タイトル:【BD】密林の防衛戦マスター:安原太一

シナリオ形態: ショート
難易度: やや難
参加人数: 10 人
サポート人数: 2 人
リプレイ完成日時:
2010/09/11 03:03

●オープニング本文


 バグアの突きつけてきた脅しと共に、ボリビア領内へはキメラが侵入を開始していた。本格的な侵攻ではなく、これも脅しの意味合いなのだろう。
「‥‥でも、この国にはそれに抗う力がない」
 国王ミカエル・リアは項垂れる。中立を標榜するボリビアの主権を尊重し、UPCは駐留していない。援助という形で持ち込まれた僅かなSES武器や能力者らの力では、長大な国境線はおろか、人里を守ることすら困難だ。それゆえに、彼は。
「ULTへ依頼を出す。それならば国是を犯してはいない‥‥。そうだとでもいうのか? それで納得させるにも限界はある」
 一歩を踏み出した若き国王に、摂政のマガロ・アルファロは不快げに眉をしかめてみせた。

 ボリビア東部――。
 広大なジャングルと密林を縫うように広がる東部の平原には、幾つもの都市が存在する。バグアからの宣戦布告を受けて、人心は乱れ、時折暴動が発生していた。
 政府は国を守れるのか――この事態に、それなりの人々がパニックに陥っても不思議ではない。
 そんな中、都市近郊の小さな町が、キメラによって制圧されると言う事件が起こる。住民のほとんどが犠牲になったと言う。
 ボリビアへの支援依頼を受けて、傭兵たちが到着したところだった。
「ここはどうなってるんだ?」
 傭兵たちは、当局にキメラによる被害を確認する。
「よく来て下さいました。東の密林から出現したキメラは20から30体です。現在三つの町が攻撃を受けています。どうか、あの恐ろしい怪物たちを退けて下さい」
「敵の情報はあるか?」
「脱出した民間人からの情報によりますと、巨人で、体の半分が機械のようになっている人型兵器のようです」
「地図を見せてくれ」
 傭兵たちの問いに、当局の役人はテーブルの上に地図を広げた。
「現在キメラの制圧地域となっているのは‥‥東のここ、森に囲まれた地域です」
「分かった。人型兵器か、厄介な相手になりそうだが‥‥行くか」
 傭兵たちは、UPCの高速艇に乗ると、現地へ向かって急行した。

●参加者一覧

鳴神 伊織(ga0421
22歳・♀・AA
キリル・シューキン(gb2765
20歳・♂・JG
夜狩・夕姫(gb4380
15歳・♀・FC
フローラ・シュトリエ(gb6204
18歳・♀・PN
月城 紗夜(gb6417
19歳・♀・HD
凍月・氷刃(gb8992
16歳・♀・GP
黒瀬 レオ(gb9668
20歳・♂・AA
沖田 護(gc0208
18歳・♂・HD
イレイズ・バークライド(gc4038
24歳・♂・GD
空言 凛(gc4106
20歳・♀・AA

