タイトル:【ADid】冬の灯マスター:対馬正治

シナリオ形態: ショート
難易度: やや易
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/12/30 17:35

●オープニング本文


●インド北部〜マールデウ
「はぁ〜。インドの冬も、夜は冷え込むわね」
 かじかむ掌に白い息を吐きかけ、ヒマリア・ジュピトル(gz0029)は仮設兵舎を出て飛行場に止めたウーフーへと向かった。休憩時間が終わり、これから3時間に及ぶジャミング中和を兼ねた哨戒飛行が始まる。
 アジア決戦の際、バグア軍の移動要塞ラインホールドの砲撃を受け壊滅的な打撃を受けたマールデウ。その後百名近い能力者達の協力もあり、難民用の仮設住宅や援助物資輸送用の飛行場建設まではこぎつけたものの、町そのものが以前の通り復興するには、まだ長い歳月が必要となるであろう。
 また周辺地域は依然としてバグアとの競合地域なので、住民保護のため一定の守備兵を置く必要もある。復興支援の主体は正規軍に引き継がれたといえ、まだまだ人手は足りないのが実情だ。
 ヒマリアもまた、復興の事後支援や街周辺の警備のため、UPCの依頼で派遣された傭兵の1人だった。
 ウーフーで離陸し、ふと眼下を見やると、巨人の砲撃でえぐり取られた直径2kmに及ぶクレーターの中に立ち並ぶ仮設住宅の灯りが点々と見える。
(「L・Hじゃこれからクリスマスや年末年始のお祭りが始まるシーズンだけど‥‥この町の人達は、このままで年を越すのよね‥‥」)
 ふとヒマリアの胸が痛んだが、いま自分に出来るのは目の前の任務を果たす事――と思い直してKVのコンソール盤に向き直った。

●マールデウ〜復興支援本部
「クリスマスパーティー? この町で?」
 復興と周辺警備の指揮を執るUPC軍少佐が、怪訝そうに聞き返した。
「ええ。もちろん、現状を考えればあまり派手なお祭り騒ぎは控えるべきでしょうが‥‥それでも、町の人達‥‥ことに子供達を元気づけるために、何か出来ればと思いまして」
 そう進言したのは、初期の援助活動から引き続き参加しているボランティアの医師、エムラド・カークランドである。
「しかし、インドはヒンドゥー教が多数派の国と聞いたが‥‥そちらは問題ないのかね?」
 フィリピン出身の指揮官は、同席する皺深い老人、マールデウ町長のナジャに尋ねた。
「別に構わんよ? わしらも平和だった時代、クリスマスは国を挙げて祝ったものだ。もちろん宗教儀式ではなく、暮れのお祭りとしてだがね」
 水煙管をふかしつつ、おおらかな口調で答える町長。
「そういう事なら、別に本官としては異存ないが‥‥正規軍は見ての通り人手が足りん。応援の傭兵に依頼した方がいいだろうな。『慰問活動』として、必要な物資があれば提供しよう」
 指揮官は手元にあるノートPCで現在マールデウに滞在している傭兵の名簿を検索し――特に深い考えもなく、たまたま目に付いた1人に白羽の矢を立てた。
「ヒマリア・ジュピトルか‥‥まだ子供だが、まあいい。こういうイベントは、若い方が何かといいアイデアを思いつくものだ」


「クリスマスイベントの幹事!? 聞いてないよぉ〜〜!!」
 そんな叫び声が飛行場に響き渡ったのは、その3時間ほど後の事であった。

●参加者一覧

レイラ・ブラウニング(ga0033
23歳・♀・GP
御坂 美緒(ga0466
17歳・♀・ER
ブレイズ・カーディナル(ga1851
21歳・♂・AA
常夜ケイ(ga4803
20歳・♀・BM
秘色(ga8202
28歳・♀・AA
柊 理(ga8731
17歳・♂・GD
天小路桜子(gb1928
15歳・♀・DG
鷲羽・栗花落(gb4249
21歳・♀・PN

