タイトル:【AW】アルビールの瞳マスター:加藤しょこら

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/09/29 01:38

●オープニング本文


●運ばれたもの
 補給物資を満載した8機のヘリコプターの編隊がイラク北部の山岳地帯を等高線をなぞるように飛行している。
 機体は旧ソビエト製のMi−17。ヒップ呼ばれる愛称で知られる年代物で、機齢は40歳に届こうとしている。カーキ色をメインにアンバー系の塗料で斑模様が描かれ、吸気口に取り付けられた防塵フィルターがこの地域の風土特性を雄弁に物語っている。
 眼下の谷には石を積んで土で塗り固めただけの家が並ぶ。家屋は簡素であったが、貧困を感じるわけではない。
 かつては整備されていたであろう幹線道路から外れた未舗装のあぜ道ではヤギや牛が人と同じように歩いている。道行く少年が上空を通過するヘリを見上げていた。
 のどかな風景だ。だが、少年は背中で携行用対戦車擲弾を担いでいる。そのロケット弾頭が暮れ始めた陽光を浴びて鈍く光っていた。
 素朴な村落が点々と続く山間を這うようにヒップの編隊は飛行し目的の集落に到着する。
 この地域の州都であるアンビールが陥落して以来、この地域に暮らす者の多くはは都市生活を放棄していた。
 都市はバグア軍の格好の攻撃対象になるからだ。
 老いも若きも男も女も全ての者が街を捨てて武器を取り戦士となった。
 戦士達は山岳地帯を知り尽くしており、地の利を活かした果敢な攻撃は未知の科学力を擁する侵略者バグアと互角の戦いを繰り広げていた。
 バグア軍が利用価値の少ない山岳地帯に大規模な攻撃を仕掛ける意図も無かっただけかも知れないが、真意は不明である。
 ヒップが運んで来た物資はエミタシステムに関するものだった。
 それは新たな能力者を産み出したり、エミタのメンテナンスに必要な物ばかりである。

 広場に降りた傭兵達を地元の誰もがチャイに誘おうとした、誰もが傭兵達に優しかった。
 この地の伝統の挽肉料理はじめとした豪勢なメニューが惜しみなく振る舞われ、宴が始まった。
 護衛に同行した傭兵達は圧倒的な賛辞をもって迎えられたのだ。
 能力者はこの地で暮らす者にとって救世主であり英雄だった。

●新たな刺客
 そのころイラク北部の都市アルビールにアフリカの方からやってきた巨大な体躯を持つ機体が到着していた。
 かなりの大きさだが、ギガワームとは違う機体だ。
 その大型の機体が地上に降りると、中からもぐらのような形状のワームが続々はい出てくる。
 そして、ワームの群れは北の山岳地帯をめざして進軍を開始した。

●参加者一覧

鈴葉・シロウ(ga4772
27歳・♂・BM
榊 刑部(ga7524
20歳・♂・AA
梶原 静香(ga8925
20歳・♀・ST
狭間 久志(ga9021
31歳・♂・PN
テミス(ga9179
15歳・♀・AA
神撫(gb0167
27歳・♂・AA
遠倉 雨音(gb0338
24歳・♀・JG
鴇神 純一(gb0849
28歳・♂・EP

