タイトル:その温泉、満開マスター:とりる

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/04/20 16:43

●オープニング本文


 ここは阿蘇山のふもとにひっそりと軒を構える『湯万寿』という名の温泉宿――
 その、湯万寿自慢の露天風呂。そこに、優雅にお湯を楽しもうとしている客の姿があった。
 一組のOLだ。一人はつり目でややキツい印象を受けるショートカットの女性。
 もう一人は優しげなほわわんとした雰囲気を纏ったセミロング髪の女性。
 どちらもかなりの美人である。二人は楽しそうに会話しながら風呂場へと足を踏み入れた。
 すると――
「あれっ?」
 目の前に、見慣れない物体。
 ちなみにこの二人は湯万寿の常連なのでここの露天風呂については詳しい。
「桜の木? 綺麗〜」
 そこにあったのは満開の、一本の桜の木であった。
 時折吹く風に花弁が舞っている。日本人なら思わず目を細めてしまう美しい光景。
 ‥‥まあ普通、風呂場のド真ん中に桜の木があるのは不自然なのだが気にしないでおこう。
「いつの間に植えたのかしら。‥‥風流ね」
「お花見しながらお風呂っていうのもいいよね〜♪」
 そう言いながら背中を流し、湯に浸かろうとするOL達であったが‥‥
 突然、桜の木の根っこがしゅるしゅると伸び、二人に向かって襲い掛かる!
「!?」
 ショートカットの女性は咄嗟に身を翻すがバスタオルが落ちてしまった。
「な、なんなの〜?!」
 叫ぶセミロングの女性。見てみると、桜の木の根っこがうねうね蠢いている。
 そして、無数の触手のような根っこが再び襲い掛かる!
「きゃーーー!!」
 攻撃を受け、セミロングの女性のバスタオルがズタズタに引き裂かれてしまった。
 露になりぷるるんと揺れる双丘。
「ブハー!!?」
 偶然居合わせた男性客がそれを目撃してしまい盛大に鼻血を吹いて倒れる。
 ‥‥そうして二人は、迫り来る根っこから命からがら逃げ出した。

「そんなわけで‥‥凄く困っておりますの」
 しくしくと泣いている妙齢の美女。湯万寿の女将だ。
 またしてもキメラが出現し温泉を占拠してしまい営業ができないのだという。
 今度は桜の木の姿をしているらしい。しかも満開。季節に合わせたのだろうか。
「よろしくお願いします‥‥」
 ぽろぽろと涙を零しつつ、女将は深々とお辞儀をした。

●参加者一覧

勇姫 凛(ga5063
18歳・♂・BM
香坂・光(ga8414
14歳・♀・DF
六道 菜々美(gb1551
16歳・♀・HD
二条 更紗(gb1862
17歳・♀・HD
レイチェル・レッドレイ(gb2739
13歳・♀・DG
ウレキサイト(gb4866
22歳・♀・DF
長門修也(gb5202
15歳・♂・FC
上杉 怜央(gb5468
12歳・♂・ER

●リプレイ本文

●湯万寿へいらっしゃーい
 またしても温泉宿『湯万寿』に現れたキメラを討伐するべく集まった傭兵達――
「温泉を荒らすなんて、凛、絶対に許せない!」
 開口一番、そう叫んだのは勇姫 凛(ga5063)。
(「それに、湯万寿の露天風呂には、また入りに来たかったから‥」)
 なんとしてもキメラをやっつけなければ‥温泉のために!
「毎回毎回、いろいろ変なキメラが来るよね。この温泉」
 続いて口を開いたのは香坂・光(ga8414)。苦笑しつつ汗を垂らす。
 彼女が湯万寿を訪れるのはこれで三度目だ。
「そのうち、キメラを作った本人が温泉に出張って来そうだね、まったく」
 キメラを作ったバグアの意図は不明だがそういうこともあるかもしれない?
「ここに来るのは、三度目、ですけど‥こう、続くと‥ええと、本当に、何かあるんじゃ‥?」
 そう言ったのは大人しそうな少女、六道 菜々美(gb1551)だ。彼女も光と同じくここに来るのは三回目である。何かとはなんだろう。気にしないほうがいいよ!
「‥怪我は言い訳になりません、この状態でも出来る事に最善を尽くします」
 剣を杖代わりにして立っている、苦しそうな表情の二条 更紗(gb1862)。
 彼女は出発前に負傷してしまっていた。せっかくの温泉だというのに‥なんたる不覚。
 しかし手を抜くつもりは一切無い。
「触手ぅ‥裸に剥かれて縛られて、あんなコトとかこんなコトとか‥あはっ、愉しみ♪」
 一方、レイチェル・レッドレイ(gb2739)はそんな危ないことを口にしながら身をくねらせる。
 幼い容姿に豊満な肉体‥そのアンバランスさが実に魅力的だ。
「温泉、一度来てみたかったんですの。キメラを倒した後は貸し切りでゆっくり出来るのですよね? 楽しみですわ♪」
 おっとりと言ったのはウレキサイト(gb4866)。彼女は普通に温泉が目当てのようである。
「桜キメラとな? そのようなものは俺が成敗してくれる! 気合いは十分! 参りますぞ!」
 古風な口調の少年、長門修也(gb5202)は刀を手に気合い十分な様子。
「ボクはまだまだ未熟なので、キメラ退治をこなしていって、一人前の男になれる様に頑張ります!」
 拳をぎゅっと握り締めているのは上杉 怜央(gb5468)。見た目と服装は完璧女の子だが実は男の子である。いや、男の娘というべきか。
「キメラを倒せたら‥温泉‥。美肌と豊胸効果があるらしいですね。美肌はいいとして、男の子のボクも、胸が大きくなってしまうんでしょうか‥」
 ぽっと頬を赤らめる怜央。「それはないから」と心の中で突っ込む一同であった‥。

