タイトル:資材通路確保マスター:タカキ

シナリオ形態: ショート
難易度: やや易
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/06/18 17:23

●オープニング本文


 ロサンゼルスに聳える橋頭堡。ステアーの攻撃によりかなりの損害を被っていた。いまでも、再建築が行われており、リッジウェイ中隊がひっきりなしに動いている。大工な人もかり出され、かなり急ピッチで行われていた。
 管制塔からヴェレッタ・オリム(gz0162)大将が其の風景を眺める。ドアがノックされ、オリムが「入れ」と言った。
 珍しくきちんとした軍服に身を包んだジェームス・ブレスト(gz0047)が敬礼をして、出頭した事を告げる。
「ジェームス・ブレスト大尉、出頭しました!」
「うむご苦労。早速だが、この橋頭堡再建の全指揮を執って貰いたい」
「分かりましたっ!」
 普通なら敬語を使うことはないが、色々な噂と都市伝説で畏れられているオリム大将の前では、流石の熱血エースも礼儀で対応するしかない。
「私は、一度オタワに戻る。まかせたぞ。此処に計画書がある、実行に移せ」
「了解!」
 文書を受け取り、敬礼をしてからジェームスは部屋を出た。

 そして、部屋を出て‥‥、誰も居なくなったところで。
「緊張したああ! きっついー」
 堅苦しい態度を取ったために、思いっきり息を吐き出した。
「ふう、此処をまもらねぇと厄介なのは確かだからな。さっさと終わらせてしまうか!」
 計画書を読むと、ジェームスは眉をひそめる。リッジウェイ中隊だけでは期日までには間に合わないとおもったのだ。それに、何時襲撃があるか分からない。
「偵察だけにきたら撃退という手もあるが其れは他に委ねよう。いまは完成させないと駄目だ」
 そう、自分の役割は今此処を再建し守ることだ。
 ページをめくると。大将も分かっていらっしゃるとため息を吐く。傭兵に支援を頼むということはオリムも考えている。そう言う計画書になっていた。
「可能ならリッジウェイを所持する傭兵を募る、周辺警備、資材点検か‥‥かなり揃えば、早くできるだろう」

 しかし、サンフランシスコまでのルートに問題が発生していた。
 青や赤で派手な格好のタイツ筋肉なキメラ達が、円盤を投げつけていたり、ネバネバした糸を吐き出したり、壁によじ登っていたり、怪力にて破壊の限りを尽くしていると言う情報が入っていた。
「なんだと?」
 資材を運ぶためにトラックが沢山こちらに向かう。しかし、その道をそうした謎のタイツ筋肉達によって妨げられているのだ。
「これはこまったぞ。俺は持ち場から離れられない」
 ジェームスは顔をしかめる。
 タイツ筋肉の姿は、アメリカではかなり有名なヒーロー達だ。まさか、そうした人型キメラを作るとは、怒りがこみ上げてくる。
「ええい、偽ヒーローを殲滅して、通路の確保を急いでくれ! 子供達の夢さえ壊すとは、ゆるさねぇ!!」
 彼は、部下に言ってこちらに向かう傭兵達に、キメラ討伐の指示を出したのだった。

●参加者一覧

鈴葉・シロウ(ga4772
27歳・♂・BM
九条・縁(ga8248
22歳・♂・AA
東條 夏彦(ga8396
45歳・♂・EP
守原有希(ga8582
20歳・♂・AA
田中 直人(gb2062
20歳・♂・HD
アリエーニ(gb4654
18歳・♀・HD
御守 剣清(gb6210
27歳・♂・PN
冴木氷狩(gb6236
21歳・♂・DF

