●リプレイ本文
●春爛漫な不思議花見
花見が催されるということで差し入れ弁当を持って来たが何か雰囲気が違っている、と不思議がっているのは【Steishia】タートルベスト、【Steishia】ロングカットソー、【Steishia】ピンヒールブーティに膝下20センチほどの桃色フリルスカート姿の百地・悠季(
ga8270)。
そう思うのは無理もない。
稗田・盟子(gz0150)はコスプレ模様のセクシー熟女、笠原 陸人(gz0290)は立派な生徒会長、ロズウェル・ガーサイド(gz0252)は優秀研究員と称えられ、野宮 音子(gz0303)は思案過ぎなのだから。
「‥‥気にしてもしょうがないか。まあ、浮かれて楽しむことにするわね。おば様、お久しぶりね。これ、お弁当よ」
「悠季ちゃん、ありがと〜う。美味しそうね〜」
如月くれは(gz0317)にカツサンド、ポテトサンド、エッグサンド、フライドチキン、フライドポテト、一口チーズ各種、焼きビーフンを皿に盛り付けるの手伝ってとお願いする盟子だったが、彼氏とのメールに夢中のようだ。
「仕方ないわね〜。コンソメスープにデザートのはっさく、紅茶にコーヒーといった飲み物各種もあるのね〜」
桜が見られるちょっとした喫茶店ね〜、と喜ぶ盟子。
「僕も参加していいかい?」
普段はクールで嘘吐き、捻くれていて素直じゃない性格のソウマ(
gc0505)だが、今だけは演劇部所属の期待の花形役者でキザったらしく、女性と見れば美辞麗句で褒めちぎる女たらし‥‥かと思えば男女関係無しの究極的な博愛主義者に。
どんなに罵倒されても気付かない鈍感の持ち主だが一番好きなのは綺麗な自分な彼の衣装は歌劇団の男役を思わせる白を基調とした素肌が見えるフリル付きのシャツを胸元を開けて着用。美形のお約束として、胸に赤いバラ一輪を忘れていない。
挨拶の時には爽やかに微笑むと白い奥歯がキラーンと光り、少女マンガのように背景に花束を背負っているように見える。
キョウ(強、あるいは凶)運の持ち主である彼にかかれば、どんな些細な出来事でも素敵なイベントへと変わるのだ!
「今日も一段と素敵ですね、盟子さん」
いやだわ〜♪ とソウマの背中をおもいっきり叩く盟子。
女子生徒の1人がそのことで悪く言うと
「おや、嫉妬しているのかい? 安心してくれたまえ、僕の愛は君の分もある。だから僕のために争わないでくれないかい?」
歯をキラッと輝かせながら説得。
●楽しいお弁当タイム
「生徒会長、乾杯の音頭をお願いね」
唐突に振られたので、陸人は「ええぇっ!?」と戸惑うが、責任感もあり引き受けることに。
「ついでに、抱負とか生徒会長になった経緯とかを述べてもらえると良いかもね。ある意味、学園生の総指揮を取る立場なのだからしっかりしないと。聖那の後釜は辛いかもね」
クスリと笑い、プレッシャーをかけるので陸人はカチンコチンに。
「抱負は、生徒や聴講生が学園に来て良かったと思えるような学園にすることですね。経緯は‥‥長くなるので割愛させていただきます。それでは、乾杯!」
かんぱーい! と各自大盛り上がり。
音子のことを心底愛し、自身を捧げても良いとさえ思っているドジっ娘な冴木美雲(
gb5758)の愛は一方通行。目的は音子の身と心なので、この花見を機に脱・一方通行を目指す。
音子に近づく男子には敵対心むき出しで牙を剥き、害虫を駆除するかのような反応(特に接点が多い陸人)を。
「ネコ姉様、私が食べさせてあげますね? はい、あ〜ん♪」
「は、恥ずかしいです‥‥。あ、あ〜ん‥‥」