●VS桜キメラ
 脱衣場――
「ちょっと、なに水着着てるの? タオル以外はダメって女将さんに言われたでしょ!」
 水着を着用しようとした凛が光に止められた。そう、『今回はタオルのみ着用可』である。
 前回、水着がOKだったのは対スライムのための特別措置であり、今回はそのような特例は認められない。それが湯万寿の掟なのだ。異論は聞かない。
「‥りっ、凛、これくらいの事で挫けたりなんかしないんだからなっ!」
 少しだけ涙を浮かべつつしっかり胸までバスタオルを巻く凛であった‥。
「こっちもルール違反発見♪ こういうのもダメなんだよ?」
「あぁん♪」
 こっちはこっちで何やら揉めている? いや、揉まれている?
 レイチェルがウレキサイトのニップレスと前貼りを剥がしたのだ。
 その拍子にぷるりんと揺れるウレキサイトの立派なバスト。
 レイチェルはどさくさに紛れてちょっと揉んでみた。
「いやん♪」
 悶えるウレキサイト。
 ‥‥そのようなやり取りを背中越しに聞いていた修也は――
「く‥ぐぐぐ‥が、我慢だ! 耐えろそれがし!」
 顔を真っ赤にして必至に鼻血を堪えていた。

 そんなこんなで準備が整った能力者達は風呂場へと足を踏み入れる。
 すると――
「きゃあああっ!!?」
 悲鳴が上がった。
 菜々美が桜キメラの触手による先制攻撃を受け、タオルを引き裂かれたのだ。
 敵の攻撃範囲は思ったより広いらしい。だが――
「まだです‥、まだ、終わりません‥!」
 彼女はバスタオルの下にもう一枚ずつ、胸と腰にタオルを巻いていた。
 ‥さすがに前二回とも真っ先に攻撃を受けただけに学習したようだ。
 ちくしょう! と言わざるを得ない。
「今日は、負けないように‥後、脱がされないように、頑張ります‥!」
 機械剣を握り締め決意する菜々美。さて、果たしてそう上手くいくかな‥。
「今のわたくしでは長い間の戦闘に耐えれません。ですので、囮として真っ先に突っ込みます、その後に続いてください」
 負傷している更紗が自ら囮になって飛び出そうとする‥‥が。
「無理はいけないなぁ。‥下がって。イくのはいいけど逝っちゃダメだよ?」
 レイチェルに止められてしまう。ふざけたキメラとはいえ、敵は敵。下手をすると命に関わるかもしれない。仲間を想ってのことだ。‥ついでに更紗の平坦な胸の先っぽを撫で回してみる。
「‥‥わかりました」
 覚醒中なのでそっち系の刺激には無反応。
 少し間があって、不服そうにしながらも後に下がる更紗。
「まずは様子見‥といきましょうか」
 ウレキサイトは覚醒せず、両手に短剣・蛇剋を構えて駆け出す。
 それに反応したのか、無数の触手が襲い掛かってきた!
 回避しようとするが全ては無理というもの。バスタオルを脱がされてしまう。
「いやぁん」
「わーーー!? ぎゃーーー!!」
 それを真正面からばっちり目撃してしまう修也。
 彼は盛大に鼻血を噴出し‥戦う前からノックアウト。
「りっ、凛は何にも見てないんだからなっ。‥それと、よくも修也をっ‥凛、絶対にお前を許さないんだからなっ!」
 隣にいた凛が声を上げた。‥修也は勝手に倒れたのだが。
「じっとしていてください。少しは良くなるはずです」
 後方で怜央が更紗に治療を施そうとしていた。
「お願いします」
 タオルを肌蹴させる更紗。素肌が露になる。包帯の巻かれた肢体が痛々しい。
「ご、ごめんなさい! でも、見ないと処置が出来ないので‥!」
 女の子の裸を前にわたわたする怜央。
「構いません」
 覚醒中は羞恥心が失われる更紗にとってはどうでも良い事だった。
 ――そして気休め程度だが、治療が終わり、イアリスとレイシールドを手に吶喊!
 だがやはり負傷中の身では無理があったのか襲い来る無数の触手の餌食となってしまう。
「くっ‥」
 タオルを引き裂かれて生まれたままの姿になる更紗。その上、手足の自由まで奪われ動くことが出来ない。
