タイトル:ぬるぬる蠢く‥‥マスター:真太郎

シナリオ形態: ショート
難易度: やや易
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/12/19 17:14

●オープニング本文


●ジョンソン宇宙センター

 ヒューストンの司令官であるがヒューストン市内を人類に奪還されたため、今はジョンソン宇宙センターに拠点を構えている小野塚愛子(gz0218)の元に北米バグア軍総司令官のリリア・ベルナール(gz0203)から補充戦力として3体のタロスが送られてきた。
 愛子は3体のタロスに紅、紫、紺のカラーリングをし、かつてワニキア・ワナギー(gz0155)がゴーレムに施していた改造を行っていた。
「え〜と‥‥ここをこうして‥‥そこをあ〜して‥‥こっちはどうするのかしら?」
 しかし作業の進捗状況は芳しくなかった。
 なぜならその改造はワニキアがほぼ一人で行っていたもので愛子は完全にノータッチだったため、ワニキアが居なくなった今となっては彼が残した資料とにらめっこをしながら慣れない作業に従事しなければいけなかったからだ。
「あぁ〜‥‥ホント面倒くさい‥‥。ワニキアの奴、もう少しマシな資料を残しておきなさいよ‥‥」
 しかもワニキアはその改造術を端末ではなく、手書きで残していたため非常に読みづらかったのだ。
「はぁ‥‥。ちょっと気分転換‥‥」
 ブツブツと文句を呟きながら作業をしていた愛子だが、途中でへこたれて投げ出した。
「そもそもあたし‥こういう作業って苦手だし、仕事はこれだけじゃないし‥‥」
 そう自分に言い訳しながら実験兵器のある格納庫へ向かう。
 そして相変わらず訳の分からない兵器郡が並んでいる中を歩きながら使えそうな物を探す。
「‥‥何コレ?」
 その中で愛子の目を引いたのは巨大なシリンダー内に浮かぶ生物兵器だった。
 しかし目を引いた理由は、その兵器が使えそうでも強そうだったからでも斬新なデザインだったからでもない。
 ただ、見た目が気持ち悪い物体だったからだ。
「‥‥キモ」
 それが証拠に愛子の顔はもの凄く不快そうに歪んでいる。
「え〜と‥‥」
 だがインパクトだけは凄かったので、この生物兵器がどんなものなのか調べてみた。
「‥‥」
 案の定、全然大した兵器ではない。
「‥‥ま、いいわ。こんなのでも牽制と時間稼ぎにはなるでしょ」
 それでも愛子はこの生物兵器を使う事にした。
 なぜなら
「なにより嫌がらせにはもってこいの兵器だわ‥‥」
 愛子は少し楽しげに笑った。