●リプレイ本文

 鳴神 伊織(ga0421)、水無月・氷刃(gb8992)、閃 沖田 護(gc0208)らはバイクから飛び降りた。
「向こうも動き始めましたか。相手の思惑を崩す為にも、きちんと始末を付けたい所です」
 伊織は言って、周囲を見渡す。遠方から爆発と轟音が轟いてくる。地元の治安部隊は右往左往している。住民たちはパニック状態であった。
「状況は厳しいですね」
 水無月は怜悧な瞳で状況を確認する。
「ぼくらが負ければ、町は好き放題に壊される。数を頼んで、武器を振り回すだけで勝った気になるなよ、キメラ」
 沖田は本来の優しさを封じ、キメラに対して非情に徹する。
 伊織は治安部隊に近づくと呼びとめた。
「ULTの傭兵です、みなさん大丈夫ですか」
 治安部隊の兵士は、驚いた様子。
「ULT、ラストホープの。ああ、救援要請が――」
 伊織たちは頷き、爆発が起こっている場所を指差した。
「話は聞きました、人型キメラが攻撃を開始しているようですね。被害状況は」
「とんでもない、キメラだ。あんなものが国内に入ってきたら、とてもではないが持ち堪えることはできない」
「住民たちの避難を頼めますか」
「ああ、キメラさえ押さえてくれれば、何とかして見せる」
 治安部隊の兵士は、そう言うと無線機に声を叩きつける。
「全部隊よく聞いてくれ! ULTから支援が来た! ラストホープの傭兵たちだ! キメラは彼らに任せ、とにかくも住民の避難に対応しろ!」
 そうして、兵士は東の方向を向いた。
「キメラは東の方からやってくる。ジャングルから出没して進軍してくる。すでに相当な被害が出ているが、奴らを東へ撃退してくれ」
「キメラは任せて下さい。住民をよろしく、水無月さん、沖田さん、急ぎましょうか‥‥」
「行きましょう」
「とにかくも、被害が大きくなる前にキメラを片付けましょう。傍若無人に暴れまわるキメラたち、許さないぞ」
 伊織たちは駆け出した。爆炎が舞い上がっている方角へ向かって走る。
「あれですか‥‥」
 ようやく、破壊活動を行っている人型キメラの姿が目に入って来る。
 人型の半機械キメラ――いわゆるサイボーグのような外見のキメラである。
 逃げ惑う住民たちに襲い掛かっている、また火炎放射機やロケット砲を撃ちこんでいる。
「閃光手榴弾――行くよ」
 沖田は左手で隠しつつ、右手で閃光手榴弾を投擲する。沖田はさっと手を上げて合図する。
「鳴神さん、『ぶっとばして』」
 ぴかっと、フラッシュが炸裂して、キメラたちに狼狽の声が上がる。
 ――ガオオオオオオオ!
「行きますよ!」
 伊織は突撃した。小銃を叩き込みながら突進する。
 ドウ! ドウ! ドウ! ドウ! とキメラをふっ飛ばしながら切り込んでいく。
「塵も残さず絶つ‥‥!」
 伊織の一刀が直撃する。エースアサルトの中でもトップクラスの凄絶な一撃がキメラを貫く。
 刀身がめり込み、キメラを切り裂く。
 ズバアアアアアア! とキメラの強靭な肉体が吹き飛ぶ。フォースフィールドを貫通して鬼蛍が切り裂く。
 キメラの反撃を受けとめ、刀を突き出す。ザッシュウウウウ! とキメラの肉が飛ぶ。
「滅せよ‥‥!」
