タイトル:【ODNK】熊本迷走マスター:安原太一

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 10 人
サポート人数: 1 人
リプレイ完成日時:
2010/09/09 02:56

●オープニング本文


 北九州熊本北部――。
 春日基地司令ダム・ダル(gz0119)が熊本基地を攻撃し、UPC軍は混乱していた。最前線では混乱が大きく、傭兵たちは押し寄せるバグア軍に対しながら、後方と連絡を取っていた。バグア軍の攻勢は休むことなく続き、傭兵たちは熊本基地へ帰還することが出来ずにいた。
「熊本基地はどうなった」
 小隊長たちはヘルメットを脱ぐと、通信の担当官に問うた。
「分かりません‥‥断片的な情報が入って来るのみで。ただ、相当な被害を受けた模様です」
「やってくれるなダム・ダル。単騎でこっちの本拠地を襲ってくれるとは」
「こんな手を使われたら、こっちは打つ手なしだぜ」
 そうこうする間に、北のバグア軍が再び動き出す。
「敵の大部隊、また本格的な攻勢に転じてきます。和水町と山鹿市に進出してきます」
「好き勝手してくれるんな‥‥ちっ、考える時間もない。本部が混乱していてはな」
「おい、迎撃に向かうぞ」
「北西の荒尾市と南関町はキメラの進出で崩壊しつつあるようですが‥‥和水町と山鹿市はまだ人類圏です。民間人の避難は終了していますが、これ以上バグアの南下を許すわけにはいきません。よろしくお願いします」
 正規軍の将校は、傭兵たちを送りだして、熊本基地との連絡回復を図る。

 ‥‥バグア軍陣営。
「和水町も山鹿市も、戦場境の地方都市とは言え、人類圏だ。UPC軍の反発も必死だろう。油断は出来んぞ。今回ダム司令は熊本基地へ向かっておいでだ。我々だけでこの地域を制圧せねばならん」
 バグア軍のナンバー2高橋麗奈が口許を歪めると、もう一人の強化人間、洋子は静かに口を開いた。洋子の顔に感情らしきものは見えないが、瞳は鋭く冷たく光っていた。
「ダム司令の熊本基地への攻撃でUPCは動揺している。加えて、戦力で我が軍は敵に勝る。慌てることはない高橋。じっくりと腰を落ち着けて、敵の戦力を削っていけばよい。いずれ、UPC軍に限界が来た時、熊本の戦線は崩壊する。それはそう遠い日でもないだろう」
「ふん‥‥熟れた果実はいずれ落ちるか。貴様が春日から出て来た時には、前線で指揮など務まらんと思っていたがな」
「期待が外れて残念だ。もっとも、私を甘く見過ぎだな。お前と私の違いは、ティターンに乗っているかそうでないか、その程度だろう」
「何?」
 高橋は殺気のこもった眼差しを洋子に向けたが、洋子は涼しげな顔で踵を返した。
「私はカスタムタロスで出る。安心しろ、足手まといにはならん」
「ちっ‥‥忌々しい女だ」
 高橋は洋子の背中を睨みつけると、自身は愛機の赤いティターンに搭乗して出撃するのだった。

●参加者一覧

藤田あやこ(ga0204
21歳・♀・ST
セージ(ga3997
25歳・♂・AA
宗太郎=シルエイト(ga4261
22歳・♂・AA
ソード(ga6675
20歳・♂・JG
ヒューイ・焔(ga8434
28歳・♂・AA
ユーリ・ヴェルトライゼン(ga8751
19歳・♂・ER
孫六 兼元(gb5331
38歳・♂・AA
ソーニャ(gb5824
13歳・♀・HD
奏歌 アルブレヒト(gb9003
17歳・♀・ER
ラナ・ヴェクサー(gc1748
19歳・♀・PN

