タイトル:骸骨の竜マスター:望月誠司

シナリオ形態: ショート
難易度: やや難
参加人数: 10 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/07/14 20:51

●オープニング本文


 その男は空軍でも指折りのパイロットだった。
 撃墜したヘルメットワームの数は両手では収まらず、エースの一人と目されている。
 戦闘機乗りとしては優秀な男であったが、しかし家庭人としては赤点ギリギリといった所であった。
 多忙故にあまり家族と接する事が出来ず、約束を反故せざるを得ない事態になる事はしばしば。そんな夫に妻の愛想は尽きかけ、一人息子はヤサグレ始めているという。
 男は我が方の状況は危機的にあると判断した。男は空の英雄と言われていたが、英雄ではなかった。自らの家庭も守れない者に果たして地球などというものが守れるものか――というのはすり替えであると思っていたが、地球平和の為に自らの家庭を犠牲にするつもりはさらさら無かった。多分、俺のような男が親バグア側に引きこまれたりするのだろう、などと思いつつ、姦計を用いて上司から溜まった有給を奪取せしめると、我が家へと帰投し、御年、六歳になる息子へと「休日に何処か行きたい所はないか」と問いかけた。
「かいじゅー見にいきたーい」
 息子はわーいと両手をあげて言った。男は別に銃を突きつけている訳ではないのだから手をあげる必要はないだろう、と我が子に対して思いつつも言う。
「かいじゅーとはなんだ?」
「ああ、それね。隣街に恐竜の博物館が出来たのよ」
 キッチンから出てきた妻がエプロンの前で手を拭きつつ説明した。
「ほう、恐竜か」
 男は呟く、
「恐竜とは――鳥類の祖先である、と言われている生物で、中生代に繁栄を見せ、原爬虫類より進化、巨大化し、分類学的には竜盤類と鳥盤類にあたるものを恐竜というが、日常用語的には翼竜、魚竜、首長竜なども含むというあの恐竜か?」
「‥‥かーちゃん、かーちゃん、おとーちゃんがまた外国語話しはじめたー」
「あんた、相変わらずねぇ‥‥」
 女は嘆息して言う。
「よく解んないけど多分その恐竜よ」
「そうか。またつまらぬ物がみたいのだな」
 少年の顔がひきつる。
「うわ、このとーちゃん、めっちゃむかつくー、なぐってやるー」
「ほう、良いだろう。だが貴様の体力、技量では俺には絶対に勝てん。二秒後にはその行動を後悔する事になるだろう。それでも良ければかかってこい」
 バキバキと拳を鳴らして男は言う。
「むききききーっ! むかつくー! むかつくー! 大人げなくないかー!」
 少年は母の後背へと逃げ込みながら言う。
「息子よ、己よりも強大な存在に挑むには常に致命的なリスクが伴うのだ。それを忘れてはならない」
「うっさいトーヘンボクー! かーちゃんかーちゃん! なんでこんな奴と結婚したのー?!」
「‥‥自分でもホント不思議だから、深く考えないようにしてるの」
 女はふっと遠い目をして言ったのだった。