 伊織は裂帛の気合を込めて刀身を振り下ろした。ズン! とキメラを切り裂いた。
 オオオオオオオオオオ‥‥! キメラは咆哮して、伊織に立ち向かってくるが、伊織は力でねじ伏せる。
 キメラの連撃を受け止めつつ、万力を込めて刀を一閃した。ザン! とキメラの胴体が真っ二つに落ちた。
「さすが伊織さん‥‥凄い‥‥」
 沖田は言いつつ、目の前のキメラに打ち掛かっていく。
「僕たちが守らなきゃ、誰がこの人たちを守るんだ」
 沖田はアックスを叩き込んだ。――ガキイイイイイイン! と弾かれるも、そのまま力で押し込んだ。
「やあああ!」
 沖田の一撃がキメラにめり込む。
「これ以上やらせはしないよ! みんなのためにも! ボリビアの人たちのためにも!」
 キメラの抵抗を沖田は受けつつも、アックスを万力を込めて振るう。
「ここから先は通しはしない!」
 沖田は全身の力を使って、ひたすらアックスを振るった。ズン! ズン! ズン! ズン! とアックスがめり込む。
 キメラも反撃してくるが、沖田の猛烈な攻撃にたじたじだ。
 ――ガオオオオオ! キメラは剣を振るって、沖田を弾き飛ばした。
 ズザー! と踏みとどまり、沖田は地面を蹴った。
「お前たちは‥‥ここで倒す!」
 加速する沖田。空を切って加速すると、アックスを撃ち込んだ。
 ズバッ! とキメラの肉体を切り裂く一撃。直後にシールドを跳ねあげてキメラを吹き飛ばすと、躍りかかるようにアックスを振り下ろした。裂帛の気合とともにアックスを撃ち込み、キメラの頭部を粉砕した。
 沖田は吐息して、周囲を見渡す。今の一度の戦闘で疲労が押し寄せてくる。
「はあ‥‥はあ‥‥どうにか倒せたけど‥‥敵も凄く強いや」
 沖田は肩で息をするが、まだ戦闘は終わっていない。キメラたちは傍若無人なまでに破壊活動を続けている。
「やらなきゃ‥‥民を守らなきゃ‥‥みんなを」
 沖田はキメラに向かって走る。目の前が蜃気楼のように揺れている。沖田にとっては激しい戦いだ。心身の疲労が激しい。
 水無月は加速すると、氷のようなオーラをまとわせた武器で攻撃する。
「我が刃ににて、凍てつき氷れ」
 高速で大地を蹴り、加速する水無月。小太刀と爪を叩き込む。
 ドウ! ドウ! ドウ! ドウ! と連打が撃ち込まれる。
 キメラも抜刀すると、でたらめに剣を振り回してくる。
 ――ガキイイイイイン! と一撃、二撃と打ち合う。
 武器にまとう氷のようなオーラが流れるようにきらめく。
「お前たちには、私は倒せん。我が心、肉体、打ち砕くには、貴様らの力の及ぶところでは‥‥ない」
 また加速する水無月、爪と小太刀でキメラの肉体を切り裂く。一撃離脱で確実にダメージを与えて行く。
 キメラは苛立たしげに咆哮すると、凄まじい怪力で水無月を吹き飛ばした。が、水無月は相手の武器に足を乗せるように飛ぶと、威力を殺して着地する。
 流れるように反転すると、水無月はまたしても加速して、キメラの頭部を吹き飛ばした。キメラはよろめくように後退すると、でたらめに武器を振り回す。
「生命力だけは怪物ですね‥‥だが、もはやこれまでです」
 水無月はでたらめな攻撃をするキメラをぼこぼこにして沈めた。

