タイトル:クッキーを探せ!?マスター:東雲 ホメル

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/01/17 22:16

●オープニング本文


 ある日の港町の出来事。
 依頼を全てこなした後、カフェで一息付く傭兵の姿。
 彼女はルキア・ジェーン。
 自称Cool&Cuteなドラグーン。
 彼女は小さな教会のシスターでもある。
「Oh‥‥このクッキー美味しいわね、孤児院の皆に持って帰ろう」
 店員を呼びつけ、クッキーを包んで貰う。
「OK、これなら皆喜ぶわ」
 孤児院の子供達の喜ぶ顔を想像して、嬉しそうにクッキーを高々と両手で上に上げるルキア。
 更に、そのクッキーを抱きしめようとして、様子を見ていた店員に止められえる。
「Sorry‥‥嬉しくって、つい」
 苦笑しながら店員の方を向いて軽く頭を下げる。
「さて、そろそろ行こうかしら」
 
 ‐‐紅茶も飲み終えたし、何より早く子供達の顔が見たい‐‐
 
 そう思って、支払いを済ませ外に出ていく。
 季節としては冬真っ只中なのだがぽかぽかと日差しが暖かい。
 ルキアは自分の愛車リンドヴルムにエンジンをかける。
「ん、暖かいとエンジンのかかりも良いわね」
 出発しようと愛車に跨ろうとした時だった。
 胸ポケットの携帯が鳴る。
「?」
 ルキアは愛車にクッキーの入った包みを置く。
 首を傾げながら、愛車から少し離れて背を向けて電話に出る。
 先ほどこなした依頼の主からのお礼の電話だった。
 電話口からのお礼の言葉に口を緩ませるルキア。
 その時、彼女の背後からエンジン音と共に何かが走り去っていく音が聞こえた。
 何気なしに振り向いたルキアの目に映った光景。
 何者か知らない男二人組みが「リンドヴルム」に乗って走り去って行く所だった。
「‥‥‥‥Oh my‥‥‥‥」
 あまりにも突然の光景にルキアは黙りこくってしまった。
 呆然としながら携帯電話でどこかに電話をかける。
「‥‥緊急のにに、任務よ‥‥えっとね‥‥クッキーと‥‥そのー‥‥」
 電話口のオペレーターが呆気に取られたのは言うまでもない。

●参加者一覧

ホアキン・デ・ラ・ロサ(ga2416
20歳・♂・FT
ハルトマン(ga6603
14歳・♀・JG
山崎・恵太郎(gb1902
20歳・♂・HD
美環 響(gb2863
16歳・♂・ST
アンジェラ・D.S.(gb3967
39歳・♀・JG
最上 空(gb3976
10歳・♀・EP
橘=沙夜(gb4297
10歳・♀・DG
鹿島 綾(gb4549
22歳・♀・AA

●リプレイ本文

「かなりのおっちょこちょいさんなのです」
 ハルトマン(ga6603)は集合場所でもある、カフェにてルキアに向かって一言。
「うっ‥‥」
「クッキーの探索がメインだなんてルキアさんは、人が良いですね」
 笑顔の美環 響(gb2863)が更に一言。
「ぎく‥‥」
 分かりやすい反応。
 ルキアは正直焦っていた。
 ドラグーンの命とも言えるリンドヴルムを盗まれた事に。
 なんせクッキーは買いなおせば済むのだから。
「む‥‥このクッキー中々‥‥」
 最上 空(gb3976)はカフェのクッキーを頬張っている。
「それでは、早速調査を開始しましょう」
 アンジェラ・ディック(gb3967)はジーザリオのキーをポケットから取り出す。
「む‥‥このチーズケーキも中々‥‥」
 空はチーズケーキに夢中だ。
「そうだな、俺はまず警察に向かってみるよ」
 ホアキン・デ・ラ・ロサ(ga2416)もジーザリオのキーを取り出し出発していく。
「あのアップルパイも‥‥」
 空はアップルパイに目を奪われている。
「必ず取り返してみせますよ」
 山崎・恵太郎(gb1902)はリンドヴルムに跨り地図を確認した後、何処かに走り去っていった。
 それに続いて橘=沙夜(gb4297)もリンドヴルムのエンジンをかける。
「はやぁ〜沙夜も行ってきますよ〜」
「な、このアップルパイ‥‥美味しい‥‥!」
「なぁ‥‥さっきから何してんだ?」
 鹿島 綾(gb4549)が苦笑しながら空に一応聞いてみる。
「ぎく‥‥」
 本日二人目の分かりやすい反応。
「くく、クッキーに何かヒントが‥‥」
「‥‥」
 
