●リプレイ本文
ここは、あーかむしてぃ!
良い子と悪い子が交錯する街。
この物語は、あーかむ存亡や地球の危機とあんまり関係ないが、ちょっとした危険に立ち上がった勇者たちのおはなし。
ちょっとイアイアな子たちにおくる無敵ストーリーである。
「キター! 我が勇者イアイアダー」
ダダダ・ダダダ・イアイアダー!
ダダダ・ダダダ・イアイアダー!
暗がり 漆黒 まっくろサイン
後ろにいるのは ニャルタンタン
漲れ! 混沌のイアイアゲージ
汚れた魂(ハート)に暗黒力(エナジー)
次元を導く銀の鍵 開いてみたら失踪さ
ダダダ・ダダダ・イアイアダー!
ダダダ・ダダダ・イアイアダー!
シュブ↓ニグラス
作詞作曲「Origami」
歌「K・J」
この依頼は、
「アーカムミュージックボックス」
「良い子のRC学会」
「ルルイエ・ホビーファクトリー」
「貴方の心の闇を演出する株式会社UD」
の提供でお送りします。
●前編
「根黒所長!」
潮彩 ろまん(
ga3425)は渚の剣道少女。
個人的にその認識で見たことはほとんどないのだが、そんな少女がいる。
ろまんは、アーカムのバッタモン市で手に入れた、オドロ半漁人Tシャツを着て、ここアーカム私設ULT支所を訪れていた。
半漁ドンTシャツは、ラストホープで着て歩くと色々白い目で見られる代物である。
しかし、ろまんはあまり気にしていないようだ。
「貴方はもしかして」
「ボクはイアイアダー五号だよ!」
その一言で話の意味が通じたらしい。
「それなら、はやくアーカムスクールに、イタカが」
ろまんはその話を詳しく聞きに来たらしい。よってしばらく聞いてもらおう。
さ・て・と。
寿 源次(
ga3427)は現場に急行するかと思いきや、
「スターターキットを!」
アーカムデパートにやって来て、ブツを買おうとしていた。
「ただいま、売り切れ中でして」
「いや、店内在庫があると自分の千里アイズが見切った」
そういう設定は彼には無いが気にしない、今だけだ。
売り場で繰り広げられる押し問答を見ている女が一人、なぜか知らないが眼鏡が意味深に光る。
「欲しいのは、これですよね」
ずれた眼鏡を押し上げた少女というには無理がある女、水上・未早(
ga0049)
未早はアーカムの常連なので、そこら情報通。この前来た時に買ったらしい。
「それは!」
「あげません」
「そこをなんとか」
「駄目です」
その間隙を縫って、その子はやって来た。久瀬 和羽(
ga8330)だ。
「ブースターパックください!」
なかなか賢いチョイス。ブースターパックなら第三弾ヨグの逆襲が出たばかりである。
「1000cになります」
「やったー! こういのって男の子が好きそうだよね?」
ナンダカ妙に元気だと思ったら、みかけは男、中身は女の子系だね。
こういう子はニャルタン好みだよ。
は、そんなことを言っている場合ではなかった。
次に進もう。
──その頃。
アーカムデパートのイベント広場では、販促のためルルイエ・ホビーファクトリー主催のカードゲーム大会が行われていた。
「今日も今日とてアーカムは平和だね、さてとルールの習得しないと」
なぜか棒読みで独り言の少女。
ジーラ(
ga0077)は、やや深刻気味少女であるため、あまりコミカルが似合わない? アイドルを嬉々としてやっているところを見ると‥‥‥。
本人はシリアスを自覚しているらしいが、周りはどう見ているかは分からない。
彼女は、自らの作戦決行のために、カードゲーム大会で腕鳴らしのようだ。
「先手必勝。破壊、破壊、デリートON」
おい、捨てさせているというより、手札を破壊しているぞ。
「うわーん、このおねーちゃん怖い」
ジーラ恐るべし、そこまでして勝ちにこだわるとは、侮れない。
【我が勇者イアイアダー】
●CM
出演
リーファ(
ga8282)
植松・カルマ(
ga8288)
「邪神創世記クトルー 家庭用ゲーム『惑星ユゴスの謎』」
暗黒の千年紀を越え、新世紀に現れるという伝説の神との戦いを再現
ダークファンタジー混沌スペクタルロマンが、今ここに!