 休日、その少し変わった家族は一家揃って町の博物館へと訪れた。それなりに楽しんでいたのだが、途中でトラブルが起こる。
 展示されていた体長七メートル近くもある二本足で立つ白骨竜が吠え声をあげて動き出したのである。
「‥‥最近の博物館って進んでいるのね」
 逃げ惑う人々の海の中、女が床に尻もちをつきながら呆然と見上げて言った。
「むぅ、白骨なのに何故、吼え声をあげられるのだろうか? 不思議だ」
「ばぐあのきめらだからに決まってるじゃん?! かーちゃんもとーちゃんも呑気なこと言ってないでにげよーよ!」
「こ、腰が抜けちゃった、てへっ☆」
「かーちゃんんんんんん?!」
「問題無い、行くぞ」
 男はひょいと妻と肩に担ぎあげ、息子を脇にかかえると、脱兎の如く走りだした。
「と、とーちゃんとーちゃん!」
「輸送方法についての文句は受け付けない」
「違う、あの骸骨、こっち追ってきてるよ?!」
「難儀なことだ」
「なんでそんな落ちついてんの?!」
「慌てても仕方ない」
 男は博物館の出入り口へとたどり着くが、我先に脱出しようとする人々が押し合いへし合い、壁になっている事に気づく。将棋倒しに転倒する者多数で、遅々として進まない。蒼白い炎を虚ろな眼窩に宿し、背後から骸骨竜が轟音と共に迫る。
「仕方ない」
 男は言って二人を降ろし、背中からするするとスコーピオンを取り出す。
「‥‥とーちゃん、なんで背中に銃入ってんの?!」
「紳士の嗜みだ」
 言ってガション、とカートリッジを装填する。
「ってそれどーするの?! と、とーちゃんまさか戦うの?! りすくがどーたらとか言ってたじゃん!」
「息子よ、生きるならば、それでもやらねばならぬ時もある。母を頼むぞ」
 言って少年の父はスコーピオンを構え、来た道を逆走していった。

●参加者一覧

鋼 蒼志(ga0165
27歳・♂・GD
獄門・Y・グナイゼナウ(ga1166
15歳・♀・ST
トレイシー・バース(ga1414
20歳・♀・FT
神無 戒路(ga6003
21歳・♂・SN
イシイ タケル(ga6037
28歳・♂・EL
フォル=アヴィン(ga6258
31歳・♂・AA
八神零(ga7992
22歳・♂・FT
鈍名 レイジ(ga8428
24歳・♂・AA
斑鳩・八雲(ga8672
19歳・♂・AA
群咲(ga9968
21歳・♀・AA

●リプレイ本文

「ふーむ、たまたま近くに寄ったら事件ですか‥‥」
 軍用車の中で鋼 蒼志(ga0165)が眼鏡の位置を中指で直しつつ呟いた。偶々でも装備を持っている理由は紳士だからである。鋼、曰く「ドリルは紳士の嗜みですよ?」との事。
「近くに博物館ができたってのは聞いてたが‥‥こんな形で来る事になるとはな」
 鈍名 レイジ(ga8428)が呟いた。
「博物館だいすきー。しかも相手は恐竜とはねェー」
 博物館好きの獄門・Y・グナイゼナウ(ga1166)はアカデミックな期待に目を輝かせている。
「奇妙な符号ですねぇ。ちょうどさっきまで大きな竜をみんなで狩るTVゲームをやってたとこだったんですよ」
 それが理由で仕事を引き受けたというイシイ タケル(ga6037)が言った。
「ゲームですか。そういえば映画でも、恐竜の化石が動き出すというものがありましたね。現実でも速やかに退治、といきたいところです」
 と斑鳩・八雲(ga8672) が言う。
「そうだね。博物館の中にはまだ誰かいるって話だよ。急いで助けなきゃ!」
 言って群咲(ga9968)は運転手に急ぐよう要請する。
「残っているのは軍人らしい」
 運転手の男が言った。
「軍人?」
「佐々木仁衛。階級は大佐。色々問題がある男だが、空のエースだと聞いている。休暇で赴いていたらしい」
「休暇中にねぇ。パイロットが陸で死んだら死にきれないわね」
 トレイシー・バース(ga1414) が言った。
「そうだな。軍としてもここで失うと痛い。可能な限り急ごう」
 運転手は言って、アクセルを踏み込み、さらに車を加速させた。


