タイトル:プリンセスセイバーマスター:冬斗

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/10/19 18:31

●オープニング本文


 天爪竜斗。ULT広報部主任。
 傭兵達のイメージアップ戦略を務めとしている――筈なのだが、どうにも不本意な仕事が降りてくる事が少なくない。
 まあイメージアップといえばそれには違いないのだが――。


『プリンセスセイバー。
 それはこの世で最も強く、最も美しい者を決する為の儀式。
 剣姫の称号を掴む為、都に集まった闘士達の熱き戦いが、今、始まる』


(‥‥また無茶振りを‥‥)
 会議室でいつもの如く頭を抱える天爪にクライアントは微笑む。
「いや、この仕事は能力者でなければならないワケがありまして――」

「「能力者達の身体能力をもってすればヒロイン達の動きを完全以上に再現出来、ただのコスプレではない、彼女達そのものになれるというワケですよ」」

「‥‥‥‥」
「‥‥エスパーですか、貴方?」
 今まで言われ続けてきた提案だというだけの話だ。
 まあベタな考えではあるが、間違ってはいない。
「――それに、です。能力者には美男美女が多いと聞きます。そういった面からも是非お願いしたく。勿論報酬は弾みます」
 確かに能力者には美形が多い。勿論そうでないものも多々いるのだが、中でも一線級の傭兵達になると結構な割合だとか。
 深く考えるといけない気がするので天爪は思考を戻す。
「‥‥お話はわかりました。
 でも‥‥ええとですね‥‥この作品って‥‥キャラクターの衣装が‥‥その‥‥」

 プリンセスセイバー。
 日本のブックゲームが原作だが、元は海外の同タイプのゲームがモチーフらしい。
 システムはほぼ同じ。違うのは――。

「ああ、その話ですが、実はもう一つ依頼がありまして。
 ご存知かと思いますが、先日この作品は第一部が終了した形となりました。
 それで、第二部を全く新しい形でスタートしようと考えてるのですが、
 そのキャラクター達を傭兵達からモデルとさせていただきたいのです」
「そ、それはなんとも他人任‥‥大胆な。――でも衣装は‥‥その‥‥『アレ』なんですよね?」

 このゲーム、キャラクターが全て肌も露わな女戦士達で構成されているのだ。
 さらにはアクションポーズやダメージを受けた時の『やられポーズ』がかなり際どかったりする。
 というかむしろそれが本分。このゲーム最大のウリであるのだ。

「はい、勿論」
 クライアントのおっさん、晴れやかな笑顔で即答する。淀みねえな。
「‥‥あくまで希望者を募っての参加です。そこを御了承くださいね」
 衣装は万全を期さねばなるまい。公衆の面前でポロリとか洒落にもならない。
「あ、大丈夫ですよ。そういうハプニングは我々としては大歓迎です」
「万全を期します――!!」
 淀みねえな、おっさん。

●参加者一覧

カーラ・ルデリア(ga7022
20歳・♀・PN
香坂・光(ga8414
14歳・♀・DF
フェリア(ga9011
10歳・♀・AA
美空(gb1906
13歳・♀・HD
矢神小雪(gb3650
10歳・♀・HD
月臣 朔羅(gc7151
17歳・♀・EP
祝部 陽依(gc7152
14歳・♀・GP
橘 緋音(gc7355
25歳・♀・GP

●リプレイ本文

●闘士入場
 熱いスポットライトとカメラのフラッシュを浴びる矢神小雪(gb3650)。
 手にはマイク。服装は和風オープンカフェ【子狐屋】給仕服。
「みなさーん、お待たせしました! プリンセスセイバー第二弾【プリンセスセイバー・リザレクション】の発表でぇす!!」
 観客達の歓声が響き渡る。
 スポンサーの看板には子狐屋のロゴ。オーナー小雪、抜け目ない。