●リプレイ本文

「前に復興支援の手伝いで来た時と比べたら、この町もだいぶマシにはなってきたかな。ちゃんと暮せるようになるのはまだまだ先だろうけど‥‥」
 兵舎の入り口に立ち、かつて目撃した酷たらしい廃墟に比べればまだしも人間らしい生活の場へと戻りつつあるマールデウの難民キャンプを見渡しながら、ブレイズ・カーディナル(ga1851)は感慨深げに呟いた。
 元々は軍から見捨てられてもおかしくなかった町。そこが今、一歩ずつではあるが復興へと歩み出そうとしている。
「少しでもその励ましになるような、楽しんでもらえるイベントにしようぜ」
「カークランドの進言かえ‥‥あの男は、ほんに現地の者の為に動き回るのう」
 やはり当時の復興支援に参加した秘色(ga8202)も、以前に比べかなり整備が進んだ仮設住宅の列や物資集積所、大型発電機などの施設を眺め、唇に微笑を浮かべる。
 だが衣食住が保障されただけで真の「復興」とは言い難い。戦災で傷つき疲れた人々、ことに子供達の心をどう癒していくかも重要な課題だ。
「なれば、わしらも期待に応えねばの。童達の笑顔は世の宝‥‥わしも見ておりたいものじゃよ」
「この街が‥‥あの時の砲撃に‥‥」
 一見ひょろりと色白の少年、柊 理(ga8731)は思わず言葉を失った。
 あのアジア決戦からおよそ2ヶ月が経過したといえ、ラインホールド主砲のもたらした被害の凄まじさは、町の中心部を直径2kmに及ぶ盆地に変えたクレーター跡からも一目瞭然だ。
 場所を問わず、この地球上は戦場である事実を改めて思い知らされる。
「ヒマリア・ジュピトル(gz0029)さん、幹事の大役お疲れ様です。少しはお役に立てるといいんですけど‥‥」
「あ。こちらこそ、どうぞよろしくお願いしまーす」
 理から挨拶され、ヒマリアもペコリとお辞儀した。
「いきなり幹事役なんて任されちゃったんですけど‥‥あたしも、いったい何から手を付けたらいいのかさっぱりわかんなくってぇ‥‥」
 そこで同様に復興支援のため派遣されてきた仲間の傭兵達から、有志の運営スタッフを募ったのだが。
「ふむむ、何だか難しそうな事になっていますけれど‥‥まずは恒例のふにふになのです♪」
「会うなりソレですかーっ!?」
 御坂 美緒(ga0466)に背後から胸をむんずとつかまれ、ヒマリアは細い手足をワタワタさせた。
「難しい顔をしては駄目ですよ。楽しいパーティーの準備は笑顔でなくては♪」
「確かにね。ココの司令官と言いブラッド准将と言い、軍も意外と話がわかる人が多いのねぇ〜」
 じゃれあう2人の姿に苦笑しつつ、金髪碧眼の美女レイラ・ブラウニング(ga0033)が頷く。
 お祭り好きの彼女としては、ヒマリアからパーティーの話を聞いて黙っていられず参加を希望したのだ。
「クリスマスパーティかぁ‥‥病は気からってよく言うし、思いっきり明るく楽しいやつにしよう!」
 鷲羽・栗花落(gb4249)は早くもパーティーをどう盛り上げるか、あれこれ思案を巡らしていた。
「皆が笑顔になればきっと街の復興も進むから」
「ドイツで見られるクリスマスマーケットを再現するのは如何でしょうか?」
 と提案するのは天小路桜子(gb1928)。
 本場ドイツでは土産物屋や飲食物の出店が立ち並ぶ、日本のお祭りのようなものらしい。
「どうせならイベントの様子を生中継やビデオ撮りで放送して、周りの町の人達も楽しませてあげたいですね」
 ホコ天バンドからデビューを掴み、目下芸能街道を邁進中の傭兵アイドル・常夜ケイ(ga4803)が、仮設飛行場に駐機させた自機ウーフーを遠目に見ながらいう。現役アイドルの経験を活かし、彼女なりに何か考えがあるようだ。

