●リプレイ本文
●セッティング
■アリス
尾上・楓(
ga1814)
■ディメンションムーン
橙識(
ga1068)
■キングスポート
ヴィス・Y・エーン(
ga0087)
潮彩 ろまん(
ga3425)
■対イスカンダル
リディス(
ga0022)
レイラ・ブラウニング(
ga0033)
クレア・フィルネロス(
ga1769)
ベールクト(
ga0040)
水上・未早(
ga0049)
真壁健二(
ga1786)
キーラン・ジェラルディ(
ga0477)
雪村・さつき(
ga5400)
●メイン
─少女は美しい生物。たいていその美しさの裏にあるのは
ある種独特の二面性であるのもまだ一つの真実。
尾上楓は、電波を受けている。
電波と言われるものに色々あるが。
「私はあの子を守らないとだめなんです!」
などといきなり叫び、アリス宅を訪れているあたりも、電波の一つだろう。
そんな彼女止めるためというより、保護者のような役割ついてきた三人は、さつきと真壁。
真壁は周到な用意をしている。
そのあたり抜け目がない男らしい。
さつきは、楓と違う意味で、能天気というより、やや活動的な女性だ。
彼女はアリスに単刀直入に質問した。
「こういう男の子を知らない?」
「わかんないよ」
アリスは少年に関しては知らないと答えるだけだった。
真壁と楓は、アリスの夢について詳しい話を聞く。
そんな二人にアリスは夢の話をした。
「昨日みた夢は、四ひきのぬいぐるみとトランプが、お城の上下左右においてあるの。ぬいぐるみをころがすと、その下にかぎみたいのがあって‥‥‥」
タワーの周りのビルと関連性がありそうな話のようだ。
とはいえ、そこから先は、たいした話ではなかった。
「よし、アリス。僕と遊ぼうよ」
橙識は子供の相手が結構得意らしい。
「私も子供の相手はこれでも慣れてるよ」
さつきは孤児院育ちだ。
そのあたりの関係で扱いはお手の物? なのだろうか。
二人はこうしてアリスと一緒に遊び始めた。
真壁と楓は、アリスの夢の話について現実と重なる部分があることを確認した。そこに何があるかは分からないが、
「アリス。この少女が何かを中心にいることは確かですね」
楓の言葉。
真壁は無邪気に遊ぶアリスを見つめた後、頷いた。
─祭壇には羊がいる。羊は弱く鳴いた。
その鳴き声はきっと誰にも届かない。
月の出ない夜は闇が濃い。
午前零時を告げる鐘がシティに鳴り響いた。
鐘の音は悲しくもあるが、どこか空々しさを感じさせる。
区画のゲートの閉じる音が外界と遮断されたことを知らせた。
残された三人の人影。
女二人に男一人。
男というには、どこか頼りない彼は他の二人に。
「僕は、あんまり強くないので、後ろを守りますね」
自重なのか、本気なのか分からないが、少し照れながら橙識は言った。
「弱さなら負けません!」
聞いた尾上は力強く宣言する。
そこで競ってどうするのか? 未早はそう感じた。
彼女は周りの様子を探った後。
「空気が冷たいです」
声をひそめた。
「僕、何か変なことをいいましたか」
橙識が微笑み、真顔で言った。
「‥‥‥ボケですか」
尾上がここぞとばかりに、突っ込むが、
「最近つっこみもできるようになりました。なんでやねん」
橙識はかなり嬉しそうだった。何に突っ込んでいるのかは、謎。
「二人とも、余裕ですね」
未早は今回、抑え役に回ることに決めた。
緊張感がない三人だったが。
「あれはなんだろう?」
橙識が指差したのは、怪しいローブ姿の人々が入っていく施設。
どうやら地下街への階段のようだ。
彼らはその集団を追って地下へ潜り、そこで教団の教会への入口を見つける。
そのさい発見され放たれたキメラに追われることになり、戦闘は行われた。
尾上が負傷したため退却した。
「ついでだし、僕のことも守ってよ〜」
橙識の甘えた発言をフォローしている余裕は二人になく‥‥‥朝になるまで逃げ回ったという。
─ハンギョドンは、食べられません。
「半漁人の噂か‥‥宇宙人が沖の岩礁に秘密基地作って、悪巧みをえいえいおーしてたら大変だよね。ボク、調べてくるからっ!」
ミスカトニックでイアイアした後、そういい残し少女は立ち去った。
アーカムの危機とそれほど関係ない気もするが、これはこれで港湾の危機には違いない。
さて、ろまんは、港に行く前に酒場に来ていた。
「未成年はお断りです」
「ボク未成年じゃないよ」
言い張るろまん。
どうみてもセーラー服を着て、酒場に入るのは、無謀。
「未成年はおやすみね、私がいってくるから待っていてね」
ヴィスが酒場に行く姿をろまんは、ちょっとくやしさを感じつつ見つめていた。
「お待たせ」
港についての情報を聞いた。
その後──色々あったが省略。
港で、彼らはなぜか偶然というか謀ったようにそれに会った。
ハンギョドン。
別名インスマウス面をしたそれはダゴーンの使徒とも言う。
「イアイア! いた。やっぱりいたよ。ヴィスさん、どうしよう?」」
ろまんは楽しそうだ。
「まーこれでいなかったら、洒落にならないわよね、やっちゃおっか」
ヴィスの言うとおりだが、あえていない。そういう手段も取れない事もない。
そういえばベールクトもいる。
変な生物を発見した後、彼が発した言葉これだけだ。
「殴ればいいか?」
一瞬の沈黙
「殴っていいよベールクト君。でも、ベタベタで魚臭くなりそうだけどね」
ヴィスがおどけて言うと、ベールクトは素で嫌悪をあらわにした。
「キモカワ半漁人! ボクと勝負だ」
ろまんはハンギョドンと戯れるために駆け出すのだった。
─Battle the death.
