タイトル:見〜た〜な〜!マスター:瀬良はひふ

シナリオ形態: ショート
難易度: やや易
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/07/13 03:42

●オープニング本文


「――偶然、男は気付いたんだ。友人が夜になるとどこかに抜け出して、明け方に帰ってくる。最初は女子とこっそり会っているのか、と思ってニヤニヤしてたんだけど、どうにも様子がおかしい。何というか、やけに雰囲気が暗いんだ。そこで、思い切って後をつけることにした」
「‥‥ごくり」
 本部のロビーの一角、待合所のような場所を占拠して、能力者たちが怪談話に興じている。
 季節は既に夏の色を帯びてきており、気温は日々上昇の一途。心も体も涼を求めたくなるものだ。
 怖い話はそんなニーズにうってつけである。
「その友人は、旅館の外へ出て行くんだ。ばれないようにこっそりついて行く男は、途中でどうにも不安になってきた。何故かというと、友人が向かう方向は森に囲まれた墓場しか無いはずだからなんだ。懸念通り、友人はそこにたどり着き、ある墓の前で立ち止まった。そして墓石をずらして、骨壷を取り出す。何をするのかと男は不気味に思いながらも見ていると、何と中の骨を取り出してしゃぶっているではないか! 余りの驚きに、男は思わず足元の枝を踏み折ってしまう。その音に友人は動きをぴたりと止めて、ゆっくりと男の方へ振り向くと‥‥」
「見〜た〜な〜!」
「キャー!」
「うわああああ!」
 突然背後から響いた声に、能力者たちは面白いように驚いてしまう。
 慌てて振り向いた彼らの視線の先には、オペレーターのメアリー=フィオール(gz0089)が立っていた。
「お、脅かさないでよ!」
「ああ‥‥俺の台詞が‥‥」
 一部別の理由で凹んでいるが、それに構わずメアリーは懐から紙を取り出す。
「いや、怪談話に興じる君らに丁度良い依頼があったものでな」
「依頼?」
「うん。とある市の郊外を走る街道で、キメラによる事件が発生しているんだ」
 それのどこが丁度良いのだろうか。
 能力者たちは顔を見合わせる。
「被害者たちの話によれば、街道沿い走っていると道端に若い女性が蹲っている。何事かと思って車を寄せると、その女は一心に何かを貪っているのだそうだ。そして、近付いた車に気付くとゆっくりと顔を上げて‥‥」
「見〜た〜な〜!」
「ひいいいい!」
 先ほど言いそびれた能力者が、ここぞとばかりに叫ぶ。
 何人かがその犠牲となった。
 その様子を呆れたように見ながら、メアリーは続ける。
「うん、そう叫んで迫ってくるのだそうだ。幸い被害者たちは車に乗っていたので、追いつかれることなく逃げおおせているのだが、このままではいつ人が襲われるとも分からん」
「で、討伐の依頼が回ってきたと」
「バグアも妙なキメラを造るもんだねぇ。って、それ本当にキメラだよな‥‥?」
 嫌な予感に表情を曇らせながら、一人の能力者が確認する。
 メアリーは笑って言う。
「本当にキメラだよ。被害者の一人は軍人でね。護身用の拳銃で撃ったところ、フォースフィールドに阻まれたそうだ」
「そ、そうか。ならいいんだ」
 安心したように息を付くと、能力者たちは本部を後にするのであった。

●参加者一覧

ドクター・ウェスト(ga0241
40歳・♂・ER
ジェス・レッドフォード(ga3470
25歳・♂・SN
木花咲耶(ga5139
24歳・♀・FT
紅 アリカ(ga8708
24歳・♀・AA
グレッグ・ノルフィ(ga9730
23歳・♂・GP
都倉サナ(gb0786
18歳・♀・SN
桐生院・桜花(gb0837
25歳・♀・DF
J.D(gb1533
16歳・♀・GP