●リプレイ本文

●山鹿市
「‥‥よくも熊本を! 大分の背後を奪われて黙っているわけにはいかないわ。百倍返しにするわよ!」
 藤田あやこ(ga0204)は友軍各機と編隊を組んで前進する。
「あやこ、気合入ってるなあ。俺も負けてられないな」
 ヒューイ・焔(ga8434)は、操縦桿を傾けつつ、コンソールを操作した。敵軍は圧倒的な大軍だ。
「高橋麗奈はまだ後ろか‥‥そろそろこの辺りでダメージを与えておきたいところだよな」
 ユーリ・ヴェルトライゼン(ga8751)はそう言うと、スロットルを吹かせる。
「これ以上はやらせわしないわよ。ここまで押されたのに、故郷まで奪われて‥‥」
 あやこの瞳には、深い悲しみがあった。
「全機敵軍との接近に備えろ。間もなくエンゲージに突入する」
「あいあいさー」
 ヒューイは管制官の言葉を受けて、コンソールに目を落とす。
「さて、厄介なキューブから片づけて行くぜ」
「エンゲージに突入、ミサイル発射」
「FOX2」
「FOX2! これ以上お前らを南へは行かせない!」
「ミサイル発射」
 数百のミサイルがキューブワームに向かって飛んでいく。
 バグア軍から飛び交う反撃のプロトン砲――。
「行くわよ!」
 あやこは編隊の後方に着くと、ライフルを構える。
 続々とキューブに命中するミサイルが、炸裂して爆炎を舞い上げる。消失していくキューブ。
「突入! 伸るか反るかよ!」
 V字隊形を取って前進、両翼からライフルでヘルメットワームを牽制しつつ攻勢に転じる。流れるように旋回。
 プロトン砲が飛び交う中、バレルロールでかいくぐっていく。
「捕えた! ワーム二機を補足!」
「一斉攻撃!」
 銃撃が解き放たれ、ヘルメットワームを叩き落としていく。爆発轟沈していくHW。
「こんなもので収まらないわよ! 全機敵集団を包囲して殲滅するわよ!」
「ラジャー、が、そこまで簡単に行くかね?」
「やってやるわ。タロスの一機でも落としてやりたいわね」
「一機で良いのかよあやこ隊長」
 少しからかい気味に言う軍属傭兵。
「タフな戦闘だぜ、ここはあやこさんの故郷なんだ」
「私は真剣です。みんな一致協力して敵の排除に臨むわよ」
「オッケーあやこ。敵さんを補足して撃滅する」
「前方にまたまた敵集団――V字隊形の中へ追い込む」
「了解」
 タロスとHWを半包囲するあやこたちは、一斉攻撃を浴びせる。
 タロス達は態勢を立て直すと、反撃のプロトン砲を撃ち込んで来る。
 空中で流れるように軽やかに機動する傭兵たちとワームの集団。
「逃がしはしないわ‥‥! SESエンハンサー!」
 あやこの視線先のタロスをリボルバーが撃ち抜く。連続攻撃を受けて大破するタロス。
「さーて俺っちも少し仕事していくかねえ」
 ヒューイはバレルロールでプロトン砲をかいくぐると、次々とHWをバルカンで叩き落としていく。
「そらそらそらそら! 逃がしはしねえぞ!」
 加速すると、ウイングで切り裂く。爆発轟沈するワーム。
「さすがに、押されっ放しじゃ拙いぜ、ここまで押し込まれるとはね。熊本は人類地域だったのに」
「ヒューイさん、ここは何としても死守です。熊本以南は通しません」
 あやこの通信が来ると、ヒューイは肩をすくめた。
「ああそうだな。熊本基地を襲ったダム・ダル(gz0119)の動きも気になるが‥‥ここは死守だよな。これ以上敵さんの大軍を通すわけにはいかねえよ」
「気を付けて、ヒューイさん」
「そっちもな、感情に揺れるのは分かるけどな」
 そうして、ヒューイは加速すると、目前のヘルメットワームにバルカンを撃ち込む。
「さーて、これ以上やられるわけにはいかねえんだよ。こっちにも意地があるんでね。能力者をなめんなよ、っと!」
 激しく装甲を吹き飛ばされて、炎上するHW。
「ヒューイ機、気を付けて、敵集団が接近しています」
「おっと、そいつは」
 ヒューイは急降下すると、低空飛行で逃げると、一気にブースト加速する。
「そう簡単に捕まるかって」
 そして機体を上昇させたヒューイは、再び集団の中に突入していく。
「行くぞバグア――俺たちは諦めが悪い人種なんでな!」
 ヒューイは不敵な笑みを浮かべると、真下からタロスに切り掛かっていく。凄絶に切り裂かれるタロスが、反転してプロトン砲を撃ち込んだが、ヒューイは跳ねるように回避した。
「そうはいかねえよっと」
 ユーリは、ヒューイの動きを確認して、「やるなあいつも」と、高橋麗奈の動きに目を落としていた。
「ティターン、出てくるよ」
 ルキアの言葉に、ユーリは友軍各機に呼び掛ける。
「よし、麗奈が出てくるぞ、ティターンを迎え撃つ。フェニックスとシラヌイ、頼むぞ」
「ラジャー、行くぞユーリ、とにもかくにも、あのティターンを止めないと」
「行くぞ」
 赤いティターンが宙を滑るように出てくると、ユーリ達は攻撃を開始した。
 シラヌイの機動力を活かしつつ、ミサイルと銃器の弾幕で壁を作る。続いてフェニックスが空中変形+試作型雪村で射線の隙間から斬り掛かる。
「食らえ麗奈――」
 直後に着弾するようユーリは突進、ブースト+Aファング+パンテオンを撃ち込む。
 直撃を受けて爆炎に包まれる赤いティターン。
「さらに行くぞ」
 ブーストの効いているうちに一気に距離を詰めてAファング+剣翼で追撃。
 直撃――。
 しかし高橋のティターンは、悠然と態勢を整えると、ユーリの機体目がけてプロトン砲を撃ち込んだ。
「‥‥さすがに熊本か。UPCの反撃も頑健だな。あの女、UPCを甘く見ると死ぬぞ」
「く‥‥やるな麗奈。さすがってところだな」
 ユーリは炎上する自機を旋回させると、友軍とティターンに向き合う。
 さらにティターンを包囲して連続攻撃を浴びせかける。
「そう何度もやられんぞUPC! 私を容易く落とせると思うな!」
 高橋は感情を露わにして、怒声を叩きつけると、攻撃を受け止めつつ舞い上がると、プロトン砲を連射した。
 フェニックス一機が撃墜される。
 それでも、集中砲火を浴びたティターンは、反転して後退する。