 晴天の下の商店街は予想以上に賑わっていた。
 海岸線に沿って並ぶ商店街には色々な店がある。
 裏路地の方から商店街通りへひょっこり現れたのはハルトマン。
 こういう裏路地や細道などに犯人が居ないか調査中だった。
 しかし、中々見つからないので一旦商店街の方まで戻ってきていた。
「一度聞き込みでもしてみますか」
 出た所のすぐ隣に有る肉屋にハルトマンは入っていく。
「あの、青いのと赤いスカジャン着たバイクのノーヘルの二人組みでそのバイクがー‥‥」
 店に入るなり聞き込みを開始し始めたハルトマンだったが‥‥
 正直そこで売られているコロッケが気になってしょうがない。
 ちらちらコロッケの方を見ながら聞き込みをしている。
「食べるかい?」
「え?」
 少し太った肉屋の店主がコロッケを差し出してみる。
 それを受け取ってハルトマンは少し逡巡したがコロッケを頬張り満面の笑みを見せる。
「ありがとう、おじさん! 美味しいです〜」
「そうかいそうかい」
 そう言って肉屋の店主はコロッケを2、3個ハルトマンへ持たせてやるのだった。
 丁度その後ろをクレープをぱくつきながら空は商店街を歩いていた。
「むぅ‥‥一体どこに行ってしまったのでしょうか?」
 頭を使うには甘い物が一番。
 そう言い訳をしながら空は巨大なクレープを買って調査をしていたのだった。
「喉が渇きましたね」
 空はふらふらと近くの自販機に近寄る。
 調査は‥‥している、多分。
「どれにしようかな」
 喜びながらコロッケを食べ談笑中のハルトマンと自販機の前で悩む空の後ろ。
 赤と青のスカジャンの男達がノーヘルでリンドブルムを運転して通り過ぎって行った。

 街中をバイクで疾走する、恵太郎。
「居ないなぁ‥‥というか、バイク‥‥」
 バイクが多いのだ、この街には。
 しかも、ノーヘルで走り回ってるのなんかそこら中に居た。
 警察に捕まってる奴の後ろを堂々と通り過ぎていく輩まで居る。
 呆れて苦笑するしか無いように思えた恵太郎。
「ナンバーは控えたけど、これじゃね」
 一旦リンドブルムを止めて周りの駐車中のバイクのナンバーなど確認していく。
 しかし、やっぱり多すぎる。
「チンピラみたいな風体で探した方が見つけやすいかもね」
 バイクで判断するには難しい物があった。
 リンドヴルムに似せて作ってあるバイクも少なくはなかったのだ。
 恵太郎は取りあえず学校方面へ向かって走り出した。
 一方その頃、沙夜はコンビニの前でたむろっているヤンキーの集団の前に座り込んでいた。
 ヤンキー達は目の前の幼い女の子を呆然と口を開けて見るしかなかった。
「あのね、リンドヴルムが盗まれちゃってさ〜」
「いやいやいや、これって聞き込みかよ?」
「それでさ、赤と青のスカジャンで金髪と顎鬚の男の二人組探してるんだよ〜」
「俺達の質問無視かよ!」
「あ、俺見たかもしんね」
「どこらへんで見たの?」
「確か、さっき学校らへんで」
「ほえ〜、ガッコーで〜」
「バカ、ちげーよ。 波止場の方じゃん?」
「何だよ、バカって! やんのかコラ!」
「あぁ?」
「そんなに興奮したら、ダメだよ」
「あ? あぁ‥‥」
「で〜? 波止場の方だったんだね?」
「そうだな、良く見かけんよ」
 謎の美幼女に誘導されるがままのヤンキー。
 物凄く不思議というか、異質な空間がコンビニの前で展開されていた。