「それでは早速、リザレクションを彩る新キャラクター達を紹介致しまぁす!
 まずは【蒼空舞う死天使】シャルロッテ!」
 BGMが変わり、大鎌を軽々と振り回す青髪の美女が空を翔ける。
 比喩ではない。カーラ・ルデリア(ga7022)は宙を舞っていた。
 舞台裏から5mはある書き割りを飛び越える、能力者ならではの演出。
「にゃはっ! 一番乗りぃ、よろしくねっ!」
 書き割りに手をかけ、縦回転の宙返り。ミニスカートが翻り、スコートが露出する。
 野太い歓声。絶対領域なんてない。ファンタジーやメルヘンじゃないんだから。
「きゃーん、みんなのえっちー」
 それにしてもこのカーラ――いやシャルロッテノリノリである。

「次に【元気な不幸娘】ヒカル!」
 再びBGMが変わる。各キャラクター毎に用意してあるようだ。
 香坂・光(ga8414)の衣装は金属鎧。重厚で『プリンセスセイバー』らしからぬ出で立ち。
 その装備重量にも関わらずシャルロッテ同様に上空から登場する。
 鞘から抜いた剣身はなんとハリセンによく似た形状――というかハリセンそのもの。
「乗るしかないっ! このビッグウェーブにっ!」
「おおっ!? 言葉の意味はよくわかりませんがとにかく凄い自信ですっ!
 そして――え、えーと‥‥!」
 言い淀む小雪。
(「これ、全部読むんですか‥‥?」)
 迷っている暇はない。イベントは既に進行中だ。

「さ、三人目に登場するは――螺旋階段のように真直ぐな心を持った生命体!
 とりあえず生物的観点からすれば、年頃の娘っこ!
『武は万物の調和なり、戦いこそ平和なり』という持論を持ち、布教という名のバトルを行っている!
 座右の銘は『一人は皆のせいで、皆は一人のせいで‥‥』
 愛する花はムスカリ。花言葉は『明るい未来、絶望――知るかーーーっ!!」
 思わずノリツッコミでマイクを叩きつける小雪。
「――し、失礼しましたっ、【煌きの乙女〜高貴なる戦死〜】フェリアリアスですっ!」
「とぇぁーっ!!」
 ひたすら長い設定と共に上空から現れるフェリア(ga9011)。ていうか何?そこ花道なの?
 そしてこの娘、派手だ。
 煌き輝く十二単。
 顔の左半分を覆った犬風仮面。
 ――そして長さ3mの白刃。しかも二刀。
 それを両の手に提げ、回転しながら舞台へ。
 今彼女が手を滑らせれば死人が出る。けっこうたくさん。
 それでも熱気は冷めやらない。「ふぇりあたんはあはあ」とか言ってるお兄さんも多数。――手、滑らせてよくね?

「続いて四人目、
 秘密結社に純粋培養された殺し屋少女! 純粋過ぎて世情にうといポンコツ娘!
 戦闘時にはクールビューティーに早変わり! しかしそれ以外ではただのどじっ娘! ギャップ萌ここにあり!
【トライガンスリンガーガール】略して【トガガガ】! 美・銃(ヴィ・ガーン)ですっ!」
 格闘漫画みたいになってきた。
 舞台裏で意気込んでいた美空(gb1906)。
(「今日は普段とは違う美空をお見せするのでありますよ」)
 コスプレとは元々そういうものだ。
 朝日が昇りそうな二つ名と伝説の勇者のような本名を引っさげ、書き割りを飛び越える美・銃。書き割りは飛び越えなければいけないらしい。
「美・銃、SHOW TIME!」
 美・銃のコスチュームは裂けたセーラー服。露出度的に割とヤバ目。
 両手には金銀の二丁拳銃。そして背には超重量のガトリング砲。もうなんでもありか。
「銃は美空の分身、問題ないのでありますの」
 美空って言ったぞ今。