 地上では、UPC軍の反撃が始まっていた。宗太郎=シルエイト(ga4261)のスカイクレイパーはグングニルを次々と撃ち込んで、ゴーレムを破壊していく。
「熊本への侵攻か‥‥随分とやってくれますね。ですが、ここから先はお帰り願いましょうか」
 宗太郎のスカイクレイパー「ストライダー」は凄まじい機動力を誇る。
 接近してくるゴーレム複数に取り囲まれても、単機で局面を打開する。
「残念ですが、私はそう容易く討ち取られはしませんよ」
 宗太郎は周辺に目を向けると、グングニルを構えて腰を落とした。
 じり、と接近してくるゴーレムに、宗太郎は静かに息を整える。
「しぶとい奴だ。我々に勝てる通りがないだろう」
「たった一機で何が出来る」
「一機じゃないぜ」
 友軍の雷電が駆けつける。
「大丈夫か宗太郎!」
「ご安心を、まだ十分にいけます」
「熊本はすぐに陥落する! 今頃熊本基地は炎上しているわ!」
 ゴーレムのパイロットの台詞に、宗太郎はすっと目を細める。
「さて、時間もあまりありませんので、行かせてもらいますよ」
 宗太郎は操縦桿を傾けると、ストライダーを加速させた。
 一撃、二撃と打ち合うが、ゴーレムをあっという間に粉砕した。
「どけ! 俺がやる!」
 敵のタロスエース機が前進してくる。
 宗太郎はタロスの刀を弾き飛ばすと、グングニルを撃ち込んだ。液体火薬を放出して大爆発がタロスを包み込む。
「ぐ‥‥おおおおおお!」
 タロスは胴体が吹き飛んで、大きく傾く。
 宗太郎はグングニルを持ち上げると、振り下ろして止めを差す。
「‥‥師匠、行って下さい。援護します‥‥」
「奏歌氏、サポートは頼むぞ!」
 孫六 兼元(gb5331)と奏歌 アルブレヒト(gb9003)のチームは、切り込むとまずはタートルワームに狙いを定める。
「行くぞミカガミ隊! ワシに続け!」
「全機兼元に続け!」
 突撃していく孫六らKV隊。周辺のゴーレムを切り裂き、タートルワームに仕掛ける。
「もらった! 一気に片付ける! 諸君雪村を使え!」
「了解した」
 加速する孫六とミカガミらはタートルワームに殺到して行く。亀はゆっくりと向きを変えるが、接近されると防備はほとんどなかった。
「ぬうん!」
 孫六は逆手持ちの機刀を振るって、ばったばったとタートルワームを切り裂いて行く。
「お前たちの好きにはさせんぞ! これ以上熊本を蹂躙するのは許さん!」
「‥‥全機、撃って撃って撃ちまくって下さい‥‥師匠たちを支援‥‥ゴーレムを近づけないように」
 奏歌は友軍各機に言って、ショルダーレーザーキャノンを連射する。
「‥‥これ以上敵に好き勝手はさせません‥‥奏歌にも故郷がありますが‥‥この地を追われた方のことを思うと‥‥今は奏歌に出来ることを為すまで‥‥」
「奏歌氏! グッジョブだ! 亀は勢い粉砕中だ!」
「師匠‥‥気を付けて下さい‥‥亀相手とはいえ‥‥じきにエース機などがやってくるかもしれません‥‥」
「ガッハッハ! 望むところだ! ここで敵エースを落として、熊本からの反撃とする!」
 そんなことを言っていると、本当にタロスに率いられた敵の精鋭が姿を見せる。
「そこまでだUPC! お前たちの命運は今日で尽きる!」
「ガッハッハ! ダム・ダルの犬か! 手遅れだ! 亀は撃破した!」
「何を‥‥小数で何が出来るか! 後悔させてくれるぞ!」
 タロスとゴーレムの集団が迫りくる。
「ミカガミ隊! 連中にひと泡吹かせてやろう!」
「オーケイ!」
「師匠たちを支援しますよ‥‥全機攻撃開始‥‥敵をロックして下さい‥‥」
 激突する孫六らとタロスたち。
「KV抜刀、空蝉!」
 加速した孫六のオウガは、エースタロスを切り上げた。爆発炎上するタロス。反撃の一刀を撃ち込んで来るが、孫六は加速して駆け抜けた。切れ割かれるタロスエース機。
「ぬう‥‥!」
 タロスエースは予想外の打撃を受けて後退する。