 持ち上げられて更紗の身体が宙に浮く。無垢な肉体のあちこちを触手が這い回る。
 時折傷に触れ、痛みに顔をゆがめる更紗。気が遠退いてゆき‥がくりと力を失う更紗。
「待って! 今助けるから‥って、え? きゃぁ!?」
 助けに入ろうとする光であったが何故か何も無いところで滑って転ぶ。
 その隙にタオルを奪われてしまった。
「なっ!? た、タオル返せー! と、とりあえず‥身体見たら見返すからね!」
「り、凛は見てなんかいないんだからなっ!」
「ボクも見てないですっ!」
 凛と怜央から抗議の声。
 そんなことをしているうちに、光は更紗同様手足に絡みつかれ、捕まってしまう。
「光!? 助けなきゃ!」
「了解です!」
 凛はランス「エクスプロード」、怜央は機械剣αを構えて触手に向かっていく。
 だがしかし、数の暴力とはよく言ったもので、同じく捕まってしまう二人。
 気を失っている修也も同じ運命となった。当然、タオルは剥かれている。
 ランスでは触手を斬ることが出来ないので不利でした。
「‥やめろ、凛、そういう趣味はないんだからなっ」
「こ、来ないでぇ〜!」
「‥‥」
 叫ぶ二人。でもダメです。無駄な抵抗です。
 ‥ショタ三人は、あらぬ所に触手が巻きついたりして蹂躙されてしまいました。
「あはっ、すごぉーい」
 その光景を眺め、悲鳴を聞きながら恍惚とした表情を浮かべるレイチェル。
「ええと‥誰かタスケテー」
 助けを求める光の声。
 幸い、桜キメラはショタ三人を弄ぶのに夢中な様で光はまだアレな目には遭っていない。
 すたすたと光のところまで歩いていくレイチェル。そしてにっこり微笑む。
「助かったー」
 安堵したのも束の間。
「んむぅっ!?」
 光の唇をレイチェルが塞いだ。舌まで差し入れてくる。
 レイチェルは光の蜜をたっぷり味わった後、首筋に舌を這わせ‥ふくらみかけの胸を触りまくり‥脚の付け根にも‥。
「〜っ!!!?」
 悶絶する光。
「ふふ、すっごくエッチな顔してる‥気持ちいいんだ?」
 相手が動けないので、やりたい放題のレイチェルであった。

 ‥‥レイチェルはその後、床に腰を下ろし、わざと無防備な態勢を取る。
 ショタ三人を弄り終えた桜キメラの触手が当然襲い掛かってきた。
 絡み付かれ、タオルを奪われる。
 身体中を這い回る触手の一部を二つの白いメロンのような胸で挟み、先端を舐め、片方の手で触手を股の間に導く。
「もう‥たまんないよぉ‥」
 呆けた顔でびくびくと震えるレイチェル。‥これ以上の描写は割愛させていただく!
「「きゃーっ!?」」
 残った菜々美とウレキサイトも触手に捕まってしまう。
 菜々美は結局最後の砦であるタオルを取られて一糸纏わぬ姿に。
「い、いやぁ‥!!」
 暴れるが所詮無駄な足掻きだ。うねる触手に敏感な処を刺激され、か細い声を上げる。
 触手は尚も容赦なく責め続ける。何度も意識が飛びそうになる菜々美。その瞳は‥いつしか虚ろに空を見上げていた‥。

 ‥能力者は全員、触手の餌食となってしまった‥。これでゲームオーバーか?
 否。
 ざしゅっ。そんな音と共に触手が斬り裂かれる。
 わざと触手に捕まっていたレイチェルだ。そのまま機械剣「莫邪宝剣」で皆を捕縛している触手を焼き斬っていく。
 ‥戦闘可能なのは‥レイチェルを含めた凛、菜々美、ウレキサイトの4人。
「桜吹雪を散らし、燃やし尽くせエクスプロード!」
 凛の瞬速縮地と紅蓮衝撃によるランスチャージ。
「くうう、また‥絶対に許さない!!」
 レイ・エンチャントを付加した菜々美の機械剣α。
「気持ちよくしてくれたお礼だよ‥イっちゃえ♪」
 ブゥンと唸るレイチェルの超濃縮レーザーブレード。
「そろそろ本気出すっ! よくもヤってくれたなコノヤロウ!」
 覚醒したウレキサイトの、両手の蛇剋。
 4人の一斉攻撃によって‥桜キメラは動きを止めたのだった。
 舞い散る桜の花弁が温泉に降り注ぐ‥。

