タイトル:黒い噴水キメラの怪!マスター:村井朋靖

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2010/04/21 14:57

●オープニング本文


 南国・沖縄の天気は変わりやすい。だから天気予報は、いつも「晴れときどき曇り、ところにより雨」だ。
 しかしキメラのせいで、いつも雨降りになってしまった街があった。晴れているのに、曇ってないのに雨。
 今日もまた、そいつは黒い上半身だけを地面から出し、時に身をよじってもがきながら、口から水を吐く。
 このキメラは大型の黒ナマズで、地中を移動して自在に人間に襲いかかる脅威‥‥を演出するはずだった。
 ところが公園の噴水から飛び出そうとしたら、器用にも何かに引っかかって抜け出せなくなってしまった。
 もちろん人間が助けてくれるはずもない。キメラなのだから。黒ナマズはじっと辛く苦しい時間を過ごす。
 その憂さ晴らしとばかりに、彼は自分が得意とする水噴射攻撃をそこかしこに放っているというわけだ。
 そのせいで公園の施設は強烈な水圧でことごとく破壊され、近隣住民は慢性的な水害に悩まされている。

 垣根のなくなった公園には、今も黒ナマズが顔を覗かせている。彼の周囲は、すでに瓦礫だらけだ。
 自分に近づく何かを察知すれば、口から高圧の水を噴射して威嚇。暇になると、上を向いて雨を降らせる。
 しかし、何をやっても抜け出せない。黒ナマズのストレスは頂点‥‥いや底が抜けてしまうかもしれない。

 この様子を、小型の液晶画面を備えた通信機で報告するスーツの男がいた。
 キメラとは対照的に純白のスーツに身を包んだ短髪の若者で、かなりのイケメンだが、顔面蒼白であった。
「や、やはり、抜け出せないようです。これは手に負えません‥‥!」
 どうやらこのキメラ、黒幕の思惑を実行するための大事な兵器だったらしい。スピーカーから返事が来た。
 その声は透き通るような優雅さを感じさせる。わずかにオーケストラが奏でるクラシック曲も響いていた。
「なんと美しくない‥‥今回の作戦から美しさが感じられなってしまった。もうよい、キミも戻りたまえ」
「は、はっ。し、しかし、あのキメラはいかがいたしましょう‥‥?」
「美しくないものに興味はない。放っておけばいい。それより、帰りに高貴なワインを手に入れてきたまえ」
 白スーツの男は「わかりました‥‥」と返事をし、黒幕らしき人物との通信を終える。
 彼はポケットからハンカチを取り出し、額の汗を拭った。そこには真紅のバラと黒い棘が刺繍されている。

 怪しい陰謀からも見放された黒ナマズのキメラは、何も知らずに今も沖縄の街に打撃を与え続けている‥‥

●参加者一覧

雨霧 零(ga4508
24歳・♀・SN
番 朝(ga7743
14歳・♀・AA
夜十字・信人(ga8235
25歳・♂・GD
魔神・瑛(ga8407
19歳・♂・DF
紅月・焔(gb1386
27歳・♂・ER
エイミー・H・メイヤー(gb5994
18歳・♀・AA
ムーグ・リード(gc0402
21歳・♂・AA
白鳥沢 優雅(gc1255
18歳・♂・SF

