タイトル:【PN】地の底より来るマスター:対馬正治

シナリオ形態: ショート
難易度: やや難
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/05/06 20:43

●オープニング本文


「UPC東アジア陸軍少佐の松本だ。バルカン半島防衛の支援要員として、日本本部から派遣されてきた」
 厳つい顔つきの日本人将校は簡単に自己紹介を済ませるや、作戦卓の上にバサッと地図を広げた。
「場所はこのベオグラードから南に200kmほど下った‥‥まあ山麓の街道といったところだな。その街道で物資を輸送にあたっていた陸軍部隊が‥‥音信を絶った。何が起こったのか判らんが、煙みたいにかき消えちまったんだ」
 機嫌が悪いのか、それとも元々そういう地顔なのか、むすっと口許をへの字に曲げたまま、松本は続けた。
 部隊の規模はトラック10両。護衛として陸戦用KV・LM−01が2機同行していたという。
 場所は前線から遙かに離れた後方地域。ヘルメットワーム、あるいはゴーレムなど陸戦型ワームの活動も認められていない。
「妙な話だろう? このところマケドニア方面のバグア軍がいきなり攻勢を強めてきて、調査しようにも正規軍は手が足りねえ。といって放置しておくわけにもいかん――というわけで、俺達助っ人組におはちが回ってきたってわけだ」
 松本はそういうと、行方不明になった輸送部隊が最後に定時連絡を送ってきたという地点を示す地図を傭兵達に配った。
「気になるといえば、この近くの山中で近頃起きてるっていう原因不明の群発地震だな。‥‥あるいは情報部の推測どおり、敵の『地中兵器』とやらが使われたのかもしれん」
 現在、UPC軍は傭兵の手も借りて同山中へ地震探知機の埋設作業を進めているが、場所がKVを展開できない山奥のうえ、キメラの妨害もあり、なかなか計画どおり作業がはかどらないというのが現状だ。
「幸い今回の現場は山沿いとはいえ何とかKVで離着陸できそうな地形だ。ということで、おまえたちに捜索にあたって欲しい。俺はKVに乗れんから‥‥まあ現地での行動はそちらの裁量に任せよう」

 依頼内容は行方不明になった輸送部隊の捜索。生存者がいれば救助。もし敵の『新兵器』と遭遇し交戦になっ場合、最悪でもその姿を記録すること。
 そのため、KV搭載用の特殊カメラが1セット貸与された。
「ま、撃破して残骸の一部でも持ち帰れりゃ大手柄だろうが‥‥無理はするなよ。ここに来てからの初任務で殉職者なんぞ出したら、俺も寝覚めが悪いからな」
 冗談めかした口調だが――松本の目は笑っていなかった。

●参加者一覧

鋼 蒼志(ga0165
27歳・♂・GD
皇 千糸(ga0843
20歳・♀・JG
ブレイズ・カーディナル(ga1851
21歳・♂・AA
時雨・奏(ga4779
25歳・♂・PN
藍紗・バーウェン(ga6141
12歳・♀・HD
不知火真琴(ga7201
24歳・♀・GP
シェスチ(ga7729
22歳・♂・SN
黒江 開裡(ga8341
19歳・♂・DF

●リプレイ本文

 ベオグラード南方の街道で消息を絶った陸軍輸送部隊。その原因をUPC情報部はバグア軍の新兵器、すなわち地中行動可能な新型ワームの攻撃と推測している。
 地底から襲撃してくる未知なる敵への対策として、藍紗・T・ディートリヒ(ga6141)はKV搭載用の震動センサーの貸与を申請したが、
「研究所にも問い合わせてみたが、残念ながら今の所そういう装備はないってよ」
 返ってきたのは、相変わらず無愛想な松本少佐の答えだった。
 仮に相手が潜水艦ならソナーで居場所を探ることもできる。しかし「地底を移動する兵器」など人類側の想定外であり、対抗策はもちろん、ろくな索敵手段さえ存在しないのが実情だ。
「とにかく、敵に関する情報がさっぱり判らん。とりあえず現場を捜索して、危険を感じたらとっとと空へ逃げる‥‥今は、それくらいしか手はねえな」
 かくしてKV搭載用カメラ1台、そして現場近辺の地図と地層データのみを与えられ、傭兵達はベオグラード近郊の空軍基地より飛び立った。

