●オープニング本文
前回のリプレイを見る 九州のどこか。緑の生い茂る山間の街――
ごく普通の一戸建ての自宅の自室で、中学二年生の少年、深森・達矢は机に向かっていた。
一ヶ月ほど前に発生した蝶キメラ事件。あれ以降特に変わった事は起こらず、いたって平和であった。
少なくとも――この街は。
季節は夏。そして、学校は夏休み真っ只中である。友人達は連日遊び惚けていた。
世界はバグアの脅威に晒されているというのに‥‥その手がこの街にも及んだばかりだというのに‥‥暢気なものだ。達矢はそう思う。
自分も誘われたのだが、そういう気にはなれなかったのであっさり断った。
‥‥今は面倒な宿題を片付けている最中。しかし――全然手に付かない。その原因は‥‥一つ。
蝶キメラ事件の際に、傭兵達に同行し目にした‥‥行方知れずの幼馴染にそっくりの人型キメラ。
達矢はあれからずっとそのことばかり考えていた。
幼馴染の少女は中学入学と同時に引越し、この街を去った。そしてその引越し先の街が一ヶ月ほど前、キメラの襲撃に遭ったというのだ。被害は死者・行方不明者多数。
父が傭兵の頼みもあってUPC軍に調査を依頼したところ、行方不明者リストの中に‥‥その名前があった。
牧原・蝶子。
「‥‥」
達矢はペンを置き、机に突っ伏した。
どう考えても、人型キメラとの関連性は大である。
(「いや、でも‥‥他人の空似の可能性も‥‥」)
頭の中で関連性を否定する達矢。真逆の思考がせめぎ合う。
認めたくないのだ‥‥あのキメラが‥‥牧原・蝶子であるという可能性を‥‥。
「‥‥くそ」
顔を上げて頭をぶんぶんと振る。少し、くらくらした。
窓の外は快晴。セミの鳴き声が響く――
そのとき、異変が起きた。なにやら騒ぎ声が聞こえる。続いて消防車のサイレンの音。
火事か? 達矢は戸を開けベランダに出た。むわっとした熱気が襲い、顔をしかめる。
ベランダから外の様子を見てみると‥‥町のあちこちから‥‥火の手が挙がっていた。山火事‥‥?
違う。
「キメラだ! またキメラが出たぞー!!」
‥‥誰かの叫び声が聞こえた。
街を見下ろす小高い丘の上――
一人の女性が街から点々と立ち昇る火柱と黒煙を眺めていた。
「くくく、綺麗なものねぇ」
サディスティックな笑みを浮かべる女性。歳は二十代中盤だろうか。
そしてその横には‥‥可憐な容姿、白い裸体を晒した‥‥人型キメラの姿。背中からは美しいアゲハチョウの羽を生やしている。
「さあ、お行きなさいシルフィード。徹底的に破壊してくるのよ」
シルフィードと呼ばれた人型キメラは女性の指示に従い、羽を広げて飛び上がり、滑空していった。
「‥‥牧原・蝶子。あなたの想い出、過去。全て燃やし尽くしてあげるわ。くくく」
●リプレイ本文
●達矢・再び
街に到着した傭兵達――
「また蝶キメラが現れるなんて‥。達矢さん、大丈夫かな‥?」
心配そうな表情のティリア=シルフィード(
gb4903)。
「折角買ったプロテクトシールドに活躍してもらわなきゃな!」
リュウセイ(
ga8181)は白いバンダナをきゅっと締め直し、気合を入れる。
「とにかく、急ぎましょう」
和服姿の可憐な少女、雪待月(
gb5235)が真剣な顔つきで言った。