●リプレイ本文

●個性的な敵と味方
 周辺住民の憩いの場である公園の噴水から上半身を覗かせるナマズ型キメラ。その姿はマヌケの一言に尽きる。
 体をよじって脱出を試みるが、まったく動けやしない。しばらくすると上を向き、体内に蓄えた水を降らせる。
 これが即席の虹を作るだけならまだ可愛いが、公園はすっかり水浸し。どこまで噴水かわからない有様である。
 決して美しい雨ではないからか、討伐にやってきた能力者の雨霧 零(ga4508)はレインコートを着ていた。
「名前に雨を冠する私に、隙などなかったっ!」
 敵にかっこよくビシッと指差すと、番 朝(ga7743)が不思議そうな表情で「うんうん」と何度も頷く。
 そんな彼‥‥いや、彼女はすでにずぶ濡れ。夜十字・信人(ga8235)は武器を抜きつつ、番に声をかけた。
「番長、風邪を引かないようにな」
「あ‥‥うん」
 名前から派生したであろうあだ名で番を呼ぶ信人は、似たような関係の紅月・焔(gb1386)に目を向ける。
 こちらは何が嫌なのかわからないが、ガスマスクで顔だけを完全防御。もちろん体はしっかり濡れている始末。
「焔は、風邪は大丈夫だな。バカだから」
「よっちー、いいんだぜ‥‥風邪じゃなく、バカとか変態とかうつしてやるから」
 そのやり取りを近くで聞いていたゴスロリ姿のエイミー・H・メイヤー(gb5994)が、思わず表情を曇らせた。
 あまり好きじゃないナマズが鎮座しているだけでなく、討伐のメンバーに一癖ありそうな男どもがいたからだ。
 服に合わせたお気に入りのフリフリ傘を巧みに操って男を観察。直感と本能でセクハラ危険リストを構築する。
「ガス野郎はわかりやすいが、なんか‥‥判別しにくいのが混じってるな」
 男勝りのエイミーが判断に困る逸材、それはおネェ系バリバリのキラキラメンズ・白鳥沢 優雅(gc1255)だ。
 なぜか中世の貴族よろしく、王子様ファッションでバッチリ決めている。そこも最大級の謎ではあるのだが‥‥
 両隣に立っている男の勲章のような魔神・瑛(ga8407)、そして巨躯のムーグ・リード(gc0402)とは対照的。
 しばらく見ているうちに、だんだんと女に見えてくるこの不思議。エイミーは、不自然なまばたきを繰り返す。
「なんで優雅は‥‥普通のゴーヤジュースを、高そうなティーカップで飲んでるんだ?」
「そんな細かいことを聞くなんて、実にエレガントじゃない。ゴシックノワールの少女、僕の雰囲気を感じて♪」
 エイミーだけでなく、瑛もどこかガッカリした表情を見せた。優雅とは、ある意味で期待通りの人物だった。
「それはともかく‥‥あのナマズ君からは、エレガントさが感じられない。もう、ナマズ君は帰りたまえ」
「ま、本人も帰りたいんだろうけどな。だいたい、普通のナマズの下半身に引っかかるようなモンはないだろ?」
「ああっ! これ以上の想像は、ますますエレガントから遠ざかってしまう! イケないっ!」
「あんたの言うとおりだわ。ちょっと考えただけで、ダメなイメージしか出てこねぇ。さっさと退治するか」
 瑛は愛用のクロムブレイドを持つと仲間から少し離れ、横に素振りを始めた。鋭い薙ぎが、わずかな音を出す。
 これが、今回の戦術。接近戦を挑む番と信人、さらに焔と瑛は、基本的に武器の縦振りをしないことにした。
 いくら敵の動きが制限されているからといって、むやみに武器を振るえば、ストッパーの噴水を壊してしまう。
 せっかく罠にハマった状態のナマズを、わざわざ自由にしてやる理由はない。後ろで援護する仲間も注意する。
「瑛君の言うとおり‥‥いったい何が引っかかったんだろうな?」
 番の疑問に答えるべく、ムーグがゆったりとした語り口で話す。
「ナマ、ズ‥‥久しブリ、ニ、ミマシ、タ‥‥ガ‥‥間抜ケ、ナ、獲物、ハ、狩らレル、定め、DEATH‥‥」
「そうだよ、番くん! 罪なき人々を苦しめるキメラに、生きる道はないのだよっ!」
 名探偵が威勢よく語ると、番はまた「うんうん」と頷いた。そのけなげな姿を見て、零はますます盛り上がる。
 エイミーが、そしてガス野郎がいろんなものに警戒しつつも、表向きはみんなでキメラの討伐に取りかかった。
「エロティメット黙示録ホムラ。副題、沖縄に舞い降りた変態! ククク、始まるぜ、よい子のみんな‥‥っ!」
 舌をなめずりセクハラを狙っている焔は、まだこの時、仲間がそれぞれに抱く防御策に気づいていなかった‥‥