「さて、もうすぐだよみんな」
 スパイホップは言って、周辺を見渡す。密林を行くジーザリオからも、もくもくと立ち上る煙が見える。
「あの辺りのようだね」
 夜狩・夕姫(gb4380)は作戦開始前、非覚醒状態で底抜けに明るい感じであった。
「大丈夫っす、皆ボク達で守るっすよ〜キメラなんかに負けないっすからね〜」
 元気よく、溌剌とした声が弾ける。
「はっ、忘れ物は無かったっすかね」
 突然思い当たって手荷物をガサゴソ、場の緊張を良い意味で緩める。
「えーっと、あれがないあれがない、あれがないとめっちゃ困るっすよ〜、あれ〜どこいったかな〜」
 夕姫は騒がしく後部座席で荷物を漁っていた。
 キリル・シューキン(gb2765)は車内で迷彩服に周囲の植物を貼り付けたりして軽いカモフラージュを行う。
「神話とは違い一人で戦う必要がない‥‥ああ、向こうも一人ではないが」
「あれ〜どこ行ったすかね〜」
 対照的に夕姫は車内で荷物をあちこち漁っている。
 黒瀬 レオ(gb9668)は閃光手榴弾を取りだすと、キリルに手渡す。
「キリルさん、これ、使ってもらえませんか。用意して来たんですよ」
「‥‥閃光手榴弾か。いいでしょう、機会があればね」
「よろしくお願いしますね」
 そこで、スパイホップが車を止めた。
「この辺でいいかな。これ以上は危険かも」
 遠くから爆発と銃撃音が轟いてくる。
「夕姫さん、着きましたよ‥‥?」
 レオが振り向くと、夕姫の姿が変わっている。覚醒して、折れた黒い翼が生えて、髪が腰まで伸びていた。すっと、夕姫は瞳を上げる。
「さぁ‥‥狩りの時間だ‥‥」
 そう言ってコートの前を少し開ける。
「各々油断無く行こう‥‥奴等の死は宣告された‥‥」
 雰囲気一転、夕姫は戦闘モードに入る。
「気をつけてね」
 スパイホップは仲間たちを送り出すと、民間人の避難のために車を移動させる。
「行きましょうか」
 キリルたちは町へ踏み込んでいく。
「ULTからの援軍か! 有り難い! 奴らは怪物だぞ! 注意してくれ!」
 地元の治安部隊は、民間人の避難に専念する。傭兵たちに礼を言って、散っていく。
「レオ、夕姫、合図の閃光手榴弾で攻撃開始だ。私も射撃で支援する」
「よろしく頼むぞ‥‥」
「お願いします。僕でも何とかやりこなさないと」
 傭兵たちは配置につく。
 逃げてくる民間人をやり過ごしながら前進。
 キリルは家屋を利用してガトリングを構える。プローンポジションで待ち伏せる。
 夕姫とレオは家屋に隠れながら合図を待つ。
 やがてキメラたちが姿を見せる。圧倒的な破壊力で前進してくる。
 キリルは閃光手榴弾を投擲すると、ガトリングの攻撃を開始した。
 フラッシュが爆発して、キメラたちの足を止める。
 制圧射撃を猛烈な勢いで叩きつける。
 キメラたちは立ち止って銃撃を受け止め、苛立たしげに咆哮した。
「行きますよ!」
 影から飛び出したレオは、一気に切り掛かった。大太刀を水平に構えて突進すると、そのままキメラにぶち当たった。直撃がフォースフィールドを貫通する。
 夕姫は大鎌を身体の一部の様に自在に操る。滑らかな動きで鎌を振るうと、滑るように一撃を撃ち込んだ。
「例えどの様な強靭な生命であろうと‥‥死からは決して逃れられない‥‥さよなら‥‥」
「よし‥‥」
 キリルは改めて位置取りを変えると、ガトリングを構えて制圧射撃を行う。キメラをじりじりと追いこんでいく。
「良い感じですね。お見事ですキリルさん――食らえ十字撃!」
 レオは太刀を叩きつけた。衝撃波が十字に走る。エースアサルトのスキル、範囲攻撃がキメラたちを薙ぎ倒した。
 ――グガアアアア! 怒りの咆哮を上げて、キメラが突撃してくるのを、サイドステップで回避する。
「こんなところでへたれてる場合じゃないんだ!」
 レオは満身の力を込めてキメラを切り裂いた。刀身が貫通して、キメラの肉体を粉砕する。
 夕姫は鎌を三日月のように構えると、するすると回転しながらキメラに切り掛かる。敵の攻撃は全て回避していく。
「死の鎌‥‥デスサイズ‥‥」
 疾風にて敵攻撃避けて敵の虚を突き、迅雷で即座に接近し、刹那付加で攻撃する必殺の一撃。朧月が閃くように、鎌が切り裂き、キメラの首を跳ね飛ばした。
「二体撃破‥‥が、まだ来る」
 キリルは戦況を確認しながら、ガトリングを撃ち込んでいく。キメラの足を狙い、転倒を狙う。
 レオは獅子奮迅の活躍を見せ、キメラを切り裂いていく。さすがに上級クラスの威力発揮といったところか。それでも複数相手に打撃を受け、後退する。
 キリルが制圧射撃で足止めする間に後退する。
 家屋の影に隠れるレオを、夕姫が救急セットで治療する。
「貴方の死は‥‥宣告されていない‥‥」
「ありがたいですね、まだ運が僕たちにありますかね。行かないと、キメラたちを止めなきゃ。町の人たちはもっときつい目にあっているんだ」
 レオは立ち上がると、再び刀を構えて戦場に向かう。夕姫もまた。