見れば街のあちこちから火の手が上がっている。‥件のキメラが暴れているのだ。被害を最小限に止めるため、一刻も早く殲滅しなければならない。そこへ――
「待ってくれ!」
傭兵達の耳に聞き覚えのある声が響いた。‥リュウセイを除いて、だが。
振り返ると、一人の少年が息を切らせて走ってくる。
――前回行動を共にした、深森・達矢だった。
「達矢くん‥久しぶりね。‥まさかとは思うけど――」
きっと睨みつける遠石 一千風(
ga3970)。しかし‥
「俺も一緒に連れて行って欲しいんだ!!」
案の定である。溜息をつく一千風。
「理由を教えてくれるかな。‥やっぱりあの人型キメラのこと?」
ノエル・アレノア(
ga0237)が問う。‥達矢はゆっくりと頷いた。
話によると、前回遭遇した人型キメラが蝶キメラと一緒に街を襲っているらしい。
‥それを聞いてノエルは、静かに口を開く。
「わかった。でも、ついて来たいと言うなら、それなりの覚悟が必要だよ。現実と‥この戦闘の結果を‥どんな形でも見届けなければいけないんだから」
「それでも‥」
達矢は唇を噛み‥
「俺は、あれが蝶子なのかどうか、確かめたい!」
力いっぱい、叫んだ。
「蝶子って子はどんな子なんだ? 聞かせてくれよ、できる限り協力したいしよ」
事情を知らないリュウセイが口を挟む。達矢は「蝶子は俺の幼馴染だ」と言い、父から知らされたことも含め、全て皆に話した。
(「キメラが行方不明の幼馴染にそっくり‥どう考えても嫌な想像しかできないけど‥」)
神妙な面持ちで冴城 アスカ(
gb4188)は顎に手を当てる。
「今回は洒落にならないわ。下手したら火達磨になって死ぬわよ? いいの?」
そして、達矢に尋ねた。‥達矢は強く頷く。
「‥達矢くんに全てを見届ける覚悟があるなら‥一緒に来て頂戴」
アスカはケブラージャケットを「無いよりマシだから」と、達矢の肩に羽織らせた。
「この前のキメラが蝶子さんであるにせよないにせよ。キメラである以上、彼女はボク達の敵です。――貴方にとって、この先とても辛い現実が待ち構えているかもしれません。それでも、ボク達と一緒に来ますか?」
続いて、ティリアが厳しい口調で釘を刺した。また達矢は頷く。「覚悟は出来てる」と。
「お久しぶりですね、達矢さん。アスカさんの仰る様に前回の時よりも状況は危険かと思われます。‥でも、気になっちゃいますよね」
雪待月はティリアとは反対に優しく微笑む。しかし困っているようでもあった。
(「何か、違和感を覚えますね‥。前回見たキメラ蝶子さんだとすると、これは彼女の意志なのか、それとも‥」)
一方、他の者とは別の方向から思考を巡らす、フィルト=リンク(
gb5706)。
「出来る限りのことは協力します。だから、確かめた後どうするか。まで、考えてみてください」
フィルトの言葉に、達矢は首を縦に振る。どうやら決心は固いらしい。
達矢の同行に傭兵達が全員合意した所で――
「今回もよろしくね、ノエルン☆ 達矢君もよろしく〜♪」
と、ノエルの腕に抱きつきながら神崎・子虎(
ga0513)が元気良く言った。
「では一緒に参りましょう。私がお側に付きますね」
雪待月が達矢の手を引く。ちょっぴり頬を染める達矢。‥そうして一行は数班に分かれ、行動を開始した。
