武器へのエネルギー付与を限界まで高め、再度同じ箇所へと繰り出した。切っ先が装甲を突き破りR‐01を串刺しにする。剣を引き抜くとR‐01は漏電しながら爆発し倒れた。
 ルーキーBのR‐01がディフェンダーを振りかざして月影機に迫る。アグレッシヴ・ファングと共に振り下ろされた刃を月影機は後退して回避し、続く薙ぎ払いの連撃を槍の柄で流してかわす。放たれた突きを大きく横に跳んで避けようとしたが、かわし切れずに腕を削られる。
(「‥‥ここだ!」)
 射線が通った瞬間を狙って南雲がスナイパーライフルで発砲した。二発の弾丸が飛びルーキーB機に命中する。藤村がレーザー砲を猛射し九条の閃光の嵐を飛ばす。六条が命中しR‐01の装甲を穿った。間髪入れずに崎森が間合いを詰めディフェンダーで三連撃を浴びせる。一撃目をディフェンダーで叩き落とされるも切り返し、強烈な二連斬を浴びせてルーキーBを破壊した。
「北方クリア」
 崎森が言う。
「状況を確認、西南西、東南東よりそれぞれS‐01が接近中、双方相対距離80を切ってます。予定通りに行動を。東側に移動して下さい」
 みづほが無線を通じて全機に状況を伝える。
「了解。煙幕を、そこに飛び込む」
 月影はその言葉を受けて東南東へと向き直る。もう大分距離が詰まっている。東南東から迫りくるS‐01部隊の射線を遮るように煙幕を張り、追いかけるようにして煙の中に飛び込む。
「南雲、煙幕を展開するわ」
「了解」
 リズナ機もまた南西へと振り向き最も距離の近い機体――南雲機だ――を中心にして煙幕を発射した。東へと機体を転回させる。
 煉条機もまた東へと機体を転回させ移動を開始する。東部隊の北側を通って東側へと回り込む機動だ。ツァディ機は東南東の部隊を正面に捉えるように向きなおり、平行移動で移動を開始する。
 伊佐美はリロードしつつ西南西へと機体を向ける。煙幕で射線が遮られている為、断続的に映るレーダーを頼りにブレス・ノウを発動させて発砲後、東へと機体を転回させる。
 セラ機は東南東へと振り向き機体を前進させ煙幕の中へと飛びこんだ。加速して月影機に並ぶ。
「南雲機、西を抑える」
 南雲はそのまま西部隊の牽制を行うつもりのようだ。煙幕の中、振り向くとレーダーを頼りにブレス・ノウを発動させ再装填し発砲。南雲からは確認できなかったが、弾丸はS−01へと直撃コースで飛んだ。ルーキーIは慌てて盾を翳して受け止める。
「もう一弾、煙幕を入れるぞ」
 藤村は言いつつ東南東へと向き直ると射線上に煙幕を張った。彼の位置は煙幕を張った時の月影機の位置よりも大分南だ。月影が張った煙幕では中衛への射線を遮れなかった。西側に近づかずにクリアな射線を確保する為に北東へと移動を開始する。
 崎森機は東南東へと振り向くと、機体を加速させ煙幕を突っ切って東部隊へと向かう。
「突撃する!」
 月影機はブーストを発動させた。セラ機はブーストを行うには燃料が足りない。
 月影機が煙幕の中から飛びだした。敵部隊を円を描いて回り込む機動を用い最大戦速で突っ走る。
 飛びだしてきた月影機に向かって東部隊がブレス・ノウを発動させレーザー砲で猛射した。凄まじい光の嵐が月影機に集中して襲いかかる。
 月影はブースト機動で機体を振り閃光をかわしながら突進する。だが全てはかわしきれない。次々と被弾し、機体の装甲が削り飛ばされてゆく。損傷率が五割、六割、七割あっという間に上昇してゆく。大破する勢いに見えたが、装甲を二割強残して東部隊の側面を抜けた。
 土煙りをあげて急ターン、回り込む。挟んだ。アグレッシブ・ファングを発動させユニコーンズ・ホーンを構えチャージをかける。ルーキーHの右側面に槍の穂先が突き立った。
 その間にリズナ機は東へと移動、伊佐美は東へと移動しつつ再装填、西部隊へ振り向いて発砲。みづほ機は東部隊に向かって前進を開始した。
 月影が敵の側面を通り抜け、東部隊はそれを追うように機体を転回させながら射撃した為、西と東が敵の側面になっている。