「いやぁ、困っとるんですよ」
「はぁ‥‥やはりそういう事件は多いですか」
「えぇ、私達もかなり力を入れてるんですが」
 街の交通課へとホアキンは聞き込みに来ていた。
「とにかく、友人のバイクが盗まれてですね」
 うんうんと頷いて交通課の受付に居た初老の警官は手元の資料をめくる。
 犯人の特徴を照合して貰っているのだ。
「確か、一度取り逃がした奴にそんな奴が居たな」
 別件で交通課を尋ねてきていた生活安全課の警官が後ろから声をかけてきた。
「本当ですか?」
「あぁ、バイク盗んで走り回るような奴らだからな‥‥中々居場所も特定できない」
 偶に波止場の方で見かけるようだけど、そう言ってその警官は足早に去っていった。
「波止場ね‥‥」
「とにかく、頭を悩ませてるんですよ‥‥この間もね‥‥」
「はぁ‥‥」
 ホアキンがヤバイと思った頃には時既に遅し。
 初老の警官の愚痴が始まっていた。

 学校ではちょっとしたパニックになっていた。
「えぇ、だからその様な二人組みを見ませんでしたでしょうか?」
 人だかり、主に女子、時々男子の中心に居るのは響だった。
 その中性的な魅力と気品の溢れる仕草で学校の女子の人気を奪っていた。
「そうですか、それではそちらの方はどうでしょうか?」
「えぇ!? 私ですか!?」
 お礼に奇術をして差し上げますよ? と微笑むと女子一同、時々男子は歓声を上げた。
 次から次へと犯人と思われる情報を飛ばしてくれるのであった。
「やりすぎましたかね‥‥」
 昔の有名な摂政でもあるまいし、全てを聞き取る事は難しい。
 というか、このパニックを収めるのは厳しい様な気もしてただ苦笑する響であった。
 そこを偶然通りかかった、恵太郎は響を見て一言呟く。
「あれがカリスマ性?」
 その後、恵太郎を見つけた響は何とか助け出してもらったのだった。

 公園のベンチに綾とルキアの姿があった。
「なんだか、神出鬼没だね」
「Oh‥‥こんなに目撃情報が出るなんて」
 綾とルキアは取りあえずバイクに乗った人間に声をかけ情報を集めていた。
「地元の人間だから裏道とかも知り尽くしてんだろうな」
「常習者だったら尚更かも‥‥」
 大袈裟に頭を抱え込むルキア。
 溜息をつきながら手に入れた情報を書き込んだメモ帳を整理する綾。
「どうやら波止場の方に集中してるみたいだな」
「そうね、やっぱりバイク乗るなら海沿いの道を走るのが最高だしね」
「潮風がな」
 赤と青のスカジャンの二人組みはどうやら波止場の方に多く出現する。
 そんな情報がだんだん集まりつつあった。