●リプレイ本文

●ヲタクは怒る
 鈴葉・シロウ(ga4772)、九条・縁(ga8248)、守原有希(ga8582)はこの話を聞きつけ、すっ飛んできたようだ。
「ヒーローの偽物‥‥。他は良い。しかし、蜘蛛は危険だ! 彼奴が日本に上陸すると、ゴーレムに乗って大変なことになる!」
 と縁。
「その通りですね。しかし蜘蛛は、真のヒーローにやられるのですよ!」
 シロウが同意したが、相手の運命を確信していた。
「ヲタク一家の長男としちゃこげん輩只で済まさん‥‥。長年多くの子供達に夢と希望を与えた英雄は騙らせん!」
 有希は俄然やる気である。
 と、いま道路を封鎖しているタイツメンキメラの元を知れば、怒りは頂点でに達しているのだ。
「このニセモノ騒ぎ‥‥バクアの仕業か! ‥‥まあ、こんな事するのはヤツラくらいですよね‥‥」
 バイクが好きな、御守 剣清(gb6210)も火のライダーキメラをみて、怒りをあらわにしていた。
 ロシア出身のアリエーニ(gb4654)にとっては「一寸複雑ですね」という風。しかし、背中から炎を吹き出している様に錯覚するヲタクの3人を眺めてから、田中 直人(gb2062)を見ると、
「子供の夢である、英雄達をパクッたバグアはゆるさん!」
 と、怒りをあらわにしているので、苦笑が絶えない。日本男児はこう言うのが隙なんだね、と。
「うーん、困っちゃいますね」
「ノリノリだから良いとおもうけどな。うちらの任務は変わらへん」
 どう見ても女性に見える冴木氷狩(gb6236)が、冷静に言うと、アリエーニも苦笑して頷いた。
(「それじゃ、若いもんの手並みをとくと拝見‥‥」)
 と、東條 夏彦(ga8396)だけは、出生の違いから距離を置いていた。
 熱血とクールなメンバーがバランス良い状態だから、うまくいきそうではある。
 そう確信したジェームス・ブレスト(gz0047)は機嫌良く檄を飛ばす。
「よし、人間の正義と情熱で彼奴らを倒してこい!」

●ワンツーマン
 一行は近くまで車やバイクで移動して、戦闘区域にはいると車から降り、その車は安全圏迄移動した。 道路を遮るかのように、盾を持つ青いタイツ男と緑っぽい肌をした巨人が立っている。
「他の連中は?」
「どこかに隠れているかもしれへんな」
 バイクも蜘蛛(仮)もどこからか襲ってくるため隠れているのだろうか。
「では、作戦通り、ワンツーマンでしばくで」
「「OK」」
 8人は各自、担当キメラに向かう。