「盛り上がって参りましたっ! 次の闘士は天国と地獄を支配する女! 右に天国、左に地獄か、【双月を胸に持ちし乙女】クレセントムーン!!」
 ゆったりとしたBGMと共に橘 緋音(gc7355)、一人だけ舞台袖からの登場。
 派手な動きこそないものの、妖しい存在感は前の4人にも負けていない。
 ――いや、派手な動きはあった。
 左右に位置する天国と地獄の膨らみが揺れ、圧倒的な自己主張を魅せている。
「座右の銘は『為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり』。好きなものはクローバー、花言葉は『復讐』――だからそれ必要なんでしょうか!?」
 再び一人ツッコミしてしまう小雪。
「美しい女には過去が必要なのよ」
 クールに応えながらもばゆんと揺れる天国と地獄。圧倒されそうな小雪。大丈夫、君も充分に立派だ。

「く、悔しくないもん!
 選手入場もいよいよクライマックス! 元奴隷の天然メイド! 百合でMで暴走癖! お前は何属性持ちだ!? あとケモ耳メイドが小雪とカブってんですっ! 【傍迷惑な暴走メイド】陽っ!! うぇ〜んっ!」
 泣くな小雪。落ち着け小雪。
「はわわっ、な、泣かないでくださいっ!」
 ネコ耳メイド姿で手甲とブーツで武装する陽役・祝部 陽依(gc7152)。
 舞台袖からの登場ではあるが、しゃなりと入って来たクレセントムーンに対し、『とてちてた〜』といった感じの陽。萌えポイントを欠かさぬあざとさ。
「私でお力になれるのでしたらなんなりと、それと私のお嬢様を――はっ!?」
 上からの殺気に反応し、小雪を突き飛ばす陽。
 交差させた手甲で小太刀の一撃を受け止めた。
「――ふふっ、よく受けられたわね‥‥」
 白いくのいち姿の美女、月臣 朔羅(gc7151)は不敵に笑う。
「あ、あなたは誰!? もしかしてお嬢様の行方を知ってるの!?」

「運命の悪戯! 陽は気付かない、目の前のくのいちが『お嬢様』である事にっ!」
 小雪のナレーションが二人に聞こえていないのはお約束。
「表向きは良家のお嬢様! しかしその正体は国家直属の隠密一家の直子! 任務中に助け出した奴隷・陽にもその正体は明かしてはいない! 素顔なんだからバレバレだろとは言いっこなしです!
【霧幻月花】朔耶! これにて7名の闘士が揃いましたぁーッッ!!」

「ふふふ‥‥『お嬢様』の行方が知りたければ私を倒してみる事ね‥‥」
 腰からもう一太刀の刃を抜く。
 両手を封じ、死角からの一閃は陽のメイド服を柔らかな音と共に斬り裂いた。
「――っあッ‥‥!」

●演舞開始
「乗り遅れるワケにはいかないわよねっ!」
 朔耶と陽の戦いに触発されるように動いたのはシャルロッテ。
 大鎌での一撃をヒカルに叩き込む。
 しかし大鎌を受け流してヒカルが浴びせるのはハリセンハンマー。
「にゃっ!?」
 顔面で受けるシャルロッテ。
「模擬戦とはいえ勝負な以上負けないのだ♪」
 カウンターを食らわせ得意満面のヒカルに対し薄い笑みを見せるシャルロッテ。
「ふぅ〜ん‥‥そう来るにゃ‥‥?」

 続いて動く美・銃。
 低く奔り、フェリアリアスの懐に飛び込む。
 銃なのに?
 だが美・銃の判断は間違えていない。
 3mの大刀に守られる彼女の死角はむしろ懐にこそある。
 大振りの一撃を躱せば、後は無防備な胴体が晒されるだけ――。
「王手――でありますの♪」
 黄金銃のトリガーを引かんとする右の手に――漆黒の蛇が絡みつく。
「きゃわっ!?」
 美・銃の身体がガトリングごと宙を舞う。さながら一本釣り。
 落ち行くのは蛇の頭、女王・クレセントムーン。
 その武器は漆黒の鞭と――。
「へぶっ!?」
 天国と地獄の膨らみが美・銃の頬を強打する。
 観客からは大歓声。凄い絵面だ。
「く、屈辱的な一撃でありますの‥‥」
 肉体よりも精神のダメージの方が大きかったらしい。
「彼女は私のエモノよ♪ お子様は牛乳飲んでから出直してらっしゃい」
「‥‥そちらの方こそえろすの前に萌えを磨いて出直してくるといいの」
 何の勝負をしとるのだ。
 二人を前にし、フェリアリアス。酷薄な笑みを浮かべ、刃を舐める。
「よかろう‥‥主ら二匹共、刀の錆にしてくれるわはー‥‥いひゃい、舌切った‥‥」
 3mもある大刀舐めりゃそりゃね。

