●リプレイ本文
●ティータイム
村に到着した傭兵達。
「やらしいオークに男の娘が攫われたとな! ムサいのに囲まれてあんなコトやこんなコトや‥‥。何とも羨ま――もとい、危険な事態やね‥‥!」
相沢 仁奈(
ga0099)はかなりテンション高めで興奮している様子。
(「‥‥全身を醜いオークに嬲り尽くされる美少年‥‥大興奮やね!」)
彼女の脳内で繰り広げられている妄想はとてもじゃないが描写できない。
「アハ、アハハハハッ! 久し振りに全力で暴れられそうです♪」
仁奈同様、興奮しているのは伊万里 冬無(
ga8209)。
「きっと素敵な光景が私達を待っています。あぁっ! 胸が高なりますです♪」
紅潮した頬に両手を添えて身体をくねらせている。
「不安ですわ‥‥」
冬無のそうした姿を見て、大鳥居・麗華(
gb0839)は不安を感じていた。
まあ、いつもの事なのだが。痛む頭に手を乗せる。
(「ここで女装を披露してギャグキャラとして新たなる可能性を開花させましょう!」)
一人張り切っているのは弧磁魔(
gb5248)。彼は今回、新境地を開拓するつもりらしい。
「まぁ、止められてるのに危ない所に行ったのですから自業自得ですけど‥‥皆、完全に遅れていく気ですね」
長い髪をした美少年、九龍 リョウマ(
gb7106)は汗を垂らす。
「とりあえずは一服だな」
煙草を取り出し火をつけ、すぱすぱと吸い始める方丈 左慈(
gc1301)。
煙が他の皆の所に行かぬよう、最低限のマナーは守る。
(「熱帯雨林に豚野郎‥‥いや、オーク‥‥か? まあどちらでも良い。そいつらの殲滅とイカルの坊や救出が目的だったか」)
牧野・和輝(
gc4042)は思考をめぐらせながら左慈と並んで一服中。
煙草を吸わないと死んでしまう、とは彼の談だ。
「もー! キメラがいる所に武器も持たずに行くなんて信じられないんだよ! 皆に心配かけて! セラは怒ってるんだよ!」
ぷんすか怒っている金髪の愛らしい少女はセラ(
gc2672)。
イカル少年が武器を含む大半の荷物を村長の家に忘れて行ったのは確認済みだ。
そして能力者達は村から借りたテーブルや椅子を並べ、お茶会の準備を始める。
まずは対策を練って万全の態勢で挑む必要があるのだ。誰が何と言おうとそうなのだ!
アサルトメイドである冬無が積極的に動き、皆に紅茶を淹れたりして給仕をする。
「んふふ〜♪ これが私のお仕事ですから♪」
「あっ、僕も手伝いますね」
リョウマも手を挙げ、食器を並べていく。
「まずは英気を養わないとですわ。ふぅ、紅茶が美味しいですわね」
優雅にお茶を楽しむ麗華。
「アレや、急いては事を仕損じるちゅうしな♪」
仁奈はお手製のプチシュークリームを皆に振舞った。
「セラ特製アーモンドアップルパイとフルーツグミを作ってきたよ! 皆さん遠慮なく食べてね♪」
セラも自作した沢山のお菓子を持参。アップルパイはかなり大きめである。
冬無は給仕の傍ら、囮役を務める弧磁魔とリョウマのメイクの補助も行う。
弧磁魔はセーラー服を着用しボブカットのウィッグを被り『先輩男子に憧れる後輩女子』風に。
「うふ♪ あたし、どんどん綺麗になってく♪」
清楚さを出すため、メイクはナチュラルメイク。
リョウマはチャイナドレスに着替えた。こちらはピンクのアイシャドウを塗ったりして、妖艶な雰囲気に。
着替えとメイクが終わると、覚醒。瞬時に女性的な丸みを帯びた体型となった。
「少し胸元が苦しいですね」
「豚野郎が食いつくように出せるもんは出しとけよ」
和輝がニッと笑う。
「ええ、そのつもりです」
リョウマは頷き、多目的ツールのナイフを使って胸元の布を切り取り、肌を露にした。
「‥‥」
左慈は思わずちらちらと横目で見てしまう。
ゆっくりのんびり準備を整えた一行はようやくイカルの捜索に出発。
その頃――
「いやです‥‥やめてぇ‥‥」