 何はともあれ、クリスマス前日の昼。傭兵達はイブのパーティーに備え、各々準備作業に取りかかった。
 美緒は非番の傭兵やUPC軍兵士にも協力してもらい、町の住人に配るプレゼントとして手作りプレゼントの製作を提案した。
「簡単な物でもいいのです。今日という日の記念なのです♪」
 彼女の呼びかけに応え、各国から派遣された兵士達が木彫りの小さな人形、木の実を細工したアクセサリーetc.と各々故郷の民芸品作りに精を出す。
 その中には、キャンプの子供達を呼び集め、色紙や折り紙を使って紙リボンや星・花などツリー用の飾りを一緒に作る理の姿もあった。
 現在、戦災から生き残ったマールデウの人口は約4千名。さすがに全員は無理だが、何とか子供のいる世帯に配るだけの量は確保できた。
「ええと、ヒマリアさんはタイツとハイニーソ、どっちが好きですか?」
「あたしはどっちかってゆーとハイニーソかなぁ? 冬は冷えるからタイツにしてるけど‥‥って、いきなり何の話ですか?」
「つまり、これを着るのです♪」
 と、事前に準備しておいたミニスカサンタ衣装をお揃いでヒマリアに着せる美緒。
「あの〜‥‥これって、何かスカートの丈が短かすぎじゃあ‥‥」
 照れるヒマリアだが、兵士達のウケは良く、しきりに拍手や口笛が飛んだ。
(「これでクリシュナ様も悩殺なのですよ♪」)
「‥‥御坂さん、何でガッツポーズ取ってるんです?」
「アハハ、内緒なのです♪」

 一方、レイラはやはり非番兵の手を借り、会場設営の準備を進めていた。
 イベント会場には仮設住宅地からほど近い広場が選ばれた。普段は町民の集会などにも使われている場所だという。
 照明や音響装置、出店用テントなどの設置。一斗缶を休憩スペースに置き、薪や炭を入れて暖を取るための焚き火とする。
 ツリー以外の設営が殆ど終わると、レイラは普段難民キャンプへの食料配給にも使用されている大テント内の厨房へと顔を出した。
「何か手伝う事無い〜? 料理もそれなりに出来るわよ」
「ぜひお願いしますわ。猫の手も借りたい忙しさですから」
 UPCから提供された小麦粉でクッキーを焼きながら、桜子がにっこり笑う。
 同じ厨房の中では、秘色、栗花落らもパーティー用の料理やお菓子作りに精を出している。
「一応女だしね〜料理くらいはちゃんとできないと」
 石鹸で綺麗に手を洗うと、レイラは腕まくりして自らも料理の手伝いに加わった。