●リプレイ本文

●都市伝説を暴け!
「けひゃひゃ、我輩がドクター・ウェストだ〜」
 開口一番、ドクター・ウェスト(ga0241)が怪しく笑った。
 今回の依頼に当たり、彼を含めた数人が事前準備のために本部を訪れている。
「で、要求は何かね?」
 オペレーターのメアリー=フィオール(gz0089)が、ウェストの高笑いに呆れたような表情をしながら尋ねる。
「はい。該当の道路区間の封鎖をお願いしたいのです」
 木花咲耶(ga5139)が申し出る。
「それと、現場の地図が欲しいね〜。目撃場所も教えてもらえるかな〜」
「ワイヤーかロープも貰えるかしら。後、郊外に向かう車両を一台、ね」
 ウェストと桐生院・桜花(gb0837)が咲耶に続けて言う。
「ロープに車両、地図‥‥と。少し待て。ああ、現場の封鎖は現地の担当に伝えておこう。ただし、数時間が限度だ。長引かせてくれるなよ」
「クスクス‥‥任せて」
 J.D(gb1533)が微笑む。その笑みがどこか冷たいのは気のせいかどうか。
「車は一台でいいのか?」
 メアリーの確認に、ウェストがずいと身を乗り出した。
「我輩のランドクラウンがあるからね〜」
「なるほど。ま、貸し出す車ともども、壊さないようにな」
「心配ご無用よ」
 桜花が請け負えば、ウェストが開きかけた口をパクパクとさせる。
「それ、我輩の台詞だと思うんだね〜‥‥」
 呆然と魂が抜けたような彼を尻目に、残った面々はテキパキと準備を済ませる。
 程なくして地図とロープを受け取った面々は、残りの仲間がいる場所へと向かった。

「目撃場所は、この辺りに集中しているのね」
 四人が持ち帰った地図の一点を示し、紅 アリカ(ga8708)が言う。
 その指摘通り、キメラが目撃された場所は、凡そ数十メートル程度の円に収まる範囲だった。
「ふむ、そうなると‥‥この辺りに罠を仕掛ければ良さそうだね〜」
 ウェストが指でついと地図をなぞり、ある箇所で止める。
 キメラとの予測遭遇地点から約三百メートル。
 道路は緩いカーブを描いてはいるが、見通しは良さそうで、少なくとも走ってくる車を目視するのは容易だろう。
「じゃあ、俺たちもそこで待機してれば良いんだな」
 グレッグ・ノルフィ(ga9730)がぱしんと拳を掌に打ち付ける。
「待ち伏せして、キメラが罠にかかったら一気に! ですね」
 ぐっと握りこぶしを作って、都倉サナ(gb0786)も気合を入れる。
 罠といっても、そんなに難しいものではない。
 道路の両脇に咲耶と桜花が待機し、キメラが通過する直前にロープを張って転ばせる、というものだ。
 所謂、ワイヤートラップといったものである。
 単純だが、その分信頼性は高い。
 もっともそれでキメラが引っかかってくれるかは、やってみなければ分からない。
「本当に引っかかるかな?」
 ジェス・レッドフォード(ga3470)がその不安を口にした。
「その時はその時、ですよ」
 咲耶がくすりと笑う。
 それもそうか、ジェスは納得する。
 引っかかってくれればそれで良し。
 無理でも別に困るものではない。搦め手の策、とはそういうものかも知れない。 