 そして愛子はその生物兵器をミサイルに込め、ヒューストン市内に向けて撃ち出したのだった。



●ヒューストン司令部

「えー‥‥また悪い知らせです」
 ヒューストン解放戦線の前線司令であるルイス・バロウズ少佐は召集した士官と傭兵達の前で困った顔を浮かべていた。
「数時間前、ジョンソン宇宙センターから3発のミサイルがヒューストンに向けて発射されました。ミサイル自体は迎撃して破壊できたのですが、ミサイルの中に収められていた物はそのままヒューストン市内に降下。75階建ての高層ビルの49階に激突しました」
 ルイスが背後のディスプレイに表示した写真には大穴が開いた高層ビルが写っていた。
「偵察部隊が調査に向かったところ、ミサイルで撃ち込まれた物は巨大なキメラである事が判明しました。キメラの種類は、え〜‥何と言えばいいのか‥‥簡潔に特徴だけで言ってしまうと触手型キメラです。キメラが落着した室内の床や壁などが完全に触手に埋め尽くされており、そうとしか呼び様のない形状でして‥‥。これがその映像です」
 ディスプレイに表示された映像はビルの一室で、扉や窓から伸びてうねうねと動く無数の触手が映っていた。
 カメラが室内の様子に切り替わると、やはり部屋の中は触手だらけで、蠢く触手の群れの隙間から時折キメラの本体らしき物体もチラチラと伺える。
「見てても気持ちの良いものではないでしょうから、もう止めますね」
 何人か気分の悪そうにしている人がいたため、ルイスが気を利かせて映像を止める。 
「現在分かっているキメラの能力は、触手からは粘性、麻痺効果、溶解作用、この3種類の効果がある体液を出す事。そしてこの触手は切断しても時間を置けば再生してくる事です。そのためこのキメラを退治する方法として考えられたのは‥‥。室内にはびこった触手を斬って斬って斬りまくって進み、部屋の中央にいると思われるキメラ本体を倒す事です」
 ルイスはキッパリとシンプル過ぎる作戦を明示した。
「今回の作戦は身体よりも精神的な負担の方が多くかかると思われます。なのでULTを通じて既に一人は能力者を確保しているのですが‥‥。お集まりの傭兵の皆さん、どなたかこのキメラ退治をやってくださる方はおられませんか?」
 ルイスは弱り顔で集まった傭兵達の顔を見渡した。



 部屋の中には傭兵達に混じってULTのオペレーターでエクセレンターのリサ・クラウドマン(gz0084)の姿もあった。
 リサは上司にヒューストンで仕事を手伝ってこいと言われたため、この場にいた。
(「触手型のキメラなんかと戦いたい人なんているのかしら? 私なんて話を聞いただけで鳥肌が立ってるのに‥‥」)
 リサはその手伝いをオペレーターの仕事の事だと思っていたのだが、本当は現場の仕事で、ルイスの話に出てきたULTを通じて確保した能力者が自分の事だと知るのはもう少し後の事である。

●参加者一覧

水理 和奏(ga1500
13歳・♀・AA
L3・ヴァサーゴ(ga7281
12歳・♀・FT
伊万里 冬無(ga8209
18歳・♀・AA
大鳥居・麗華(gb0839
21歳・♀・BM
リヴァル・クロウ(gb2337
26歳・♂・GD
ゼフィリス(gb3876
16歳・♀・DF
柚紀 美音(gb8029
16歳・♀・SN
加賀 環(gb8938
24歳・♀・FT

●リプレイ本文

「触手‥‥よく見る、けど‥‥バグア‥触手‥好き‥?」
 オーダーメイドのゴスロリメイド服姿のL3・ヴァサーゴ(ga7281)がうねうね蠢く触手の群れを見て小首を傾げる。

「こ、これはっ‥! このいけないキメラはっ‥! もしかするとリリアが作ったものかも‥!?」
 グラップラーらしい軽装の水理 和奏(ga1500)は最近リリア・ベルナール(gz0203)の作った危ないキメラと戦った経験があるため、そう思ったのだが‥‥さて、真相は如何に?

「伊万里にいい依頼があると連れてこられれば‥‥なんですのこれはー!! また騙されましたわーー!!」
 華麗なドレス姿の大鳥居・麗華(gb0839)は蠢く触手を見ると頬をひきつらせて雄たけぶ。
「さぁ皆さん! 目眩く世界が、待っていますですよ♪」
 戦闘用メイド装備で身を固めた伊万里 冬無(ga8209)は麗華の雄たけびをサラっとスルーし、ウキウキとした様子で皆を触手へ誘おうとしていた。

「これは、また‥実際に見ると酷いもんだな。二次元とは大違いだ。‥っと、のんびりしてる暇はないか」
 戦闘用メイド服の上にジャケットを羽織った加賀 環(gb8938)は煙草を踏み消し、覚醒する。

「これは大変そうですね。本体を探すのも一苦労です」
「触手は‥‥私に‥‥任せて‥‥ください‥‥」
「まずは触手の海を突破しなければなりませんね」
 柚紀 美音(gb8029)が触手のうねうね感にびっくりして尻込みしていたら、修道服姿のゼフィリス(gb3876)と、覚醒の影響で丁寧口調になった環が先に突入していった。