●レッドキメラバタフライ
A班――
ノエルと子虎は一番近い、黒煙と炎を吹き上げている建物へと走る。
「ふふ、ノエルンと一緒にキメラ退治♪ んふっ、頑張ろうね☆ 僕はノエルンと一緒だと、通常の三倍のパワーが出る(かもしれない)のだ!」
「ああ、うん。そう‥だね」
割と緊迫した状況なのだが、いつもと全く同じ調子の子虎の様子にノエルは苦笑い。
ほどなく民家に向かって火炎のブレスを吐いている蝶キメラ数匹を確認。
「キメラ発見♪ それじゃ‥ノエルン、さっさと倒そうか!」
「了解。全力で‥最初から飛ばしていくよ、子虎くん。熱くなりすぎて火傷しないでね?」
「ノエルンが心配してくれるなんて‥僕、嬉しい☆」
ウィンクするノエルと、瞳を潤ませる子虎。‥そんな会話をしながら二人は同時に覚醒。ノエルはロエティシア、子虎は天剣「ウラノス」を手にキメラへ攻撃を開始。
疾風脚で火炎のブレスを避け、瞬天速で一気に距離を詰め、爪で切り裂くノエル。その攻撃で動きが止まった所に子虎が強力な一撃を打ち込み、叩き落す。
‥そうやって連携しながら、二人は確実に蝶キメラを殲滅していった。
B班――
「消防団の方は一旦離れて! キメラは私達が片付ける!」
「まぁ、わらわらとマヌケ面揃えて暴れてくれているわね。‥これ以上はやらせないわ」
小銃S−01で射撃し蝶キメラを抑え、放水を行っていた消防団員に退避を促す一千風と、両手に握った金と銀の拳銃を交互に放つアスカ。
一般人の退避を確認した後、二人は攻勢に出る。「いきます」と一千風。「オーケイ」とアスカ。‥一拍置いて、二人は同時に瞬天速で飛び出した。
懐に飛び込み、オルカで斬り伏せる一千風。同じく先程の銃撃で傷ついた個体を狙い距離を詰め、蛇克に持ち替え急所突きを使用した一撃を浴びせるアスカ。
‥瞬く間に二匹の蝶キメラが落ちた。それは‥不謹慎かもしれないが‥まるで燃え盛る炎をバックとした見目麗しい美女二人の、舞踏の様であった。
C班――
リュウセイと雪待月は達矢を連れ、人型キメラを捜索する。
「あの子を見つけても、どうか無茶はなさりませんよう、お願い致しますね」
雪待月が言う。「わかってる」と答える達矢。
「‥貴方が危険なだけではなく、そうなると私達がやむを得ず、あの子を攻撃せねばならなくなります‥」
悲しそうな表情を浮かべる雪待月。その横顔を見て、達矢は罪悪感を抱いた。
自分は‥お世話になりっぱなしでいいのだろうか‥。こうやって守られてばかりで‥。
達矢の両脇は雪待月とリュウセイが固めている。
少し歩くと――破壊活動を行っている二匹の蝶キメラと出くわした。
即座に盾を構え、達矢と共に下がるリュウセイ。
「ゆっちー、攻撃は任せた!」
「了解です」
虚闇黒衣の暗いヴェールを纏い、前に出る雪待月。
直後、火炎のブレスが三人を襲う。二人を守るように雪待月が立ちはだかった。
‥盾でも防ぎきれなかった炎がリュウセイや達矢の前髪をちりちりと焦がす。
雪待月にも相当な熱量が降りかかっただろう。しかし、それでも耐えて見せた。着物に引火した炎を叩いて消す。そして‥反撃。
「食らいなさい!」