●敵は味方ではなく、ナマズです。
 ナマズの不機嫌さは相当なもので、自分に接近する能力者にさえ注意を払わない。それだけ余裕がないのだ。
 射撃と援護を担当する後衛のメンバーが先に散開し、それに重ならない形で接近戦を挑む前衛が位置を決める。
 エイミーはナマズの雨が届かない位置まで移動すると、大事な傘を大鎌に持ち替えた。それを、焔が目で追う。
 武器の準備も整ったところで、ここぞとばかりに零が皇帝剣を抜き、切っ先をキメラに向けて早くも勝利宣言!
「これだけの能力者に囲まれてしまっては、残念ながら君には敗北以外の道はないっ!」
 瑛が「ご期待に応えよう」と言いながら接近。信人は十字架大剣を構え、ソニックブームを発射して突撃する。
「番長、トドメを頼む。よく見て、その時を狙えばいい」
 信人は指示を出すと、剣を盾にしてジグザグに走る。それと対照的に、衝撃波は真一文字にキメラの肌を裂く。
 そして攻撃が届く範囲まで接近すると、ダッシュの速度と遠心力を乗せた渾身の横振りでお見舞いした。
 ナマズは避けようとするが、それができないのは誰もが知るところ。手痛い一撃をその身に受け、奇声を出す。
 このダメージがきっかけでようやく能力者たちを見るが、もう瑛が流し斬りを使用した一撃を繰り出していた。
 これもまともに食らうわ、スケベ心満点の焔のグラファイトソードから繰り出される斬撃もいっぱい食らった。
「モピィーーーーー!」
「これ、ナマズくんの鳴き声? 俺、聞いたことないな」
 番がそうつぶやいてから覚醒。豪破斬撃で淡い光を帯びた大剣を黒い体に叩きつける。また悲鳴が木霊した。
 前衛が接近したところで、後衛が仕事を始める。ムーグは番天印を構え、まず制圧射撃を発動させて効果発揮。
 ナマズの行動力を減らした後、二度の射撃を試みる。撃ち出された2発の弾丸は、いずれも頭に命中した。
 優雅も負けじと周囲をキラキラさせながら、機械巻物「雷遁」で攻撃する。王子様の衣装がふわりと揺れる。
「エレガントビーム!」
 巻物だけで発動するのに、なぜかアルティメットフライ返しも同時に振りかざす独創的な攻撃もまた命中した。
 エイミーは雨が止んだのを確認し、ソニックブームを発動させると、ギリギリの距離から衝撃波を放つ!
「ピュエェェェーーーーー!」
「こういう時に射程の長い攻撃は便利‥‥」
 彼女はとにかく、あのヌメヌメのボディに触れたくない。武器を小銃に持ち替え、じわりじわりと下がった。
 上半身しか動かせないとはいえ、このナマズは体が柔らかい。まずは器用に頭突きを、信人と焔に披露した。
 破壊力のありそうな攻撃ではあったが、いかんせん動きが遅い。信人も焔もすばやく避けて、難を逃れた。
「回避まで連携するとは聞いてないぜ、よっちー!」
「俺はお前と違って、力比べとか痛いのは嫌いじゃないんでなっ」
 信人の容姿からは想像もつかないような変態っぷりが見え隠れする発言に、エイミーは思わず身震いした。
 ここでキメラは不意打ちで、至近距離にいる瑛に、公園を破壊するほどの威力のある水を口から噴射する!
「おっと、こう来るとは‥‥ぐおっ!」
 瑛は回避に失敗し、鋭い水圧の餌食となったが、受けたダメージは軽かった。すぐに立ち、武器を構えなおす。
「やるじゃねぇか。だが、これからだぜ!」
「瑛くん、やるね! そうさ、まだまだこれからだよ!」
「あんた‥‥まさか、応援係になるつもりじゃねぇだろうな?」
 名探偵は思惑を言い当てられて焦るが、すぐに指揮棒型の超機械を取り出して「そんなことないよ!」と反論。
 しかし今回は攻撃せず、そのまま指揮棒を振るって「さ、みんなでがんばろうっ!」と激励を送るに留めた。

●ナマズとセクハラ野郎にお仕置きを
 敵の水鉄砲で複数が標的にされないよう散開する作戦が、じわじわとその効力を発揮し始めた。
 ナマズは次の獲物を狙おうにも、一網打尽にするラインが見当たらずイライラする。鳴き声がそれを物語った。
 信人は再び剣を振りかぶると、焔にフォローの合図を送る。ガスマスクの奥の瞳が、わずかに光った。
「焔、仕掛ける。援護しろ」
「肉体的マゾが、この瞬間だけサドになるってか。俺は精神的サドにならなくていいのか?」
 訳のわからないことをつぶやく焔を尻目に、信人は渾身の力でナマズの体にクルシフィクスを突き刺した!
 その大剣をすかさず焔が支えると、信人はフォルトゥナ・マヨールーを装備して、両断剣を発揮させる。
 そして大剣で体を固定し、ゼロ距離で強力な射撃を繰り出す! その衝撃の大きさはナマズだけが知り得た。
「ピピ、ピ‥‥ピュエェェェーーーーー!」
 あまりのダメージに堪え切れなかったか、顔を上に向けて不規則な量の水を吐き出す。
 ここで意外なところから悲鳴が上がった。エイミーだ。どうやら、お気に入りの服が水浸しになったらしい。
「あ、ああ‥‥お、お気に入りの服がぁ‥‥くそ、ナマズめ。許さんっ!」
 これを聞いた変態ガス野郎が、はっと視線を向ける。その速度は、もはや規格外。その映像、プライスレス。
「お、おお、女性の色気こそ‥‥女性の色気こそが、俺にとっての練成強化YO!」
「ガス野郎、露骨に言うな。みんながお前だけを見てるぞ」
 目の保養ができたと小躍りしながら大剣を引き抜こうとする焔に、仲間たちは実に冷めた視線を送る。
 キメラを退治することが目的なのに、このタイミングで意味もなく険悪なムードが漂った。
「ガス野郎‥‥お前はあとで鉄拳制裁だ!」
 ストレートな物言いで宣戦布告した瑛は、ナマズの息の根を止めるのが先とばかりに、豪快に剣を振るった。
 水鉄砲を食らったせいか、太刀筋にぶれはない。確実にダメージを与えていく。番も同じく、攻撃を当てた。