リーファ&カルマの説明。
「ちょ、なんすか、一面ピンクッって、イメージってもんがあるスよぉ」
カルマは無意味に業を感じた。
「だって、そのほーがかわいーんだもん♪」
リーファの希望により、スタジオの内装はピンクでフリル、可愛いりぼんだらけである。
「この電波新しいっス。サイクラノーシュ辺りの電波とは違うカンジっスね。いあ! いあ」
「と・に・か・く いあいあくとるーーっふ!」
「アザース」
この二人を売り子に人選したのは、かなり間違っていた反省しよう。
●後編
【我が勇者イアイアダー】
ところはあっというまに変わってアーカムスクール。
「みんなー! 元気ー 私たち傭兵は実はカードの力で覚醒するのよ! さぁみんな! 一緒に合言葉を!」
「イアイアダー」
未早が教室でマイクをもって‥‥‥なぜマイクがあるかなど気にしてはいけない。
いわゆる、遊園地ヒーローショーのお姉さんのノリで彼女はちびっ子に話しかけている。
その傍らでは。
「ほら、そうじゃないよ、こう」
「こ、こうか」
山崎 健二(
ga8182)はちびっ子に駄目出しを喰らった。カードゲームのルールを習っているらしい。
「もう、これだからおじさんは」
「俺はそんな歳じゃない」
「えー」
これくらいの子たちからすると、二十五歳以上はたいていおじさんです。
「なぁそのカードと、俺の持っているカードをトレードしないか?」
和羽だ。男の子ではない、女の子だ。二回も強調する必要はない、そうだね。
「お前女男じゃん」
「なんだぁうるせー!」
和羽は拳固で殴る。豪快、さすがだ。
「おいおい、二人とも仲良くな」
「おじさんはだまっていて!」「おじさんはだまっていろ!」
心無い子供達の発言を聞いた山崎健二はその日の帰り道、飲み屋で愚痴りつつ一人泣いた。
そんなことよりイタカはどうした? レアカード奪取はひとまず彼らに任せておこう。
──ぐらうんど。
「ピガガガガトラトラトラワレワレはウチュウジンだ」
イタカが何か言っているぞ、お約束だ。
さて、外でマイクを持っているのはもう一人の男、名前は源次、ナレーターの寿。
「それはアーカムの救世主、平和への願いが具現化した姿、混沌を照らす閃光。
その名も勇者イアイアダー・イアイアオン!」
てれってれってー!
ダダダ・ダダダ・イアイアダー!
「俺はヒアデス星系アルデバランから召還された新たなイアイアダーの戦士! アザースありがとう! このエネルギーがあれば変身できる」
イアイアダーカルマはちびっ子からもらったアザトースレベル50を掲げた。
「自分の名前は断章博士、人呼んでセラエノ・フラグメントの使徒! 断章の力を今ここに!」
イアイアダー源次は、盗んだ。ではなく手に入れたカードで変身。
「チビっコたちにてをだすわるいやつっ! かみさまがみのがしても、リーファはぜったいみのがさないっ!」
イアイアダーリーファ。彼女は剣を振り、びしっとね、
「くとるーさまにかわって、おしおきよっ!」
ダダダ・ダダダ・イアイアダー!