「はぁ〜‥‥仕方ないですわね。行きますわよヴァサーゴ」
「了解‥‥」
 麗華も深々と溜め息をついて覚悟を決めると、ヴァサーゴを伴って突入。
「ぬらぬらして気持ち悪いですわね。近づくんじゃないですわ!」
 向かってくる触手の群れに冷や汗を流しながらも盾扇で受け流し、ヴァジュラで斬り払った。

「こ、これは‥力技で進むしかないよねっ。僕‥薄着だし、ちょっと怖いけど‥ドリルナックルで、突撃っ!」
 続いてちょっと怯んでいた和奏も両手のドリルナックルを前に突き出して突撃。

「行くぞリサ。君は後方から来る触手を迎撃して欲しい、その間に本体を潰す。背中を君に預ける」
「はい。任せてください」
 リヴァル・クロウ(gb2337)もリサ・クラウドマン(gz0084)を伴って突入した。

「うねうねしてます‥‥」
「さ、美音もいきなさーい♪」
 冬無はまだ尻込みしている美音の後ろに回りこむと、ドーンと押した。
「きゃあ!!」
 突き飛ばされた美音は床の粘液で足をツルっと滑らせて転んでしまう。
「冬無さん何するんですか?」
「ほら美音、来てますよ」
 冬無がニヤニヤと笑いながら美音の後ろを指差す。
「え?」
 振り返ると、そこには無数の触手が‥。
「きゃーーーー!!」
 美音は絶叫を上げ、尻餅をついたままイアリスと雲隠をブンブンと振って触手を斬り飛ばす。
 しかし捌ききれなかった触手が美音の足に絡みつき、そのまま宙吊りにされた。
「ひゃあぁぁーー!!」
 触手は足だけでなく腕や首、下半身等にも絡みつき、美音の全身に体液が滴ってゆく。
 やがて溶解液によって服が溶け出し、麻痺液で体が痺れてくると、触手は美音の服の隙間ににゅるりと入り込んできた。
「ぬるぬるして気持ち悪いですぅ〜〜!!」
 素肌を触手がぬめぬめと這い回る感触に鳥肌を立てた美音が悲鳴を上げる。
「美音‥‥すぐ‥助ける‥‥」
 ヴァサーゴは美音を捕らえている触手を大鎌「プルート」で薙ぎ払った。
 すると触手の切断面から体液が噴き出してヴァサーゴに降りかかり、徐々に服を溶かしながら麻痺効果も及ぼしてゆく。
 そして動きが鈍ったところで触手が殺到し、ヴァサーゴも捕らえられてしまった。
「‥っ、不覚‥!」
 ヴァサーゴは何とか腕を振り上げて大鎌を振るおうとしたが、不意に下半身に絡んでいた触手が蠢いて下着の中に入り込んできた。
「!? っんぁ‥!!」
 敏感すぎる肌を持つヴァサーゴはその刺激だけで快感が襲い、腕から力が抜けて大鎌がガランと床に落ちる。
 触手は更に服の中に入り込んで上半身もまさぐる。
「ぁはっ! はぅぅ‥んっ!!」
 するとヴァサーゴの全身を快感が貫き、その瞳から理性が失われてゆく。
「っふぁ‥!? 其処‥だ、め‥んぁぁ‥!」
 そしてヴァサーゴは完全に快楽の虜となり、触手のぬるぬるとした感触に身をゆだねていった。
「ヴァサーゴさん!」
 そこに触手から何とか抜け出せた美音が駆けつけ、ヴァサーゴに絡み付いている触手を切り払って助け出す。
「大丈夫ですか、ヴァサーゴさん」
「美音‥‥」
 ヴァサーゴは妙に潤んだ熱っぽい瞳で美音を見つめ、いきなり抱きついて胸とお尻をまさぐり始めた。
「えぇ!? ヴァサーゴさん?」
 美音が戸惑った声を上げるがヴァサーゴは構わず美音の豊満な胸に顔を埋める。
「んふぅ‥ふぁぁ‥♪ 柔らかい‥♪」
「ちょ! あぁん! ダメ‥‥ダメですぅ〜!!」
 美音は胸を揉みしだき始めたヴァサーゴから逃れ様としたが、触手が襲ってきて二人まとめて絡まれてしまう。
 そうなるとヴァサーゴはもうやりたい放題だ。
「ん‥美音‥‥可愛い♪」
 触手と一緒になって美音の身体の敏感な部分を指で刺激し、耳を甘噛みし、首筋に舌を這わせる。
「はっぁん! んぅ‥‥ダメ、そこはダメで‥すぅぅん♪」
 すると美音も気持ち悪いだけだった触手の感触がヴァサーゴに与えれる快感と相まって昇華され、だんだんとイケない気分になってきてしまった。
「はぅぅ‥この感触は‥‥らめぇ〜♪」
 こうして美音も快楽の虜となり、ヴァサーゴと抱き合って互いの身体を弄り始めた。