『地中から来る敵の新型か‥‥掘削用ドリルとか装備してるのか?』
 F−104バイパー搭乗の鋼 蒼志(ga0165)が疑問を口にした。
 普段は言葉遣いも丁寧な彼だが、現在は覚醒中のため口調がやや乱暴になっている。
 部隊の中に電子戦支援機がいないため、通信状況は芳しくなく、その言葉は耳障りなノイズ混じりで仲間達のKVにも伝えられた。
『大規模作戦を控えたこの時期、情報は少しでも欲しいわね。それより何より、目の前に救える命があるのなら出来うる限りのことはしたいしね』
 S−01搭乗の皇 千糸(ga0843)が、行方不明の輸送部隊の身を案じていう。
 KVとしては第1世代にあたるS−01だが、彼女は独自のカスタマイズを施し、この機体でバグア軍のエース機「三つ子の悪魔」を撃墜するなど、実力的にはトップクラスのパイロットである。
『その場所で輸送部隊に何があったのか‥‥ちゃんと確かめないことには、先にも進めないな』
 と、R−01を駆るブレイズ・カーディナル(ga1851)。
 普段は明朗快活な性格のブレイズといえど、KV2機の護衛を受けた輸送小隊がSOSを発する余裕もなく音信を絶ったという敵の攻撃手段がいかなるものか、さすがに気がかりな様子だ。
 イタリア半島からバグア軍を駆逐する大規模作戦の発動を控え、またマケドニア方面の敵軍が攻勢を強めるなど、ヨーロッパ情勢は刻一刻と緊迫の度を増している。
『予想通りなら敵さんの新兵器が出てくるはずだが‥‥。ま、何が出てきても、やれるだけのことはやってやるさ』
(「今度は土竜か鯰か蚯蚓か‥‥なんにせよ、ガーデン隊で相手する事が多そうじゃ、しっかり情報収集せねば」)
 操縦桿を握りつつ、藍紗は思った。
 彼女の搭乗機は高い攻撃力を誇り、バイパーに代わる第3世代機との呼び名も高いF−108ディアブロ。その性能は壱岐水道での「三つ子の悪魔」迎撃戦でもいかんなく発揮されている。大抵の敵が現れてもひけを取らぬ自信はあった。
 今回、輸送隊の捜索と並ぶもう一つの重要任務――バグア軍『新兵器』が出現した際の写真撮影を担当するのは黒江 開裡(ga8341)。彼は新鋭機ディアブロの副兵装スロットに特殊カメラを搭載していた。
「生存者の救助、偵察と言う名の覗き、モグラ叩き。これだけ揃ってれば暇になる事はなさそうだが、さて」
 モグラ叩き――確かにそうかもしれない。
 KVでは直接攻撃できない地底を時速数十kmで移動する隠密性は厄介だが、それでも地上に引きずり出してしまえばどうとでもなる。傭兵達の間には、そんな目論みがあった。
「地中兵器‥‥か。できれば叩き潰して、一泡吹かせてやりたい所‥‥だね。行こう‥‥クドリャフカ」
 シェスチ(ga7729)は愛機S−01に語りかけた。ちなみに「クドリャフカ」とは、彼の祖国が世界で初めてロケットで衛星軌道に打ち上げた雌犬の名前でもある。ただし「彼女」が再び地球へ還ることはなかったが。
『まーええ写真が取れたり破片くらい持ち帰れたら、報酬に色付けてもらおうや』
 R−01の時雨・奏(ga4779)はいつも通り軽口で僚機に告げたが、内心では嫌な予感を禁じ得なかった。
(「逆にKVが集まる時が敵を刺激して、一番、やばいかの? 普通に考えて新型機の情報なんぞ持ち帰らすわけにもいかんやろうし」)
 ――すなわち、これは「罠」ではないかと。
『敵の新兵器、地震と関係あるとしたら、土竜やミミズのような土に潜れる形の兵器かもしれません』
 奏の危惧を代弁するかのように、XN−01ナイチンゲールの不知火真琴(ga7201)がいった。
『だとしたら、敵のサイズによってはKVでも丸呑みとか出来てしまうかも‥‥』
 山岳地帯で観測された「地中未確認物体」の影は、全長20mを超す大蛇のような形状だったという。だとすれば、敵の外観はモグラというよりミミズであろう。
 実際、全長20mの巨大モグラに比べれば、同じ大きさのミミズがシールド工法の削岩機のごとく地底の土砂を呑込み、排出しながら掘り進む姿の方がまだしも「現実的」といえる。
 とはいえ、KVを丸呑みにする大ミミズ――いくらバグアの新兵器といっても、果たしてそんな破天荒な攻撃手段が可能なのか?
 それは傭兵達にも判らなかったが。