どっかーん。
はい、戦いが始まった。
実況ナレーションは未早女史です。
「イタカ・ザ・ウェンディゴは生贄の人間を捕まえた挙句禁断の土地とちを連れまわって、最後には地上に投げ捨てて犬神家状態するのです」
イタァクーブリザード。ぶぉぉーーー。
「おいコラ、何息はいているわけ? お約束くらい守れよ?それでも正しい? 悪の怪人か? KYだな」
ヤサグレオニイサン健二はイタカをしばきだした、KYそれは魔法の言葉。
ボコボコにされたイタカは、ついに秘術毒電波を、
「ふ、断章博士の力をみよ、ン・カイの暗黒結界、破れるか?」
源次が変な空間を作り出したぞ、どっちも怪しいことこのうえない。電波はしかし止まったらしい。
その時だった。
校舎の屋上、時計台のあたりに人影が
「まてっ、激レア電波怪人イタカ、お前の好きにはさせないぞっ! ボクはイアイアダー行動隊長ディープ・ワン! とぁ」
飛び降りたのは、ろまんだ! おいしいとこをもっていった。
「みんな大丈夫だった? ‥‥‥ここはボクも力を貸すよ。ボクはみんなが持つ、愛・勇気・友情・イアイア、4つの力を兼ね備えているのだから!」
まあ、だいたいこれで全員って。
「女男、僕も」
和羽と例の子だ。
「ここは俺にまかせて、お前たちは急いでクラスメイトを守るのだっ! うぉぉぉぉっ、光って唸れっ! 俺の拳っ!!」
<活性化> 説明しよう活性化とは何か暗黒ぽい戦士たちが、たこ殴りに耐えるために編み出したオート回復能力だ。
「オラオラオラオラオラオラオラオララオラ」
和羽は両断剣モードに入った。
<両断剣> 再度説明しよう、両断剣とは、あまりにバカ力を込めすぎて、あたらねーけど強いを再現しているきっちゅな攻撃だ。
すでに何をしたかった忘れたが、そうだ! イタカ退治だった。
「イタカは小型の生き物、人間を含めて、ウェンディゴにしてしまう能力があり、変化させられると足が崩壊し極寒に適応したペンギンになるのよ」
未早は何を言っているのだろう。
「以上、出展は民明書房刊行書籍より。な、なんだってー!?」
君、そろそろ眼鏡をとりなさい。
あれ、イタカの様子が変だぞ。
「あれは! アザトースの徴、進化しているッス」
カルマが叫んだ。
シュブニュグラス! なにか変な擬音が聞こえたようなきがする。
「なになのあれは、でもまけない‥‥‥みんなのためにも、まけられないのっ!」
リーファが決意を込めた。
「勇気」「正義」「愛」「友情」
イアイアダーを巡る四つの言葉が空回る。
「真打はさ、最後に登場するものだよね スキル発動! パワーショットからシャドーショットをセット、これでボクの攻撃力はアップ、さあみんな」
ジーラのスナイパーライフル Lv4が妙にデカクなったように見える。
「みんなイタカの弱点は熱気です。さぁみんなの熱い魂の力を集めて!」未早
「セラエノ・フラグメント! 断章の力よ再度ここに」源次
「ちょっ待て! 俺はおじさんじゃねー」健二
「ひっさーつっ! くりーーーぴんぐけいおーーーーっす!!」リーファ
「変身! ヨグ・イアイアダー! アザース・エンド」カルマ
「うぉぉぉぉっ、もういちど光って唸れっ! 俺の拳っ」和羽
そして、
「くらえ必殺、ラバンストラッシュ! イタカ、おとなしく恐山へ帰れーっ!」
ラバンストラッシュ・アザース・エンド。
ろまんを弾丸として発射する明瞭不可解な攻撃である。
ようは全員でボコボコにしているのを異常なスピードで早送りしているため、目に見えない。そういう攻撃だ。
一瞬の風のあと、イタカは。
「プギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」 爆発した。
こうして、街の平和はある意味守られたみたい。
その後。
「この街の平和はお前達に任せたっ」
和羽
「諸君の助力でまた一つ脅威は去った! では、さらばだ!」
カルマ。
「リーファはいつでもみんなのみかただよっ♪」
彼らはしゅたっと帰っていった。
その後ろで、ジーラと未早の宿命の対決第二弾カードゲーム編が繰り広げられていたというが──定かではない。
源次と健二は帰りに居酒屋に寄って、同い年ということで年長者の悲哀を語ったそうだ。 ろまんは、ニャルタンと一緒にイアイア君を押しにミスカトニックへ遊びに行ったという。
こうしてイアイアダーの四人がまったく出てきていないが、とにかく街に平和は戻ったのであった。
続き? もう眠いよ、ニャルラッシュ。
眠いんだ‥‥‥‥‥‥。