オークの巣にて、木に縛られて拘束されているイカル。じたばたともがくが無駄な抵抗。
無垢な少年にオーク達の魔の手が迫る――。
●囮作戦
ジャングルの中を進む一行。
仁奈、弧磁魔、リョウマが先行して囮となり、わざと攫われてオークの巣――すなわちイカルの居場所を突き止めるという作戦だ。
「あぁ、ゾクゾクするわぁ」
期待で胸が一杯の仁奈。身体をくねくねさせる。
上はタンクトップ、下は勝負下着のショーツ(白・極薄素材・ほぼ紐)という格好。
なんという素晴らしい露出度だろうか。ここが街中なら確実に警察のお世話になる所だ。
「私、弧磁魔子♪ 青春真っ只中の15歳よ♪♪」
るんるん気分で歩く、セーラー服の女子高生に扮した弧磁魔。
それにしてもこの女装男子、ノリノリである。
弧磁魔の身長はそれほど高くない為、ウィッグとメイクの効果もあって違和感は無い。
「うぅ‥‥」
リョウマはこれから起こる事を想像してしまい背中がぞわぞわしていた。
身体のラインがはっきり出るチャイナドレスを着用した彼。ダイナマイトボディをこれでもかと見せ付けている。(注:リョウマは男です)
他の5人は囮役を見失わないように、やや距離を置いて追随。
「ハァハァ、早く出てきませんかね、オーク」
カメラを手に息を荒げる冬無。
「囮の方達は‥‥まあ頑張ってくださいな」
麗華は額に汗を浮かべる。それは湿気と暑さの所為だけではないだろう。
(「‥‥ん? 何でカメラを持ってんのかって? そりゃおめぇ‥‥情報収集は何時の時代も大事だぜ? そう、キメラの生態を余す事無く撮る為だ。勿論どんなのが好物か、とかも撮らなきゃなんねぇ」)
どこからかの視線に対して心の中で答える左慈。兎に角そういう事らしい。
「さてさて、今頃イカルはどうなっていることやら」
セラは‥‥先程までとは雰囲気や声質が違う。覚醒した為に別人格の『アイリス』が現れているのだ。
(「俺としては、気に喰わねえ野郎をぶっ潰すのに理由は要らねえんだが‥‥まあ、仕方が無い」)
まどろっこしいのは嫌いだが、ここは付き合う事にするか。和輝はそう考えた。
ほどなく、見回りと思われるオーク数匹を発見。
捕まえて! と言わんばかりに真っ先に吶喊する仁奈!
「先輩‥‥こっちです‥‥私を連れてって」
頬を染めて、弧磁魔はスカートの中身をちらちらさせる。
リョウマは「くっ、しょうがない!」と覚悟を決めて2人に続く。
‥‥囮3人は見事に捕まり、わっしょいわっしょい担がれて行った。
他の5人はオークに見つからないように後を追う。
●VSオーク
オークの巣へと連れて来られた囮3人。そこで‥‥イカルの姿を発見。
彼は十字架のような丸太に縛り付けられ、服はボロボロで、身体中オークの唾液まみれ。
瞳はハイライトが消え、焦点が定まっていない。茫然自失の状態。
村で見た写真の愛らしい笑顔を浮かべた少年は‥‥変わり果てた姿となっていた。
(「遅かったか‥‥!」)
悔しそうに心の中で叫ぶ仁奈。しかし棒読み。
そして周りを囲んでいるオーク達を‥‥
「ええんよ、ほら‥‥ウチのコト、滅茶苦茶にしたってや‥‥♪」
可愛いぷりぷりとしたお尻を振り、誘惑。オーク達はすぐさま群がってくる。
「あぁん♪ そんな、焦らんでもええのに♪」
ざらざらとした、汗だくのオークの肌が直に触れてくる。
仁奈は豊満な胸を押し付けたりして自分からも求める。
オーク達に全身を舐め回され、仁奈は嬌声を上げた。
「せ、先輩‥‥優しくして、ね‥‥」
弧磁魔は地面にぺたんと女の子座りして、瞳をうるうると潤ませる。
オーク達は辛抱たまらん! と言った感じで襲い掛かってきた。もみくちゃにされる。
リョウマは‥‥抵抗した為、太い木の幹に後ろ手に縛られてしまった。足も同様に拘束されて動けない。
「ブヒブヒブヒ!!」
オーク達の視線がリョウマの身体に向けられる。相当に興奮している様子だ‥‥。
リョウマが危機感を抱いた瞬間、オーク数匹が飛び掛ってきた!