「ほら、どうしたのっ!? お嬢様を見つけるんじゃなかったのっ!?」
 朔耶の小太刀二刀が陽の衣服を裂いていく。
 既にメイド服は地に残骸となっており、下の薄手のコスチュームを見せている。
 今の一撃でスカートは短く裂け、上半身は胸は隠しているものの腹部は覆っていない。
「くっ‥‥これ以上は‥‥!」
 振るわれる朔耶の一刀を手甲で防ぐ。
 しかし、今までがそうだったように朔耶の二刀目が陽の死角を襲った。
「させませんっ!」
 朔耶が二刀ならば手甲をつけた陽の腕も二本。陽の左手が二刀目を防いだ。
「捕らえましたっ!」
 小太刀を掴む陽。対して朔耶はあっさりと己の武器を手放す。
 空いた手で自分のスリットを軽くめくる。
 客席から歓声が上がる。
 スリットの下には何も穿いていない。
(「穿いてるわよっ!」)
 ナレーションに突っ込むない。
「さぁ、これが避けられるかしら――ねッ?」
 腿に仕込まれていた隠しクナイ。それを――。
「きゃああああっ!?」
 大歓声。
 朔耶のクナイが陽の胸元を留めている紐を切り裂き、中のものが――。
「は、破廉恥ですよっ!」
「――貴女が、ね」

●激戦×決着×大団円?
 陽達の受ける歓声と同種の盛り上がりがあった。
「にゃは、どうかにゃ?」
 大鎌使いシャルロッテの得意技・ルナクロニクル。
 回転させた大鎌を上下左右から連続して斬りつける変幻自在の連撃。
 ヒカルの鎧は――、
「あ、あう〜っ」
 砕けた鎧は下手な露出より扇情的だ。
 観客は今、皆ヒカルを見ている。シャルロッテの方が遥かに露出は高いにも関わらず。
(「む〜、なんかムカつく〜! もっといじめちゃえ!」)
 ヒカルを右の回し蹴りで突き飛ばす。間髪入れず距離を再び詰めるシャルロット。
 重鎧でカウンターを狙うヒカルからすると大鎌での連撃を得意とするシャルロッテは相性が悪い。
「少しだけ本気を見せてあげるよん」
 大鎌の石突きがヒカルの鎧を打ち抜く。必殺のデススパイラル。最後に大鎌の斬撃がヒカルの胴を刈りに狙う。
「とっとと、死んで?」
「そうはさせないっ、パーーージッ!!」
 瞬間、鎌が届くより速く砕けた鎧が弾丸のようにシャルロッテを吹き飛ばした。
「く‥‥にゃにゃっ!?」
 鎧を弾き飛ばしたヒカルは身軽なスタイルになり、仁王立ち。褌とサラシのみの姿で。
「パージ・ヒカル! これで今、スピードはシャルを超えたよっ!」
 そして露出度においてもシャルロッテを超えた。
「ふぅん‥‥鎧を脱いだくらいで私を超えたつもりなんだ‥‥?」
 シャルロッテの目が細まる。
「――なら見せてあげるわ。可愛い子だったけど‥‥遊びは終わりよ」
 腰を落とし、シャルロッテの姿が――、
「消えなさい!」
 消えた。
 タナトス・アサルト。目にも止まらぬ刹那の斬撃。
 駆け抜けたその瞬間は人間の視界には捉えられず――、
「きゃあっ!?」
 その威力はヒカルの破れたコスチュームが代弁する。
 一際大きな歓声。それはシャルロッテではなく、
「にゃ? にゃ? なんで?」
 強さより色気、それがプリンセスセイバー。
 ついでに目に止まらない斬撃なのだから当然一般人には何が起こったのかわからない。
「う〜納得いかないっ!」
 試合に勝って勝負に負けた、いやその逆か。