「あぁ、素敵な光景です♪ この子達の妙技は如何にです♪」
 そんな二人の淫らな姿に冬無は興奮で息をハァハァと荒くする。
「ちょっと伊万里。見てないで助けに行きますわよ!」
 麗華は『瞬速縮地』で一気に二人の所に駆けつけようとしたが、冬無が足を引っ掛けた。
「え?」
 つんのめった麗華は体勢崩したまま『瞬速縮地』を発動。
 粘液でぬめった床に頭から突っ込んで高速でスライディングした。
「きゃあああああーーー!!」
 そして敵の本体にゴンッと頭をぶつけて停止。
「伊万里ぃぃーー!! なんて事するんですのっ!!」
 麗華はガバッっと身を起こして冬無を怒鳴りつけた。
「あの‥‥大鳥居様‥‥服が‥‥」
「うふふっ。麗華さん、とっても素敵なお姿ですね♪」
 ゼフィリスが麗華を指差し、冬無がニヤニヤと笑う。
「え?」
 麗華が自分を見下ろすと、そこには白い裸体が‥。
「きゃあああーー!! 」
 麗華の服はさっきのスライディングで前面が完全に溶け落ちてしまっていたのだ。
「服が‥そこ! 見てないでくださいな‥きゃ、しまっ!?」
 麗華が慌てて体を隠そうとしたが、その前に触手に身体を絡め取られてしまう。
「はん!? どこ触ってますのっ! ちょ、やめなさい‥‥。くっ‥伊万里! 見てないで助けなさいなっ!!」
「タイヘン。今助けますです」
 冬無は棒読みのセリフを口にしながら金蛟剪で触手を切ってゆくが、麗華の周囲の触手だけはわざと残している。
「あぁぁーー!! 伊万里はまったく役に立ちませんわ!! ひゃ!? そこはダメですわ!?」
 麗華は冬無の態度に絶望し、触手が肌をぬるぬると這い回る感触に身悶えて顔を赤らめた。