「確かに、これはあまり気持ちのいいものでは‥‥って、どこを触ってるんですか!! ああっ!?」
大きく膨らんだ胸を中心に責められ、リョウマは思わず声を上げる。
「あぁっ♪ な、中々激しい光景です。良い画が撮れますです♪」
オーク達に蹂躙される3人の姿を見ながら、茂みに身を隠した冬無は鼻息を荒くする。
「はぁ、はぁ、はぁ‥‥あんなことまでしますですかっ!」
恍惚とした表情を浮かべてシャッターを切りまくる。
(「いいか、これは仕事なんだ。決して襲われてる少年少女が見たい訳じゃねぇ。でも撮らなきゃいけねぇんだ、仕方ねぇよな?」)
左慈はそう自分に言い聞かせつつ冬無と同じく、持参した高性能デジカメで撮りまくる。
囮3人の痴態を激写激写激写!
冬無達が充分に写真を撮り終えると――
「おーほっほっほっ!」
麗華が高笑いと共に立ち上がり、姿を現す。
「助けに参りましたわよ!!」
高らかに宣言。決まった! と思う麗華。
「オーク共! こちらを見なさいですっ♪」
だがそこで、冬無が麗華のスカートを盛大に捲り上げた。白いレースのショーツが丸見え。
「オーク達、そこまでですわ! これ以上はやらせ‥‥は? きゃぁぁぁ!?」
悲鳴を上げながら慌ててスカートを押さえるも時既に遅し。
「伊万里ぃぃぃ!!」
顔を真っ赤にして冬無の顔面に突っ込みを入れる。
冬無は避けようとするが若干ずれて直撃。元々露出の多いメイド服の胸元がはだけ、大きめの膨らみを包み込んだ黒のブラが露になった。それは生地が薄く、肌色が透けて見える‥‥。
「あぅん♪ 軽くお茶目な悪戯じゃないですかっ♪」
わざとらしく恥らう冬無。
「刮目しろ!」
ここでまた響き渡る声。
オーク達はきょろきょろと声の主を探す。
「私はここだ!」
言ったのは太い木の枝の上に立ち、腕組しているセラだった。敵味方全ての視線を集める。
「コレが君達に贈る絶望の一撃だ! アイリスキィィィック!!」
セラはしゅばっと飛び降り、落下のエネルギーを乗せてオーク1体に蹴りを食らわす。
オークは派手な音を立てて吹き飛ぶが、すぐにむくりと起き上がった。
FF(フォースフィールド)の影響でダメージは少ない。
能力者といえどもSES搭載武器を使用しなければ例外なくFFの抵抗を受けてしまう。
「ならば!」
セラは怯まずそのまま攻撃を続行。
振るわれる棍棒を盾で受け流し、相手の体勢が崩れた所にハイキック、ローキックを叩き込む。
ダメージが少ないなら手数で押す! という事らしい。
「そういえば私はスカートだったか。レディとしては控えた方がいいかな?」
挑発的な笑みを浮かべながらオークに打撃を与えていくセラ。
動きは激しいがスカートの中身はギリギリ見えない。いわゆる鉄壁スカートだ。
「っと、俺も加わらねぇとな」
和槍・隼風を手にオークへ躍りかかる左慈。
「食らいな!」
猛烈な突きを繰り出し、デップリとした腹を貫く。
「テメェら見てると虫唾が走る。サッサと逝け」
和輝も小銃S−01とスコーピオンを乱射してオーク数体を蹴散らす。
「く、伊万里は後ほど全力でしばくとして‥‥この怒りはあなた達にぶつけますわ!」
涙目になりながらも麗華はパイルバンカー・ラブパイルを構える。
「捉えましたわ。全力全開の一撃‥‥喰らいなさいな!」
スキルを使用してオーク1体を一気に貫く!