●ヲタの夢を守る男、シロウ&縁
 道路から少し離れた建造物に向かうシロウと縁。
「あの蜘蛛男は、どこかに張り付いて、狙いをすませていますね。解りますよ」
 シロウがまだ覚醒せずにあたりを見渡す。
「‥‥危ない!」
 縁も覚醒せずに警戒しているが、何か頭を横切った瞬時に覚醒し、シロウを突き飛ばして、自分も横っ飛びする。しかし、無事を確認したら戻る。別のコンクリートの瓦礫(2m弱)に、赤と青の独特なデザインのタイツキメラが、粘着性の糸を建造物に貼り付けて、遠心力を利用した突撃したようだ。いまでは着地点で異様な屈み方をして睨んでいた。腰を下ろし、両手を突き出しての攻撃態勢である。
「やばいな、あれは日本上陸を狙っている仕草だ! 色々混ぜるな自然!」
 縁が叫ぶ。
「安心しろ、兄弟。知っているか? どんなに強敵でも蜘蛛の怪人は必ず最後には敗北を得るということを‥‥何故なら、どの世界にも彼らがいて。この世界には私達がいるからだ!」
 シロウが縁にそう言った。
「ああ、そうだな! 俺たちがヒーローだ!」
「誰か訊けない哀れなキメラよ、先に行っておく、通りすがりの傭兵だ、覚えておくといいかもね――覚・醒!」
「うおおお! 一応訊く、倒すけどいいな!? 答えはきかねぇ! 覚醒!」
 シロウの頭部がふかふかシロクマに、縁には黄金のオーラが覆われた。このために覚醒を解いていたのだ。それを見て、赤青のタイツキメラはキシャーと叫び、粘着性の糸を唾のマシンガンのように吐いてきた!
「おおっと! この四刀流で受け止めます!」
 シロウのツインブレイド二刀流(だから謎の四刀流)。その唾を剣の回転で受け止めは弾く。しかし、縁は幾つかもらってしまった。粘つく物は縁の力で思ったよりすぐに剥がれる。
「くそ、ねばねばして気持ち悪い。機動戦闘は任せるぜ、シロウ」
「わかりましたよ! あそこにいますね‥‥」
 瞬間縮地を使用して、キメラが建造物によじ登っていくところを、シロウが負う。直角ではない建物だったので、ジャンプしながら、徐々に追いついていく。しかし、キメラはシロウの着地する場所に、糸の攻撃するため、距離が詰められない。避けて、屋上に登ると、また、妙なポーズで威嚇しているキメラが、飛びかかってきた。
 糸がネット上に広がるところを、ツインブレイド二刀流フル回転にて断ち切る。
「そう簡単にやられるわけにはいかないのですよ!」
 お互い通り抜けたあと、数秒。
「ぐはっ!」
 シロウの腹や腕に痣が浮かび、吐血する。
 相手も粘着糸弾のガトリングでシロウに傷を負わしていた。しかし、勝負はシロウにあった。キメラの体のあちこちから、血を吹き出しているのだ。
「チャンス!」
 シロウは痛みをこらえ、獣突でキメラを吹き飛ばす。その先は空中だ。キメラはぶら下がろうとして、糸を吐くが、シロウが、それを切り取っていた。
 落下先には縁。
「言っておくが最初っから『徹底的に!』クライマックスだ! くらえ! 俺の必殺技!」
 全スキルを武器に込めて、ソニックブームの真空波でキメラを真っ二つ。2人は綺麗に後ろを向いて、決めポーズを取る、後ろでキメラが大爆発した。
「演出まで、日本よりだったのか、益々危なかったぜ」

●炎のバイク
「どこにいるんやろ」
 氷狩はあたりを見渡す。
「あれだ」
 爆音と、陽炎が見える。熱気による物だ。
 全身火で包まれたバイクなんて、隠れられるわけがない。おそらく加速突撃する為に、距離を取っていたのだろう。たまたま視界に入らなかっただけだと思われる。突撃してくるバイクキメラはそのまま2人をひき殺そうと向かってくる。
「向こうから来てくれるんやね。上等‥‥来いよぶっ飛ばしてやんよ!」
 氷狩は覚醒する。今まで女性的な物腰から、目つきが鋭くなり粗暴な口調いった。近くに転がっている鉄パイプを握る。
「ヒーローの姿で、しかもバイクヒーローってのが許せねぇ‥‥オレにやらせてもらえませんか?」
 剣清が「任せてくれ」と言う意味はとどめの一撃のことだと氷狩は解った。
「わかった、任す」
「じゃあ、コッチも正義の味方の真似でもしますか‥‥覚醒! いくぜ、氷狩」
 このフェンサー、結構ノリノリである。