「イベント会場の広場にクリスマスツリー用の木を1本植えたいんだが、構わないかな?」
「ああ、そりゃあいい考えだ。ここのクレーターはどうも殺風景でいかん。いずれ苗木を植えて、公園でも作ろうかと思ってたくらいだしね」
 町長ナジャの了解を取ったブレイズは、砲撃の被害を免れた町の周辺部を歩き回り、手頃なヒマラヤモミを根元から掘り起こして運んできた。
 まだ1mほどの若木だが、場所ふさぎにならず、また子供達が飾り付けるのに丁度いい、という理由もある。
「この木が大きく育つ頃には平和になってるかもなのです♪」
 改めて広場に植林されたモミの木を見て、美緒が嬉しそうにいった。
 見れば、広場には既に夜のパーティーが待ちきれないマールデウの子供達が集まり、ワクワクしたような表情で傭兵達の作業を見守っている。
 駐機したワイバーンを物珍しげに見上げる子供達を1人ずつ招き、レイラは操縦席で自分の膝に乗せてやった。
「いいこと? 大人しくしてるのよ〜」
 四足形態で立ち上がり、一般人に負担のかからない乗用車程度の速度で走り始めると、膝の上の子供がキャアキャアとはしゃいだ。
 UPC軍の警備により安全が保障された町の周囲を、1人あたり1周ずつ。
(「大した物だわ、あれだけの目にあってもここの人たちの目は生きる事を諦めてない‥‥」)
 一見廃墟と化した町のあちこちで、洗濯物を干したり壊れた家具を修理したりしている住民達の姿を横目に見つつ、レイラは思う。
 同じ頃、ケイもウーフーの操縦席に子供達を上げて記念の撮影会を開いたり、人型に変形して子供達の団体と綱引き大会などを催していた。むろん危険がないようパワーを調節し、最後は適当なところで負けてあげたが。

 やがて日も暮れて周囲に夜の帳が降りた頃、広場の随所にはランタンの優しく暖かい光が灯され、マールデウの住民達が冬の宴を楽しもうと集まってきた。
 普段は味より栄養価優先の単調な配給食で我慢している人々を喜ばそうと、秘色は大鍋に暖かい鶏肉のホワイトシチューを、栗花落は地元の料理であるチャパティとプーリー(チャパティを揚げた物)、プラーオ(ピラフ)を作ってふるまった。
 パンにはツリーの形に切った紙をあて粉砂糖を振り、子供用には秘色が持参したチョコケーキを細かく切ってオマケする。
 また菜食主義をとる一部のヒンドゥー教徒への配慮として、ノンベジのスープも用意してあった。
「メリークリスマス、いい夜を♪」
 栗花落はサンタ衣装で、秘色はクリスマスソングを口ずさみつつ、一食一食をトレイに盛り、人々に明るく挨拶しながら配給していく。
 まず主催者である自分達も心から楽しめるものでなければ、本当に人を楽しませるイベントとはならないだろう。
 テントの外では、桜子の企画したクリスマスマーケットの出店が屋台を連ねていた。
 といっても代金は取らず、サンタ衣装の美緒やヒマリア、ケイらが昼間作っておいた手作りのお土産やお菓子を配る。
 マーケット発案者の桜子自身はバイク形態のAU−KVを駆り、病気やケガでパーティーに参加できないキャンプ住民の家を周り、綺麗にラッピングしたお菓子のデリバリーに励んでいた。
 暖かい料理とお菓子で満腹した子供達は、続けて広場に植えられたモミの木へと駆け寄り、歓声を上げて我先に飾り付けを始めた。材料は昼間、理と一緒に作った飾りだ。
(「やっぱツリーがあると、クリスマスって感じするよな」)
 その様子を遠目に眺め、ブレイズはしみじみと思った。
 そういえば彼が住んでいた街にも、この時期になると大きなツリーが飾られたものだ。
(「ま、夜になると強力なバリアが張られて近づけなくなるんだけどな。カップルたちの溜まり場になってるんだよ、そこ。フォースフィールドよりも強力だぞあれは、独り身にとっては‥‥」)
 ちょっぴり侘びしい気分を覚えつつも、イベントの裏方作業に精を出す。