「アハハハっ! バラバラに解体してさしあげますです♪」
冬無はというと‥‥鋏状の剣・金蛟剪を振り回し、大暴れ。
防御を一切考えず、巨大な鋏をシャキンシャキンと鳴らしてオーク達を一刀両断にしていく。
その姿は真っ赤な返り血を浴びて血みどろドロドロである‥‥。
「もっとヤられてみたかってんけどなー」
ベルニクスで先ほどまで自分にあんなことやそんなことをしていたオークに斬撃を加える仁奈。
「月に代わってお仕置きよ☆」
「散々好き勝手してきた、その報いを受けてもらいます!」
弧磁魔とリョウマは超機械「ミルトス」、超機械「ザフィエル」でそれぞれ電磁波攻撃。
解放された囮役の3人が攻撃に加わり、まもなくオークは全滅した。
●罰ゲーム
オークを殲滅した後、磔状態にされていたイカルは傭兵によって救出された。
「う‥‥うぅん‥‥」
「あは♪ やぁっと目を覚ました」
仁奈に膝枕されているイカルが目を開けた。
「僕は確か、オークに攫われて‥‥っ!?」
イカルは目の前にある豊満な双丘に気付き、頬を染めて慌てて起き上がる。
「えっと‥‥あなた方は?」
「私達は傭兵です。村長さんからの依頼で、イカルさんを助けに来ました♪」
アハハァと冬無が答える。
周りを見回すイカル。‥‥無数の無残なオークの死骸が転がっていた。状況把握完了。
「ところで早速だが、その服ボロボロだよな」
左慈が言う。
「‥‥何故か手元にキャットスーツしかないんだが。それで良ければ貸してやろう」
薄ら笑いを浮かべる。勿論着たら撮影するつもりだ。
「いつまでもそのままだと気持ちが悪いだろう、着替えを持ってきたよ。しかし私は見ての通り女の子でね。当然持っている服も女児用しかない。気に入らなかったら言ってくれ、私は別に気にしないからさ」
未だ覚醒状態のセラが続けて捲くし立てる。
「面倒かけた詫びはせなあかんよな?」
バニースーツを手にした仁奈がにやりと笑う。
「俺が持ってきたツナギもある。まあどれを着るのも自由だが、女は怒らせると怖い。肝に銘じて選べよ?」
和輝はそう言った後――
「‥‥にしても、奴らに悪戯されて少し艶が出たか?」
ニッと歯を見せる。
イカルの白磁のような滑らかな肌はしっとり汗ばんでいて、色っぽさを醸し出していた。
「!?」
視線に気付いたイカルは慌てて服の破けた部分を手で覆い隠す。
「もう面倒です♪ 全部着せてみましょう♪」
「あっ、それがええね!」
冬無の言葉に頷く仁奈。
「ええっ!? ちょっ、まっ」
イカルは結局、皆に迷惑をかけた罰として傭兵達が持参した様々な衣装を着せられたそうな。勿論しっかり写真も撮られました。
ちなみに冬無と左慈が撮影した激写写真は村に戻った後、大量にプリントアウトされ希望者に配られた。その中には磔にされたあられもない姿のイカルの写真やコスプレ写真も含まれており、イカルは必死に「やめてぇー!」と懇願するが無駄だったという‥‥。