 その頃、ヴァサーゴと美音はゼフィリスと環が無事に助け出していだが、二人とも頬を紅潮させ、荒い息を吐いて床にへたり込んでいる。
「あの‥大丈夫ですか?」
「‥ぁふぅん!!」
 心配した環がヴァサーゴの肩に手を置くと、ビクリと身体を震わせて嬌声を上げた。
「えっ!?」
 環が慌てて手を離し、どうすればいいかと迷っていると、いきなりヴァサーゴが環に抱きついて押し倒す。
「身体が‥‥熱い‥‥」
 そして溶けてボロボロになった環のメイド服を脱がし始めた。
「ちょ、ちょっと待ってください! 私は女の子とこんな事する趣味はないんです!」
 環は拒もうとしたが、体が少し麻痺していてヴァサーゴの力に抗えない。
 そして半裸にされた環は身体を弄られ始めた。
「ん‥‥環も‥濡れてる‥‥」
「そ、それは私のじゃなくてキメラの体液で‥ぁ! ひぅっ‥‥ぁ‥‥うぁ‥い、やぁぁ!」
 ヴァサーゴの指先が環の体のあらゆる所から快感を引き出そうと蠢いて這い回る。
「ん‥‥」
「あ! キスは‥ダメ‥‥ひっ! ‥‥し、しょこも‥ら、らめぇぇぇ!」
 ヴァサーゴの唇を顔を反らして避けると、ヴァサーゴは環の耳に舌を差し入れ、指が敏感な所をまさぐる。
(「うぅ‥‥まさか初めてが女の子と触手だなんて‥‥。そんなの‥‥やっぱりダメですーーーー!!」)
 環は気力を振り絞って快感に抗い、ヴァサーゴを突き飛ばして跳ね起き、自らの純潔を守り抜いたのだった。


 一方、美音もまだ身体の火照りを持て余しており、人肌を求めてゼフィリスに抱きついた。
「え? あの‥‥柚紀様‥‥」
「ゼフィリスさん‥ふわふわで‥やわらかいですぅ〜♪」
 美音は恍惚の表情でゼフィリスの胸に顔を埋めて揉み始める。
「あっ‥。柚紀様‥‥こ‥困り‥ます‥‥」
 ゼフィリスには暴力で引き剥がす様な事はできないため、美音にされるが無抵抗でいた。
 幸い美音にはテクニックがなかったのでゼフィリスはめろめろになる事はなく、迫る触手をサベイジクローで切り裂いて、美音の火照りが治まるまで守り通した。

 その頃リヴァルは
「見ちゃダメです!」
 リサに目隠しされていた。
「待ってくれリサ、これでは戦えない」
「それでもダメなんです! できれば声も聞かないで下さい!」
 リサもリヴァルが邪な気持ちを抱いていないのは分かっている。
 けれど男性のリヴァルに今の女性陣の痴態を見せる訳にはいかなかったのだ。
 それに、自分以外の女性に目を向けて欲しくないという気持ちもちょっとだけあった。
「じゃあ僕が行くよ。リサさんはそのままリヴァルさんを抑えてて」
 服が溶けてしまって水着姿になっている和奏も、できればリヴァルに見られたくないので、リサに同調する。
「待て、水理氏。一人では危険だ!」
 リヴァルは止めたが和奏はそのままキメラ本体目指してドリルで突っ込んでゆく。
 ドリルは迫る触手を軽快に粉砕していったが、ぬめる足場では思うように前には進めず、飛び散る体液で濡れた和奏の体が麻痺効果で更に動きが鈍ってくる。
 そして和奏はキメラ本体まであと数歩まで迫った所で触手に捕らえられ、頭から大量の液体を浴びせかけられた。
「わぷっ!」
 すると水着も完全に溶け落ち、和奏の未成熟だが健康的な肢体が晒される。
「わわっ! は、恥ずかしい‥‥」
 更に無数の触手が絡み付き、和奏の全身がぬるぬるとした感触に包まれた。
「やんっ‥リリアお姉様‥だめだよ‥っ!」
 頭から浴びた麻痺液で脳の働きまで鈍ったのか、今、和奏の脳内では自分はリリア・ベルナールに後ろから抱きつかれ、右手で優しく全身を撫で回され、左手で敏感な所を刺激され、足と足は絡み、舌が首筋から耳まで舐め上げられる妄想が展開されていた。
(「‥‥ダメっ! 僕にこんな事していいの、みゆりお姉さんだけだもんっ!」)
 だが世界で一番大好きな人の事を想い、リリアがもたらす快感に打ち勝とうとした。
 すると、今までリリアだった妄想が愛しのみゆりの姿に変わった。
(「‥‥みゆりお姉さん♪」)
 そして今度はみゆりが和奏にイケない事をする妄想が始まった。
「‥ぁ! みゆりお姉さん‥‥そこはもっと優しく‥して‥」
 そうなると和奏は抗おうとする気持ちは消え去り、今まで経験した事のない未知の快感に身を委ね、頬を紅潮させて、くねくねと身悶えるのだった。