 さほど大きくない若木のツリーは、たちまち飾りで一杯になってしまった。
 何となく物足りなさそうな子供達のため、傭兵達のKVをツリー代りにしようという話が持ち上がった。
 最初はKVを人型形態で直立か膝立ちにする案も出たが、子供の身長で飾りつけるにはやや高すぎる。
 傭兵達の視線が、広場の隅に「お座り」の形で駐機したワイバーンに集まった。
 主のレイラは、配給所に炊き出しの手伝いに行って不在である。
「‥‥何か、ちょうどいい高さですねー」
「あれにしましょうか? レイラさんには、事後承諾ということで‥‥」
 そこで秘色が子供達を手招きし、予備として準備しておいた画用紙や色紙、クレヨンなどを配った。その場紙に絵を描いたり、色紙を折ったり、切り抜いたりし、好きな飾りを作って貰う。
「此れをアレに飾るのじゃぞ。ぺたぺたと、沢山貼り付けてやれい」
 子供達はむろんのこと、付き添いの大人達までワッと歓声を上げてワイバーンへと走り寄った。
 色紙リボンや色とりどりの紙飾り。インドらしく象やラクダを象ったものもある。
 さらに電飾のイルミネーションで飾り付け、仕上げに大きなサンタ帽をドーベルマンに似たワイバーンの頭部に被せる。
 小一時間の後、陸戦形態KVはそのまま巨大なクリスマスツリーと化していた。
「ふふ‥‥随分と様変わりしたものじゃの」
 その光景を眺め、カラカラと笑う秘色。
 ちょうどその時配給所から戻ってきたレイラが、
「何時の間に!? てかワイバーンをツリーにする普通!?」
 変わり果てた己の愛機を目の前に唖然とする。
「‥‥不覚‥‥私ともあろうものが一本取られたわ」
 とはいえマールデウの人々は子供も大人もすっかり盛り上がり、KVツリーの周りで思い思いに手を叩き、歌い踊っている。
 あるいは、2ヶ月前の戦災により恐怖と不安の中で暮らしていた彼らが、久々に心底からの笑いを取り戻した晩であったのかもしれない。

 宴もたけなわとなった頃、ケイは1人滑走路からウーフーで夜空へ飛び立った。
 同機に装備したソニックフォン・ブラスターをスピーカ代りに、傭兵アイドルとして生ライブを行うためである。
 闇に覆われたクレーターの一角で、そこだけがオレンジ色の暖かい光に包まれたパーティー会場の広場を中心に旋回しつつ、ケイはオリジナルソング『聖夜飛行〜みんなハグしてっ、アジアの隅までっ☆』を歌い始めた。

 たった一つと言わず二つもみんな輝く物を宿してる
 目標定めて地道に明日を掘ろう
 微笑み励ましあいながら

 埋もれて見えない明日の原石
 探し、あてる、でも、諦めないーーっ

 イベントの光景はマールデウのみならず、UPC軍の通信回線や(普段は山岳地帯の気象情報などを伝える)個人運営のミニラジオ局を通して北部インド一帯に実況されているはずだ。
 ケイはウーフーを満天の星空に向けて急上昇させ、さらに歌声を張り上げた。

 夜空見上げる溢れる星屑
 銀河映える海より綺麗

 幾億の瞳はメトロニウムブライト
 負けないように身に着ける
 明日への宝珠

 ちょうど診療所を訪れ、眠っている患者の枕元へ花とお菓子を詰めた靴下を届けていた栗花落は、頭上から響いてくる歌声を聞きながら、そっと胸に手を当て静かに祈った。
「この町の‥‥ううん、世界中の人が幸せになれますように」
 同じ頃、パーティー会場を離れ警備や復興活動を続ける正規軍兵士や傭兵達へ飲み物や食べ物を配って労っていた理も、拳をグッと握り締めて夜空を見上げた。
「バグアの一撃で吹き飛んでしまう、僕ら人間はか弱い存在です‥‥しかし同時に、こうして一からやり直せる、強い生き物でもあるんです!」

 それから一週間ほど後。復興支援の任務を終え、マールデウを離れる傭兵達に、町の子供達から小さなプレゼントが贈られた。
 ツリー飾りの材料の余りで作った、小さなリボン製のピンバッジ。
 子供の手による拙いリボンの胸飾り――だが傭兵達にとって、それは正規軍からの表彰よりも名誉ある勲章の様に思えた。

<了>