「何だ? こりゃあ‥‥」
 輸送隊が最後に音信を絶った現場上空に到達するなり、呆れたようにブレイズが声を上げた。
 そこは山麓近くの平地を走る細い2車線道路。一応アスファルトで舗装されていたはずだが、眼下に広がる大地は巨大な鍬で耕されたかのように掘り返され、黒土が剥きだしになっている。
 まるで大地震の跡のようだが、奇妙なのは掘り返されている部分が道路に沿った数百mの地域に限定されていることだった。
 これは自然災害などではない、明らかに人為的な現象だ。
 藍紗が操縦席のコンピュータ画面に呼び出した地質データと照らし合わせると、この辺り一帯は比較的地盤が緩いとされている。
『地中兵器で動き回るとすれば‥‥おあつらえ向きじゃな』
『依頼の主目的は救助やでー、敵新型やって喜び勇むなよー。わしらも上空から探すぞー』
 奏の呼びかけ通り高度と速度を下げて付近を旋回していると、間もなく剥きだしの土砂にまみれて半ば地面に埋もれた車両らしき物体がポツポツと散見された。
「‥‥ひどい」
 思わず千糸が声を漏らす。
 元は軍用の輸送トラックだったと思われるそれらは、全て巨人の手に握りつぶされたかのごとく原型を留めぬスクラップと化していた。
「生存者は‥‥いそうにないな、この有様じゃ」
 とりあえず現場の惨状を上空からカメラに収めつつ、開裡は重苦しい口調で呟いた。
 いったんベオグラードの司令部で待機する松本少佐に状況を報告し、引き続き現場の捜索を続けていると――。
 地面の上に、明らかに他の輸送トラックと異なる残骸が2つ見つかった。
 輸送隊の護衛についていた陸戦型KV、LM−01。
 人型変形する余裕もなく一瞬で大破したのか、レーシングカーを思わせるスマートなボディは見る影もなく無惨に歪んでいる。ただし、堅牢なメトロニウム合金のフレームで構成されているだけに、他の被害車両に比べるとまだマシな状態といえた。
『‥‥どうする?』
 傭兵達の間でしばし通信が交わされる。
 もしパイロットが生存しているなら、当然速やかに救助しなくてはならない。
 そして、死亡していたとしても‥‥。
 あまり気持ちの良い話ではないが、戦死した能力者の遺体は、最悪エミタだけでも摘出して回収するのが不文律だ。
 上空から見る限りワームやキメラの存在は確認されないことから、傭兵達は当初の予定通り地上に降下し、救出作業に入ることになった。

「しかし、ひどいな‥‥いったいどんな攻撃を受けたら、こんな状態になるんだ?」
 蒼志、ブレイズ、奏の直衛を受けつつ、開裡は大破したLM−01を人型変形したディアブロから望遠撮影した。
 敵の具体的な攻撃方法は不明だが、空を飛べない陸戦専用のLM−01では、地中からの奇襲に対してひとたまりもなかったに違いない。
(「マジでやばいぞ、こいつは‥‥」)
 敵新兵器の画像をモノにして任務を成功させたい気持ちと、このまま何も起きないうちにさっさと仕事を済ませてしまいたいという願いが、開裡の中で相半ばする。
 その間、千糸と藍紗は陽動も兼ねて周囲を警戒し、シェスチと真琴がLM−01パイロットの生存確認に向かった。
『まだ敵が近くにいるかもしれません。シェスチさん、気をつけましょう』
 人型形態となった真琴のナイチンゲールが一歩を踏み出すと、KVの片足がその重量で柔らかい黒土にズブリと沈み込む。ただでさえ緩い地盤が、何か巨大な力で思いきりシェイクされたかのようだ。
 人型KVの2足歩行というのはただでさえ揺れるので、操縦席の中からは微妙な地面の震動など察知しようがない。たとえば自動車の運転中、小さな地震が起きても気づかないのと同じ事だ。
 それでも周囲の地面に不自然な盛り上がりなど異状がないかを確認後、真琴とシェスチは注意深く機体を降り、各々が2機のLM−01へと向かう。
 パイロットは既に息絶えていた。
「‥‥」
 真琴は痛ましい気分で頭を振り、トランシーバーでシェスチに連絡すると、もう1人のパイロットも死亡しているとの返信が来た。
『仕方ないよ、真琴‥‥やろう』
 シェスチはアーミーナイフを、真琴はエマージェンシーキットの万能ナイフを取り出し、各々パイロットの遺体からエミタの摘出作業に取りかかる。

 ふいに、微かな地鳴りと共に足下の地面が揺れた。

「‥‥!?」
 真琴が顔を上げると、KVに搭乗した仲間達はまだ気づいていない。
 慌てて大声を上げ、両手を振って異変を報せようとした、そのとき。
 20mほど離れた場所で警戒にあたっていた千糸のS−01、藍紗のディアブロが、相次いで大地に呑み込まれた。
 比喩でも何でもない。まるで蟻地獄のようにぽっかり開いた穴の中へ、そのまま呑み込まれてしまったのだ。
 真琴もシェスチも、そして撮影班の傭兵達も、ただ呆然とその光景を見守る事しかできなかった。