●和水町
「兵装1、3、4、5発射準備完了。PRM『ツヴァイ』Aモード起動。マルチロックオン開始、ブースト作動」
 ソード(ga6675)はコンソールを操作して行く。
「ロックオン、全て完了!」
 ソードは搭載しているミサイルを放出する。
「『レギオンバスター』、――――発射ッ!!」
 二千発を越えるミサイルが一斉に発射される。
「FOX2!」
「ミサイル発射」
「キューブを叩き落とせ!」
 軍属傭兵にソーニャ(gb5824)とラナ・ヴェクサー(gc1748)もミサイルを放出する。ミサイル群はキューブに命中すると爆発炎上して破壊していく。
「いい加減にここで食い止めないと‥‥そのうち九州から追い出されてしまうからねえ‥‥!」
 ラナはここ最近の結果に微かな焦りを感じていた。
「ここから先は人類圏です、絶対に、バグアを通すわけにはいきませんよ‥‥!」
 ラナは操縦桿を握りしめる手に力が入る。
「さすがボクたちのエースだね。スピードも半端ないね。でも、付いていくよ。英国工廠特製、高速機隊いくよ。Mブスターとブーストを組み合わせた最速コンボは伊達じゃない」
 ソーニャは軍属ロビンとワイバーンとチームを組んで加速する。
「‥‥でも、洋子、いや強化人間をかなぁ。侮っていたよ。ただ強いだけじゃない。自己犠牲、そんなのもちゃんと持ってるんだね。それは洗脳じゃなくて、理想や目的を持っているからなの? 一度話をしてみたいね。まぁ中には下種なもいるみたいだけど、人間も一緒だね。だから今回は敬意をもって、それなりの対応でいくよ」
 ソードのフレイアをトップとして突撃する。敵編隊を突き崩して行く。
「行きますよ、ソーニャさん」
「ラジャー」
 操縦桿を傾けて加速する傭兵たち。ライフル、レーザーで敵陣をこじ開けて行く。ソードのフレイアの大火力が次々とHWを撃破していく。
「フォーメーションA!」
 流れるように編隊を組むと、ソードらはワームの群れに攻撃を仕掛ける。
 空中で激突すると、ドッグファイトに移行する。
「そう簡単にここを譲るわけにはいきませんので、引いてもらいます」
 ソードはエニセイを連打してワームを撃墜していく。
「ソードさんを支援、撃てー!」
 ソーニャらはMブースト一斉突入攻撃で撹乱、隙を作り、フレイアの攻撃につなげる。
 その時である、敵の指揮官機が戦場に姿を見せる。青いタロス。洋子の機体だ。
「敵指揮官機、発見!」
 空中で静止する青いタロスは、ソードらを観察するように一瞬止まって、それから動き出した。プロトン砲を撃ち込んで来る。
「行くわよ! フレイアに道を作る!」
 ソーニャは叫んで、加速する。
「ロビン、ワイバーン隊、Mブースター、ブースト起動。前に出る。全機突撃。だし惜しみはなし、ミサイルを撃ち尽くせ。邪魔者はすべて排除。うちのエースに血路を開け。英国工廠の最速機の力、見せ付けるよ。他の敵を近づけるな。全機、ボクに続けー!」
「よし、行きますよ!」
 加速するKV隊。ミサイルを連発してフレイアを援護する。
「敵指揮官機、洋子ですか。これ以上あなたたちを通すわけにはいきません」
「‥‥ならば、押し通る」
 洋子の青いタロスは加速すると、プロトン砲を撃ってくる。
「全機攻撃!」
 ソーニャらは全方位から集中攻撃を浴びせる。青いタロスはアクロバットに回避しつつ反撃を試みるが、ソードの激しい銃撃を受ける。
「‥‥青いシュテルンか‥‥並み外れたものを持っている」
 洋子は旋回すると、撃ち合い後退しつつ、距離を保つ。
「‥‥あれはソードさんたち。敵エースと交戦中ですね。ウーフーお願いします」
 ラナは言って、目の前のHWに攻撃を加えて行く。
「ここから先は、塵のように小さなキメラ一匹通しません」