●そしてキメラは出た
「‥‥それにしても」
 ウェストの運転するランドクラウンに乗りながら、アリカが呟いた。
「確かに、お化けでも出そうな雰囲気、よね」
 郊外を走るこの道路は、元々車通りは多くない。
 加えて、キメラ討伐のための封鎖も行っている。
 現在、この区間にいるのは能力者たちと、キメラのみだ。
 街灯は少なく、路面を照らす車の明かりだけでは何とも心細い。
 ご丁寧にうっすらと靄までかかっている風景は、ホラー映画の雰囲気としては及第点といったところだろうか。
「アリカは怪談話を信じる性質かい?」
 彼女の言葉を受けて、ジェスがおどけたように問う。
「‥‥さぁ、どうかしら」
 肯定も否定もせず、アリカは軽く受け流す。
 冷静な返答に、ジェスは肩をすくめた。
「怪奇現象、実に素晴らしい。さぁ、都市伝説に迫るのだ〜」
 そんなやり取りを聞きながら、ウェストは運転席で怪しく笑う。
 その笑いに応じたものか、ダッシュボードで猫のぬいぐるみが「はひひひひ」と妙な笑い声を立てる。
 うんざりしたような表情で、ジェスがぬいぐるみを突っついた。
「何だってわざわざこんな改造を‥‥」
「可愛いと思わないかね〜?」
「‥‥良い趣味してると思うわ」
 けひゃひゃ、と笑うウェストに苦笑するしかない二人だった。
 三人の乗る車は、キメラの予想出現地点に近付くにつれ速度を落としていく。
 ゆっくりと、獲物を探すように。

 一方、能力者たちが待ち伏せ場所として選んだポイントでは、五人がそれぞれに準備を行っていた。
 咲耶と桜花は、道の両端に陣取ってロープを握っている。
 本当ならばロープを黒く塗っておきたかったのだが、流石にそこまでは手が回らなかった。
 次善策として、とりあえずロープを道路脇の野原で引きずりまわし、ほこりまみれにする。
 素の状態よりは目立たなくなっただろう、と二人は納得して、それを道路へと横たえた。
「いち、にの」
「さんっ」
 軽く声を合わせて、一気に引っ張る。
 ぴんっと音を立て、ロープが膝くらいの高さに張られる。
「高さはこんなものでしょうか」
「ですね」
 お互いに頷きあい、再びロープを路面に下ろす。後は、タイミングだけだ。 
 罠班の二人を見ながら、サナはじっと無線に耳を凝らしていた。
 道路からやや外れた場所に止めてある車の陰に潜むのは、待ち伏せ班の三人だ。
「そろそろウェストさんたちの車が、該当区域に差し掛かるはずですが‥‥」
「余り気を張る必要は無いさ。自然体でやればいい」
 グレッグがサナの肩をぽんと叩いた。
「そうそう。やることは変らないんだし、ね」
 言いながら、J.Dが蛇剋とパリィングダガーを軽く打ち合わせる。涼やかな金属音が鳴った。
 二人の気遣いにサナもふっと肩の力を抜く。
「そうですね。‥‥キメラが出たら」
「ぶっ潰せばいいだけだ」
 ゼロを装着しながら、グレッグがニヤリと笑う。 
 無線に着信の前触れのノイズが走ったのは、その時だった。

 それより少し前。
 ランドクラウンが夜の道路を緩々と進んでいく。
 乗車する三人が、道端に蹲る白い影を視認したのはほぼ同時だった。
「‥‥アレ、かしら」
「そのようだね〜」
 アリカとウェストが呟き、ジェスはごくりと唾を飲み込んだ。
 情報通り、キメラは『何か』を貪っている。
「‥‥熱心に、何をそんなに?」
「哀れな犠牲者だろうね〜。‥‥キメラは人だけでなく、生態系そのものの敵なのだから〜」
 恐らく野鳥か何かなのだろう。ウェストの指摘は正しい。
「ま、びびっても始まらないやな。‥‥おい、夜にこんな所にいちゃ危ないぞ! 早く帰った方がいいって!」
 ジェスが窓から体を出し、そう声をかける。
 その声にキメラはぴたりと動きを止めた。
 そしてゆっくりと車のほうを振り返り――。
「見〜た〜な〜!」