赤面しながらあーんする音子を見て「照れちゃって可愛いです〜♪」と反応を楽しむ美雲だったが、飲み物を差し入れに来た陸人が接近してきたのでキッと睨みつけながら「フーッ!」と猫の如く威嚇。
「ネコ姉ぇに近寄ったらダメっ!」
がしぃ! と抱きつきながら他の男子も寄せ付けない。
「困りましたね‥‥。飲み物、ここにおいておきますね」
触らぬ神に祟りなし、と、そそくさと退散する生徒会長。彼以外にも接近しようとする男子生徒がいたが、木刀で迎撃しようとするのでうかつに近寄れない。
「ネコ姉様には、指一本触れさせないんだからーっ!」
何故か関係のないソウマも巻き込まれているが、キョウ運のせいでどんな不幸な目にあってもめげず、前向きに捉えて世界が祝福していると勘違いしている。気付いていない、ともいえるが。
「か、過激な愛情表現だけど、これも僕のためなんだね‥‥?」
その様子をほほえましく見ながら、悠季は皿に取り分けたカツサンドとコーヒーをロズウェルに差し入れ。
「はい、どうぞ」
「悪いな、ありがとよ」
美味しそうにカツサンドを食べるロズウェルを確認後、盟子に食堂の新規メニューについて聞いてみた。
「おば様、新規メニューの開発とか好評具合はどうなの?」
「概ね好調、といったところね〜。手が欲しい状況になったら手伝ってくれるかしら〜?」
そのつもりよ、と淹れたての熱い紅茶を差し入れる悠季が頼もしく見える。
おば様、ちょっと失礼と場を離れ、仲睦まじい美雲と音子にも差し入れを。
「むー、ねこねこは以前もそうだけど、今も可愛らしい感じで思わず突っつきたくなる感じね」
そう言うが壁になっている美雲とまとめて突っつき連打、というかじゃれ合い。
「やめて、い、痛いです‥‥」
音子が泣きそうになったのに気づいた美雲は「ご、ごめんなさいネコ姉様っ!」と慌てて止め頭ナデナデ。愛する人の涙は見たくないもんね。
「仲がいいのね。お菓子はいかが?」
くれはが差し入れてくれた美味しそうなお菓子に瞳を輝かせるじゃれ合っている3人。悠季の紅茶とお菓子で仲良くティータイムを‥‥と思いきや、ロズウェルが「カツサンド、もうひとつくれ」と割り込み。
「私のをあげるから、ネコ姉様との時間を邪魔しないでー!」
●桜の精のいたずら?
カップル撲滅を掲げてラスト・ホープに騒ぎを起こすモテない傭兵達によるお騒がせテロ組織【しっと団】の総帥である白虎(
ga9191)は、桜の妖精に扮してリア充が集まるお花見と聞きつけていたずら攻撃を仕掛けにやってきた。
「木の上からドッキリを仕掛けるにゃー」
自称桜の樹の妖精さんという設定の巨大人面イモムシぬいぐるみ『パンデモさん』の中に無線機を仕込み、釣竿の先に引っ掛けてパンデモさんを操ることに。
『私の下で騒ぐのは誰‥‥』
ロズウェルは背後で声がしたような気がしたが無視。陸人は「?」と後ろを振り向いたが何もいなかった。
「気づかなかったにゃー。これならどうにゃー」
パンデモさんの向きを換え、ロズウェルと陸人の顔面めがけて投下。
「熱いキッスにゃー」
思惑どおり、標的の2人はパンデモさんとあつーいキッスを。
『あ‥‥ゴ、ゴメン‥‥』
ぬいぐるみなのだが、リアルに照れているように見える。
「こ、こちらこそすみません‥‥」
キッスされたのに、ご丁寧に頭を下げて謝る陸人に対し、ロズウェルは気分が悪くなったのか、青褪めながら口元を押さえた。
作戦成功にゃー♪ と標的を音子とラブラブな美雲に変更。
「真ん中に投下して妨害するにゃー。どうなるかにゃー?」
怖がった音子が美雲に抱きついたので大成功。思わぬハプニングに内心喜ぶ美雲でした。
●最萌バニーさんは誰?