「愚かでありますのね、この戦いは実は敗北者の方が美味しいのでありますの。そこを見誤るとは――」
 短い髪をかき上げ知的に笑う美・銃。
「――ですから」
 黄金銃を地に捨てる。
「――美・銃の弾丸切れも計算の内で決してうっかりさんなわけではないのでありますの」
 ないのかあるのかどっちなんだ。
「ふむ、それでは大きなお友達の人気は御主に譲って我は形ばかりの勝利に甘んじるとしようかのわはー」
 フェリアリアス全く聞く耳ない。
「ああ、残念ね。美・銃のようなお子様に人気を持っていかれるなんて本当に屈辱だわ♪」
 クレセントムーンも同様。弱った獲物を仕留めるのは自明の理。
「観念なさいっ!」
 間合いを詰めた瞬間――二人が同時に射程範囲に入ったその時――美・銃は背後に飛ぶ。
 最後の武器、ガトリング砲を前に構え。
「美・銃、SHOW TIME TWO!」
「「――ッ!?」」
 咄嗟に武器を盾にする二人に構わず美・銃はガトリングを回す。。
「oh! 猛・烈♪」
 盾ごと撃ち抜かんとする弾丸の雨。逆転勝利を確信する美・銃。それを――、
「女王様を――ナメるんじゃないわよっ!」
 クレセントムーンは己の武器で――強靭な鞭と、豊満な胸で弾き返した。
「「「うっそぉん!?」」」
 思わず素っ頓狂な声でツッコむ娘達。実況の小雪まで驚きを隠し得ない。
(「ゴム弾とはいえ――常人なら一撃で昏倒レベルなのでありますが‥‥!」)
 しかしそれで最後。乳房でガトリングのゴム弾を弾いて無傷な筈もなく(当たり前だ)、
「ふふ‥‥負けたわ‥‥でも‥‥確か敗北者の方が美味しいのよね‥‥?」
 色っぽい表情をあくまでも崩さず、クレセントムーンが崩れ落ちる。
 そして、
「――十秒間に50発もの弾丸を放つのだ。調子に乗って撃ち続ければ――」
 弾丸切れ――!
 フェリアリアスが大刀を美・銃に向け、
「ちょっ、そういうオチ!? 美・銃、武器商人オチでありますの!?」
「命乞いなら御主の大好きな御客様にするのだな!」
「はにゅ〜! ひどすぎる〜!」

「はうぅ‥‥ひどいです‥‥お嬢様のえっち‥‥」
 いろいろなところを剥かれてしまった陽は半べそで朔耶を睨む。
「私にすぐに気付かなかった罰よ。それに――」
 朔耶が観客席に視線を流す。二人には無数のフラッシュが焚かれていた。
「美味しいところは持っていってるわよ、私達♪」
 主従関係、露出、何よりもどストレートに狙い過ぎな陽のキャラクターは大きいお友達のハートをがっちりとキャッチしていたとか。
「は、恥ずかしいです‥‥」
「何言ってるの、さあ、リクエストにお応えしてポーズとってあげなさい。命令よ♪」
「ふえ〜ん」
 舞台の上ではシャルロッテがヒカルに取られた人気を奪い返すべく飛び回っている。
 必然、下からのアングルが多くなり、
「にゃはっ、おにーさん達現金なんだからっ!」
 めげない娘であった。

 美・銃の方は三つの銃を実弾に換えての実射演武。
「虚構と現実のギャップ萌え狙いなのでありますよ」
 絶対自分が撃ちたいだけだろ。喋り方戻ってるし。

「ちょ、ちょっと‥‥矢神さん、なんの真似ですか?」
 舞台裏で天爪ににじり寄る小雪とフェリア。小雪の手には3Lサイズのバニースーツ。
「優勝したフェリアリアスさんのリクエストです」
「くくく‥‥我、優勝の暁にウサギを狩ってみたくてな‥‥」
「そういう訳ですので観念してください♪」