超機械「ブラックホール」から黒色のエネルギー弾が射出され、一匹の蝶キメラに着弾し押し潰した。
リュウセイは達矢を守りつつスコーピオンで援護射撃。
「これが戦場だぜ。下手すりゃ、あの世逝きだ」
‥わかってる。達矢はそう思った。死が目の前にあるのに‥不思議と、それほど恐怖は無かった。前回、戦闘に同行したからだろうか‥。
炎の中で戦う雪待月の姿が瞳に映る‥。
D班――
ティリアとフィルトは、他の班とは別の目的で動いていた。
フィルトの懸念‥それは指揮官、または監視者の存在。
‥これだけ大規模な襲撃であるのと、新型のキメラならばその完成具合を見る「監視」が近くに居るかもしれないとの考えである。
二人はアスカが出発前に申請した地図を借り受け確認し、フィルトのAU−KV「リンドヴルム」に跨り、「街を一望できる丘」へ向かった。
当初は気を配る程度にするつもりだったが、結構距離があっため、バイクで移動。
――しばらくして、到着。そこには‥一つの人影。二十代中盤辺りの美しい女性だ。真っ赤なルージュが艶かしい。
フィルトはバイクを降り、歩み寄る。そして‥
「そこで、何をしているんですか?」
警戒しつつ尋ねた。女性は振り向き笑顔を浮かべる。
「ここに避難してきたのよ。それにしても、すごい火事ね。キメラが出たんですって?」
「‥貴女は何者です? この街の住人ではありませんね?」
「どうして?」
女性は首をかしげた。
「住民は全員、シェルターに避難している筈です。こんな所には居ません」
「‥あははは! そうなの? 知らなかったわ。まあ、そんな事どうでもいいし。‥あんた達、傭兵よね?」
女性はAU−KVに目をやった。その言葉を聞き、フィルトとティリアは武器を構える。
「それが、何か?」
「じゃあアタシの敵ってことになるわね」
女性がパチンと指を鳴らすと、二人の背後に複数の蝶キメラが出現。
「!? ‥やはり!」
「お仕事の邪魔だから、少しその子達と遊んでいて頂戴」
女性は、先程とは違う、悪意の篭った笑みを浮かべた。
●シルフィード
A班――
蝶キメラの排除が大体終わった頃‥
「あっ!? 見て、ノエルン!」
「あれは‥!」
ノエルと子虎が目にしたのは、建物に向かって熱線を放ち、破壊活動を行っている人型キメラ‥背中に蝶の羽を生やし、白い素肌を露にした可憐な少女の姿。‥ノエルは思わず顔を赤らめるが、はっと我に返り直ちに他班に無線で連絡。C班はすぐさまこちらへ。B班は蝶キメラの掃討が終わり次第向かうとの返答。‥物陰に隠れて様子を窺う。
D班は――
「くっ!」
「やあっ!」
エアスマッシュを放つティリア、小銃「ルナ」で射撃するフィルト。‥蝶キメラと交戦中で、それどころではない。
「ふーん、あれの性能は上々みたいね」
女性は手にした小型モニタを眺めている。
「『あれ』とはなんですっ?」
フィルトが問う。
「質問する余裕はあるのね。いいわ。教えてあげましょう。‥アタシが造った、シルフィードって言う人型キメラの事よ」
女性は苦戦する二人を見ながらくくくと笑う。
「シルフィード、だって‥!? ‥ふざ、けるな‥っ!」
それを聞いたティリアは激怒し、二刀小太刀で一体の蝶キメラを思いっきり叩き斬る。
‥自分の姓と同じ名のキメラだって‥? 許せない!