●リプレイ本文

●迫る敵
「どうも〜、傭兵部隊ガーデン所属の08小隊長をやってます鈴葉です」
 鈴葉・シロウ(ga4772)から何故08なのかとツッコミが入りそうな挨拶が述べられ、祝杯をあげようとしたその時、頭上にエンジン音が響く。音の元は見慣れないKVだ。
 刹那、宴の幕が開かれ、敵襲の知らせを持って伝令が駆け込んでくる。伝令はアルビールに最も近い拠点のシャクラーワからだった。
 其処に居た者は動揺し、或いは血気にはやる。それぞれが様々な反応を見せ幕の中は騒然とした。
 長いひげを生やした指導者サーレムが静まるようになだめる。
「それで敵の兵力・距離は?」
 榊 刑部(ga7524)まずは情報を得るべきだと思い問う。
 アルビールから北方に侵攻を開始したバグア軍は早々に察知されていた。シャクラーワの住民は集落を放棄し山奥にに逃れている。戦術的撤退だ。バグア軍の動向は北進であることから現在地までの間にあるバフマ、アクラの両拠点が攻撃を受けるのも時間の問題だ。伝令によると既に撤退がはじまっている。
 現在地からアクラ、バフマまでの両拠点までの距離は50km程度。
 兵力の全貌は不明だが少なくとも6機以上の陸戦型ワームを先頭に、後続のキメラなどが続いているという。
「すまない」
 宴に水を差されたサーレムは詫びるように言うと、口早に指示を出す。
 応急攻撃を加えながら早々に拠点の放棄、時間を稼ぎながら繰り返して敵を勢力圏に浸透させて、反撃に転じるのが常套手段で、少しずつ戦力を削り取ってゆくのが効果的な戦法であった。
 正面から殴り合えば装備の優劣と数の論理が戦場を支配してしまう。
 KVを飛行させるための燃料も無視できないコストだ。コストを無視した戦いは長続きしない。それは戦いの真理である。
「狙いはあれか?」
 鴇神 純一(gb0849)は運んできた物資に視線を移す。既に馬の背に乗せられ、或いは徒歩で各拠点への移送が開始されているが、まだ時間はかかるだろう。
「もし物資の破壊が主目的なら飛行中のヘリを狙った方が早いのではないか?」
 サーレムは疑問を口にする。
 もっとも少数のヘルメットワームで襲撃したとしても、同行していた傭兵の反撃に遭い、成功する見込みは薄かっただろう。今の時期に攻勢を掛ける真意は計りかねるが、物資の到着とのタイミングの一致はその破壊が目的に含まれていると見て間違いない。
 物資の防衛は必須である。
 そのために数十名の兵士に転進命令が出る。物資を広範囲に分散させるためだ。
 数十カ所に分けてしまえばせっかちな侵略者がその全てを追跡することは実質上不可能だ。
 しかし、拠点を明け渡しての戦いは長く辛いものになる。
「諸君等も参戦してはもらえないだろうか?」
 と、一行に問う。
 目の前の最精鋭の傭兵達、所属の違う彼等を好きに動かす権限は無い。
 だが、物資の護衛という名目なら戦闘に協力してもらっても違約にはならない。
「何をいまさら、乗りかかった船だ」
 純一が自信に満ちた笑みを浮かべテミス(ga9179)を見ると彼女も頷き返す。
 その申し出を断る者は居なかった。
 シロウもまた異論などないとうなずき返すと。
 突然、サーレムは立ち上がり空に向かって銃を放つ。
「遠き異国の島よりラシール(※使徒)がはせ参じてくれた! 我々が侵略者に鉄槌を下すのだ!」
 サーレムの言葉に応えるように、兵士達の鬨の声が谷間にこだまする。
「温かく迎えてくれてありがとう! 続きは勝ってから、必ず勝ちましょう!」
「まったく、せっかくのお酒を‥‥無粋な奴等なのです、さっさと片付けて飲み直しです!」
 テミスの言葉に狭間 久志(ga9021)が照れくさそうに言う。
 三日月と星の意匠のマークのついた8機のヒップがエンジンを始動し離陸、北へ脱出を開始した。此方は母国への帰還だ。現在地にも攻撃が及ぶ可能性は否定できず、有効な武装を持たない輸送部隊の撤退は妥当だろう。
 直後、2機のKVが到着した。バフマ、アクラへの敵到達の報告だ。

●夜の偵察
 現代的な設備の整った飛行場は無い。
 短距離の滑走のみで離陸できるKVにとって特別な飛行場は必要なく、50m程の平らな地面があれば何とかなる。この手軽さは重要だ。故に燃料と整備を担う人材さえ居ればKVは飛び立てる。
 山の横穴から見慣れぬ機体が引き出されてくる。PT−034ナーシャと呼ばれるプチノフ製の旧式KVだ。
 性能はR−01よりも若干劣るが、悪条件下のメンテナンスであっても稼働し要求通りの性能を発揮するそれは裏の戦場を支えている重要な戦力だ。集結したナーシャは伝令の3機を含めて6機。
 傭兵達のKVを合わせてこの地にこれほどの数のKVが集まったのははじめての事だった。
「独立KV小隊、略してガーデン隊の腕見せてやろうぜ『シロー小隊長』!」
 純一は『ガーデン08小隊だ』と言いたげな表情のシロウに向かって、そう言うと離陸態勢に入る。
「地形に明るい能力者はいないか? 予備シートで情報提供を頼みたい」
 神撫(gb0167)の申し出は偵察行動の有効性を上げようという思いからだ。そして、一般人の肉体はKVの激しい機動に耐える事が困難であるため、万一を考えると同乗者は能力者である事が必要だ。
「ならば私がゆこう」
 声の主はサーレムだった。この人物ならば間違いはないだろう。そして指導者が席を外す事は異例であり、兵士の間に驚きの色が広がってゆく。
 だが、補助シートに能力者を乗せても戦闘が有利になることは無い。2人の能力者の異なるAIがKVを制御するような事例や設計が行われた情報は公開されていないからだ。そして、新鋭機のウーフーといえども補助シートは狭い。
 少し遅れてサーレムを同乗させた神撫の機体が離陸する。二機の向かった先は現れたバグア軍の最先鋒の2カ所バフマとアクラ、そして2カ所を結ぶ線だ。
 眼下の風景は全てが黒色に染まり、星明かりの瞬く空と対照的だ。通信機にはノイズが混じる事もあるが概ね好調。時折、民兵側の地上部隊から敵発見の報、戦果が聞こえてくる。
 夜間であってもジャイロをはじめとした航法装置の力で目的に向かうことは可能だ。しかし低空を飛べば山肌に激突する可能性もあり、さりとて高空からでは何の様子もわからない。
 皮肉な事に火災が発生した家屋や、時折みえる砲炎が僅かに敵の動向を知る手がかりだ。
「神撫より鴇神へ。よく分からない」
「こっちもだぜ」
「少し高度を下げてみるか?」
「敵機影なし‥‥、確信はもてない」
 瞬間、地上から光弾が次々と打ち上げられ機体の周囲で弾ける。不気味な空気の振動が伝わってくる。
 これ以上の飛行で有益な情報は得られそうもない。点滅する空を後に2人は増速して拠点への帰還を急ぐ。
 上空からの目視偵察から分かったことは敵の進行方向であった。
 神撫と純一が地図の上に敵を示す駒を置いてゆく。サーレムが味方戦力の集合位置を指で指す。
 記録にはしないので覚えるようにとの事だ。刑部は地形や兵力の情報を聞き逃すことなく頭に叩き込む。
 バフマ東方約20kmの拠点ラーワンドゥーズへの敵の襲来が無いことや、戦闘場所の推移から敵軍は2方から現在地に向かって来ていることが推測できた。2方向の敵に同時に反撃を加えることは難しいかもしれないが、2カ所の敵を撃破し、南方のシャクラーワ方面については時間を掛けて対処するいう大まかな方針が立つ。