●世に怪談の種は尽きまじ
 ゆっくりと立ち上がったキメラは、その身を車へと向き直らせた。
 口元と身に纏った衣服の所々が黒ずんで見えるが、昼間にならばそれは赤く見えるのだろう。
「お、おうっ! 見たとも!」
 ジェスがキメラへ言葉を返し、ウェストがアクセルとブレーキを一緒に踏み込んだ。
「我輩のドライブテクをとくと見たまえ〜」
 ハンドルを一気に回し、車体を急旋回させる。
 ゴムの焼ける臭いが漂い、アスファルトの上でランドクラウンが踊る。
「ドクター! 同乗者のこと考えろって!」
「けひゃひゃひゃ〜!」
「‥‥聞いて無いみたいね」
 危うく車外に振り落とされそうになったジェスが大声を上げた。
 ウェストの笑い声と共に「はひひひひ」と笑い出した猫のぬいぐるみを見て、アリカがため息を付く。
 ちらとバックミラーを覗けば、キメラはきちんとこちらを追ってきているのが見えた。
「そんなに速くは無いみたいだな」
 ジェスが感想を漏らす。
 待ち伏せ班までの距離はそれ程離れてはいないが、万が一誘導に失敗すれば手間が増える。
 付かず離れずの速度を維持するというのは、これで中々難しい。
「‥‥こちら車両班。キメラの誘導を開始したわ」
 無線を取り出し、アリカが待ち伏せ班へと状況を伝える。
『了解。こちらは準備OKですよ』
 多少のノイズは混じるものの、無線に応じたサナの声ははっきりと車の三人に届いた。
「ふふん、見えてきたね〜」
 ウェストが目を細める。光を帯びたその視線の先は、仲間が潜む地点だ。

 近付くエンジン音に、咲耶と桜花はロープを握る手に力を込めた。
 視線を交わし、頷きあう。
「あれね」
 桜花が走行する車の後方に白い影を認めた。
 やや遅れて、咲耶もキメラを確認したようだった。
 風を切ってランドクラウンが彼女たちの間を走り抜ける。
「それ、今ですわ!」
 咲耶の掛け声でロープが空中にぴんと張られた。
 ドンピシャのタイミングでキメラが突っ込んでくる。
 突然足元に出現した障害に、キメラは大きく体勢を崩した。
「いきますっ!」
 それを確認した瞬間、グレッグ、サナ、J.Dの三人が一気に飛び出した。
 その後方で派手なブレーキ音が響く。ランドクラウンが停止したのだろう。
 グラップラーの二人が瞬天速を用いて、一気にキメラとの間合いを詰める。
「見〜た〜な〜!」
 威嚇のつもりなのか、キメラが叫んだ。
「悪いな、俺は幽霊を信じないんでね!」
 それを意にも介さず、グレッグはゼロをキメラの体へ突き立てる。
 赤い輝きを突き破って、衝撃がキメラを大きく揺さぶる。
「クスクス‥‥キミにも狩られる恐怖を味わわせてあげる」
 更にJ.Dが駆け込む。
 蛇剋がキメラのわき腹を食い破り、鮮血がその白布を黒く染めた。
(「チッ、瞬即撃が使えないとはな‥‥」)
 十分な打撃を与えたものの、グレッグは心中で吐き捨てるように呟く。
 錬力消費量が馬鹿にならない量だ。それも仕方の無いことだろう。
 その思考を空気を切り裂く音が中断させる。
 サナがアルファルで放った矢が凄まじい勢いで飛来し、キメラの脚を貫いた。
「命中!」
 ガッツポーズをとるサナ。
 脚を吹き飛ばしかねないその威力に、間近の二人は舌を巻く。
「‥‥やるわね」
「俺も負けてらんないぜ!」
「けひゃひゃ、さあ、戦いたまえ〜」
 そんな少女の後ろから、ランドクラウンから下車した三人が登場する。
 ジェスとアリカの武器が淡く光っているところを見ると、ウェストが練成強化を施したものらしい。
「行くぜ!」
 フリージアとS‐01をそれぞれの手に持ち、ジェスが射撃を開始する。
 強弾撃で威力を増した銃弾が次々とキメラへ撃ち込まれていく。
 アリカも駆けながら真デヴァステイターを撃ち放つ。
 三連の弾丸が驟雨の如くフォースフィールドを穿ち、キメラは絶叫する。
「大したことはなさそうね‥‥貴女も他のキメラと同じく、三枚に下ろしてあげるわ」
 振り下ろされたクロムブレイドに、キメラは弾き飛ばされる。
 形勢不利と感じてか、キメラは身を起こすと踵を返そうとした。
「お化けが逃げ出してどうするんですか」
 その行く手を遮ったのは咲耶だ。
 手にした盾でキメラを強かに打ち付けると、さらに体をひねって無双の刃を閃かす。
「私のこともお忘れなく」
 音も無く近寄った桜花が、息も絶え絶えのキメラへ妖しく輝く黒刀を打ち下ろした。
「見‥‥た‥‥」
 最後は言葉にもならない。
 襤褸切れのように傷だらけになったキメラは、そのまま地に倒れ、動かなくなった。
「クスクス‥‥。残念でした」
 J.Dの冷たい笑いが、夜風に舞った。