「あぁ‥和奏さんまで捕まって‥‥。ぅ〜‥‥仕方ないです。リヴァルさん、キメラだけを注視して全力で倒して下さい。近くに和奏さんがいますけど、絶対見ちゃダメですよ!」
「‥‥了解だ」
 ようやく目隠しが解かれたリヴァルは憮然としながらもキメラ本体に向かってSMG「スコール」を放ちながら急接近。
 リサもリヴァルに後に続いて左右から襲い来る触手を薙ぎ払っていたが、
「あ!」
 途中でぬかるみに足を滑らせて転んでしまう。
「リサ!」
 リヴァルはリサに絡み付こうとする触手を薙ぎ払いながら手を引いて起こす。
 すると、リサの服が溶け落ちて肌が露になった。
「な!?」
「キャ!!」
 リサは咄嗟に手で隠したが、リヴァルも顔を反らしたが、リヴァルの網膜には今の魅惑の光景が焼きついた後だった。
「いやっ! こ、これは事故で‥‥」
「‥はい。あの‥分かってます‥」
「‥‥」
 顔を真っ赤にした二人は気まずくて黙り込んでいたが、やがてリヴァルがリサの肩にアーマージャケットをかけた。
「奴を片付けてすぐに戻ってくる」
「はい」
 そしてリヴァルは『紅蓮衝撃』と『急所突き』を併用した全力攻撃でキメラ1体を完全破壊したのだった。

 キメラが1体倒されて触手の数が減った所で、頭の冷えた美音とゼフィリスが麗華を救出する。
「ふぅ‥‥酷い目にあいましたわ」
 体液まみれでほぼ全裸にされていた麗華は深い溜め息をつくと、キッっと冬無を睨みつけた。
「伊万里ーー!!」
「冬無さん! さっきのお返しですよ〜」
「麗華さん、美音さん、落ち着いて‥」
「問答無用ですわっ!」
 麗華と美音は冬無は捕まえると触手の最も群れている所に突き飛ばした。
「キャ〜〜♪」
 冬無は嬉しい悲鳴を上げて無数に触手に嬲られ始める。
「きゃふぅん♪ そ、そこはぁっ♪ んぶぅぅっ♪」
「さぁ、今の内に敵を倒してしまいますわよ」
「あの‥伊万里様が‥凄い事に‥なって‥いますけど‥‥」
 ゼフィリスが心配そうに見つめる先で冬無は服も体も粘液でボロボロのドロドロ状態になっていたが、むしろ自分から嬲られに行っている様にも見えた。
「構いませんわ。伊万里はむしろこうされた方が喜ぶ、救い様のない真性の超ドMなんですから」
「イィ! もっと罵って! もっといたぶって! もっと虐めてぇぇーっ!!」
 今の冬無には罵声ですら快感に変わるらしい。
 そして他の者がキメラを倒し終えた頃、
「ぁは‥ ぁふ‥ いぃ‥‥」
 触手の間で全身を体液でネトネトにした冬無が恍惚の表情で嬌声を漏らし、快感で身体をピクピクと打ち震わせていた。



 戦闘終了後

「未だ‥身体、熱い‥」
 体の火照りが治まらないヴァサーゴが美音に抱きついて体を弄り始める。
「きゃん♪」
 嬉しそうな悲鳴を上げた美音はされるがままだ。
「二人ともいい加減になさい!」
 そんな二人を麗華が引き離す。
「はふ‥‥。この感覚‥やみつきになりそうです‥‥」
 美音が熱い溜め息をついて頬を染める。
 そして冬無は
「うふふのふ〜コレクションです、あはははははは♪」
 触手を持ち帰ろうとしていたが、もちろん全員に全力で阻止された。