「何をいきり立っているのか知らないけど。‥キメラも、綺麗なほうがいいわよねぇ」
また女性が笑う。‥ふざけた態度に、更に怒りを覚えるティリアだった。
合流したABC班――
「達矢さん、気を付けて」
「ああ」
雪待月の言葉に達矢は頷く。
‥これから人型キメラに接触を試みるのだ。
「おい」
キメラの背後から歩み寄り、声をかける。それに反応し、人型キメラは振り返る。
「お前は‥蝶子‥なのか?」
達矢は恐る恐る尋ねる。見た目は‥そっくり、そのままであるが‥。
反応が無い。
「聞いてるのか?」
達矢が人型キメラに触れようとしたその時――
バシィ! という音が響いた。
吹き飛ばされる達矢の身体。人型キメラが達矢を手で振り払ったのだ。
「深森っ!!」
慌てて駆け寄るリュウセイ。‥息はある。胸を撫で下ろし、達矢を抱えて後ろに下がる。
「これは‥!」
「しょうがないけど‥」
「やるしかない‥」
「そのようだね‥」
ノエル、子虎、一千風、アスカが武器を構える。苦渋の決断‥。
人型キメラは波動と、光弾を放って攻撃してきた。
散開する四人。リュウセイは倒れた達矢を盾で守り、雪待月はそれを護衛。
数分後――
「このキメラ‥並じゃない‥!」
肩で息をするノエル。
「強力なFFがあるみたいだね‥」
子虎、そして一千風、アスカも同様だった。光弾を受け服は焼け焦げ、波動による範囲攻撃で生命力をかなり削られた。しかもこちらの攻撃はハッキリとした赤い壁の抵抗を受け、減衰させられてしまっている。
「ここは一斉攻撃しかない」
「それしかない‥か」
一千風とアスカは再び武器を構える。ノエルと子虎も続いた。
そこで――達矢は意識を取り戻す。俺は‥何を‥? 目の前では丁度、蝶子‥いや、人型キメラに、四人の傭兵が飛び掛る所であった。
「‥!? やめろーーーっ!!」
起き上がり、叫び、飛び出す達矢。身体のあちこちが痛んだが、気にしない。
「達矢っ! 目を覚ませ! 死ぬぞ! 死んだらこれから先どうすることもできないんだから、早まるな!」
しかし、リュウセイに羽交い絞めにされた。
「離せっ! 離せぇっ!!」
リュウセイはがっちりと掴んで離さない。
「達矢さん。止めてください。その身体では本当に死んでしまいます」
必死に訴える雪待月。そして――
真っ赤な鮮血が辺りに散った。攻撃を受けるのを覚悟で一斉に突撃した四人が、人型キメラを斬り伏せたのだ。人型キメラは崩れ落ち、動かなくなる‥。
「蝶子‥蝶子‥」
解放された達矢はふらふらと歩いていき、人型キメラの亡骸を抱く。
「‥う、うわあああああっ!!!!」
達矢は心の底から叫び、泣いた。その様子に‥思わず顔を背ける傭兵達。だが‥こうするしかなかったのだ‥。
そこへ――
一羽の5m程の巨大な蝶々が舞い降りる。背には、女性の姿。
「‥あんた、誰よ? 名前くらい名乗りなさいよ」
武器を構え、警戒心を露にするアスカ。
「ああ、そういえば名乗ってなかったわね。お友達とは遊んでたんだけどね。アタシは、芳賀・鞠子。そこのキメラ、シルフィードの製作者よ。よくもまあ、人の作品をこんなにしてくれちゃったわね」
溜息をつく鞠子が視線を下げると‥シルフィードの亡骸を抱き、泣き喚く少年の姿が目に入った。
「あら、これは面白い事に‥。深森・達矢! あんたにイイコトを教えてあげるわ。それは牧原・蝶子ではない。そして、牧原・蝶子は生きている」
「!?」
一同に衝撃が走る。
「まあ、いつまで『生きている』かは判らないけどねぇ。くくく、大サービスよ。それじゃ」
そう言うと鞠子は蝶キメラに指示を出し、飛び去って行く。疲弊した傭兵達には、追撃する力は残っていなかった。‥ティリアとフィルトが合流したのはその直後である。
●真実と決意と
一夜明けて――
負傷した達矢は街の病院に入院していた。
今は傭兵達がベッドの周りを囲んでいる。
それというのも‥また新たな事実が判明した為である。
――検査の過程で、達矢にエミタの適正がある事がわかったのだ‥。
「達矢君は、エミタの移植手術を受けるつもりなの?」
心配そうな様子で、子虎が尋ねる。
「‥‥」
達矢は無言。しかしその瞳には、明確な意志が宿っていた。
「もう決められたんですね‥」
雪待月が、ぎゅっと達矢の手を握る。
「ああ。俺は、能力者になる」
蝶子が生きている。そして、自分にも戦う力がある事が判った。
もう、守られてばかりではない。
「俺は‥この手で‥蝶子を取り戻す」