 地上戦――。
 セージ(ga3997)は軍と連携してキメラ及びゴーレム、亀の掃討に当たっていた。軍のシュテルン達と共に雑魚の掃討をしながら大型目標の撃破を目指す。
「俺の代わりに、軍のKVは中〜後衛ポジションで頼むぜ。雑魚掃討はペインブラッドの範囲攻撃。その他KVの弾幕等で雑魚を一掃し、大型目標への道をつける」
 セージのシュテルン、ブルー・ブレイカーは剣で切り掛かっていく。
「どいてろ‥‥俺の道だ」
 時には優しくに凪ぎ、時には激しく荒れ狂う。
 加速するブルー・ブレイカーは空気の壁を蹴るように突進すると、ゴーレムを切り裂いて行く。
 切り裂き突き放してショルダーキャノンを叩き込む。
 斬撃と零距離射撃のコンビネーションで舞うように戦う。
「残念。俺の間合だ」
 レーザーカノンを撃ち込み、
「一緒に踊ろうぜ。死と破壊が奏でる舞踏曲を」
 続いてショルダーキャノンを叩き込む。
「さて、オメーらはドコまでついてこれるかな?」
 セージは突進して、ワームの集団に切り掛かっていく。

 ‥‥やがて戦闘は終結に向かう。バグア軍はUPC軍の激しい反撃に押し返されることになる。死力を尽くした傭兵たちは、コクピットの中で、束の間の勝利に身を委ねる力もなかった。