 まず囮に氷狩が動く。そして、動きにくい場所までキメラをおびき寄せた。しかし、そのバイクキメラはそんなことお構いなしに進む。無茶苦茶な移動能力と思うが、先ほどよりスピードは落ちているので効果はあるようだ。
 氷狩はそのままバイクに向かって、すれ違いざま車輪に向かって先ほどの鉄パイプで突き刺そうとするが、赤い壁に阻まれ、氷狩が吹き飛ばされた。
「熱っ!」
 上着が雷属性のために余計にダメージを被る。すぐに消火のために体を転げ回って消し活性化で回復する。
「全体がキメラってのを忘れてた! すまん」
 キメラはUターンし、転がる氷狩を狙う。彼は運良く転がって避けるが、バイクはまた氷狩に向かう。
「俺ばかり相手していいのか?」
 にやりと笑う氷狩。
 今度はバイクの転倒を考えずに、すれ違いざまの、横一線の両断剣。首が飛んだ様に見える。しかし、バイクキメラ自体が『人間と同じ所に急所』があるとは思わない方が良かったのだろう。首は炭化して、崩れていた。
「クソっ! 本当に化け物だな」
 舌打ちする。
 首が切れたので視界が無くなったのか、バイクの動きは遅くなっている。そこで、剣清が待っていた。
「これで寝てろ!」
 円閃とスマッシュの同時発動。華麗な剣筋が、バイクと運転手を袈裟斬りにする。バイクは10m程度離れた場所までよろよろすすみ‥‥爆発した。
 活性化である程度回復した氷狩は覚醒をとく。
「ヒーロー名言は言わないの? 剣ちゃん?」
「正義の味方の代理は、終わりですよ」
 氷狩の問いに、剣清は恥ずかしそうに答えた。

●円盤タイツマン
 円盤タイツのキメラは、気合いの鳴き声で、有希と夏彦を追いかけていた。投げる円盤は、瓦礫を破壊しても壊れていない。
「このキメラやるな」
 夏彦は、蛇剋を1個投げる。しかし、投擲武器としてSESはないので、円盤タイツマンには赤い壁・フォースフィールドが展開され、弾かれている。
「蛇剋は投擲武器ではないんです!」
「くそ!」
 円盤が夏彦に襲いかかる。それを忍刀「颯颯」で受け止め弾く。しかし円盤は戻ってキメラの腕に再装着された。
「なかなか、再現性が高いな」
「‥‥ならば、うちがなんとかしますけん‥‥引きつけておいてください」
「解った」
 接近してくる円盤タイツマンを迎え撃つ。格闘技術は荒っぽいが、パワーで押し切られそうになる。夏彦は、避けるか受けるかで引きつけていく。隙あれば、忍刀で足や腕を斬るも、キメラの盾で受け止められる。そして殴られ、痣が多くなる。有希が牽制で小銃「S−01」をキメラの後ろに撃つ。隙が出来たとき、「今ですたい!」と有希が叫ぶ。
「一の太刀!」
 夏彦が、瞬即撃にて相手の脇腹を斬る。キメラはのけぞって悲鳴を上げた。
「有希!」
「うおおおお!」
 有希が叫びながら円盤タイツキメラに走り込んで来た。キメラは、その有希に向かって円盤を投げる。
「その盾受けて立つ! 本物の盾は壊れたことがなか。やけん、本物ば信じる人のために、叩き斬る!」
 有希はすべての力をふり絞り豪破斬撃とスマッシュを蝉時雨に乗せる。エミタが同調して黄金に輝く詰めが更に輝いて‥‥円盤を叩き斬った!
 しかし、タイツ面はそのまま拳を振り上げて向かってきている!
「その行動見切った! うちの心に燃える火は! 悪人共には地獄の業火! 燃やし尽くすぜ、平和の為に!!」
 流し斬りで後ろに回り込み。スマッシュも合わせた彼のヲタク魂の一閃! 見事な剣筋による袈裟切り。
 背を向けて納刀した有希の後ろで、円盤キメラは悲鳴を上げて爆発した。
「これで、子供の夢は守られたけん」
 有希は爽やかに笑った。