「のんびりしている暇はないわね! 急ぐわよー!」
 フローラ・シュトリエ(gb6204)はイレイズ・バークライド(gc4038)と空言 凛(gc4106)を乗せてジーザリオを走らせる。その横を走るのはドラグーンの月城 紗夜(gb6417)。
「しかし、派手にやってくれたな‥‥そろそろ舞台からきえてもらうぞ‥‥」
 イレイズは言って、厳しい顔を見せた。
「機械のキメラか、でもま、面白そうだな!」
 凛は強敵と戦えるのが心躍るのか、楽しそうにしていた。
「だが、奴ら、ボリビアへの侵入を止めないと、面倒なことになるぜ」
「レイレイ、相変わらず心配性だな! ま、お前らしいっちゃ、らしいけどな!」
 凛は言って、にかっと白い歯を見せた。
「凛、油断禁物だぜ。幾らお前でもな」
「ははっ、戦いとなれば話は別だぜ? なあローラ!」
「まあね。心配がないと言えば嘘になるけどね。でもまだボリビアの戦いは始まったばかりだし、こっちは私たちで持ち堪えないとね。コロンビアから敵が来たら、それどころじゃなくなるだろうけどね」
「よおさやや! バイクの乗り心地はどうよ!」
「我は別にバイクは好きではない」
 月城は言って、軽く首を振った。
「そろそろだぞ」
 それから月城は、前方に目を向ける。
 傭兵たちは混沌とした町に入った。
「行くよみんな!」
 フローラは車を付けると、飛び出した。
 月城は逃げてくる民間人に問うた。
「ULT能力者だ。場所は? 追従するなら身の安全は保証する」
「ULT‥‥助けが来たんですか」
「キメラはどこだ」
「あ、あっちで治安部隊と交戦中です、と言っても逃げるしかないんですが」
「よし、行け」
「到着っと! って、こりゃ楽しんでる暇はなさそうだな‥‥」
 凛は言って、町を見渡した。
「うし、行くぜ!」
 傭兵たちは町の東へ走った。
 また爆発が起こる。
 イレイズは双眼鏡で確認する。
「見つけたぞ。キメラ集団、派手にやってくれるぜ」
「遊んでる暇はなさそうだな!」
「閃光手榴弾行くぞ」
 月城は影に隠れると、閃光手榴弾を投擲した。フラッシュが炸裂してキメラの足が止まる。
 フローラは後衛に付きつつ、エネルギーガンを撃ち込んでいく。
 凛とイレイズ、月城は加速。
「オッラァ! 先手必勝だ!」
 激突する傭兵たち。凛は天拳を叩き込み、月城とイレイズは刀で機械キメラの生身部分を攻撃する。
 閃光でふらふらのキメラを速攻で叩く。
「そろそろかな? もう一発いくぜ!」
 凛は続いて閃光手榴弾を投げる。再びフラッシュが炸裂。
 あたふたと家屋の影から出て来た民間人を保護する月城。竜の鱗でキメラのバズーカ砲を受け止める。
「我は命の保証しかしていない」
「あ、ありがとうございます‥‥!」
「行け」
 逃げる民間人を超機械で援護する。
「おっと! そっちには行かせねぇぜ?」
 凛は瞬天速で回り込む。拳のラッシュにコークスクリューブロー、ボクシングスタイルでキメラを粉砕する。
「このつけは高くつくぜ?」
 イレイズは流し切りで刀を叩き込むと、豪破斬撃でキメラを両断した。
「タフな敵だけど。町の破壊も防ぎつつ、数の不利をなんとかしないとねー」
 フローラは戦闘が激化するのに合わせて拡張練成治療を解放する。ストライクフェアリーのスキルで味方の生命が回復する。
「ここでけりを付けてやる」
 イレイズはさらに一体、キメラを粉砕する。
 かくして、やがて撃破されて行くキメラは後退する。傭兵たちは追撃を仕掛けて、この戦力のほとんどを殲滅することに成功するのだった。