●お掃除
「掃除も仕事のうち! これも修行なり!」
 鼻にティッシュを詰めた修也がデッキブラシで自分の鼻血で汚した床を掃除していく。
 他の者は触手を片付けたり、桜の花弁を摘み取ったりしていた。
 散々弄ばれた一行であったがなんとか復活した様子である。

●桜風呂
 戦いと掃除を終え、温泉で疲れと傷を癒す能力者達。
「ふう‥気持ちいい〜‥」
 お風呂大好きっ子な菜々美はぽけーっと幸せそうな様子で湯に浸かり、桜の花弁が浮かぶ温泉を満喫していた。
「芸能人は、肌も命なんだからなっ。‥は、恥ずかしくなんてないんだからなっ!」
「はふう、恥ずかしい‥」
 凛と怜央も、恥らいつつもお湯を楽しんでいる。
「我慢‥我慢ですぞー!」
 修也はお湯を汚すわけにはいかないので女性陣を見ないようにし、必死に鼻血を抑えていた。‥ちなみにショタ三人組は固まってお湯に浸かっている。一応防衛策らしい。
 そのとき――凛、菜々美、修也、怜央から悲鳴が上がる。
「温泉に入るときにタオルは厳禁なのだ♪」
 光が例にも例によってタオルを奪ったのだ。
 鬼の首でも取ったかのように仁王立ちしている。
 ちなみに大事な所は湯気に隠れて見えない。
 その後、ちゃぷんと湯に入る光。隣にはレイチェルの姿。豊かな双丘がぷかりと浮かんでいる。湯気でよくは見えないが綺麗な桜色の先端も‥。
「むー、あたし3回目なのにあんまり効果ないなー‥。これくらいになるといいのに」
 そのレイチェルのたわわな胸をおもむろに揉んでみる光。
 すると――レイチェルの目がキラリと輝く。
「ふふふ、光はやっぱりいける口なんだね♪」
「えっ?」
 レイチェルは光を押し倒してマッサージを始めた。
「ちょ、まっ」
「いいからいいから♪」
 光のなだらかな胸や桃のようなお尻を揉んでいくレイチェル。
「ひゃあっ!? だ、ダメだよぉ!!」
 嬌声が響く。さっき散々弄られたのに‥まったく警戒心のない光だったとさ。
「‥‥」
 そんな様子も気にせずお湯にゆったりと温泉に浸かる更紗。
 彼女は「こんな怪我した状態で温泉に入っては、湯を汚してしまいますよね」と、残念に思いながらも自重するつもりだったが、女将に「うちの温泉は傷にも効くんですよ。遠慮なさらずに」と言われ、好意に甘えさせてもらった次第だ。ちょっと沁みるが‥我慢できないほどではない。
(「そういえば豊胸効果もあると聞いたような‥? 大きくなるとアイデンティティの崩壊です、死活問題です」)
 ‥でも光の例もあるので、まあいいかと思う更紗。ひんぬうに誇りを持つ少女であった。
「これも接客サービスの一つですわ」
 ウレキサイトは妙齢の美女‥湯万寿の女将に無理を言ってお酌をしてもらっていた。
「さ、女将さんもお一つどうぞ」
 そう言ってお酌をし返す。
「はあ‥」
 やや困った様子の女将。キメラ退治を依頼したのは女将なので、どちらかというと女将のほうが客なのだが‥。まあ、細かいことは気にしないでおこう。
「風流ですわねぇ」
 湯船を埋め尽くした桜の花弁を手ですくってみる。
 横にある満開の桜の木も綺麗だ。‥キメラだが。倒してもすぐには枯れないらしい。
「うふふ‥」
「どうかされました?」
「とりゃー!」
「きゃあ!?」
 お酒が入って上機嫌になったウレキサイトが女将に背後から胸が当たるように抱き付く。
「な、なにを‥」
「若さエキスを補充です♪」
 女将の白いうなじにキスしまくる。
 それは‥旦那が亡くなってから数年、情事には縁の無かった女将の心に火をつけた。
「こんなことをされたら私‥本気にしてしまいますよ」
 耳元で囁く女将。
「はい?」
 ウレキサイトはその後、一泊することになったとかならなかったとか。真相は定かではない‥。