生きるか死ぬかを問う前。
初めから生など無意味であることを知るが良い。
偶像。
その言葉こそ、作られた救世主に手向けるに相応しい麗句。
何のための平和か? 何のための救いか?
道具には道具。人には人。神には神の生き方がある。
抗うのならば、破滅と混沌をもって祝福しよう。
これは、自らの存在を量らせるために語るもの。
創造主の手のひらで踊る滑稽で愛らしい人へ紡ぐ神話だ。
拡散する渦、衝撃が宙を奔った。
輝きは静寂の中、落ちる鏃さえ美しいと感じる。
銃口は煙を上げない。音も立てない。
白磁の面が動く。
顔。
刻まれた従者の証、仮面は笑ってはいないはず。なぜか笑ったように見えた。
二手に別れた彼ら、黒翼を持つ男ベールクトは、黒髪に染まった女、リディスと互いに視線を合わせる。
目で交わした合図。
リディスは、隠し持った煙草を一瞬思い浮かべた後。
獲物を走りだした。
リディスが動いたのを確認したのベールクトも、死の羽音をかすかに響きかせて駆け出す。
二手に分かれた敵を表情の無いままに仮面の王は見つめると、両手を挙げ撃つ。
詰める空間、十音通して、銃音が奏でられる。
沈黙。
静寂。
閃光。
両脇より挟み、拳を振るうベールクトとリディスを威嚇するかの如く、流星は地に舞い降り、落ちる星は大地に注ぐ。
轟きと明滅に行動の自由を束縛された彼ら、用意に近づくことのできない。
間隙を縫って、復讐を誓う令嬢は正面に立ち、物言わぬ王に呟く。
「喪った物。返してもらいます」
構えた槍。
右手で軽く回す。
切っ先の残像は弧を描き、あるべき拳に納まると独自の振動を始める。槍を両の手で握ると女は穂先を向ける。背後にやや小太りの男、真壁が駆け寄ってくるのをクレアは認めた。
計算しろ。
未早は自らの内部でその声を聞いた。裸眼で計測するが、距離は遠い。
三方より攻めるのを認めた未早は続けて接近するべく動いたが、降る雨に足止めされた 足元に落ちる眼鏡の欠片。
点滅する記憶は、かすかな吐き気を伴い、あの時の感情を思い起こさせる。
鼓動が高まった。
脈打つそれは高揚感と同時に頭痛の前触れにも似た、独特の興奮をもたらす。
「水上・未早。ここで終わるつもりなの」
頬は叩き、未早は自らを叱咤すると、ゆっくりと王へと歩みだした。
レイラは仮面の王を見て一人ブツブツ呟いていた
「イスカンダルと呼ばれている、イスカンダルは、アレクサンダー、クラブのキング、クラブは棒を意味してると言われている、棒のキング、棒のスートは占星術的に火の星座を表してるって聞いた事があるわね。たしかおひつじ座、しし座、いて座がそれに当たって、冒険、野望、情熱、勇気、理想を表している。そして棒の王の意味は、正位置では誠実な人物、理想に向かって進む、強い指導力、だから王?」
「ブツブツ言っている暇があったら、加勢しろって!」
弾き飛ばされた壁に叩きつけられたベールクトが、体勢を立て直しつつ、レイラに叱責する。
「まちなさい、急ぐと嫌われるわよboy? 逆位置じゃ厳しすぎる、孤独。たくっ! 情報はあってもこんな時に思い出したってテンパルだけじゃないの!」
「テンパってる暇があったら! さっさと殴れ」
エネルギーガンとスパークマシンΩは、ある程度の効果をもたらした。
イスカンダルは、片手に構えていた銃をまるで一つに同化するかのように合わせる。
二本の腕を重ねたそれはより禍々しさを増し、周囲を静かに威圧する。
それにより王は、次の手段を用いることに決めた。
イスカンダルの前に走り込んできたリディスは、強烈なプレッシャーを覚え足を止めた。本能的に彼女は攻めるか引くか逡巡迷うその一瞬
「リディス姐!」
ベールクルトの叫びにより、彼女は踵で地を叩きつけて後方へ飛ぶ、眩い光は天空を打ち抜きリディスが先ほど立っていた地を撃ち抜く。
輝きが消え去ると、背後の家屋が音もなく蒸発した。
援護射撃を行っていたキーランは、イスカンダルの攻撃手段が変わったことを知った。 けれど彼が出来ることは打ち込むだけ。
自分の役目は接近戦を擁護することに変わりないが、あの攻撃手段ならば、背後はきっとがら空きだろう。キーランはイスカンダルの背後を狙うべく、動き出した。
イスカンダルの状態変化を知ったさつきは返ってこれはチャンスでは無いのか? そう感じていた。
なぜならばこの形態はイスカンダルの長所である広範囲に対する攻撃を捨てたようなものだ。
人数が多い分、有利? ある程度の人数は的になるとしても、その間に倒せばそれで問題は無い。理解したさつきは走り出した。