 波止場の方ではアンジェラが聞き込みしていた。
「このクルーザー、バイクなんかは?」
「積めませんよ」
 幾つか大きなクルーザーの所有者に当ってみたが特に目ぼしい情報は得られなかった。
「僕がこれに乗せるのは人か紅茶くらいかな?」
「え?」
 紅茶という単語にアンジェラは引っかかった。
 大の紅茶好きである彼女にとっては聞き逃せない単語だった。
「例えばこれ‥‥手に入れるの苦労したんですよ」
「へぇ‥‥これ結構高いやつじゃないですか」
 大型クルーザーの主はその紅茶の自慢を始めた。
 その時だった。
 何処からともなくバイクのエンジン音が聞こえてきたのは。
 それと同時に無線に連絡が入った。
「犯人と思われる二人組みは波止場の方でよく目撃されている」
 アンジェラは大型クルーザーの主の自慢を途中で切り、すぐさま音の方向へ向かった。
 
「しっかし、こいつすげーなー」
「あぁ、馬鹿みたいにはえーよな」
 リンドブルムを止めエンジンを切る赤スカジャンの金髪男。
 青スカジャンの顎ひげ男は海に咥えていた煙草を投げ捨てる。
 ちょろかったよな、などと言いながら笑いあう。
 この時彼らは知らなかった。
 この直後、人生で初めてバイクを盗んだ事を激しく後悔する事になろうとは。
 
 犯人二人が丁度だべっていた時だった。
 何台かのバイクがこちらの方へ走ってきた。
 中には盗んだバイクと同じ様な形の物がある。
「おい、アイツら‥‥つーか、あのバイク」
「このバイクの持ち主の仲間かよ! やべーぞ! 逃げろ!」
 犯人二人組みは脱兎の如く逃げ出す。
 しかし、よほど焦っていたのかバイクではなく走って逃げ出す。
「あ! 逃げた〜!」
 バイクの集団とはさっきのコンビニヤンキーと沙夜だった。
 その前方反対側から後ろに響を乗せて恵太郎が走ってくる。
 勿論ヘルメットは付けていて、道路交通法はバッチリ守っている。
「なんでしょうか、あれ」
 沙夜の姿を見つけ、首を傾げる響。
「カリスマ性ってやつかな?」
 恵太郎はそう答える。
 お互いが殆ど同時に波止場に入る。
 その先でアンジェラがリンドヴルムを確認している。
「どうやらこれの様です」
 一団が停車するとアンジェラが言う。
 クッキーも無事だったらしい。
「クッキーを食べようとした所、見つかったって感じですかね」
 恵太郎が波止場の倉庫区画の方を見やる。
「とにかく追いましょう、入り口は一つですし‥‥まだ波止場内に居ます」
 響が言うと全員が頷き犯人の後を追った。
 沙夜はヤンキーの集団を引き連れて。
 リンドヴルムを降りた恵太郎と響はアンジェラと共に。

「二人とも調査の方は‥‥」
「してました」
「してましたですよ」
 連絡を受け波止場へ向かう途中でホアキンは空とハルトマンを拾っていた。
 勿論二人に説得力は殆ど無い。
 ハルトマンの腕の中にはお土産用のコロッケ、更に総菜屋で手に入れたと思われる魚のフライが。
 空は何も持っていないが、口の周りには何か拭いた後がある。
「そうか‥‥ほら、着いたぞ」
 苦笑しながらホアキンは、波止場へと進入していく。
 その前方。
「見つかって良かったね」
「そうね」
 ホッとしている、ルキアの横で微笑む綾。
 タクシーで波止場まで着いた二人はリンドヴルムを確認していた。
「OK‥‥異常無しよ。 クッキーも無事」
「そう‥‥あ、着たみたいだ」
「やぁ、どうやら追い詰めたみたいだね」
 ホアキン、ハルトマン、空の三人はジーザリオのから降りてくる。
「それじゃ、行きましょう‥‥お腹も空いてきましたし」
 空が少し先まで走り、振り返って言う。
 傭兵全員が波止場に集結した。