●伏撃
 陸路での北進には幾つのも尾根を越えるか、谷間の道を進むしかない。
「成る程。山岳地帯と一言で言っても、ただ山という訳ではないんですね」
 大抵の小さな峰や洞窟は地図に記載はない。だが暮らす者にとっては家畜を休ませる場所であったり憩いの場としても利用されている。久志は自分の故郷に思いを馳せる。異国に者にとってはただの山であっても其処に暮らす者に取っては生活の場なのだ。
 谷間の平地は北にゆくほど幅が狭くなってゆく。後退を繰り返しながらの伏撃に有利な地形であり大規模な軍勢を一気に動かすことは難しい。拠点から南南西に約50km。
 そんな谷間の臨む尾根の左右に6機のKVが待ちかまえていた。夜明けから間もなくワームの一群が姿を現した。前衛に3体1列、少し離れて4体が2列縦隊で進んでくる。
「よし! いまだ!」
 シロウの雷電が尾根から姿を見せた刹那、狙いださめて放たれたグレネードが先頭から2番目のワームに命中する。爆発、巻き込まれた3機が仰向けにひっくり返った。
 だが、割と射程が短めのシロウのグレネードを初撃とするために敵との距離はかなり詰まっている。
「私たちを暖かく出迎えて下さった方たちの営みを壊すような真似は、させません」
 続けて姿を現した遠倉 雨音(gb0338)がMSIバルカンを放つ。仰向けになったワームの腹部に消えない傷を刻まれてゆく。
「後続にキメラ多数」
 上空の神撫から平文通信。刹那、民兵側の地対地ロケットがキメラに一斉に放たれる。
 射撃陣の第一撃の終了のタイミングに合わせて、久志のハヤブサが突撃を開始する。頭上にはロケット弾の煙の筋が残る。朝日を浴びて輝くレッグドリルの直線的な一蹴りがワームの横腹に突き刺さる。激しいスパークと煙を上げながらなんとか向き直ったワームに梶原 静香(ga8925)の放った弾丸が装甲に孔を穿つ。爆発。
 残った前衛のワームに刑部のミカガミが間合いを詰めると、高温に熱せられた一振りで装甲を大きく切り裂く。ヒートディフェンダーである。戦闘開始から20秒で前衛の3機は僅かに光線で反撃するもほぼ無抵抗なままに破壊された。 
 これまでにない大火力による襲撃。残る4機は密集によるダメージを恐れ間合いを開けて反撃に移ろうとするが、狭い谷間が立ちはだかる。悪あがきの尾根に虹色の光線を放った刹那、シロウの放った第2波のグレネードが炸裂し2機が巻き込まれる。
 虹色の光線を真っ正面から受けてしまったシロウの機体だが損害は驚くほど小さい。
「爆撃を開始する」
 後方のキメラの群れにロケット弾が着弾した直後、神撫のウーフーが高度を下げ、追い打ちを掛けるようにG−44グレネードを放つ。着弾した弾体が爆発し瞬く間にキメラの群れは炎に包まれる。
 猛烈な勢いで光線を放って反撃する陸戦ワームは炎の中、死骸になったキメラ踏みつぶしながら後退を開始する。
 そんなワームの装甲をレーザーが貫く、機を逃さずに放たれた刑部の高分子レーザーだ。
「その動き‥‥見えてるよ!」
 再びワームの中に飛び込んだ久志が必殺のドリルを繰り出すとワームの脚が外れるように吹き飛ぶ。
 勢いにのった傭兵達のKVは怒濤の如く傷ついたワームを蹂躙し始める。
 雨音の振るったディフェンダーが最後のワームに突き立てられたとき、周囲には無数のキメラの残骸と破壊し尽くされたワームが転がっていた。
 キメラばかりでなくワームまでもがたやすく倒されたことは民兵にとっての驚きだった。
「圧倒的ではないか! わが小隊は」
 荒れ果てた戦場に誰かの声が木霊した。
 そこに純一から民兵部隊苦戦中の報が届く。
「急ぎましょう! きっちりと叩き返してやりましょう」
 通信の意味をいち早く理解した雨音が皆を促した。
 サーレムが率いる民兵達のKV部隊も善戦はしていたが、迎撃の地点は拠点の南方20kmまで近づいていた。