 変態野郎が自ら正体をバラしたからか、後ろに控える仲間たちの行動にも若干の変化が生まれた。
 優雅は練成弱体をナマズに使って援護。そして意図したかどうかはわからないが、練成強化を番に与える。
 この辺から何かがおかしくなった。零は真デヴァステイターに持ち替え、援護射撃のスキルで瑛と番を強化。
 さらに暗黙の了解であった「噴水付近への命中を避ける」を無視し、彼女は焔の足元に向けて発砲する!
「あ、あぶねぇ! 狙いが外れてるぞ!」
「違うね、容疑者クン! この攻撃はあえて‥‥あえて外したんだよっ!」
 焔は名探偵の言葉の意味を、じっくりと考えた。圧倒的閃きの後、ざわめきが‥‥心の底から沸き立つ。
「まさか‥‥よっちー、これは‥‥」
「勝手に仲間にするな、ガス野郎。みんなはお前を責めている」
 信人は完全に他人の振り。焔はもはや孤立。その直後、またまた足元で銃声が響く。今度はエイミーだった。
「この‥‥女性の敵め‥‥!」
 完全にキメラを無視して小銃で威嚇。ムーグは制圧射撃を発動して効果を発揮。さらに二度の銃撃を当てる。
 その時‥‥ガス野郎にとって、悲しいお知らせが耳に飛び込んできた。どうやら、ナマズがもう限界らしい。
 敵はもはや断末魔に近い、なんとも悲しげな細い声で鳴いている。新たなターゲットとなった焔は焦った。

 それでも「さすがはキメラ」といったところか。最後の力を振り絞って、強烈な攻撃を繰り出す。
 番と瑛にそれぞれ頭突きを、そしてあの水鉄砲を零に仕掛けた。ナマズの動きもまた、どこか必死に見える。
 しかし援護をもらった前衛ふたりは攻撃を華麗に避け、零も見事な判断で水撃を避けた。これで勝負あり。
「番長! トドメは任せるぜ!」
 セクハラガス野郎の声援を受け、番は体に炎のオーラを身にまとう。ラストは紅蓮衝撃の重い一撃のようだ。
 無言のまま軽々と剣を持ち上げ、そのまま怒涛の勢いで振り回し、ナマズの体に強く強く叩きつけた!
「ピッゲェェェーーーーーーー!」
 ナマズは奇声を上げると、地面に向かって体をだらりと横たえた。そしてそのままピクリとも動かなくなる。
 キメラとの戦いは終わったが、残念なことにまだ敵がいる‥‥そう、女性の敵だ。誰もが武器を収めない。
 零は先手を打って、ムーグに「あの男にはお仕置きが必要なんだよ!」と説明。すると、彼は静かに頷いた。
「イケマセン‥‥ミンナ、ノ、前デ‥‥スケベ‥‥ダメ、ゼッタイDEATH‥‥」
「ゴメンなさい。黙ってチラ見しなかった俺が悪かった。だからお願い、番天印を下ろして」
 反省の色はまったく見えないが、死にたくはないガス野郎の必死の懇願。仕方なく、零はムーグを制止する。
 しかし彼女は、瑛やエイミーの制裁まで止めるつもりはさらさらない。この後、変態野郎はお仕置きされた。

●空白の時間とその後
 あれから数十分が過ぎた。キメラ退治に苦戦したわけでもないのに、なぜか焔は疲れ切った表情をしている。
 あの断末魔からしばらくして、公園には人間の悲鳴が響いていたが、何かあったかはここで触れないでおく。
 ただ、この短い時間で想像を絶する何かが起こったのと、怒りを冷ます何かがあったことだけはお伝えする。

 瑛はみんなに濡れた体を拭くためのタオルを配るだけでなく、テントを立てて女性の着替えもフォローした。
 番もエイミーも服が濡れたので、零が「着替えよう!」と勧めた。押しの強い彼女の言葉に、ふたりは従う。
 そして服が乾くまでは、沖縄料理を堪能することになった。優雅は王子様のまま、バカンスを楽しむらしい。

 うまく容疑をごまかしたが、おいしい場面を見損ねた信人は気を取り直し、食事の音頭を取った。
「よし、みんなでゴーヤでも食べに行くかー」
「俺は聞いたことないな。でも、何でも食べてみる」
 番の心意気に感銘を受けたエイミーは「ミミガーなんてものもあるらしいな」といろいろなものを紹介する。
 瑛は「酒の肴になるものがあればいい」と笑顔を見せた。そして彼らは、談笑しながら公園を後にする。
 ただ、なぜか焔だけはまるでストーカーのように、距離を取ってコソコソと後ろからついて行く。怪しい‥‥