 倉庫の間、更にそこに有る資材を器用にすり抜けていく犯人二人組み。
「おいおい、冗談じゃねーぞ! 早過ぎだって、アイツら!」
 赤スカジャンの金髪の男が後ろを確認しながら叫ぶ。
「いいから走れって! 今度こそ警察にパクられんぞ!」
 青スカジャンの顎ひげ男が叫ぶ。
「よっしゃ此処に隠れよーぜ」
 二人が逃げ込んだのは波止場の倉庫でも一番荷物の多い倉庫。
 響の探査の眼があるので素人があまり隠れても意味は無いのだが。
「此処に逃げ込んだな‥‥」
 恵太郎の声が倉庫内に響く。
「そのようですね」
 アンジェラや沙夜達も倉庫に着いた。
 響が探査の眼を使おうとしたのだったが‥‥
 大分焦っていたのか隠れた場所の周りだけが激しく散らかっていて、少し滑稽なくらいだった。
「少し、懲らしめてあげようか」
 沙夜が提案する。
「どこかな〜」
 そう言いながら何度も犯人二人組みが隠れてる側を通る。
 犯人二人にとっては冷や汗ものだった。
 ‐‐やべーよ、ちけーよ‐‐
「僕はこっちの方を探してみますね」
 響はわざとらしく大声で言う。
「そうだね、こっちには居ないみたいだよ」
 恵太郎は犯人二人組みが隠れているの目の前で応える。
「一体何処に隠れたんでしょう」
 アンジェラは不思議そうに首を傾げる。
 勿論演技だが。
 ‐‐なぁ、思ったんだけど、これくらいなら相手できんじゃね?‐‐
 ‐‐確かにこれくらいなら俺達二人でなんとかできそうだな‐‐
 小声での相談事の内容は全てを知っている側から見れば無謀にも程があった。
「何ができるのですか?」
 不意に後ろから声を掛けられた。
「うお!?」
「わぁ!?」
 二人は驚いて立ち上がる。
 声をかけたのは隠密潜行でコッソリ後ろに回ったハルトマンだった。
「くっそっ! こうなったらホントにやるしかねぇ!」
 赤スカジャンの金髪男が飛び出して行こうとしたが、すぐその足が止まった。
 目の前にホアキンが無表情で立っていたからだった。
 そしてその後ろには何故か気合充分にぶつぶつ何かを呟いている綾が居る。
「貴様等は彼女のクッキーを奪ってしまった。 これは許されざる窃盗行為と言えよう。 この最終電気あんまをもって貴様等の罪に俺自らが処罰を与える。 死ぬがよい」
 綾の呟きが聞こえてしまったに違いなかった。
 二人は涙目になって後ずさりをする。
「電気あんまんって美味しいのでしょうか?」
 いつの間にかハルトマンの横にしゃがみ込んでいた空が言う。
 その言葉で何かが切れた犯人二人組みはその場で土下座をした。
「すいませんでしたー!!!」

「ありがとうございました、お会計は‥‥」
 犯人二人組みの財布は空っぽだった。
 全員にクッキーや紅茶を奢ったのだった。
 二度と悪さはしない、警察にも自首するので電気あんまだけは勘弁してくださいとの事だったのだ。
「あ、ルキアちゃんこれ〜」
 沙夜は紙袋をルキアに渡す。
「Thank you! クッキーね‥‥ちょっと足りないのは気のせいかしら?」
「あの二人が食べちゃったんじゃないかな〜」
 分かりやすい反応、本日三人目。
 口笛を吹きながら明後日の方向を見る沙夜。
「警察に連れて行かなくて良かったんですか?」
 ハルトマンがルキアに尋ねる。
「まぁ、自首するって言ったしね」
「うん、そうですね」
 恵太郎がルキアの言葉に頷く。
「何はともあれ解決ですね」
 アンジェラは紅茶の香りを楽しみながらポツリと呟く。
「皆、助かったわ‥‥これにて解散よ」
 ルキアがそう言うと、ホアキンが思い出した様に一言。
「‥‥ルキア、次からは盗難保険をかけておいてくれ」
「うっ‥‥」