 現場に到着した傭兵達は覚醒すると武器を手に博物館の中へと突入する。
「化石恐竜‥‥太古の亡霊といった所か‥‥大人しく展示品でいればいいものを‥‥」
 フローリングされた床を駆けながら八神零(ga7992)が呟いた。
「なに‥‥骨とはいえ動く恐竜の姿を拝められる‥‥それはそれで楽しみだ‥‥」
 同じく駆けながら神無 戒路(ga6003)がそう返した。
 館内では時折銃声と竜の咆哮、何かの砕ける音が響いている。傭兵達は音を頼りに館内を駆ける。
 レイジは念の為、逃げ遅れた人がいないかを確認しながら走る。一般客の姿は今のところ見当たらない。大小様々な化石が視界をかすめてゆく。今は敵は見当たらないが、この辺りでも戦闘があったらしく吹き飛ばされた展示品が転がっている。
(「此処にあるのはこれまでの地球の記憶、男なら感じる浪漫‥‥侵略者にそう易々と潰させるかよ!」)
 鈍名レイジはそう胸中で呟いた。通路を抜け、角を一つ曲り、大ホールに出る。一同はそこで、敵の姿を発見した。
 展示品が作る道の彼方、周囲にあるものを吹き飛ばしつつ体長七メートル程もある骸骨の竜が二本足で立ち暴れまわっている。
「うーむ、コイツは‥‥いわゆる肉食恐竜と言うヤツなのかねェー? 獄門の科学知識を持ってしても‥‥」
 その姿を見、何やら科学少女が目を輝かせて呟き始めた。
「おっと、見惚れてしまったー。佐々木氏は無事かねェー?」
 視線を走らせれば、骸骨竜の足もと近くでスコーピオンを構えた鋭い雰囲気の男が、繰り出される噛みつきなどを走り回ってかわしつつ時折、銃を撃ち返している。
 まだなんとか健在のようである。一同は急ぎ向かう。
 まずフォル=アヴィン(ga6258)が先手必勝を発動させて骸骨竜の前に躍り出た。
「後は引き受けます! 一旦下がって休んで下さい!」
 フォルは拳銃S‐01をジャコ、と音を立ててスライドさせ貫通弾をロードすると骸骨竜の頭部へと狙いをつけ発砲。ドコドコと重い音を立てながら連射した。放たれた弾丸は白骨竜の顎に突き刺さり、破片を撒き散らす。スコーピオンの男はその隙に低く駆け、後退した。
 銃撃を受け、骸骨竜がこうべを素早く回してフォルへと向く。蒼白い炎の宿る眼窩がフォルを真っ向から捕える。竜は顎を開き、牙を剥き、衝撃波が巻き起こる程の咆哮をあげた。びりびりと空気が震える。
 竜は、その巨体さに見合わぬ俊敏な動きで身体を屈めると、右の爪をフォルへと向けて振り下ろした。フォルは軽く後方へと跳びつつ朱鳳を鞘から抜き放ちつつ回避する。叩きつけられた手が館内を揺るがす。フォルがカウンターに出るよりも早く、骸骨龍は素早く身を捻り、尻尾による薙ぎ払いを繰り出す。
「EarthToEarth;AshesToAshes,DustToDust‥‥BoneToBone!!(土は土に、灰は灰に、塵は塵に‥‥骨は骨に!!)」
 トレイシー・バース(ga1414)は練力を全開にすると繰り出された尾に向かってバトルアクスを叩きつける。斧と骨の尾が激突し。トレイシーの靴底が音を立てて床をこすり、後方へ押されてゆく。尾の衝撃力はかなりのものだが、トレイシーもパワーがある。突き抜ける衝撃を堪えつつ、数歩分の距離で踏みとどまる。
 神無 戒路(ga6003)は骸骨竜の側面を取ると鋭角狙撃と影撃ちを発動させ骸骨竜の左膝へと素早く精密に狙いをつけた。
「‥‥撃ち砕け‥‥」
 神経を針の如く尖らせ、強弾撃を発動させつつライフルを発砲。貫通弾が回転しながら飛んだ。弾丸が骸骨竜の足へと命中。骨を穿ち、貫き、透明なゲル状の何かを噴き出させる。骸骨竜の動きが若干鈍った。
 斑鳩は真デヴァステイターを構えると骸骨竜の足もとへと狙いをつけた。トリガーを引き絞り発砲、発砲、発砲、雨の如く弾丸が骨へと降り注がれ破片を飛ばす。