●巨人
「頼りにしてますよ、先輩v」
「だから先輩いうなよ、アリエ」
 2人は、バイク形態で巨人の元へ走る。そして、巨人が追いかけてくるようにスピードを落とし、道路から離れていく。当然、巨人はおいかけて来た。計画通りである。巨人は、近くにあった瓦礫を持って投げつけてくる。それを2人のドラグーンは避けていく。
 アリエーニは直人に、
「さて、同志直人。模造品とはいえ、この木偶の坊を合法的に抹殺出来る免罪符を手に入れた訳だが、どう攻める?」
 キッとした表情で、尋ねてきた。
「それ怖いって、合法的に免罪符とか‥‥」
 直人は苦笑して答えと、
「‥‥なんちゃって。とっとと倒しましょう」
 悪戯っぽい笑みで笑いかけるアリエだった。
「OK、いくか! 俺が囮になる!」
 二手に分かれて、アリエがミカエルを装着し、直人はバハムートを装着。お互いの戦法は異なるためバランスが良い。
 直人がショットガンで巨人の足を止めている。巨人は反撃にと鉄の棒を掴んで投げつけた。直人はバハムートの車輪で後退して避けるが、飛び散る地面の破片が浴びせられ、装甲に傷が入る。
「くそ、ホントやっかいな相手だぜ‥‥今度は頭を狙い撃つ!」
 しかし、彼はひるまずショットガンで敵の頭部を撃った。
 アリエは、瓦礫の山となっている足場を軽やかに進んで、巨人の後ろを取った。
「食らえ!」
 彼女は飛ぶ。ミカエルという名は天使の名前。しかし、今の彼女は鷲のように凶暴だ。覚醒時に現れる白い翼が、羽ばたいているから『飛んでいる』様に見えるのだ。
 ハミングバードが煌めいて、巨人キメラを切り裂いた。おぞましい悲鳴をあげる巨人がアリエーニを睨む。拳でアリエーニをぶん殴るが、命中したわけではなく、衝撃で吹き飛ぶだけであった。転がるも上手く受け身を取って、立て直すアリエーニ。
「アリエ!」
「大丈夫!」
 直人がショットガンを投げ捨てており、ST−505で巨人に全体の電磁波攻撃を浴びせ、また自分引きつける。
「ナイスフォローですよ」
 アリエーニは、直人の機転に感謝し、今度は竜の砲口を乗せた一撃を巨人に与える。2.5m以上の巨体が吹き飛んだ。勿論、直人の方ではなく別の方向へ、だ。
 その竜の翼で加速し、再び肉薄しようと高速移動する。
「ぐお?!」
 巨人がうなり、拳を振り上げて、殴る。しかし、身軽に動くロシアの荒鷲は避けていく。
「止めです!」
 決めての竜の爪を乗せたハミングバードが、巨人の脳天に突き刺さる。巨人の断末魔が周りを揺るがすと、大爆発した。
「きゃあ!」
「アリエ!」
 吹き飛ぶアリエーニを直人が竜の翼をつかって、受け止めた。着地と同時に、スパーク中のドラグーンのタイヤが地面に跡を残した。
「ありがとう。たすかりました‥‥でも」
 直人はアリエーニを抱えてはいるが、その体勢が丁度お姫様抱っこのようになっている。
「ああ! 無事か!? で、なんと言うか、すまないっ!」
 あわてふためく直人だが、このまま降ろそうにも、どうしようかと悩み、固まって動けない。
「ううん、ありがとうございます」
 アリエはミカエルのヘルメットをはずして微笑んでいた。

●退治終了
 傭兵達は、投げ捨てたり、投げてみたSES武器を拾い直し、怪我の手当をしていると、先ほど送ってきてくれた橋頭堡からの車と、北の方から、資材トラック群が見えてきた。全員が手を振っている。

 監視塔から眺めると、ほぼ同時に煙が4つ見える。成功したという知らせだとジェームスは確信した。
「傭兵達をねぎらいに行くか」
 彼は監視塔から降りて、彼らが帰ってくるのを待つ。

 帰りしな。車やバイクで移動中のこと。一部の傭兵はヲタク話で花を咲かせる。
「本物が現れると思った人はいますか?」
 誰かが言った。
「夢の共演も良いかもしれませんが‥‥ここは、我らがヒーローですよ」
 と、誰かが答えると、皆が笑った。