「おいたは駄目よ〜」
いたずら成功に気を良くした白虎だったが、運悪く盟子に見つかってしまった。バレてしまっては仕方ないにゃー、とピコハン片手に花見に参加することに。
「突然だけど、盟子さんに最萌バニーガール決定戦を挑むにゃー!」
桜の精からバニーに早変わりした白虎は、いつもの食堂のおばちゃん姿に戻った盟子に勝負を挑んだ。
「な、何なのいきなり〜?」
もう一度盟子のバニー姿が見たーい! という男性参加者の押しに負け、渋々バニーに変身する盟子だった。
数分後‥‥。
「お、お待たせ〜」
おおーっ! と花見会場が盛り上がる。
「いざ勝負にゃー。ついでにネコ姉ェもくれはも、笠原君もロズウェル君もバニー姿にするにゃー。やらないとパンデモさんを毎晩夢枕に立たせるにゃー」
男性陣は断ったが、有無を言わさず人目につかないところで強引に着替えさせられてしまった。
こうして、お姉さん(おばさん)とお兄さんVS男の娘というこの誰得な戦いがやや強引に始まった。やらないと参加者のブーイングすごいし。
「まずはロズウェル君だにゃー」
しゃあねぇなぁと現れたのは‥‥ルーズにバニー衣装を着ているかつてのニート姿を思わせるロズウェル。ある意味、すごいもの見たかも‥‥と驚く参加者。
「続いてはくれはにゃー」
彼氏とラブラブメール中だったのに‥‥と残念がってはいるが、盟子に「その格好を彼が見たら喜んでくれるわよ〜♪」と着替えさせられたのだった。彼が喜んでくれることを祈ろう。
「は、恥ずかしいです‥‥」
顔を赤らめ、もじもじしながら登場するネコ耳ネコしっぽバニーな音子。
「ネコ姉様、可愛い〜♪」
これには美雲、大喜び。参加していた男子もね。
「は、恥ずかしいですが、これも学園交流の一環と思えば‥‥」
羞恥心を隠せないままご登場の白バニーな生徒会長。
最萌バニー決定は、盟子の意見で投票で行われることに。誰が最萌の座に? と思いきや‥‥言いだしっぺの白虎に決定!
ボクが!? とご本人ビックリ。投票結果だが、男性が圧倒的に多かったのは内緒。
●春の夜の夢が終わって
「盟子さん、美味しいお弁当ありがとうございましたぁ♪」
深々と頭を下げてお礼を言い終えると、美雲は音子のもとに駆け寄り
「ネコ姉様、またお花見しましょうね! 今度は、二人きりで‥‥」
と俯き照れ笑いを浮かべながらお誘いを。音子の返事はいかに?
「何にせよ、今日は楽しい日だったわ」
陸人と一緒に後片付けを手伝いながら終わりを惜しむ悠季に「カツサンド、美味かった。もういっかい作ってくれ」と頼むロズウェル。
「いいわよ、研究室に差し入れましょうか?」
「頼む」
盟子の夜食に加え、悠季のカツサンド差し入れという楽しみが増えたようで。
普段着に着替えているが、白虎はパンデモさんと一緒に「もう1度バニーになってくれ」と迫る男子生徒に追いかけられ中。
「嫌にゃー!」
バニーさん決定戦結果もそうだが、今の出来事も予想外だったので驚きを隠せない。
盟子が携帯カメラで撮影したくれはのバニー姿は、彼に好評だったようだ。
「恥ずかしかったけど着てよかった‥‥」
楽しい花見は、こうして幕を閉じたのであった。