 その攻防の間にも獄門はスコーピオンの男へと練成治療をかけて回復させると骸骨竜へと向けて練成弱体を発動させた。外見上の変化は何もないので、効いているのかいないのか解りにくい事このうえないが、多分効いている筈である。
 鋼は骸骨竜の正面へと踏み込むと、敵の胴を狙ってドリルスピアを繰り出した。
「化石はそれはそれで浪漫があるがな。過去のものが現代で暴れられると困るんだよ」
 回転する切っ先が骨を掠め甲高い音を立てながら削り取る。
「‥‥合わせるぜ、一気に砕く!」
 レイジは両手持ちの大剣に紅蓮の光を巻き起こすと敵の右足を目がけて疾風の如く駆ける。
「この一撃なら‥‥!」
 八神零がレイジに合わせて走り二刀の月詠に黒炎を宿し刀身を真紅に輝かせる。
 トレイシー・バースはアクスを構えて尾の攻撃を警戒している。
 骸骨竜の右足へとレイジが紅蓮のコンユンクシオを右側面から叩きつけ、逆サイドから八神が二刀をクロスして斬りつける。二人の剣士は練力を全開にすると素早く剣を引き戻し、暴れる竜の右足を狙い執拗に猛攻を繰り出した。骨が大剣に砕かれ、骨が太刀に砕かれる。ゲルが噴出し、猛烈な勢いで骸骨竜の右足が削られてゆく。バキリと音を立てて竜の身が傾いだ。右膝が叩き折られたのだ。
 ほぼ同時に群咲が両断剣を発動させ素早く骸骨竜の左足元に飛び込み、その足先へと向けて刀を振り下ろしていた。暴れる骸骨竜の足をかわしつつ指に狙いをつけて振り下ろす。一刀目、外れた、床に刺さる。引き抜き、振り上げ、振り下ろす。三本の指のうちの最も外側の指の付け根に当たった。斑鳩の射撃でもろくなっている。刀身を滑らせ引き斬る。切断された。
 骸骨竜が咆哮をあげながら倒れてゆく。下にいる一同は素早く飛び退いて回避した。
 イシイタケルは倒れたキメラの正面へと回ると、シグナルミラーを張り付けた盾をかざしてちらちらと閃光を浴びせかける。その光を邪魔に感じたのか骸骨竜は腕を伸ばして爪で突きかかる。
 タケルは盾をかざして爪をブロックした。爪は盾に張られたミラーを叩き割り、甲高い音と共に破片をまき散らす。タケルは注意を惹くべくソードを振るってその腕に斬りつける。鈍い手ごたえと共に骸骨竜の骨が削れる。
「狩られる側の気持ち‥‥しかと味わえ‥‥」
 神無は呟き、ライフルの照準を頭部へと合わせると、一発、一発、丁寧に弾丸を叩きこんでゆく。
 一方、斑鳩は刀を振り上げその刀身に極限までエネルギーを集めていた。裂帛の呼気を吐き出し、一閃させる。音速を超えた剣閃に空が断裂し逆巻く衝撃波が飛ぶ。ソニックブームだ。音速波が骸骨竜へと襲いかかりその尾を強打した。トレイシーは不測の事態に備えて斧を構えて警戒している。
 獄門は超機械を発動させると竜の胴体部に照準を合わせて解き放った。蒼光の電磁嵐が猛烈な破壊の嵐を巻き起こし、骨を内部から爆ぜさせる。ゲル状の何かが飛び散った。
 八神と群咲は骸骨竜の後背に回り込むとその尾へと猛攻を加えていた。太刀を連打して打ちつけ、竜の尾をその身から切断する。
 その攻防の間にも鋼とフォルとレイジが転倒した骸骨竜の頭部へと迫っていた。
「俺のドリルで貴様を――穿ち貫く!」
 鋼は灼熱の色に輝く螺旋槍をかざし、額を狙って繰り出す。回転する切っ先が厚い骨を穿ち、抉り抜き、貫通させる。フォルもまた竜へと寄ると朱鳳に爆熱の輝きを宿しその後頭部へと叩きつける。薙ぎ払うように繰り出された刃が竜の頭蓋を強打し、叩き割った。レイジは竜の頭部へとめがけてコンユンクシオを振り下ろしていた。唸りをあげて振り下ろされた大剣が竜の脳天を破砕し陥没させる。
 一同の猛攻を受けた竜は身を震わせると、その眼窩からふっと蒼炎を掻き消した。それきり反応を示さなくなる。
「‥‥やりましたかね?」
 イシイタケルが言った。竜はもう、動かなかった。化石に還ったのだ。