「うっわ、何コレ!?」
 足下の大地が崩れた瞬間、千糸はとっさにブースターを吹かして上空へ跳躍しようとしたが、柔らかな黒土にKVの踝付近まで埋もれていたことで数秒反応が遅れてしまった。
 風防外の光景が突如として土砂に覆い尽くされ、その向こうから牙ともドリルともつかぬ湾曲した突起物が迫ったかと思うと、巨獣の顎のごとくS−01の機体をがっしりくわえ込んだ。
 何が起こったのか理解できず、反撃しようにもKVの手足さえ動かせない。
 ギギギギギ――。
 暗闇の中で千糸が聞いたのは、自らの愛機がじわじわ、そして確実に押し潰されていく不気味な軋みだった。

 同じ頃、やはり敵ワームによって地中に引きずり込まれた藍紗もまた、暗闇の中で何とか脱出しようともがいていた。
 反撃しようにも、機体の操作すら殆どままならない操縦不能状態。
 アグレッシブ・フォースで粒子砲を撃とうとボタンを押しても、コクピット内ではただ機体各部の致命的損傷を伝えるアラート音が喧しく反響するのみ。
 ギュイィーーンン‥‥
 アラート音とは別の、甲高く耳障りな音が耳をついた。
 KVをくわえ込んだ何者かの巨大な「牙」が、ドリルのごとく高速回転して機体装甲を削り始めたのだ。
 ディアブロが、最新鋭のKVが為す術もなく破壊されていく。
 迫り来る死を目前にして、藍紗の口から声にならない悲鳴が上がった。

「敵襲だ! みんな上空へ待避しろ!!」
 蒼志が叫んだ。
 開裡と奏が、次いで自機KVへ急いで飛び乗った真琴とシェスチが泥濘に足を取られながらも上空へ逃れ、辛うじて飛行形態に戻る。
 蒼志自身はその場に踏みとどまり、陸戦形態の手足に装着された4本のドリルを構えた。
 敵の数は少なくとも2機、あるいはそれ以上――。
 ほんの一瞬ではあったが、千糸と藍紗をくわえ込んだ螺旋状の「牙」は、おそらく地中を掘り進むための「削岩機」にあたる部分だろう。
 敵がドリルで来るなら、こちらもドリルで応じるまでだ。
「お返しをさせてもらおうか! このバイコーンの角で、貴様を穿ち貫く!」
 大地の表面がモグラ道のごとくボコボコ盛り上がり、信じがたい速さで「何か」が近づいてくる。
 足下の地面が割れ、千糸や藍紗の時と同様に地底に引き込まれる瞬間、蒼志の目に映ったのは、湾曲した極太のドリルを口の周囲にズラリと並べ、口内にも無数の細かい牙を生やした巨大ワームの頭部だった。
 ツインドリルとレッグドリルをフル回転させ、差し違い覚悟で敵の口内に呑み込まれていく蒼志のバイパー。風防外の闇に、見覚えのある赤い光が閃いた。
「フォースフィールド!? こいつ、体の内側にまで――」
 それでもいくらかのダメージは与えたらしい。
 敵ワームのあぎとから吐き出された蒼志機が、激しく大地に叩きつけられた。
 その直後、ボロボロになった千糸と藍紗の機体も地中から放り出され、壊れた人形のごとく大地に横たわった。
 上空待避していた仲間達のKVが人型形態で地上すれすれまで降下し、ホバリングしつつ必死でバルカン砲やガトリング砲を地面に叩き込む。
 大破同然の被害を受けつつも蒼志と千糸の機体は辛うじて立ち上がったが、藍紗のディアブロはもはや完全に機能を停止していた。
 友軍KVの援護射撃に紛れて蒼志が機体を寄せると、藍紗本人は意識を失っているもののまだ息はあるようだ。
『虎穴に入って、虎子を手に入れても親虎に食い殺されたらどうにもならん! これ以上は割に合わん商売や、引くで!』
 無線を通して響く奏の叫びに、異論を唱える者はいなかった。


『とにかく、全員無事でよかったな‥‥とりあえず黒江の撮った現場写真と機体の損傷を調べりゃ、敵さんについてもある程度の情報は得られるだろう』
 帰途についた傭兵達を慰めるかのような、松本少佐の通信。喪失した藍紗のディアブロについては、UPC側に無償で代替機を用意させる様申請する、とのことだった。
 その藍紗は、蒼志機の補助席でぐったりと眠り込んでいる。
「これが、地中兵器って奴か‥‥また厄介なものを持ち出してきやがって!」
 吐き捨てるようにブレイズが怒鳴った。
(「まあ、みすみす最新兵器を壊させるような真似もせんよなぁ‥‥むしろ新型わざわざぶつけてくる辺り、わしらは対KV用にテストされたんとちゃうか?」)
 R−01の機上からディアブロの残骸が「戦利品」とばかりに地中へ引き込まれていく光景を見下ろしつつ、奏は苦々しく思った。

<了>