 煉条機は煙幕に射線を遮られず、味方機の背に当たらない位置まで移動するとレーザー砲で攻撃を仕掛けた。側面より三条の光線がルーキーFに命中する。
(「挟まれて敵は混乱していますね‥‥一気に押し込む!」)
 零距離まで詰めたセラ機がディフェンダーで斬りかかった。左側面からの斬撃はルーキーEに命中、衝撃を叩きつける。
「ほいほいっと」
 ツァディ機は並行移動で東へと向かう。斜線が通った瞬間にレーザー砲を構え引き金をひく。ルーキーGの左肩へ閃光を打ちつけた。状況を確認しつつカートリッジを再装填する。
 西側部隊は一斉にブーストして煙幕の中に飛び込み南雲機へと迫っていた。
(「来るか」)
 煙中での戦いだ。南雲は回避を試みるが、ブーストとブレス・ノウにより研ぎ澄まされた槍撃は煙幕の中でも鋭かった。四本の槍が連続して繰り出され南雲機へと突き立つ。八連撃、六発命中。損傷率六割。
 煙幕はもうじき消える、他のメンバーは東部隊と交戦中だ。一機で四機を相手どるには厳しいか。敵の眼前で回頭するのも拙い。
 南雲はブーストを発動させると斜め前方へと飛びだし、西部隊の脇をすり抜けて西方へと離脱した。九十mほど突っ走ると東へと向き直ってライフルを構える。孤立したが敵の背後は取った。
 その間に藤村は射線確保の為に移動していた。崎森がディフェンダーを振りかざしてルーキーGへと襲いかかる。三連斬を浴びせ、猛烈な打撃を与えた。
 月影がルーキーHへと三連の槍撃を繰り出し、同じく強烈な打撃を与える。
 射線を確保したリズナ機はルーキーFへと向き直るとレーザー砲を連射する。閃光の帯がS‐01へと突き刺さった。
「‥‥この山猫の眼が獲物を逃すものか」
 伊佐美はリロードすると煙中の西部隊のルーキーIへ発砲する。しかし盾で受けられた。東へと向き直りつつ再装填する。
 煉条はレーザー砲をルーキーFへと連射しつつ再装填。全弾命中。
 セラはディフェンダーを振りかぶって三連斬を繰り出す。ルーキーEへと的確に命中させ強烈な打撃を与えた。
「とどめです!」
 みづほ機もまたルーキーFへと肉薄しディフェンダーで斬りかかる。斬撃の嵐がルーキーFの装甲を叩き割り、ついに破壊した。
 ツァディ機は崎森機に当てぬように精密に狙うと、ルーキーGへと向けてレーザー砲を猛射した。九連の閃光の嵐が装甲を次々に削り取る。
「ただではやられませんよぉ!」
 ルーキーEはセラ機に、ルーキーGは崎森機に、ルーキーHは月影機に向けてガトリング砲でフルオート射撃する。セラ機、崎森機、月影機にそれぞれ約百発の弾丸が至近距離から叩きこまれる。月影、損傷率九割八分、大破寸前だ。
 西側の部隊は伊佐美機へと向かって前進した。南雲機はそれを追いかける。
「そこまでだ」
 藤村は射線を確保するとルーキーGへと向かって閃光を解き放った。レーザーの嵐が咆哮をあげS‐01を次々と穿ち大破させる。
 崎森はセラ機と交戦するルーキーEの側面へと迫ると剣を竜巻の如く振って大打撃を与え、破壊した。月影もまた眼前の敵を打ち倒すと、方向を転回させて迫りくる西部隊から距離を取った。
 月影機は大破寸前、南雲機も装甲を半分以上削られていたが他の機はまだまだ健在だ。おまけにスナイパーの南雲機が背後をとっている。
(「‥‥既に勝敗は決したか。やはり最初から期待は出来ないものだ」)
 満たされぬ渇きに崎森は胸中で呟き、嘆息をもらしたのだった。

●戦い終わって
 西部隊も粘り、かなりの打撃を一同に与えたが大破させるまでにはいたらず、やがてルーキーの全機は打ち倒された。
 一同は教官も交えルーキー達と反省会を行い、様々なアドバイスと注意を与えた。ルーキー達もここまで完封されれば素直に言葉を聞くものだ。
「その内、戦場で背中を預ける日も来るかも知れないな」
 煉条トヲイは別れ際、そうルーキー達に言い残すと訓練室を後にした。