「‥‥休暇中に巻き込まれるとは運が悪かったな。だが、無事だったようでなによりだ」
 八神が佐々木に言った。
「おかげで助かった。援軍に感謝する」
 佐々木はそう答えた。
「一人で戦っていたのに理由とかあるのか?」
 とレイジ。
「いや、それは単に周りに戦えそうな奴が他にいなかったからだな。軍人が非能力者の民間人を盾にする訳にもいくまい」
「奥さんと息子さんを守るために、単身キメラへと立ち向かう。父親の鑑ですね」
 と斑鳩が言う。
「そう、たいした事ではない」
 と男。表情に変化はないが、微妙に照れていそうだ。
「お疲れ様でした。軍に貴方のような方がいらっしゃる事を頼もしく思います」
 フォル=アヴィンが片手を差し出し軍人と握手をする。
「そちらも、ULTの傭兵は聞きしに勝る強さだな。一年前とは比べ物にならない。この化け物をここまで圧倒するとはな」
 と言って佐々木は地に伏している骸骨竜へと視線を転ずる。猛攻によってばらばらに解体された竜は静かに床に伏せていた。
「倒した後は、みんなで繋ぎ直して再展示ー、を目指してみよーかと思ったんだけど」
 トレイシーは動かなくなった竜を見下ろし、
「こりゃ見事にボッコボコね」
 肩を竦める。あちこちに大穴があき、破砕された骨のかけらがいたるところに飛び散っている。
「なおすのはちょっと無理かなー?」
 群咲が残念そうに言った。これを修復しつなぎ合わせるのは、道具も無しには素人手には不可能に近いだろう。
「博物館名物ラスホプザウルスっていきたかったんだけどねェー」
 獄門もまた至極残念そうに言った。パズルのピースが砕け散ってしまっていては嵌めようがない。
 神無はじっと化石の残骸を見詰めていた。
「戒路君も恐竜に興味あったのかいー?」
 獄門がそう問うと神無は首をふった。
「‥‥いや‥‥そうでもない‥‥」
 しかし、無表情だがどことなく残念そうに見えなくもない。
「やっぱりこの骸骨竜の残骸は未来研あたりが持って行っちゃうんですかね?」
 イシイタケルが首を傾げた。
「最終的にはそうなりそうだな。軍が抑え、それからしかるべき研究所に運ばれる事だろう」
 佐々木がそう答えて言った。
「どうせだから骨をちょっとぐらい回収できませんかねぇ。いやほら何かに使えるかもしれませんし?」
 と、鋼。
「それは止めておいた方が良いな。窃盗になってしまう」
「あー、そういえば一応は博物館のものでしたっけ、これ」
 鋼はそう言って嘆息したのだった。


 かくて博物館で暴れた骸骨竜は退治され、その残骸は軍へと送られた。
 化石の竜は太古の森の夢を見るのだろうか。幾人かの傭兵はそんな事を思いつつその地を後にした。


 了