●護る戦い
 一方、拠点に残ったテミスと純一は敵の飛び石攻撃を警戒していた。
 発見の報告がされていたのは地上ワームだけだったが、過去の戦いで現れたアースクエイクによる地下からの襲撃やヘルメットワームの来襲する可能性は否定しきれない。
「地殻変化計測器、設置完了! 索敵開始します!」
 気合いの入るテミスだったが一向に計測器に変化は現れない。
 太陽が昇り午前の心地よい陽光が差し込んでくる。
 前線からは早々にアクラ方面敵撃破の報が入り、余勢で一方の敵にも攻撃をかけるという。
 民兵側の部隊は1機のワームを撃破したところで後退し、2つめの峰に移動し迎撃の準備に入ったという。
 損傷を受けた1機のナーシャが返ってきた。真っ赤に染まった胸を押さえ、パイロットが地面に蹲る。
「こういう人の力で支えてきたところ‥‥抜かせるわけには行かないよな」
 無線から聞こえる純一の呟きに、テミスは運ばれるパイロットに視線を向ける。
 現在地までの距離は20km。
 拠点の上空を旋回する純一も敵の接近を確かに捉えていた。
「ゆきましょう。このままでは此処も戦場になってしまいます」
 テミスの言葉。すっかり忘れられていたドロナワが後ろは任せて置けと親指を立てる。
 2つめの尾根での戦闘は開始されていた。
 巻き起こる砂塵。兵士達は旧式の武器を駆って必死の抵抗を試みている。ロケット弾を運んできたハーフトラックが虹色の光線につつまれ‥‥刹那、消炭に還った。
 もはや奇襲では無くなっていた。火力に勝る敵は民兵の砲座に向けて光線を撃ち返してくる。場所を変えながら射撃を続けるもこの峰が破られるのも時間の問題だ。此処を破られれば拠点は落ちるだろう。
 くそ、悪態をつきながらサーレムはナーシャに搭載されたライフルを放つ。弾丸はワームに命中するも決定打にはならない。打ち返された光線が機体の装甲を破壊する。
 瞬間、サーレムの後方から肉食獣の形態をもつKVが現れ、ワームとの間に割り込んだ。
「おまえは‥‥」
「攻撃開始です! これ以上は好きにさせませんからね!」
 無数の弾丸が前進してきたワームの装甲に穴をあけ、瞬く間に爆散させる。
 しかし、燃えるワームの残骸を砕くように後続のワームが現れる。
「くそっ! シロー達間に合わないか?」
 純一はシャワーのような弾丸をワームに浴びせて前進を阻止するするも、峰の至る所でキメラと兵士達の戦いも始まった。
 到着した神撫が上空から後方のキメラの群れに向けて撃てる限りのロケット弾を撃ち込んでゆく。
 雨音が到着したとき、後退の機を失った民兵達は決死の覚悟で死闘を挑み、敵の進撃を阻もうと死力の限りを尽くしていた。そんな兵士たちの盾になろうとワームの正面に立ちはだかる雨音の雷電。瞬間、無骨なディフェンダーが弧の曲線を描き宙を舞った。激しいその一撃はワームの胴体を大きく切り裂いた。
 傭兵達の主力が到着することでパワーバランスは一気に民兵の側に傾いた。
 やがて、敵は一体のキメラも生き残る事が出来ずに全滅する。
 上空には勝ち誇ったように神撫のウーフーが旋回している。
「皆さん。お疲れ様でした。‥‥純一さんへのご褒美は今は無理かな‥‥」
 瞬きをするとテミスは呟いた。皆が敵から取り戻した大地は秋の陽光を受けて明るく輝いていた。