「ドクター、本当にやんのかよ?」
 グレッグが驚いたような呆れたような、感心したような馬鹿にしたような声を上げる。
「我輩の探究心を抑えることなど、誰にもできはしないのだ〜」
 そんな制止を省みることなく、ウェストは喜々としてキメラの死体をごそごそと弄くっている。
 研究の一環としてキメラの一部を彼の兵舎、ウェスト研究所に持ち帰るのであるらしい。
「何といいますか‥‥研究者というのは、皆様ああいう方なのでしょうか?」
 咲耶が困ったように笑いながら言う。
 桜花もまた苦笑しながら応じる。
「流石にあの人みたいのは少数派だと思いたいけど、ね」
「どっちにしろ、すごく楽しそう‥‥クスクス‥‥」
 J.Dの指摘通り、今のドクター・ウェストは間違いなく輝いている。
 覚醒しているので目も輝いている。
 研究熱心というのも、困ったものである。

 その直後、UPC軍が後処理に訪れ、バグアの死体を引き取っていった。
 UPC軍なんか気にしないスタンスのドクター・ウェストだが、無視してこのままサンプル回収をしていれば、面倒な後処理を一人居残って強制的に手伝わされることになるのは目に見えている。
 先に回収したわずかなサンプルを持って早々に退散した。

「アリカさん、どこに向かってるんですか?」
「‥‥キメラが最初にいた場所よ」
 歩きながら、サナの問いにアリカが答える。
「最初にいた場所‥‥?」
「何だ、もしかしてアリカは、まだアレが気になってるのか」
 二人の少し後ろを歩いていたジェスが、思いついたように言った。
 アリカは少しだけ笑って頷く。
 物好きだねぇ、とジェスは頭をかいた。
「‥‥都市伝説だの怪談話だのに興味は無いけど‥‥謎は暴いておかないとね」
「って、ドクターが言ってたじゃないか。哀れな犠牲者、ってさ」
「‥‥自分の目で確認したいのよ」
 そんな会話を聞きながら、サナは何かに思い至ったのかふと足を止めた。
 釣られて二人も足を止める。
「も、もしかして‥‥哀れな犠牲者さんの、その、アレが向こうにあるんでしょうか?」
「その予想、多分当たってるぜ」
 笑いながらジェスが言えば、対照的にサナの顔は青ざめる。
「‥‥無理に付き合う必要は無いのよ?」
「い、いえ! 大丈夫です!」
 アリカが気遣うが、サナは気丈にも気合を入れなおす。
 その結果は‥‥あえてここには記さないでおく。