クラブの王。
イスカンダルは敵対する従者たちへ己の武器を掲げる。
打ち込む光矢は幾たび立ちはだかる敵を薙ぐ。
しかし、撃てども倒れる気配はない。
王の前に立ちはだかった男が銃を構えた。
撃たれる波動にイスカンダルは不快を大きく感じる。
「10秒くらいなら耐えれます! 俺への誤射は気にせずこいつを止めてください!」
男が言った。
左から黒翼が羽ばたいた。
右から黒虎が牙を剥いた。
打ち込まれる弾丸、エネルギーの奔流が王を襲う。
突き刺さる槍。
王の仮面は渇いた音を立てて割れ、一枚のカードが落ちた──。
「The End」
肺に満たされた紫煙を吐き出し、女はそう言った。
●サブ結果
■リアクション
リディス
レイラ・ブラウニング
潮彩 ろまん
イス図書館に向かった三人は、この街に伝わる土着宗教についての情報を得た。
その文書には、
「双円」「月の子供」
という文字が何度も出てくる。
しかし、これについて詳しい内容を書いているものはなかった。
ついでに、ろまんは「怪人紳士録」という本を見つけたが、落書きだらけで読めなかった。
ベールクト
キングスポートで戦闘補助を行いました。
水上・未早
尾上・楓
ディメンション時のメンバー行動を補足しています。
ヴィス・Y・エーン
ミスカトニック探偵事務所についた彼女を迎えたJは、ヴィスの質問、
「適正者、『何』に適正させるつもりなのかなー?」
に対してこう答えた。
「適正者ね。そういえば、この街には」
Jは、この街に伝わる土着宗教についての話をした。
元はシャーマニズムを下敷きにしたものだったようだが、色々歪んでいるらしい。
「それで、神の再生の儀式を行うさい、かならず男女一組の生贄を必要とする。それが月に選ばれたなんとかというらしいな、適正か何かは知らないがね」
一組。
その点がヴィスは気になった。
キーラン・ジェラルディ
クレア・フィルネロス
雪村・さつき
タイムリープにやって来た二人。さつきは道に迷ったのであとから到着し、話を聞いたあとアリス宅に向かう。
やって来たキーランにラピッドQは、
「最近よく来るね、俺に気があるの?」
冗談なのか本気なのか分からないが、そう言った。
「提供してくれる情報によっては、考えてみても良いですよ」
キーランも真顔で冗談を言うので、あまり洒落にならない。
ラピッドQは、どう答えるかは迷った末、話を隣にいたクレアに振った。
「そっちの怖そうなお姉さんは」
聞いた怖そうなお姉さんは、用件を話し始める。
手に入った情報をまとめると。
シティの重要区域に入るための通行証を手に入れる手段はいくつかある。
1、関係者から奪う。
2、偽造する。
3、正等な手段で手に入れる。
情報屋としては2、3の手段をとることになるが、いずれにせよそれなりの資金が必要になることは間違いがない。
どちらを選ぶかは頼むほうの意思、彼はそう言った。
その後、キーランの問いに、
「黒い小隊? ‥‥‥確か、離反した能力者で構成されている集団だよ。KVだっけ? それを元に特殊な改造を施された機体を操るらしい。改造はユグドラシルの博士が担当しているという話。コードネームはHastur。バグアの技術を利用してるらしい。何のために開発したのかは分からない。ただ、この小隊はバロン直轄の兵隊だよ」
離反した能力者は、エミタを維持できないのではないか? その疑問をクレアに問われたラピッドQは、
「そうなの? 偶然成功してるんじゃない、バグア側の協力を得ている事は間違いないし解析もそれなりに進んでいるのかもね」
と、答えた。
橙識
真壁健二
雪村・さつき
アリスの補足をしています。
「Mythology of Chaos 0」 Mission Complete! 評価A
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●追加マップ
・なし
●取得情報
・黒い小隊の概要を知りました。
・重要区画への通行証は、情報機関より入手可能のようです。
・教会の本部への入口がシティにあることが分かりました。
・アリスの夢は、現実に起きた事と共有した部分が見受けられます。
・クラブのカードを手に入れました。
●バグア支配値の変化
・60%
●Next Scenariword
「七の罪人」
「双円の子」
END
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